狭く小さな資料室の中で、真理子は椅子に座っていた。  
白く細い指先が、かすかに震えている。  
長く艶めいた黒髪が、そよ風にさらりと揺れて、真理子は頬にかかったそれを払った。  
昨日と同じか、それよりも少し早いくらいの時間に、真理子はここへ来た。  
 
来たくはなかった。  
あんな恐怖は、二度とごめんだ。  
出来ることなら、何もなかったことにしてしまいたかった。  
だが、それではこの先、自分は何も出来なくなってしまう。  
だったら、自分からきちんと彼に言って、決着をつけなければならない。  
教師なのだから。  
彼女はそう思って、必死に自分を奮い立たせ、ここに来た。  
そして、約束の彼を待った。  
 
「あれ」  
ドアががらりと開けられて、明るい声がした。  
真理子ははっとなって、顔を上げた。  
「先生、早いじゃん」  
博人がにやにやしながら、ドアを閉めた。  
彼が後ろ手ながら、抜け目なく鍵をかけるのを見て、真理子の心に恐怖が湧き上がる。  
―――しっかりしなさい。きちんと、言わなきゃ。  
自分を叱咤するように心の中で呟くと、真理子はキッと視線をあげ、椅子から立ち上がった。  
「もしかして、俺のこと、待っててくれたの」  
「ええ、そうよ」  
真理子は出来るだけ、表情を変えずに言う。  
かすかに語尾が震える。  
「へえ」  
博人は少し驚いたような表情で、真理子に近づいた。  
見下ろしてきた彼から思わず一歩退いて、真理子は言った。  
「あなたに言いたいことがあって、待ってたのよ」  
「なんだろうなぁ」  
博人は大げさに首を傾げると、シャツのボタンを外し始めた。  
「俺とセックスしたいってこと?だったら、言われなくてもしてやるよ」  
シャツをはだけさせた彼が、真理子の腕を掴もうとして、真理子は逃げ退った。  
「やめて!」  
真理子は叫んで、胸を隠すようにして手で押さえ、彼を睨んだ。  
博人はにやにやしながら、真理子に言った。  
「へえ、みんなにバラされてもいいんだ」  
「言いたければ言えばいいわ」  
真理子は強い視線で、博人を見返した。  
「貴方の言いなりにはなりません。言いたければ、言えばいいでしょう。きちんと出るところに出たっていい。あなたには負けない。それを言いに来たの。…それじゃ」  
真理子が早口で言い放ち、逃げようとしたとたん、いきなり手首を掴まれた。  
彼に引き寄せられる。  
「先生」  
博人がにやにやしながら言った。  
真理子はてっきり、彼が興奮して怒るか、驚くかと思っていた。  
だが、意外なことに、彼の表情はさほど変わらず、余裕な笑みすら浮かんでいる。  
真理子の頭の中が、徐々に不安と恐怖に侵食されていく。  
真理子は、興奮と恐怖で細かく震える身体を必死に抑えながら、小さく叫んだ。  
「離しなさい!」  
「先生が言いたいことはわかったよ。でもさ、俺は」  
彼は真理子の顔を覗き込みながら、ゆっくりと言い聞かせるように言った。  
「先生とセックスしたいんだよな」  
 
