仁美vsさやか
登場人物
☆☆村中仁美☆☆
若手ナンバーワンと言われる人気女優、21歳。ルックスよし、スタイルよし、演
技力よしのスーパースターで、若手女性芸能人の最大派閥・村中会のリーダー
でもある。性格はプライドが超高くて傲慢なふるまいが多く、彼女を密かに嫌う人
間も多い。自分に従わない崎宮さやかが大嫌い。
☆☆崎宮さやか☆☆
村中仁美と人気を二分する若手女優、20歳。世間的には清純派女優として通っ
ているが、実は野心満々で、ライバルの村中仁美を、自分に屈服させようとチャン
スをうかがっている。村中会に対抗して、崎宮会を組織してリーダーとしておさまっ
ている。
この二人の抗争を軸に芸能界の裏のドロドロを描く問題作!
といきますかどうか。
ある日、若手人気女優崎宮さやかの元に一通の手紙が届けられた。
送り主の名前は、村中仁美となっていた。仁美はさやかと芸能界の
人気を二分する宿命のライバルである。
(村中仁美からわたしに? 一体どんな用件なの?)
驚きながら開封して読んでみる。
崎宮さやか様
前略、実はあなたの不倫スキャンダルの証拠の写真を手に入れ
ました。これを使ってあなたを潰すことも可能です。
しかし、わたしはそんな卑劣な手を使いたくありません。あなた
とは、いずれ決着をつけなくてはいけない、と思っていました。一
対一の勝負を所望します。
本日夜九時、都内のKジムに来てください。もし来ない場合逃げ
たとみなし、証拠をマスコミに公表します。
村中仁美
追伸:下着の代わりにビキニを着てくることを忘れないように。
「あっ!」
さやかは手紙の内容に驚愕した。不倫スキャンダルの証拠を掴
まれてしまったなんて――
相手は妻子ある有名男優だった。もちろん、不倫は芸能界では
珍しいことではないが、清純派で売っているさやかのそんなネタが
公になれば、大ダメージである。
CMは打ち切りになるだろうし、主演ドラマも降ろされるかもし
れない。絶対食い止めなくてはならない。
それにしても、よりによってそのネタが仁美のところに行ってし
まうとは……
(なんて事よ!)
悔しさで、さやかは顔を真っ赤にして拳を握り締めた。だが、一
対一の勝負とはなんだろう? ビキニを指定してくるなんて、プロ
ポーション審査でもする気なのか?
だが、行くより他に選択肢はなかった。さやかは覚悟を決めた。
「待ってたわよ、さやかさん」
指定された場所に着いたさやかを、仁美が待ち受けていた。マン
トのようなコートを羽織り、いつものように自信満々の様子だ。
「こっちよ」
だまってさやかは仁美についていった。さやかは上下ともジャー
ジ姿だった。言われた通り、下にはビキニを着ていた。
「ここが勝負の場所よ」
ホールに案内されたさやかは息を呑んだ。ホールの真ん中には、
ボクシングかプロレスをするためのリングがあった。その周囲には
拷問にでも使うようなおどろおどろしい用具がいくつも並んでいる。
そして、ホール内には10人ほどの女性タレントがいた。全員が村中
会のメンバーだった。
「ちょっと、話が違うわ! 一対一のはずよ!」
さやかは抗議したが、仁美は涼しい顔で
「この人たちはただの観客よ。勝負はわたしたちだけ。内容はキャ
ットファイトよ。どう、受ける? 逃げてもいいのよ」
さやかに挑戦状を叩きつけたのだった。
「キャットファイト……」
絶句するさやかを尻目に、仁美はサッとリングに駆け上がり羽織
っていたコートを脱ぎ捨てた。上下とも黒いビキニに包まれた仁美
の見事なプロポーションが露わになる。
「ルールは立ち技、寝技なんでもありの総合格闘技ルール。決着は
ノックダウンかどっちかがタップするまでよ」
「そして……」
静かな口調で、この勝負の本当の目的を告げた
「負けた方は、一時間、勝った方の言う事をなんでも聞かなければ
ならない。これがルールよ」
さやかはハッとした。リングの周囲に用意された拷問の道具、こ
れらは、わたしのために準備されているのだ。わたしを拷問にかけ
て辱めようというのだ。
負けてたまるものか――
負けず嫌いのさやかの闘志に火が付いた。
「あなたが勝てば写真のネガは渡す。でも、わたしがボクササイズ
で身体を鍛えてるの知ってるでしょ。逃げるなら今のうちよ」
仁美は不敵な笑みを浮かべ、パンチングポーズから女にしては素
早いワンツーのシャドーを披露した。このジムでボクササイズの鍛
錬をしているのだ。
「逃げないわ。この勝負受けてやる!」
さやかは、ジャージを脱ぎ捨て、上下白のビキニ姿になり、リン
グに上がった。もう開き直っていた。逃げたら、不倫写真を公開さ
れて女優生命を失うことになる。どの道戦うしかなかった。
「ヒューヒュー!」
村中会のメンツからヤンヤの喝采が上がった。もう戦う前から勝
利を確信しているようだった。
村中仁美と崎宮さやか、芸能界二大人気女優の意地とプライドを
賭けたガチンコキャットファイトが始まろうとしている。
(それにしても大変な自信家ね、あの人。)
わたしを力で屈服させて、ひざまずかせるために、わざわざこん
なシチュエーションを設定したのだ。わたしを潰すだけなら写真を
マスコミに流すだけで済んだはずだ。
――負けた方は、一時間、勝った方の言う事をなんでも聞く
自分が負けるなんて、微塵も思ってない。この設定でわたしを精
神的に辱めて、服従させるつもりなのだ。
(その自信過剰が命取りよ)
要するに、わたしが勝ってしまえばいいのだ。そうすれば、逆に
仁美を屈伏させることができる。
さやかは委縮するどころか、逆に闘志を漲らせた。
リング上で仁美とさやかは対峙した。仁美は上下黒、さやかは白
のビキニだ。二人とも、トップモデル並みの素晴らしいプロポーシ
ョンをしている。グラブ、シューズはつけず素手素足だった。これ
は、ボクシング得意の仁美に有利な条件だ。
「さやか〜、ビキニが食い込んでるよ!」
声が飛んだ。えっ、とさやかはお尻に手を当てた。顔が赤くなっ
たが、別に食い込んではいなかった。
「ギャハッハ」
下品な笑いが起こった。リングを取り巻く村中会の連中のヤジだ
った。さやかはグッと唇を噛みしめた。ここは仁美のホームグラウ
ンド、わたしは孤立無援だ。
試合を裁くのは、ジム所属のレフェリーだった。
「時間は無制限。急所への打撃、眼つぶし以外は基本的になんでも
あり。決着はテンカウントノックダウンか、タップするまでだ」
と簡単にルールが説明された。
「よし、ファイト!」
レフェリーが告げ、遂に二人の運命を決めるキャットファイトが
開始された。
「行くわよ!」
自信満々の表情を浮かべた仁美が、ボクシングのファイティング
ポーズを取りながら、さやかの方ににじりよってきた。
接近戦は不利だとばかりに、さやかは逃げ回った。
(あのパンチ食らったらおしまいだわ、どうしよう?)
