意識を取り戻して最初に感じたのは、腹部の突っ張るような感覚だった。
「あ……わ、たしは……」
意識が混濁していて、現状がうまく認識できない。
まだ夢を見ているような、そんな気すらした。
せいぜいわかることと言えば、祭りの日、丸焼きにされる豚のように両手両足を天井から吊られていることぐらい。
(おなか、くるしい……)
そんな感覚に誘われるように、自らの体に視線を向ける。
「……ぁ、え、ぁ?」
そこで見たものに、口から意味を成さない言葉が漏れる。
そこにあるのは、まるで妊婦のようにぽっこりと膨らんだ大きな腹。
臨月、とまではいかないが、明らかに異常な状態だった。
(そ、んな……孕ま、されたの?)
いったい誰にか。
そんなものは考えるまでもなかった。
意識を失う前の記憶が、ようやく浮上し始める。
初めて性の頂を経験したばかりのフィオナに対し、悪魔は一切の容赦というものをしなかった。
まだ絶頂に伴う痙攣すら続いている間も、ただひたすらに腰を打ち付けてくる。
一度達して敏感になっているところへの、その責め。
立て続けに2度3度と絶頂に追いやられた初心な少女は、恥も外聞もなく悪魔に動かないでほしいと懇願した。
けれど、それが聞き入れられることは結局なく、悪魔は自らが射精するまで1度として手を弛めることをしなかったのだ。
その間、フィオナは何度達しただろう。
その数が両手に余るようになったあたりから、最早1つ1つの頂を区別することができなくなっていた。
そして記憶に残っている最後の瞬間。
体内に注ぎ込まれた熱湯の如き精液の衝撃で、神経が焼き切れたようにフィオナは失神したのだった。
(大丈夫、まだ結界はやぶられていない……)
少女の純潔を守る結界は、たとえ本人が意識を失っている間も効力を失うことはない。
けれど、いったい何が大丈夫なものだろうか。
確かにそこへの挿入こそ防げてはいるものの、不浄の穴を突き回され幾度となく絶頂へ叩き込まれておいて大丈夫も何もあったものではなかった。
「……あ、ぐ」
突如、腹の奥で遠雷の如き低音が響き渡って、思わずうめき声を上げてしまった。
そう、ここまで記憶が戻ってくれば、この腹の膨らみの正体もさすがに見当がつくようになる。
にわかには信じがたいことだが、少女の腹を押し広げているのは悪魔の吐き出した精液だった。
いったいどれほど注ぎ込めばここまでなるのか。
人外の吐精量はフィオナの想像をはるかに絶していた。
(くるしい……けど……)
本音を言えばすぐにでも、汚らわしいそれを排出したい。
少なくとも少女の体はそう訴えかけていた。
「出したいなら出せばよかろう。
もっとも、できるものなら……だがな」
少女がちらりと向けた視線に応じるように、悪魔が言葉を投げつけてくる。
玉座と呼ぶに相応しい椅子に、悠然と腰を下ろしている憎むべき敵。
その目の前で、尻から精液を垂れ流すのは、いかに穢された身ではあっても羞恥が勝った。
あれだけ太いものを挿入されても、まだフィオナのすぼまりは健気に口を閉じ猛烈な便意に抵抗する。
「ぐ、ぅぅ……」
猛烈な便意と羞恥の間で板ばさみになった少女の心が苦悶する。
全身にねっとりとした脂汗が浮かび、腹から響く音は1秒と間をおかずに鳴り続けた。
わずか数秒が永遠にも感じられる拷問のような時間。
最初こそ羞恥心が勝ってはいた。
けれど、持久戦になってしまえば純粋な肉体的欲求の方に分があるのは火を見るよりも明らかだ。
(だ、だめ、これ以上は……)
一瞬とはいえ、心の中で弱音を吐いてしまった瞬間、その趨勢は逆転してしまう。
必死に抗っていた堤防が決壊し、石室の中に汚らしい水音が響き渡ってしまっていた。
「――――――!!」
その獣のような雄叫びが自分の口から出ていると、最初フィオナは気づかなかった。