細い手首を真理子の喉元に捻り上げる。  
「俺は、どうすればいい?」  
にやりと下衆な笑みを浮かべながら呟かれ、真理子はその残忍な色の浮かぶ瞳に脅えた。  
「し、知らないわ!離して!!」  
真理子は震えながら叫んだ。  
彼から顔をそむけて、手首を外そうとするが、すごい力で掴まれていて、びくともしない。  
ますます、恐怖が背中から駆け上がる。  
「は、離して…!いや!!」  
「先生、テストしよう」  
博人は真理子の手首を掴んだまま、足を踏み出した。  
体重を乗せられて、たたらを踏んだ真理子の身体を、彼はスチールの机に押し倒した。  
「いやっ、やめて…!人を呼ぶわよ!!」  
「呼べばいいじゃん」  
博人は真理子の両手首を頭上に押し付けながら、ブラウスのボタンを忙しなく外した。  
「誰もいないって。それに、先生が俺とここにいること、どう説明出来るのさ。俺は少なくとも、先生に呼び出されたって言えるぜ。テスト中だもん、自分から学校に来る理由、ないしさ。困るのは、先生の方じゃないの。生徒と、こんなところで、二人っきりでさ」  
「!!」  
真理子は瞬時に自分の不利を悟った。  
どう言い返せばいいのか。頭の中が混乱して、うまく言葉が出てこない。  
博人の手がブラウスを乱暴にはだけて、ブラのホックも外した。  
白い乳房があらわになって、ピンク色の乳首が零れた。  
「いや、やめて!やめて!」  
「だからさ、先生、テストしよう」  
博人はブラウスもブラも上にかきあげて、いきなり真理子の乳房を握った。  
白い乳房が、彼の中で醜く歪んだ。  
「んっ…!」  
真理子はその握力の強さに、顔を歪めた。  
長い黒髪が、机の上でまた乱れた。  
やわやわと指を動かしながら、博人は真理子の上にのしかかるようにして顔を覗き込んだ。  
「先生が俺とセックスするの嫌だっていうなら、その証拠、見せてよ。嫌だったら、濡れないよね?昨日みたいに、あんなにさ」  
昨日みたいに、という言葉を聞いて、真理子は瞬時に顔を染めた。  
恥ずかしさと悔しさと、怒りと興奮とで頬が染まり、頭の中が熱くなる。  
博人は顔を赤らめて唇を噛んだ真理子を見て口元を歪めた。  
しっかりと指を立てて柔らかな乳房を揉んでいく。  
指の間からこぼれた乳首が、ぷるぷると揺れた。  
「…っ…!…っ!」  
「それが証明出来たら」  
博人は真理子の目を凝視しながら、挑戦するかのように強い視線を投げつけ、低い声で告げた。  
「俺、これ以上先生に手、出さないよ。このことも、誰にも言わない。約束する」  
真理子が博人を睨み上げる。  
無言の時間が数秒続いた。  
真理子は、承諾も拒否も口にしなかった。  
ただ、脅えた色と抗議の色、挑戦的ともいえる強い視線を彼に向けて、睨んでいた。  
博人は真理子に異議なし、とみなすと、かすかに口元を歪め、真理子の手首を掴んだまま、彼女をうつ伏せにひっくり返した。  
 
白い乳房が無機質なスチールの机に押し付けられ、その冷たさに真理子は肌を粟立たせた。  
形の良い豊かな乳房が無残に歪み、華奢な背中から脇へとはみ出した。  
博人はスカートのホックに手をかけると、乱暴にそれを引き降ろした。  
ストッキングと下着に包まれた形の良い尻が突き出された格好になり、その淫猥な姿に、博人は欲望を強くそそられて、一気に剥ぎ取った。  
綺麗な曲線を描く白い臀部があらわれ、博人はごくり、と唾を飲み込んだ。  
「先生、手はここだからね。絶対、離すなよ」  
真理子の華奢な手を机の端に押し付けて、しっかりとつかまらせる。  
そして、おもむろに真理子の尻肉を両手で掴んだ。  
「んっ…!」  
「じゃあ、テストさせてもらうね、先生」  
尻の肉を片手で軽く揉みながら、博人は真理子の上にのしかかって、邪魔なブラウスを押し上げた。  
そして、一息つくと、白く透けるような背中の肌に、舌を下ろした。  
「ひっ…!」  
真理子は腰を跳ねさせた。  
ぞわり、と肌が粟立った。それを感じた博人は、かすかに口元を歪めた。  
「感じてないんでしょ、先生。俺とセックスするの、いやなんでしょ。じゃあこんなの、平気だよねえ」  
彼の意地悪い口調に、真理子はぎゅっと唇を噛み、思わず漏れそうになる吐息を堪え、目を閉じた。  
博人は真理子の背骨にそって舌を這わせ、行きつ戻りつ、舌を徐々に下半身へと動かしていく。  
「…、…」  
真理子の呼吸が、少しずつ少しずつ乱れていく。  
こんな馬鹿な申し出を受けて、自分でもおろかだと思う。  
だが、彼の言っていることにどう反論すればいいのか、彼女には皆目わからなかった。  
うぶな真理子は、女は感じるから濡れる、と彼女も思っていたし、女の身体が、たとえ意にそぐわぬ行為であっても、防衛のために濡れることがあるということも、心とは別に身体が快楽を感じて濡れることがあるということも、知らなかった。  
そして、真面目な彼女は、彼の詭弁をそのまま受け止め、彼の土俵で抵抗しようとしてしまった。  
それこそが、彼に支配されていくことの一端だとも気づかずに。  
 
