娘の身体はくの字に曲げられていた。  
そして、背後から獣のように犯されていた。  
細腕は天井から吊るされ、足首はソファからの縄に目一杯引き絞られ、  
どれほど足掻こうとも逃れる事は叶わない。  
造りの良い顔は目隠しとボールギャグで覆われており、  
眼孔の窪みから、ギャグに空いた穴から、透明な流れがつたっていた。  
柔肌の汗もふくらんだ乳房の揺れで飛沫く。  
しかしフローリングに光るおびただしい雫は、それら苦渋の体液だけではない。  
 
娘の痛々しいほど隆起した陰核が、今フードを捲り上げた。  
肉びらは喘ぐ様にわななき、とろとろの甘露を泌ち零している。  
床へ銀色の粘糸を引いて。  
彼女の性器に直接の刺激は与えられていない。  
未だかつて与えられた事もない。  
だが皮一枚隔てた狭洞はひどく焼けつき、蕩け、蠢いていた。  
穿たれるのは、娘がふだん排泄に使う不浄の穴だ。  
 
背後の男は一度大きく腰を引き、ヌメつく怒張を再び深々と娘に消化させる。  
「ふっ、ふ――っ……むっ、むうぅーッ!!」  
上向きに腰を沈められたのがつらいのか、ギャグ越しに悲鳴が上がった。  
男は出っ腹を少女の一本筋の浮いた背に隙間なく密着させる。  
娘は身を捩った。  
男はその動きすらを自身の腰使いに一体化させる。  
娘の尻肉を離さない。いや、『離せない』。  
「うお、ああぁぁ……!!」  
うめいたのは男だった。  
低く、蚊のように物悲しい苦悶。  
前の男も、その前の男も、娘の腰を抱きながら同じ表情をしていた。  
薄切れ肉をべとりと貼り付けられるような奇異な感触、血の巡る生暖かさ、  
亀頭に触れる間欠泉のようなとろみ、ぎちぎちと根元へ吸いつく窄まり。  
脂の乗り始めた娘の後孔に本能的な危機感すら覚えながら、  
すり減らす勢いで灼棒を叩き込む。  
「ふぐっ…!ぐっ、っふ、う……ふぅ―――っ!!」  
びくん、びくんっと娘の美脚が張りつめ、爪先立ちになっていく。  
床へ引いた銀の糸を、ひとつの大きな気泡がなぞった。  
 
人気の無くなった部屋の中、娘――新宮 理彩は意識を取り戻す。  
焼き栗のような匂いが立ち込めている。  
体の下は池ができたような濡れ具合だ。  
身を起こすと、立ちくらみで上空の景色が霞んだ。  
手足の縛めは解かれていた。  
ほとんどずり落ちている目隠しを外し、ボールギャグを吐き出す。  
びちゃっと恐ろしく濃い唾液が音を立てた。  
開きっぱなしだった顎を抑え、こめかみの痛みを和らげる。  
何度嵌めても、顎が外れそうで気分が悪い。  
「またユルくなりそうだなぁ」  
ぽんと膨れた感じのする腹をさする。  
 
とりあえず人心地つくと、理彩は脚を引きずって携帯を手に取った。  
「……あ、玲ちゃん?今終わった。ごめーん、また…やりすぎちゃった」  
汗だくで声を枯らしながら、少女は頭を下げる。  
電話口から溜息が聞こえた。  
『まったく、仕様のない人ですね。30分ほど休んでて頂けます?』  
すっかり慣れた口調の相手は、そう言って電話を切る。  
 
「また月曜になって足腰が立たない、なんてやめて下さいよ?  
 毎週末、ネットで家へ集めた男にアナルを輪姦させてるなんて知れたら、  
 ミス・キャンパスの名が泣きます」  
理彩の身体を濡れタオルで丹念に拭いつつ、玲は眉根を寄せた。  
「だって、いきなり縛られたんだもん。全員ねちっこいオヤジだったし。  
 それにミス・キャンパスって……それがまた、ぞくぞくっとね」  
胸を掻き抱く理彩に、玲は呆れ目だ。  
 
「はぁ。貴方にとっては、それさえ背徳のおかずって訳ですか。…そうですよね。  
 今私を呼んでいるのだって、陰で自分を貶めようとしてた後輩に後始末されるのが  
 堪らないんでしょう?」  
玲はきゅっきゅと理彩の内腿を磨き込み、それだけで小さく絶頂に達する相手を見下ろす。  
影を落とされ、理彩はびくついた。  
「ひゃっ!ち、違う、違う!玲ちゃんは別!」  
ひどい思い違いだと言わんばかりに、必死になって否定する。  
 
そんな理彩を見る玲の顔は、柔らかかった。  
この玲とて次期ミス・キャンパスと言われているが、理彩に敵うとは思えない。  
肩までの長い黒髪と、歩く姿が様になる抜群のスタイルを誇る理彩。  
シックな服装に身を包み、クールで男子はおろか同性からも憧れの的。  
実績を以ってテニスサークルを部に昇格させたのも彼女だ。  
一人暮らしの為に親から高級マンションを買い与えられるほどの令嬢でもある。  
教授でさえも気安く声を掛けることが憚られた。  
まさしくキャンパスの女王と呼ぶに相応しい存在だ。  
 