だが極めて粘度の高い、すでに半固形と言ってもいいほどの悪魔の精液が腸内、そして肛門を通過していく時の快感は、少女の想像のはるか上を飛び越えている激感だ。
そこに腹部の圧迫感から解放される安堵感までをも加えられては、意識を失うまで嫌というほど肛姦の味を覚え込まされた少女の心は耐え切れなかった。
一気にぶり返してきた肉悦に、為す術もなく絶頂する。
悪魔の精液をひり出しながらの絶頂。
「こんな、こんなことでぇ――!?」
あまりに倒錯的なその状況に、被虐的な快美感すら感じてしまう。
視界の隅に映る悪魔の瞳は、そんなフィオナの様子を余すところなく観察している。
その視線が、さらに少女の心を急き立てていく。
それだけでも、フィオナの心は十分すぎるほど十分に打ちのめされていただろう。
けれど悪魔の嗜虐心は、その程度で満足してはくれなかったらしい。
再び細かく動き始めたその口元が、フィオナの心を震え上がらせた。
何らかの魔術行使。
そしてその効果はすぐさま現れ、ぎりぎりまで追い詰められた少女の体に追い討ちをかけてくる。
(そんな、また入って――!?)
フィオナの心が驚愕に凍りついた。
彼女の体は鮮血の触手によって天井から吊られている。
それ故、当然彼女の体内から追い出された悪魔の粘液は、重力にしたがって床まで勝手に落ちていくはず。
事実、途中までは確かにそうなっていた。
けれど今、まるで時間を巻き戻しているかのように一度出て行った精液が、逆流を開始している。
我先に我先にと、少女の秘穴に舞い戻ってくる悪魔の精液。
一度決壊したフィオナのそこに、それを拒むだけの力が残されているわけもなかった。
一度は薄れつつあった圧迫感がその存在感を取り戻してくる。
(苦しい……苦しいのに、なんでぇ?)
一方で、心を満たすような充足感をも確かに感じてしまう。
そんな自分の変化に涙が溢れて止まらなくなる。
加えて、精液に及んだ異変はすでに排出されたものだけにとどまるものでは当然なかった。
まだ腸内に残っている精液は、追い出されまいと必死に抵抗を開始したのだ。
まるで腸内を無数の舌に舐め回されているような異様な感覚。
そこから生まれる快楽は、ペニスを挿入された時のような力づくで屈服させようとするものではなく、巧みに抵抗する意思を奪おうとする類のものだ。
「いやあぁ、こんなのいやぁぁ!!」
手足を拘束する鮮血の触手同様、かりそめの命を与えられた精液スライムに排泄器官を嬲られる。
魂から迸るような悲鳴をあげながら、フィオナはまた屈辱の絶頂を味合わされてしまった。
出しては戻され、出しては戻され。
ようやくその地獄とも天国とも言えるサイクルが終わった時、フィオナは精も根も尽き果てたような状態だった。
いつ再び気を失ってもおかしくないその状態を辛うじてとどめているのは、皮肉にも体内でうごめくスライムのおかげだ。
腸粘膜を絶えずチロチロと舐め上げられるその感覚に、強制的に意識を繋ぎ止められている。
絶頂に押し上げられるほど苛烈な責めではなく、焦らすようなその刺激に、まるで脳を遠火であぶられているような錯覚すら感じていた。
悪魔が見ていることがわかっているのに、何かを求めるように腰を揺らめかせてしまうのを止められない。
「どうだ、そろそろ我を受け入れる気になってきたのではないか?」
その言葉に、意思とは無関係に視線が悪魔の股間に吸い寄せられてしまう。
そこにあるのは猛々しい隆起。
本来はそのための場所ではない尻穴ですら、あれだけの快楽を生み出したのだ。
元よりそのための場所である膣に挿入された時の快感はでれほどのものだろうか。
胎奥にあの毒を吹き付けられ、凶悪なまでに張り出したエラで膣襞を抉られたら。
