「ごめん〜仕事長引いちゃって…」  
「いいっていいって、ちょうど今出来た所だよ♪」  
「じゃ、おじゃましまーす」  
男の名は多村優亮。  
何処にでもいるごく普通の一般人だ。一つだけ違うとこがあるとすれば今隣にいる女性と付き合っているところだ。  
彼女の名は春河なぎさ。  
バラエティやグラビアなどで最近売り出し中の若手タレントだ。  
自由奔放で純粋なキャラクターとクイズ番組などで珍回答を連発し、徐々に人気が出てきた。  
癒し系のルックスで明るく元気な、常に笑顔を絶やさない姿勢でファンの数を着実に増やしている。  
業界の間でも、天然ながら礼儀正しい、他人に対する思いやりがあるなど、軒並み評価が高く、今年ブレイクするであろうタレントの一人に数えられている。  
 
「いただきま〜す…うん、美味い!」  
「ほんと?よかった〜一生懸命作ったんだよ」  
「本当おいしいよ…クイズはできないのにね」  
「か、関係ないでしょ!それに、私だって調子良い時は大丈夫なんだよ!」  
「じゃあ、そういうことにしとく」  
「う〜〜〜〜」  
いつもの調子で会話をしながらあっという間に手料理を平らげる。  
「ごちそうさま」  
「は〜い!待っててね今片付けるから」  
 
優亮がソファーで一休みしていると、片付けを終えたなぎさが嬉しそうに駆けてくる。  
「ゆうく〜ん♪」  
甘えた声で優亮の隣に密着して座る。  
これは彼にだけしか味わうことができない至福の一時。  
「あっ、なぎさだ」  
適当にチャンネルを回していると、今まさに隣に座っている彼女がブラウン管に写し出される。  
「でもすごいな…今隣に座ってる自分の彼女がテレビ出てるなんて…人生わかんないもんだね」  
幸せを噛み締め、嬉しそうに話しだす。  
「…えっ、あ、ごめん。聞いて無かった」  
「……ま、いいか。それにしてもなぎさは本当面白いね〜見習わなきゃ」  
「えへへ〜どんどん見習ってね♪」  
ぱあっと笑顔になるなぎさ。  
「うん、おバカなとこ以外はね」  
「うんうん…ってまたバカって言った…ひどいよー」  
一転、悲しそうな表情をする。  
「でもいっつも笑顔でいる所とかはかわいいし、好きだなー」  
“好き”という言葉で今度は恥ずかしそうに顔を赤くする。  
(本当おもしろいなーころころ表情入れ替わって)  
「は、恥ずかしいじゃん!そうやって褒めても何も出ないよ!」  
「そりゃ残念」  
「そうだよ!残念だよー」  
(…この先芸能界やってけんのかな…まあ、こいつなら何とかなっちゃいそうだな。)  
 
「今日も疲れた…」  
なぎさがふうっとため息をつく。珍しい光景である。  
「どうした?」  
「芸能界って大変だなって思った。まだカメラの前とか立つとすごい緊張するんだよ。駄目だなあたし…」  
まだデビューして一年足らずであり、そう思うのも無理はない。  
ここ最近は忙しくなり、二人の会う時間も減っている。  
「まあ徐々に慣れて来るよ。なぎさはなぎさらしくやってけばいいんじゃないの?」  
さっきのおふざけとは一転、優しく諭すようになぎさを励ます。  
「でも辛いことや嫌なことがあったら俺に言ってな。聞くだけしかできないかも知れないけど、一人で抱えこむなよ」  
 
(ほんとゆうくんは優しいなあ…名前に優って入ってるからかな?こういうところ、好きになっちゃったんだよねえ…)  
「ありがと♪」  
感謝の言葉を述べると同時に優亮の頬に柔らかな唇を重ねる。  
「そういう事言ってくれるの凄い嬉しいな…もっともっと頑張ってこうって思った♪」  
そう言うとなぎさは自らの指を優亮の指に絡める。  
優亮はこの行為が彼女が次になにを求めているか知っている。  
「絶対口では言わないんだな」  
「うう…だって恥ずかしいじゃん…」  
(まあいっか。俺も我慢出来そうに無かったし)  
内心ほっとしながら優亮はなぎさを優しく抱き寄せ、ベッドへと向かった。  
 
 
「ひゃっ!な、なにすんの?」  
優亮はネクタイでなぎさの両手首を縛り、服を脱いでいく。  
「なんか、一回やってみたかっんだよね」  
「ゆうくんのエッチ、変態!ばか!」  
怒ってはいるものの、全くもって迫力に欠ける。  
愛くるしい顔立ちで頬を膨らませているが、かえって逆効果である。この姿を見て我慢出来る男がいるであろうか。いや、いないであろう。  
両手首を縛られて自由を奪われ、グラビアやファッション雑誌の表紙を飾る誰もが羨むようななぎさの美しい肢体が優亮の目の前にある。  
(これは、やっべーな)  
「も、もう離してよ〜おねが…んあっ!」  
離して欲しいと懇願するなぎさ。  
しかしその言葉を遮るように優亮の手がなぎさの柔らかな胸を揉み始める。  
「きゃっ!…だ、だめだってぇ…あっ…」  
「申し訳ねぇ。これ止まんないわ」  
全く謝意が感じられない謝罪を口にしながら両の手で変化をつけながら楽しそうに手を動かしていく。  
しばらくすると、なぎさの声にも艶めかしい声が混じっていく。  
「んあっ、にゃっ、んっ…んんうっ」  
「あれ?これだけで?やっぱなぎさはエッチだな」  
「ち、ちがっ…んっ…あ…そ、そんな…」  
なぎさの一つ一つの反応が優亮を煽っていく。  
 
