千春 16歳の新米メイド  
広樹 千春が仕えてるご主人様、31歳  
 
 
「ああっ…んっ!……あん…はぁん…ご主人…様…」  
主のベッドに組み敷かれ、着衣を乱して喘ぐ初々しいメイド。  
それに覆いかぶさり、たゆまぬ愛撫を続けているその主。  
この屋敷の日常的な風景となりつつある行為が寝室でくり広げられていた。  
メイドの名は千春。生まれ育った田舎を離れて、広樹の暮らすこの館に女中奉公をしに今春やってきた。  
初日に会った時は小柄で垢抜けない、いかにも田舎娘といった風貌の娘であった。  
田舎の病気がちな母に楽をさせてやりたいという理由で、中学卒業後この屋敷に奉公に来たと報告を受けていた。  
今時なかなか無いその動機に、広樹の印象の中に残った。  
少ない給料のほとんどを仕送りしている孝行娘だと、屋敷の使用人達の評判も悪くない。  
人格に問題は無いが、その度を越したそそっかしさが上役の頭痛の種になっているようだ。  
廊下のぞうきんがけをすれば飾り棚に頭をぶつける、アイロンを持たせればシャツを焦がす、食事の給仕をすればカトラリーをぶちまける。  
慣れない屋敷で働くことが緊張を生んでしまって、逆にミスを連発するらしい。  
 
今回の失敗が主である広樹に報告されたのにはわけがある。  
千春が割った有田焼の皿は広樹の祖母が存命中に大事にしていたコレクションの中の一つ。  
使用人が食事に使う皿なら五、六枚割っても少し小言を言うだけですむのに、なぜこの皿だったのか。  
そう嘆くメイド長の声が聞こえてくるようで広樹は苦笑した。  
あまり好きではなかった祖母のコレクションなど、よく覚えてもいない。  
今回メイド長に報告を受けて初めて、ああそうだったのかと思ったほどで広樹は特に執着してもいない。  
しかし、千春は「ご主人様の大切なお皿」を割ったと思い込み、青ざめて身を小さくしている。  
おそらく、皿を割っただけで井戸に投げ込まれ殺された有名な怪談のことでも考えているのだろう。  
はかなげなその姿を少しからかってやろうというイタズラ心が生まれ、広樹は千春へと近付いた。  
 
その気配に気付いて千春が顔を上げた。  
目に涙を浮かべているのを見て、広樹のイタズラ心がますますかきたてられる。  
「大変なことをしてくれたね、千春」  
わざとらしくため息をついて言った言葉も、違和感なく受け取ってくれたようで千春はますます小さくなった。  
「あれは大層高価な品物だ。とてもお前の給料で弁償できるような物ではない」  
続く言葉を予感したのか、千春が大きく肩を震わせる。  
「クビにしてしまうのは簡単だが…」  
「お許しくださいませ、それだけはご勘弁を!」  
広樹の言葉をさえぎって千春が大きな声で言った。  
「何でもいたしますから、クビだけはお許しください、お願いです…」  
ひたすら頭を下げる千春を見て、広樹の口角が上がる。  
「そうだな、せっかく雇った人間をクビにするのは早すぎる」  
それを聞いて、千春がホッと息を吸い込んだのが分かった。  
「ただ、あの皿を割ってお咎めなしというわけにはいかないんだ。君には罰を受けてもらう」  
 
「え、罰…ですか…?」  
「そうだ。黙って受けさえすれば、皿のことはもう不問にしよう」  
主人らしく重々しい口調で広樹が言ってやると、千春はいくぶん明るくなった表情で顔を上げた。  
「承知いたしました、どんな罰でもお受けいたします」  
そっとこちらへ差し出した手をつかみ、寝室へと移動する。  
千春をベッドに横たえ、その上から覆いかぶさって顔を覗き込んだ。  
使用人の受ける罰といえば、手に主人の鞭を受けることが世間一般の慣わしである。  
さっき千春が手を差し出したのもその意味からであった。  
広樹も最初はそうしようと思っていたが、うなだれている千春の姿を見ているうちに別の罰を思いついた。  
 