彼の熱い舌が、背中の半ばを過ぎて、腰に近づく。  
真理子は必死に唇を噛んで、ため息が漏れそうになるのをこらえていた。  
濡れた感触に産毛を逆立てながら、真理子は鈍った頭の中を侵食しはじめた恐怖に、身を縮ませた。  
彼の舌が、このまま、下りていってしまったら…。  
背骨を辿って、その先へ行ってしまったら…。  
そう考えると、ひどく怖かった。  
とても恥ずかしい部分を、彼に舐められてしまう。  
自分でも見たことがない場所を、男に見られてしまう。  
その事実が、ひどく怖かった。  
それに加えて、どす黒い不安が頭をもたげてきていることに気づいた。  
気持ち良いわけではないのだが、これほど舌でぞくぞくさせられて、腰から下…いや、腰の奥に、不穏で、もやもやしたにぶい感覚が、たまり始めているのを認めざるを得なかった。  
さっきから、なんだか下半身がひどく熱くなってきている。  
もしかしたら、昨日のように、あそこが濡れてしまっているかもしれない。  
真理子は強く首を振った。  
それだけは、嫌だった。  
好きでもない相手に昂ぶらせられ、あんなに愛液を溢れさせられたことが、ひどく恥ずかしく、そして情けなかった。  
最後には自分が自分でなくなるような、忘我な状態にさせられることが、ひどく不安で、そしてとても恐かった。  
 
尻肉を掴んで、柔らかく揉みながら、舌が腰骨をなぞる。  
真理子はそのなんともいえない微妙な感触に、机にしがみつき、腰をくねらせた。  
「ん、ふ…ぅっ…!」  
乱れた吐息が漏れた。  
すでに彼女の呼吸は荒く早まっていて、かすかに汗ばんだ肌は薄くピンクに染まってきている。  
尻肉を揉まれていると、彼の親指が秘所に近い場所を押してきて、しびれるような刺激が腰に渦巻く。  
その腰を舌で舐められると、ますます不穏な感覚が強まり、ぴく、ぴく、と腰がくねってしまう。  
「んっ…」  
真理子は強く目をつぶった。  
…こんな…これ以上されたら…。  
博人がしゃがんだのか、臀部を掴む手の位置が下がり、閉じていた真理子の恥ずかしい場所が、強引に大きく広げられた。  
「や、いや…っ!」  
真理子が思わず小さく叫んで、腰を振った。  
「いやっ、やめて…!」  
「…ねえ、先生。ひとつ質問していいかなぁー?」  
抵抗する尻を押さえつけ、博人は面白がっているような口調で問い掛けてきた。  
博人の指が、真理子の秘所に当てられた。  
「ひっ…!」  
「これ、どういうことかなぁ」  
ぴちゅ、と大きな粘質音がして、そこがひどく濡れていることを示す音がした。  
「こんなになってるよ…?ねえ…」  
ぴちゃぴちゃと襞を撫でる彼の指も、掌も、全部が熱くぬるぬると濡れていく。  
自分でも驚くほど、股全体が濡れていた。  
真理子は愕然となった。  
さっきから熱いと感じていたのは、自分が濡れていたからだったのか。  
彼の手をびっしょりと濡れさせるほど、愛液がひどく溢れていた現実に、真理子は動揺し、混乱した。  
「や、いやぁ!!いや!離して!!」  
真理子は無我夢中で暴れた。  
「離して!やめて!違う、違う!!」  
「先生」  
博人は乱暴に真理子の手首を机に押さえつけると、華奢な背中にのしかかって、動きを封じた。  
「俺とセックスしたくないなら、その証明をしろって言ったろ?いやなら濡れないって言っただろ?…その結果がこれ」  
博人は真理子の秘所を強く撫でた。彼の太い中指が、真理子の入り口に一瞬潜った。  
「はぁあ…!」  
思わず背をのけぞらせた真理子の耳元で、博人は低い声で、昨日と同じ絶望的な言葉を宣告した。  
「もう、わかったろ。先生はね、淫乱なの。俺とセックスしたいんだよ、ものすごく」  
 