考えまいとしているのに、そんなことばかりが頭に浮かび、喉をごくりと鳴らしてしまう。
それでも、少女は愛する男の顔を思い浮かべて、拒絶の言葉を搾り出した。
「だ、誰が悪魔など、にぃぃぃ!?」
その決意の言葉すら、一瞬動きを強めた精液スライムによって、情けない悲鳴じみたものへと塗り替えられてしまうのがたまらなく悔しかった。
そのフィオナの拒絶に対し、悪魔は気分を害した風な様子も見せず、またしてもあの耳障りな笑い声を漏らしていた。
「途中意識を失っていたとはいえ、半日もった女はそうはおらぬ。
いや、本当に大したものだ」
その口調には偽らざる感嘆の色が含まれていた。
だがフィオナにしてみれば、悪魔などに褒められたところで微塵も嬉しくなどない。
それよりも、その言葉の中にあった1つの単語に新たな絶望が込みあがってくるのを感じていた。
(ま、まだ、半日……)
意識を失っていたのを差し引いても、自身の時間感覚などとうの昔に崩壊している。
地下深いこの部屋では当然外の様子など見えるわけもなく、この責めが始まってどれくらい経つのか、フィオナには全くわかっていなかった。
そこへ提示された半日という時間。
助けが来るまでに必要な時間は、どう短く見積もっても1週間はくだらない。
これだけ高位の悪魔を倒すとなれば、大神殿にいる高位の神官の助力を求める必要があるからだ。
今頃、神殿で治療を受けた彼が奔走してはくれているはずだが、それでも高位の神官が軽々しく動けるわけがないということを当のフィオナ自身が誰よりもよく知っていた。
だから、どんなに短く見積もっても1週間。
1ヶ月以上かかる可能性すら、決して低くはないだろうというのが、フィオナの見解だった。
それでも、耐えるつもりだった。
向こうの命を盾にして殺されることを回避し、結界で純潔も守り通す。
今にして思えばあまりにも甘い計算だったことは認めざるを得ないが、それでもそこだけは死守しなければならなかった。
そう改めて決意を固めたフィオナは、自分の体重が一瞬消えたような感覚に襲われた。
それが天井から吊られた体を下ろされているせいだと理解したのと、再び不浄の穴に固い何かを突きつけられたのはほぼ同時だった。
最早条件反射のように、期待と恐怖で心臓が高鳴る。
(でも、これはいったい……)
悪魔はまだ玉座に座ったままだ。
いかに悪魔のそれが長大であるとはいえ、さすがにそこから届くものでもない。
現にその先端はまだフィオナの視界の中にある。
ならば今宛がわれているものはなんなのか。
「――っ!?」
首を巡らせた少女は、それを見た瞬間思わず息を詰まらせていた。
しばらく前、悪魔が床に突き立てた大剣。
自分の体の下にあるのは、まさにそれだった。
最愛の男を切り裂いたその大剣の柄が、今度は自分の菊門を押し開こうとしている。
「あ、ふあ、ああぁぁぁ……」
自重によって、深々と剣の柄を咥え込まされる。
男性器にも似た金属の固さ。
男性器とは対照的な金属の冷たさ。
握りをよくするためのわずかな凹凸に、本人の意思とは無関係に開発されてしまった肛穴は従順に従い微妙な開閉を繰り返す。
それがたまらなく心地良かった。
心地良くてたまらない。
フィオナ自身が分泌した腸液と、たっぷりと注ぎ込まれていた精液のおかげで、その挿入は驚くほどにスムーズだった。
だがそれだけに、快楽だけを純粋に感じてしまう。
スライムと違い、確かな形を持ったものの挿入。
焦らされていた性感が、一気にその炎を燃え上がらせる。
「あは、はあぁぁん……」
特上の性感帯となった腸粘膜をごりごりと刺激されると、口からは自然に甘ったるい吐息を漏らしてしまう。
悪魔のペニス、精液スライム、そして大剣の柄。
感じたくもない、本来感じるはずもないそれらの進入に、全身が溶け崩れるほど感じさせられてしまう無力感。