それがプライベートになるとどうか。  
目玉焼きすら綺麗に作れず、起床にしても玲の電話なしにはままならない。  
毎晩、十数種類の化粧水で目の覚めるような肌の艶を磨き、  
太りやすい体質を週4日のハードな練習で抑えこんで完璧なスタイルを保つ。  
優雅な白鳥の水面下は無様なものだった。  
 極めつけがその性癖だ。  
土曜の性欲処理を終えた身体をまさぐれば、女の玲が発情するほど愛らしく乱れる。  
キスをせがみ、腰を押し付けて泣きじゃくる。  
排泄孔を極太のペニスバンドで抉られて。  
 
年上ながら妹のような理彩の世話を妬く時、玲はつい口元が綻んでしまうのだった。  
 
「分からないものですね。完璧な貴方を見ていた頃は、どう貶めようとしか考えなかった。  
 それが、ある日家を覗いて実態を知った途端、こんなに愛おしくなるなんて」  
相手には聞こえない声で、玲は独りごちる。  
 
その手はとうとう理彩の菊座を撫でていた。  
竦みあがる理彩を横目に指を舐め、そっと赤らんだ蕾に押し込む。  
果肉へ埋もれるような抵抗。  
それを破ると、火照った腸内の様子が指に伝わる。  
業火で炙り尽くされた蝋燭のように、そこは熱い白濁をなみなみと湛えていた。  
指をつたい溢れ出す量が、どれほどの間嬲られていたかを雄弁に物語る。  
玲の表情は曇った。  
 
いつだってそうだ。  
玲が理彩のそこに触れられるのは、いつも誰かに汚された後。  
玲は唇を噛む。  
同じぐらい力を込め、理彩の腸内を弄る3本指をひろげる。  
「ひゃっ!」  
急に括約筋が伸びきり、理彩が叫んだ。  
「先輩、教えてください。どうして貴方は、こっちの穴でしか感じないんですか?  
 おまけに、好みからかけ離れた男に犯されてでしか濡れないなんて」  
玲の指は円状に攪拌を始める。  
 絶頂を迎えた後、一度腸内の穢れを全て吐き出し、それから改めて弄くる。  
そうすれば一皮向けた違和感が腰に広がるのだ。  
かつて理彩が漏らした言葉を思い出す。  
 
「あっ、うあっ!…そ、それは訊かないで!」  
明らかな狼狽を見せ、理彩は抜けた腰を逃そうとする。  
「べつに仰らなくても構いませんよ。一晩中お尻の穴を焦らすだけです。  
 足腰の立たない今の貴方ぐらい、どうにだって出来ますから。  
 でも…もし言ってくださるなら、また頭の中をまっさらにして差し上げます」  
玲は腕に一層の力を込めた。  
拡張につぐ拡張の上、先ほどの肛姦ですっかりほぐれている直腸へ。  
「ねぇセンパイ、言って?」  
親指、小指が菊輪を通り抜け、ついには骨盤を軋ませながら、  
玲の手首そのものが腸壁のぬるみにもぐり込んでいく。  
「うあっ、あああ、あ……――!?」  
理彩は目を見開き、口をだらしなく開け、腰を跳ね上げた。  
脚が不自然なほど震えだす。膀胱が泣き声を上げる。  
男根などとは比にならない太さに、下半身の力が汗として流れ出ていく。  
自我の限界だった。  
「わかった、わかったぁ!言うから、抜いてぇっっ!!!」  
 
息を整えた後、理彩はぽつぽつと語りはじめた。  
高校時代のある時期を。  
その歪んだ性癖を、無理矢理に植え付けられた出来事を。  
 
 
高2の夏、理彩は一人でフランスを訪れていた。  
一流の『パリジェンヌ』になろうと。  
最先端の洋菓子やファッションを学ぶのだと意気込んだ。  
しかし、日本に行けばサムライ・ゲイシャに会えるとは限らない。  
パリは花の都などではなく、少女には半端な都会にしか映らなかった。  
失望した少女は、帰国までの数日でパリの周辺を放浪する。  
パリに来てよかったと思えるものが欲しかった。  
 
そしてドイツとの国境、ストラスブールに着いた日だ。  
ちょうど小雨が降り始めたため路地裏へ入ったところ、一人の男が理彩に駆け寄った。  
何語なのか、その言葉は理彩には理解できない。  
ただ彼は、自分の荷物を執拗に少女に押し付けてくる。  
預かってくれということか。  
理彩は笑顔を見せ、男の会釈を見送った。  
直後のサイレン、捕縛など予想できるはずもない。  
『パリには捕まる直前、証拠品を他人に押し付ける犯罪者がいます。  
 巻き込まれないよう、十分に注意しましょう。 』  
ガイドブックの一節を思い出した時、少女の手には鉄の錠が嵌められていた。  
 