絶望にまみれた真理子を床に乱暴に投げ倒し、博人は真理子を見下ろした。  
「脱げよ」  
博人は不遜に顎をしゃくった。  
「セックスしてやるから。望みどおり」  
真理子はぶるぶる震えたまま、脅えた表情で、彼を見上げた。  
彼は怒ったような表情を浮かべて、真理子を睨んだ。  
「俺とのセックスがいやだって証明、出来なかっただろ。先生の負け。だから、罰として、俺のいうこと、きくしかないんだよ。当然だろ?」  
静かな低い声が、かえって真理子の恐怖を煽る。  
彼の鋭い視線に射抜かれて、真理子は恐怖に震えて身を強張らせた。  
「早く脱げよ」  
彼がまた命令した。  
「そんな濡れ濡れのくせに、意地はってんなよ。ほら。…コレ、挿れてやるから」  
濁った瞳で凄惨な笑みを浮かべ、彼はズボンのベルトを外して、猛ったペニスを表に出した。  
真理子の頭の中が一気に痺れ、思考能力が瞬く間に奪われていく。  
まるで操り人形にでもなったかのように、真理子はうつろな瞳でそれを見つめると、震える手でぎくしゃくとブラウスを肩から落とした。  
 
「腰を下ろして」  
博人は、真理子に命令した。  
床に寝そべった彼の腰をまたがされていた真理子は、うつろな瞳で彼を見下ろした。  
諦めと絶望で濁りきった意識の中で、彼の言葉にがんじがらめな自分を感じる。  
白い乳房はぬめぬめと濡れて、先端がぴんと硬くそそりたっていた。  
さっきと同様、彼女は彼の愛撫で完全に翻弄されていた。  
心は絶望しているのに、身体は確実に反応することを骨の髄まで思い知らされ、彼女は逃げ出す気力も失せていた。  
真理子は静かに目を閉じて唇を噛むと、じりじりと腰を下ろした。  
息を止めた彼女の熱い割れ目が、ぴちゅ、と微かな音を立てて、彼の昂ぶったものの先端を捉えた。  
真理子は一瞬身を強張らせ、腰を止めた。  
昨日蹂躙された恐怖と不安が全身を走り抜けて、身体が震える。  
しかし、そうした頭の中とは別に、彼女の女の場所が、身体の奥で燃えるような熱をもって震えたのを真理子は感じた。  
愛撫されて濡れそぼった膣が、彼の猛々しいペニスを、待ち焦がれている。  
今も下腹部の奥が鈍痛を残すほど、昨日、乱暴に犯されたというにもかかわらず。  
今からだって、きっと乱暴な挿入を繰り返されるだろうにもかかわらず。  
彼女の雌の場所は、彼のもつ雄そのものを欲していた。  
力強く、彼女を支配する肉棒を。  
それを認識した彼女は、何かを考える気力を一気になくした。  
倦怠に近い自棄の気持ち一色で、真理子は再び腰をゆっくりと下ろした。  
張り詰めた大きな亀頭が、真理子の小さな穴を強引に押し広げた。  
「あ」  
中にめり込んだ太く硬い幹が、充血して狭まった熱い肉の道を、容赦なく圧し開いていく。  
「あ、あああああ…!!」  
唇を開いて、吐息と悲鳴を同時に吐き出しながら、真理子は喉をのけぞらせた。  
身体の重みと、背中をそらせた角度ゆえか、ぐ、ちゅん、と音をたてて彼のものが根元まですっぽりと、真理子の中におさまった。  
 