半日ほど前に植えつけられ、わずかな時間で急速な成長を果たしてきた被虐的嗜好。
それが今、大輪の花を咲かせようとしていた。
スライムや悪魔と異なり動いてくれない大剣の柄に対し、少女は自ら腰を動かして快楽を貪っていることにすら気づいていない。
開花を促すように、腸内のスライムがその動きを活性化させる。
柄が届かないほどの奥の奥を舐め回す一方で、一部が外へと這い出してくる。
「くふ、ぅん……」
隙間などありえないほどぴったりと吸い付いた肛門と柄の間をむりやり通りぬけられる感触に、フィオナは全身を震わせることでその快感を表現した。
そうやって軽い絶頂を少女に与えたスライムは、薄く薄く広がりながら彼女の全身を覆い隠していく。
その魔手から逃れられたのは首から上と、処女とは思えぬほどぷっくりと充血した卑猥な陰阜だけだ。
その2箇所を除く全身が、スライムの無数の舌に這い回られる。
真っ先に開発されていた乳房からは、すぐさまとめどない肉悦が溢れ出し始めた。
けれどフィオナにとっての性感帯は無論胸だけなどでは決してない。
元来敏感なわき腹、膝裏、わきの下などは言うに及ばず、本来そんな感覚とは無縁のはずの場所からすら、それ単体でも十分法悦を得られるだけの快感を生み出されてしまう。
手の指、足の指を1本ずつ丹念にしゃぶられると、その数と同じだけの絶頂がまとめて少女の性感を貫いていく。
背中を這い回る精液は、まるで背骨の中まで入り込んで這いずっているかのように感じられていた。
ムッとするほどの牡の性臭。
普通なら顔をしかめるべきその匂いすら、頭がくらくらして思わず胸いっぱいに吸い込んでしまう。
体の内と外から無尽蔵に湧いてくる悦楽。
(きもち、いい……のに、でもぉ……)
間断なく訪れる絶頂の波の中、満たされていると感じる一方で、どうしようもないほどの物足りなさも感じていた。
その理由などわかりきっている。
ずっとおあずけを食らっている少女の秘園が、自分にもその快楽を寄越せと叫んでいるのだ。
意識が溶けそうなほどの絶頂を味わえば味わうほど、沼のそこに溜まる腐泥のようにそこを貫かれることへの渇望が降り積もっていく。
(だめ、だめ、それだけは、だめぇ……!)
一瞬でも気を緩めれば口から飛び出してしまいそうになる言葉を必死に押さえ込む。
「たえ、る……たえてみせる……ぜったい……たすけが、かれがきて……」
嵐のような快楽の中で、男の顔を思い浮かべる。
何度肉悦に押し流されようと、繰り返し繰り返し思い描いて心を奮い立たせ続けた。
ゴールははるか遠くとも、絶対そこまで走り抜いてみせる。
それだけを思って、フィオナは暴力的な快楽に抗い続けた。
「あの男なら、とうに死んでいる」
懸命に耐えていたフィオナの意識が、その悪魔の言葉に一瞬で凍りつく。
それを合図にしたかのように、一旦活動を停止させる精液スライム。
そのおかげと、あまりにも衝撃的な言葉の内容に、皮肉にもフィオナは手放しかけていた正気をわずかに取り戻すことができてしまった。
「な、そんな、そんなはずない!」
とっさに放ったのは否定の言葉。
そんなこと信じられるわけがなかった。
確かに彼が負った傷は深かった。
けれど、すぐに"治癒”の奇跡を施せば十分に助かる程度でもあったのを少女ははっきりと確認している。
だから最後の力で彼を転送したのだ。
それでなくとも、最愛の彼がもうこの世にいないなどと信じられるわけがなかった。
「どんなに否定しようとも、これは事実だ」
「そんなわけない! そんなわけ――!」
冷静さなど欠片もなく、駄々っ子のように喚き散らすフィオナ。
これは自分を絶望させるための悪魔の計略。
フィオナはそう自分に言い聞かせた。
(なのに、なんなのこの不安は……!?)