「フフ、逃げてばかりじゃ、勝負にならないわよ!」
仁美はさやかを挑発した。
(ようし!)
さやかは脚からスライディングするような形で仁美の脚めがけて
ローキックにいった。仁美は飛び跳ねてかわした。
さやかは、そのままリング中央に仰向けに寝転がった。仁美が近
づこうとすると、脚を蹴り上げ近寄せない。仁美は面食らった。
「アントニオ猪木が対アリ戦で使った戦法よ。わたしがプロレスオ
タクなんて知らなかったでしょ」
ファンにも知られていない事実だったが、さやかは熱心なプロレ
スファンだったのだ。
「くうっ! 小癪なやつ」
さすがの仁美もうかつには手を出せない。膠着状態が続いた。さ
やかが寝そべり、仁美は立ったままでにらみ合っていたが、一瞬、
仁美の集中力が途切れ、目を逸らした時だった。
「今だ!」
さやかが素早く体勢を変え、仁美の脚に飛びついた。そのまま脚
を引っ張って引きずり倒す。
「ああっ!」
仁美はもんどり打って倒れ、背中を強打した。さやかにビッグチ
ャンス到来である。
サッと立ち上がり、仁美の両足首を掴んで両脚を持ち上げた。そ
して自分の右脚を彼女の両脚の間に差し込んで、そのつま先を股間
に押し当てたのだ。
「仁美さん、電気アンマをおみまいするわ!」
さやかは、両脇に抱えた仁美の両脚をグイッと引っ張った。
「きゃあああっ!」
たまらず、誇り高い女王前村仁美が美貌を歪め、悲鳴を上げた。
さやかの右足の親指が仁美の股間に食い込み、女の最も敏感な
部分を刺激した。
「いやああっ!! 何するのよ!」
奇襲攻撃を受けた仁美がわめいた。
「ちょっと! 反則じゃない! レフェリー、やめさせてよ!」
村中会のナンバーツーである、人気グラビアアイドルの南村奈々
が激しい口調で抗議した。だがさやかは涼しい顔である。
「急所への打撃なら反則になるわ。でもこれって触ってるだけだか
ら反則じゃないわよ」
「くっ!」
抗議は認められず、さやかの電気アンマ攻撃は続いた。
「フフ、仁美さん、いい気持ちにさせてあげるわよ」
優位に立ったさやかは、ここぞとばかり嵩にかかって責めの体勢
に入った。まるで手の指でまさぐるかのように、右足の親指でビキ
ニパンツの上から仁美の股間をさぐった。
ある一点に来た時だ。
「アアアッ!」
仁美が喘ぎ声をあげた。
「見つけたわ! ここね」
攻めるさやかの表情に喜びが浮かぶ。仁美の弱点を探り当てた
のである。親指が仁美の陰核に触ったのだ。
「今から、ここを責めさせてもらうわよ。がまんしないでイッちゃ
っていいのよ、仁美さん」
逆に、攻めを受ける仁美の顔には逆に怯えが浮かんだ。これから
自分が受ける羞恥拷問の予感におののいているのだ。
「い、いやっ! やめてっ! やめてちょうだい!」
常に女王気どりで強気の姿勢を崩さない彼女にしては珍しいめっ
たに他人に見せない態度だ。
(フフ、いい気味だわ。普段から威張ってるからこうなるのよ、よし、
いびっちゃお)
積年の恨みを今こそ晴らすべく、さやかは一気呵成に攻めに出た。
「じゃ、いくわよ〜」
調子に乗って、女王仁美の股間に押し当てた足の指をぐりぐりと
動かす。
「あっ、うっ!」
敏感な場所を責められて、たちまち感じてしまった仁美の美貌が
歪んだ。声が出ないように懸命に口を手で押さえる。
子分たちの見ている前で、はしたなく乱れたり、悶えたりする場
面など見せてはならないのだ。
さやかは、そんな仁美の心情を見透かしていた。
(村中会の人たちの前で、大恥を掻かせてやるわ)
さやかは、仁美の股間をやわらかいタッチで触ったり、強く押し
当てたり硬軟自在に責め立てた。
そして、遂にさやかの責めに仁美は耐えられなくなってしまう。
「アアアッ!」
我慢できなくなり、大きな喘ぎ声を出してしまったのだ。