「はぁあ…!」  
膣内から喉元まで一気に押し上げられたような圧迫感に、真理子は思わず背中を逸らせて、悲鳴を上げた。  
肺の中の空気を全部吐き出すごとくに、声を上げる。  
思わず腰を浮かせ、その分わずかに呼吸が楽になり、小さく息を吸い込む。  
博人はその動きに低くうめくと、真理子の腕を引っ張りながら、自分の身体を起こした。  
彼女の腰に手を置いて、ぐいっと自分の方へと押し付ける。  
「あ、はぁっ…!」  
また目一杯、奥深くまで挿入されて、真理子は悲鳴を上げた。目の前が一瞬白く弾けた。  
呼吸が苦しくなり、息が上がる。  
「はぁ、あぁ、はあっ…!」  
「真理子ちゃん」  
博人は真理子の腰をしっかり押し付けながら、興奮しきった声で、彼女の耳元で囁いた。  
「俺は、腰を下ろして、って言っただけだよ。挿れろ、なんて一言も言ってないのになぁ」  
彼の言葉で、真理子の絶望に汚染された頭の中が、さらに深い絶望に覆われていく。  
彼女を抱きおさえたまま、博人は強く彼女を突いた。  
「あああっ!」  
「真理子ちゃんは、淫乱だなぁ。自分から、挿れちゃうなんて」  
博人は言いながら、腰を強く、動かし始めた。  
「あっ、あぁ、ああっ…!」  
「ほら、ほら。自分で挿れるほど欲しかったんだろ、コレが」  
「あ、ああ、ああ…っ!」  
「気持ちイイだろ?ほら!」  
ぐちゅっ、ぐちゅんっ、ぐちゅんっ、ぐちゅんっ、と彼の腰が大きく動くたびに、ひどくぬかるんだ音がした。  
真理子の中から透明な液が次々と溢れ、赤黒いペニスの挿入を滑らかにしていく。  
「淫乱だなぁ、先生は!こんな濡れてるよ」  
華奢ともいえる真理子の細い腰の中を、博人の太くて硬いそれが容赦なく往復する。  
「あんっ、いやぁ、あはぁ、違、あぁん、あぁ、あんっ…!」  
真理子は彼の肩に爪を立てて首を強く振り、掠れた悲鳴を漏らした。  
「はあっ、あぁん、いやっ、ああんっ、んっ、あんっ、んふぅんっ…!」  
熱いぬめった肉が、彼を引き止めながらも押しのけて、強く圧しながら擦り上げる。  
博人は真理子の腰をしっかり掴んだまま、口元を歪めた。  
「すげぇ締まってるよ、先生。すごくイイんだろ?」  
太くて硬い幹が円を描くように胎内を引き回すと、真理子は悲鳴を上げた。  
「いやあああんっ…!」  
柔らかで繊細な襞が引きつられ、擦られる。  
真理子の中は、いつの間にか博人のそれに合わせて柔軟に動き、密着して絡みついていた。  
「素直に言えよ。イイってさ」  
「あぁん、いやぁん、あぁんっ、あぁっ、んんっ…!!」  
真理子は激しく首を振りながら、大きく喘いだ。  
恐怖と苦痛に似た激しい刺激が、真理子の全身を貫いていた。  
 
博人は真理子を抱き押さえたまま、乱暴に床に押し倒した。  
すばやく真理子の脚を肩にかけると、太腿をしっかり抱えて、再び強く突き上げ始めた。  
「あっ!はぁっ、ああ、あぁんっ!!」  
肉の激しくぶつかる音が響く。  
何度も何度も繰り返していると、太い幹に吸い付く無数の細かな襞が、絡み付いては繊細に蠢く。  
抜き差しすればするほどにぴったり吸い付く肉襞が、猛烈な刺激を彼に与え続ける。  
博人はあまりにも急激に昂ぶらせられて、怒りに近い感覚を覚えた。  
腰の動きが、暴力的なまでに強く激しくなる。  
「ほら、先生、イイだろ!?」  
「あぁっ!ひあんっ、ああ、ぃ、いやっ、ああっ、あぁんっ…!」  
「イイって言えよ!ほら!」  
「あっ、いやぁ、あぁ、あぁん、あぁん!!」  
「言えよ、ほら!!」  
彼のものが一層激しく抜き差しされ、怒涛のような刺激の波に、真理子の意識はまたも何かに奪われた。  
昨日の時のように、真理子の唇を、別の何かが暴力的に支配した。  
「あぁっ、ああっ、あぁぁ!」  
真理子はひどく高い悲鳴を上げ始めた。  
「あっ、はぁあ、あぁん、あぁん、あぁん…!」  
真理子の中がきゅうっ、きゅうっと段階的に強く収縮して、彼のものを絞り上げる。  
博人は突き上げながら、真理子に言い放った。  
「イイって言えよ、ほら!言わないと…!」  
「あっ!いやあっ」  
引き抜きそうな彼の気配を感じたのか、真理子は泣きそうな悲鳴を上げた。  
そして紅く濡れた唇を開き、本能のまま言葉を吐いた。  
「…イイ、いいっ…!あぁあ、いい…わっ…!」  
泣きながら、小さく叫んだ真理子を見て、博人がにやりとした。  
「もっとか?もっとだろ!?先生」  
「あぁん、もっと、もっと…!いぃ…あぁあん、いいっ、いぃ…!もっと、もっと…!ああん、あぁ、あぁっ!!」  
彼のものがさらに硬く膨れ上がって、激しく彼女を責め立てる。  
真理子の涙交じりの高い声が続き、そしてあっという間にその時間は過ぎた。  
彼の白い精子が真理子の中で勢い良くぶちまけられた瞬間、真理子は背中と担がれた脚をぴいん、と突っ張らせた。  
「ああぁ―――…!!」  
細く高い悦びの悲鳴を上げて、真理子は絶頂に達した。  
 