理性よりももっと奥深く、本能の部分が悪魔の言葉は真実であると肯定しているような気がしていた。
思考と直感、相反する2つのそれらに挟まれて混乱する少女。
そんなフィオナに、静かに立ち上がった悪魔がゆっくりと近づいてくる。
「ひぁぁ!?」
触手によって体が持ち上げられ、後ろの穴に挿入されていた大剣の柄がずぶりと引き抜かれた。
少女の体液をまとって湯気を立てるそれを悪魔は無造作に掴んで引き抜くと、それをフィオナの胸元へと突きつけてくる。
汗と唾液に塗れた2つの膨らみのちょうど中央に、大剣の切っ先が沈んでいく。
かすかな痛みに、一瞬胸を掠める死の恐怖。
けれど、大剣は本当にその切っ先わずか数ミリを埋めただけで引き抜かれていった。
小さな安堵の吐息を漏らしつつ、少女は悪魔の意図がつかめないまま、ますます混乱してしまう。
「その傷、治してみるがいい。
わずかならば力も戻っているだろう」
繰り返し我を忘れるほどの性感に曝されて消耗しきってはいるものの、気を失っていた時間もあるおかげで確かに"願い"の奇跡を行使した直後に比べれば、力が戻ってきているのは確かだった。
今ならば初級の"治癒"ぐらいならば可能だろう。
けれど、心の中で別の自分が止めろと声高に叫んでいた。
それは悪魔のいいなりになることを拒んでいるのではない。
もっと別の、それをしてしまったら何か致命的なことが起こることを本能的に感じているからこその制止だった。
それでも、何もわからないこの状況にフィオナの心は耐え切れなかった。
奇跡を行使するために、精神を集中させていく。
"治癒"の奇跡ならば、今まで数え切れないほど使ってきた。
奇跡が発現する瞬間の慣れ親しんだ感覚。
さすがにスライムの責めを受けながらでは不可能だが、それが動きを止めている今ならば問題なく奇跡は結実する――はずだった。
「そんな――どうして――?」
確かに奇跡は発動した。
それは彼女の今までの経験から言って間違いない。
なのに、少女の胸に刻まれた傷は、全く塞がっていなかった。
「この剣によって刻まれた傷は、魔術的な治癒を一切受け付けぬ。
さて、あの男の傷は、自然治癒が間に合う程度のものであったかな?」
呆然とするフィオナのことをあざ笑うでもない、極めて淡々とした悪魔の口調。
それだけに、その言葉の意味するところは、ひどくすんなり少女の心に浸透してきた。
「そんな……そんな……」
壊れたからくりのように同じ言葉を繰り返し続けるフィオナ。
その瞳から涙が零れ落ちることはなく、代わりとでも言うように少女の胸の中心からは赤い赤い雫が傷が自然に塞がるまでの間、ずっと溢れ続けていた。
「……して」
「ん? 何か言ったかな?」
「犯して、私を……」
希望を完全に断たれてしまえば、もう我慢する必要などどこにもない。
自分でも驚くほど自然にその言葉を口にしていた。
その言葉に、またしても悪魔が耳障りな笑い声をあげる。
けれどそれすらも、今はもうどうでもよかった。
再び床に大剣が突き立てられ、その柄を肛門で咥え込まされる。
再び動きを再開させた精液スライムに、全身を余すところなく愛撫される。
そして――、
「おおおおおおおおおおおおお!!!」
悪魔の怒張が、フィオナの処女を引き裂いていく。
今回に限っては、悪魔はあの毒を使わなかった。
もうそんなものは必要ないとばかりに、初めて異物を受け入れたそこに痛みと快楽を刻み込んでいく。
「おあああ――んぷぅ!?」
あさましく開けた大口に、悪魔の舌が潜り込んでくる。
口腔内どころか食道までも犯す魔舌。
気を失いそうな息苦しさを感じながら、フィオナの心は白光に埋め尽くされていった。