「あの、ご主人様…?」  
予想と違ったようで、千春は戸惑った声を上げて目の前の主人の顔を見つめる。  
黒目がちな瞳でまっすぐに見返され、広樹のテンションが上がった。  
「女の子の手を鞭で打つなんて野蛮なことはしない。その代わりにお前の体を見せてもらう、これが今日の罰だ」  
はやる心を抑えて申し渡した広樹には、ある意味もっと野蛮なことをしているというツッコミは不必要だった。  
残念ながらここは関西じゃないのだから。  
「かしこまりました、謹んでお受けいたします」  
そそっかしくて失敗ばかりのこの娘も、言葉遣いだけは合格点だ。  
だが、大人の男が自分にかぶさって「体を見せてもらう」と言ってるのに逃げないのはなぜかと広樹の頭に?マークが灯った。  
この年齢の少女ならこれから何をされるか分からないわけでもないだろうに。  
いや、この千春ならありえるかもしれない。  
まあいい、本人がおとなしく罰を受けると言っているんだから願ったり叶ったりだ。  
 
千春の首元に結ばれた朱色のリボンタイをほどき、ブラウスのボタンを外す。  
左右に開くと、およそ色気とは縁のない綿の下着が現れた。  
下着を内側から大きく押し上げるほどはまだ成長しておらず、控えめなその量感が若さを物語る。  
その上から手を重ねるとピクリと体を動かした。  
逃げる気配が全くない、これを本当に自分への罰だと信じこんでいるようだ。  
気を良くした広樹は下着の止め金を外して、その胸をあらわにする。  
予想通り、小さな胸がそれでも健気にふるりと震えて目の前に現れた。  
成長途中であることを示すように張りがあり、十分鑑賞に堪えうる胸であった。  
広樹は両手で触れ、怖がらせないようにゆっくりと揉みはじめた。  
千春の目も口もぎゅっと閉じられたままで、反応は見られない。  
引き結ばれた唇から声を上げるのが見たいという思いにかられた広樹は、さらなる愛撫を与えようと考え付いた。  
そして、引き寄せられるままにピンク色をしたその先端へと口づけた。  
「んっ…」  
鼻にかかった声が耳に聞こえてさらに広樹のテンションが上がる。  
「我慢するんだ、これは罰なんだから」  
こくこくと縦に首を振るのを確認してまた胸に唇を戻す。  
男を知らない体に触れるのはひどく気分がよく、征服欲をそそられた。  
後腐れのない女ばかりを選び、関係を持ってきた広樹は処女にこうするのは初めてのことだ。  
処女は扱いにくくて面倒だと言われているが、いざこうして接してみるとなかなか悪くない。  
うら若い少女に欲望を感じるなど自分もオヤジになったのかと嘆く思いは脇に置いて、さらに愛撫を施した。  
 
「あ…あ…くっ…ふぁっ…ん…あぁ…」  
しばらく触れているうち、千春の反応が変わってきたことに広樹は気付いた。  
ガチガチに緊張していた体の力がゆるみ、我慢していた声が触れるたびに上がる。  
今まで無自覚だった性感帯を刺激されて、驚きより気持ちよさが前に出てきたのだろう、良い傾向だと広樹はにんまりする。  
ほっぺたをピンク色に染めて、それでも逃げ出そうとしない千春がだんだんと可愛く思えてきた。  
出会った時は田舎者で垢抜けない少女だとしか思っていなかったが。  
それなりに扱ってやれば、案外すぐに脱皮して、女の魅力を身につけるようになるのかもしれない。  
自分の体の下で声を上げているこの少女への興味をさらに引き立てられた広樹であった。  
 
しかし、一抹の罪悪感が広樹の心に巣食ったまま、消えてくれない。  
確かに高価ではあるが、大して大事でもない皿を割った罰だと言ってこのような行為を強いるのは倫理的にどうだろうか。  
その気持ちがこれ以上行為を進めるのを躊躇させた。  
処女をもらうのは、今日じゃなくともよさそうだと広樹は思えてきた。  
さんざん千春の幼さの残る胸を弄び、一息ついたあとに乱した着衣を整え、リボンタイも元通りに結んでやる。  
「これからまた失敗をしたら、こういう恥ずかしい目にあうということを覚えておきたまえ」  
あくまでもこれは罰だというスタンスで高圧的に言い渡し、部屋からの退出をうながした。  
数日のうちにまた機会がめぐってくるだろう、焦ることはないと思えたのだ。  
 