続いてなぎさの唇に優しいキスを落とす。  
「んっ…はあっ…」  
さっきまでとは違い、おとなしくキスを受け入れるなぎさ。  
長いキスを終えて唇を離すと、銀色の糸が唇を伝う。  
なぎさは頬を赤く染め、唇も半開きになって人差し指を押し当ている。  
なぎさは無意識でやっているがこの状態はひどく扇情的である。  
「やっべ…すんげー可愛いよ」  
既に優亮の理性も限界に達しようとしていた。縛っている時点で理性もなにもあったものではないが。  
「…うん、優しくしてね」  
 
着ていたTシャツを脱がし、ブラのホックを外すと、形が良く中々の大きさの美しい乳房が現われた。  
優亮の手でなぎさの美しい乳房は様々な形に変えられていき、さらに指が頂点の突起に触れる度に、なぎさは小さく体を震わせる。  
「あっ…ん…ひゃっ!…やあっ…」  
更に固くなった乳首を指で弄びながら、なぎさの首筋を舌でなぞっていく。  
「やああっ!…そ、そんなふうにしちゃ…だ、めぇ」  
そのまま口を胸の前まで持っていき、そこに吸い付く。  
「んああ…だ、めぇ、う…んうっ…」  
優亮の責めの前になぎさは陥落寸前だ。  
(も、もうイきそう…でもおっぱいだけでイッちゃったら変態だって思われちゃ…うよおっ)  
 
なんとか優亮の最初の責めに絶え切ったなぎさであったが首の皮一枚でぶら下がっている状態だ。息も絶え絶えで目もかなり潤んでいる。  
(うう…縛られてるからまた気持ちい…ってあたし変態か!?)  
「へー縛られるの気持ちいいんだ」  
なぎさの心を見透かしたように悪戯っぽく優亮が話し掛ける。  
なぎさは顔を更に赤くする。  
「ち、違うよ!そんなこと思ってないわけないと思うはず!うん!」  
ぶっ飛んだ日本語で必死に否定する。  
「じゃあ、これは何なのかな〜」  
そう言うと優亮は自らの手をなぎさの下着の中に滑り込ませる。  
「ひゃうっ!あ、そ、そんなの…ずるいよおっ…!」  
指先が秘所をなぞる度に、なぎさは小刻みに震えながら、そこから発せられる快感に溺れていく。  
「ああっ…んっ」  
指が中に入る。  
指を動かす度にくちゅくちゅと淫らな音を立てる。  
「あっ…こんな音、恥ずかしいっ…」  
指の動きが激しさを増していく。  
「あっ…も、うらめぇっ、イッちゃう…」  
なぎさの体に力が入る。それを感じ取ると優亮は指を更に激しく動かす。  
「う…あああっ!」  
こうしてなぎさは一度目の絶頂を迎えた。  
 
 
「落ち着いた?」  
なぎさはその問いにコクコクと頷く。  
「じゃ…いくよ?」  
 
「あうっ!…んっ」  
優亮が腰を動かす度に喘ぎ声が激しくなっていく。  
「ああっ…きもひいいよぉっ…」  
「やっぱりなぎさは、ドMだな…縛られてこんなんなっちゃってんだもんね」  
「ううっ…そ、そんなことにゃあい…よぉっ…っあ…」  
普段なら苦痛を覚えるはずの縛られるという行為にも、今のなぎさにとっては更に快楽へと近付いていくスパイスとなっている。  
「ふあっ…やああっ…も、イッちゃいそうだよぉ」  
(さ、さっきイッたばかりなのに!…きもちよすぎだよぉっ!)  
なぎさの体にきゅっと力が入り、絶頂に近付いている事を示す。  
「…今凄いエロい顔してる…」  
なぎさの胸の突起を摘むと、ビクっと体が跳ね上がる。  
「俺もそろそろだっ…なぎさ…」  
「んっ…ゆーく…んっ、あたしもっ…イッ…んやああああっ!」  
 
 
「ゆーくん激しすぎ…大変だよ…」  
「いや〜ごめんごめんなぎさが余りにも可愛いからつい…」  
「反省してるんだったら…好きって言って♪」  
「はあっ!?そ、それとこれとは関係ねーだろ!?」  
「言えないの…?」  
上目遣いでじっと見つめる。  
(…………!こ、この目は反則だろ…やろう、とんでもねぇ武器手に入れやがったな)  
「…好き」  
頭を掻きながら小さく呟く。  
それを聞き取ると、なぎさは最高の笑顔で、  
「私もだ〜い好き♪」  
 

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