「先生」  
涙を流してうつろな表情をしている真理子を、博人は繋がったまま、見下ろしていた。  
「すごい、良かったでしょ?」  
「…」  
「イイ、いいって叫んでたよ。もっともっと、ってよがってさぁ」  
「…」  
「ここも濡れちゃって、大変だよ。ほら」  
博人は繋がったままの陰部に手を伸ばし、愛液まみれの柔らかな陰毛ごとクリトリスを撫でた。  
真理子が微かに呼吸を乱した。  
博人は残忍なほどの笑みを浮かべた。  
「先生、本当に俺とのセックス、好きだよね。あんなに絶叫してさ。もしかして、イっちゃうの、初めてだった?」  
真理子は黙ったまま、空を見つめている。  
涙が一筋、零れ落ちた。  
 
クリトリスを撫でていた指先が、平らな腹をのぼって盛り上がった乳房に辿りつき、ピンク色の乳首を撫でた。  
掌を広げて、柔らかな乳房を揉み始める。  
柔らかだった乳首が、また、ゆっくりと、しかし確実に朱みを帯びて、硬くなっていく。  
真理子の全身は弛緩したままだったが、かすかにその呼吸が早くなっていく。  
乳首を乳房に押し込んでくにくにと回すと、掠れた吐息が漏れた。  
その反応に、博人は口元を歪めると、乳首を口に含んだ。  
軽く吸い上げて、口腔内で捏ね回す。  
「…っ…」  
真理子は脱力したまま、かすかに唇を開いた。  
身体はだるくて指も動かせないほどなのに、快感だけは鈍ることなく彼女の身体を駆け巡っていく。  
身体の芯に残っていた快楽の残骸に再びじわりと熱がともり、腰が、身体が勝手にくねりだすのを真理子は遠い感覚で感じていた。  
あまりにも淫らすぎる自分を認識して、真理子は絶望の吐息を吐いた。  
―――私は…もう…戻れない…。  
博人の愛撫に身を任せながら、真理子は頭の片隅でそう思った。  
 
命令する側。される側。  
教師と生徒。  
そんな言葉や意味すらどうでもいいと思えるくらい、真理子はもう、この行為の果てに流されきってしまっていた。  
犯されたはずなのに、激しく昂ぶり、悶えた自分。  
こんな場所で、あまりにも乱暴なセックスで、初めてイってしまった自分。  
絶望せざるを得ないほど淫らな自分への失望感が、彼女を投げやりに、何もかも受け入れる方向へと向かわせた。  
彼の指やペニスから与えられる快楽は、わずかな刺激でも彼女を昂ぶらせるほどにもう彼女の全身に浸透しきっていて、真理子は、細胞にいたる自分のもの全てに、彼の烙印が押されている気がした。  
―――もう、彼から逃れられない…。  
真理子は大きく息を吐きながら、その絶望感に酔った。  
 
彼の指がクリトリスに再び伸びて、爪先で転がすように愛撫してきた。  
「あ…」  
真理子が溜息を吐くとともに、自分の胎内に入ったままの彼のものが、またどんどん硬くなっていくのを感じた。  
そして、自分の内壁が、また燃えるような熱をもって、彼のものを徐々に締め付けていくのを感じる。  
「ああぁ…」  
真理子は喘ぎ声を上げた。  
ためらいもなく上げられたその声は、すでに快楽を切望する雌の声だった。  
白い乳房が揉みしだかれ、尖った乳首が吸われる。  
「あぁ…ああ…」  
真理子は自ら、彼の腰に脚を絡めた。  
そして、硬く膨れ上がった彼のものを絞るように、真理子は自ら腰を動かし始めた。  
「あん、んんんっ、あんっ…!」  
ぐちゅん、ぷちゅん、ぐちゅん、と精液と混じった愛液がたっぷり溢れ出る音に、博人は口元を歪めた。  
「ほんと淫乱だなぁ、先生は。まだヤリたいのかよ」  
今日何度目かの彼の淫猥な言葉には答えず、真理子は喘ぎながら腰を動かし続けた。  
 
日差しは少し弱まったようだが、まだまだ影は濃い。  
静まり返った校舎の中で、狭く小さな資料室だけが、淫らな声と湿った音を、いつまでもいつまでも響かせていた。  
 
 

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