 
そして、広樹の思ったとおりになってしまった。いや、なってくれたと言うべきだろう。  
頭を下げる千春の横で、しでかしたことを使用人代表として謝るメイド長の言葉はもう広樹の耳には入らなかった。  
何をしたかというメイド長の説明など、右耳から左耳に抜けてしまったのだ。  
一対一で説教をするということを告げてメイド長を下がらせ、二人っきりで向かい合う。  
「失敗をしたら罰が待っているのは理解しているね?」  
「は、はい……」  
消え入りそうに小さな声で返事をする千春の態度が広樹の欲望に火をつけた。  
「今日は罰のレベルを上げる。自分で脱ぎなさい」  
広樹は冷たい口調で命令し、あごを上げてうながした。  
指を震わせながらリボンタイをほどいてブラウスのボタンを外す千春の姿にますますそそられるのを感じていた。  
命令どおりに前をはだけた千春におどおどと見つめられ、さてこれからどうしようかと考える。  
離れたままでは何もできないと、広樹はまた千春の腕をつかんでベッドへと向かった。  
横になるように言って、広樹自身もネクタイをほどいてYシャツのボタンを2つだけ外した。  
先日と同じようにまた千春の胸を思うがままに触れ、その反応を楽しんだ。  
 
若くみずみずしいその体に口づけ、指で刺激するたびに心がはやって止まらない。  
「あっ…ぅん…ん、っ…ひゃあん…ああ……」  
心なしか最初の時より千春の声に艶が出ているように広樹には感じられた。  
まだ「女」ではないこの娘も、このような声を出すようになるのかと不思議になる。  
遊びで抱かれる女の演技には慣れている広樹には、千春の反応がまぶしくさえ感じられた。  
これはますます、あっさりと頂いてしまうには惜しいと広樹は考えた。  
今後も同じ「罰」を与え続けてやれば、千春はどんな反応を見せてどう変わっていくだろう。  
ふと思いついた考えに興味がわいて、広樹は再び微笑んだ。  
千春はこの屋敷のメイドである。  
主人のすることにいやとは言えない立場であるから、楽しみが増えるというものだ。  
無理矢理抱くのもそれはそれで楽しかろうが、快楽の味を覚えさせて身も心もトリコにしてから全てを頂くのも悪くはないと広樹は考えた。  
とりあえずはまず胸だ、ここを心ゆくまで可愛がってやろうと決めた。  
「んん…あっ…ふぁ…ご主人様……」  
控えめに上がる声に後押しをされた気になって、広樹は時間をかけて千春に快感を覚えさせた。  
それはまるで「奉仕」という言葉がぴったりとくるようなものだった。  
主人とメイドという立場がまるで逆になったかのようだったが、夢中になっている広樹はそれに気付かなかった。  
 
 
 
その後も何度か機会に恵まれたが、広樹はまだ千春の全てを奪うまでにはいたらなかった。  
いっぱしに遊んでいるつもりだった彼も、処女を相手にするのは初めてでどうも決心がつかない。  
女の初体験は重要で、一生残るものだからと柄にもなくしり込みしているらしい。  
千春が「罰」を受けている最中、以前はギュッと閉じられていた脚の力が抜けて腿や膝がすり合わされているのに気付いていないのか。  
この「罰」を本当はいやがっていないという千春の本心にも気付いていないのか。  
「今度こそは下半身に触れて『胸よりもっとすごい快感のポイント』があるのを教えてやろう」と息巻いている割には、いざ千春を前にすると思い切れない広樹。  
自分の性器に奉仕をさせてみようなどという考えもいまだ実行には至っていない。  
ミスをしたメイドの体を思うがままに弄んでいるようで、実はとっくの昔に千春に夢中になっていることにさえ広樹は気付いていなかった。  
滑稽な主人の姿は厚い扉に閉ざされ、他の者の目に触れることは決して無い。  
 

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