「今日の部活もきつかったなー」
いつもの用におフロに入っていると―――カチッ!
「わっ!」 電気を消された。
「もうやめてよっ、里美おねえちゃん?」
ドアをあけて明かりをつけるが、犯人の姿は見当たらない。
「高校生のくせにガキだね、まったく」
やれやれといった口調でドアを閉めると、悪戯な声―
「ざ〜んねんでした」
「知美おねえちゃん?(大学生のクセに・・・)ふぅぅ」
中学生になってようやく3ヶ月、背を伸ばそうとバスケ部に入ったはいいが
もともと華奢な身体つき、ついていくのがやっとだった。
「もうすぐ期末試験だな〜 勉強が苦にならないおかげで、中学生やっていられるよ」
誰にこぼしているわけでもなく、艶のある髪をふきながら二階の机に向かう。
「今日はこのくらいでっと♪」
教科書を閉じ、階段を下りていくと、お風呂場に明かりが・・・
「(!そーだ、へへへ仕返しだ)」
「(いつも月曜のこの時間に入ってるのはお母さんか知美おねえちゃん。
さらに今日は結婚記念日でお父さんとディナーショー。となると・・・)」
「犯人はおまえだ! 桜坂 知美さん!!」
某探偵アニメの様に、そう言って明かりを消す・・はずだった。
眩しい閃光とともに、地響きをおこすほどの雷鳴―――そしてお約束の停電
「キャーーーー!(ドタドタッ)」 雷に負けないくらいの叫び声
「お、おねえちゃん、大丈夫!?」
「ま、まーくん?」 ドアが開く音がする。とにかく暗くて周りが見えない。
「うん。停電だね ちょっと待っててライトとってくるよ」
「えー。アブナイよ、てゆーかアタシ・・」 ピカッ! バリバリバリっドーン
「キャーーーーーーー!」
「うっひゃー。びっくりしたな〜近かったねぇ」 こちらは怖がり方にも余裕があるようだ。
「ん?」
息苦しさを感じながら気がつくと、ビショ濡れのおねえちゃんにしがみつかれていた。
「うーヤダヤダ、アタシ雷ニガテなんだってば。行かなイ・・キャーーーー!」
稲光がする度に、腕に力が入り、苦しくなる。 振りほどけない――
「ちょちょっとおちつ、イテっ!」
小柄な女性とはいえ相手は大人だ。
腰が抜けたのか、体重をかけられ倒れこんでしまった。
転んだ痛みがじわじわ疼いている間にも、非道な雷鳴(=しめつけ)は続く
「あたたたた。痛いし、苦し・・・あれ?」
さきほどと比べ苦しくない。むしろ、
「やわらかい・・?」
後ろからではなく、サイドから飛びつかれたのだろう。見事に胸のなかに
顔をうずめる格好になっているようだ。それも小柄とはいえオトナの女性の。
「ちょっ(と離して」
「ンヒャあっ!」
声をだそうと口をひらいてしまったのがいけなかった。
同時にちょっとだけ腕のちからが緩んだ。
「(あれ、かたいものが舌にあたったような・・・)」
「(うわっ、何このかたいの? 虫!!・・・)」
―――――――「まーくん、ほら見て見て!」
「ちょうちょだよ〜♪」
「やめてっ。おかーさんにいいつけるぞ!」
「バッタ投げつけちゃえ!」
「あははは・・里美やりすぎぃ」
「うわーん、おかーさーん!」
「あれ?まーくん!背中にクモついてるよ!」
「ヒっ!・・・(ぱたり)」
「あーあ。また知ちゃんがトドメ刺しちゃった」――――――
「ムググ・・(ちょっと噛んじゃったぁ〜)」
口内に入ってきた異物を舌で、指で、押し退けようともがいてると
「あは、まーくんったら何嫌がってるの?」
いつの間にか、どういうわけか、すっかりその気な姉の声で我にかえる。
「おねえちゃんのオッパイおいしくなかったのかなぁ?」
暗闇の中、ようやく事の重大さがわかってきた。
「え?い、いやその・・虫かと思って」
耳を甘がみされ、吐息を吹きかけられると
明らかに、自分の顔が頬擦りしてくる姉の体温よりも高いのを感じる。
「そういえば、今度テストなんだってね?中1の期末の〜
保健の範囲はねぇ。人体についてだよ、うふ。」
首筋をちろちろといやらしく這う舌・・・思わず身が縮む。
「し、知ってるから・・それに内容もプリントから出題だって・・///」
振りほどこうにも、暗くてどこに何があるのかわからず、焦ってしまう。
「一夜漬けはダ〜メ、基本からしっかり学ばないと、そっ“根本”からね」
あれこれ言っている間にも姉の手によって体中を弄られる。
「わっ、ちょっとヘンなとこ触んないで。
それに真っ暗なんだから教えてもらってもわかんないよ」
「(おねえちゃん、暗いのになんでわかるの?・・)」
慣れた手つきで妖しく、時に激しく、くすぐってやるが
「あれぇ〜、おっかしいなぁ・・・まーくんオナニーとかしてるの?」
「何を?それより っくはは・・くすぐったいってば!」
「くすぐったいだけ?なんか、こう気持ちいいとかは?」
「うひゃっ!ぜんぜん・・それより、おなかがっ・・痛いって!」
「(あーれー。セックスマッサージと前菜には自信あるんだけどな〜?)」
先ほどから弟は、息を切らして笑い苦しむだけで、一向に勃ってくる様子はない。
「(なんか手腕を否定されてる気がして悔しいわね・・よぉし)」
知美は実力行使に出た。上体を起こし、顔にまたがろうとしたとき、刹那の閃光。
その稲光に、蒼く照らされた姉の裸体は永遠に目に焼きつくほどに艶かしく
恐怖すら感じるほどだった。
「そーいえば、まーくん。お姉ちゃん虫を飼ってるの」
「え?」
冗談に決まっている、が
何の意味が込められているのかまでは分らなかった。
「ケムシだよんっ!」
そう言うが早いか、自分の味を覚えさせるかの如く、ゆっくりと腰を
動かし顔へ擦り付けてやる。
「わぁっ、や・・うぐぐぐ」
ぬるく、湿ったけむくじゃらが鼻と口とを往復し、ソープと、そして違う何かが香る。
「(こ、これって・・・!)」
未知との遭遇だったが、それが何かはわかっていた。
「(やっぱりこんなのじゃダメかな・・アタシは結構好みなんだけどな〜♪)」
「まーくん、前みたくいっしょにおフロ入ろうよ。背中ながしっこしたり」
「あぐぐ・・いい、さっき入ったから。もう汚れはないから」
「だ〜い丈夫!これからあっという間に汚れちゃうんだから。おねえちゃんも
まーくんに汚されちゃうんだよ?自分で汚したらちゃんとキレイにしなきゃ」
「えへへ、どこ汚したい?顔かな?それとも、今目の前にあるトコ?」