窓のない地下牢で、他の牢にも何人かの覇気の無い受刑者がいた。  
若い女ばかりだったが、その世話はすべて男の刑務官が行う。  
尻を撫でたり、胸を揉んだりは当たり前だ。  
配慮やエチケットといったものとは隔絶された世界。  
犯罪の多いフランスだからか、あるいは此処だけなのか、  
全てが刑務官の匙加減で取仕切られていた。  
 
牢の棚には古ぼけた歯ブラシ、歯磨き粉、石けん、櫛、制汗剤などがあったが、  
常時拘束されている状態で使える代物ではない。  
最初の数日で、理彩は私語をせず、決して命令に逆らわないよう躾けられた。  
服従には鞭が壁を打つ音だけで十分すぎる。  
実際、3ッ日目まで耳鳴りが止まなかったのだから。  
 
「87番、捜身を始める。後ろを向いて壁に手をつけ」  
夕食から1時間後のこの命令が、少女にとって最大の苦痛だった。  
そして理彩に与えられた役目は、他の者とは違う。  
 
拘帯を外され、白い臀部を剥き出しにされる。  
その初々しい前後の穴には、遊びのないサイズの挿入具が嵌め込まれていた。  
「お前らヤクの売人は、どこに何を隠しているか分からんからな」  
髭面の刑務官が言い聞かせるように囁き、後ろの挿入具を深々と押し込む。  
「うっ…」  
僅かに上がる腰を愉しみながら、次はゆっくりと引きずり出す。  
その大きさは日々少しずつ増し、4センチもの直径になった。  
 
少女は毎日のように異様な感触を味わっていた。  
潤滑油を塗って入れられる際は苦痛でしかないが、それを一日腸内に留め、  
夜に抜き差しされると痛みが薄らぐ。  
めったに無い快便の感覚に理彩が息を吐くと、それを見計らって奥深くまでねじり込む。  
「あ、あおあぁーっ!!」  
「87番、発声の許可はしていないぞ」  
たまらず声を上げれば痛い懲罰が待っている。  
その日初めて迎える太さに戸惑う暇も無く、姿勢を崩すことも赦されず、  
挿入具の抜き差しにただ耐えねばならなかった。  
「今日は奥に当たるモノが少ないな。…つまらん事だ」  
時おり挿入具は粘ついた音を立てて引き抜かれ、少女の鼻先へ突きつけられた。  
ただでさえ頭が掻き回されるようなのに、吐き気を覚えた。  
忙しなく食事をした後で、しかもそのパンもスープも粗悪であるため、  
腸内を長く硬い挿入具で延々としごかれ続ければ必ず鳴動が起こる。  
ようやくに終わりを見せ始めた抽送が、ぐるぐると鳴る音で勢いを取り戻す。  
 
「……っう、ぐっ! …う、ふんぅ…ん〜……っ!」  
理彩は奥歯をきつく食いしばり、脇腹を震えを抑えた。  
ある日には凄まじい熱さを感じた後、後孔にどろっと茶けた嘔吐を醸し、それをなじられ、  
それでも耐え続けなければならなかった。  
刑務官の抜き差しは、少ない時でも1時間は続いた。  
 
しかしその辱めも、まだほんの準備段階に過ぎない。  
そう悟ったのは、4センチの挿入具に痛みを感じなくなった頃だ。  
日本人の少女がよほど珍しいのだろうか。  
理彩のくびれた腰に、長い脚に、様々な刑務官が好色の目を向けた。  
万が一問題が発覚した際に厄介だ、ということで処女だけは約束されている。  
つまり、少女のアナルのみが全ての刑務官に狙われていたのである。  
理彩はそのことを露骨に感じたが、どうすることも出来なかった。  
 
怒張が初めて菊門を通った感触は、忘れられない。  
大きかった。  
挿入具にはもっと太さがあったというのに、それより暴力的に思えた。  
熱く脈打ちながら腸壁にべたりと貼り付き、最奥をひらく。  
フランスの男性器平均は世界でもっとも大きい。  
そんな女性誌の記事が頭をかすめる。  
「あ……は、入ったんですか…?」  
身体のかなり奥までが重くなった時、叱られるのを承知で少女は問うた。  
自らの排泄孔が犯されているのが、あまりに、あまりに衝撃的だったからだ。  
刑務官は何も答えず、理彩の右腿を抱え上げて腰を使った。  
チーズくさい体臭が同じく記憶に残っている。  
普段ならば、断じて近づくことを許さないタイプの男だった。  
「…ひぅっ!…ん〜、うん、うんっっ!あ、あぁ…、うん、っあ……!!」  
男の出っ腹で胸を擦られながら、少女は息の代わりに情けない声を吐く。  
 
汗がひどく、床についた背面にお湯の膜が出来たようだった。  
何十回と突かれた後にその床から身を起こされた時、  
理彩は腸壁への強い圧迫で失禁してしまう。  
尻の谷間を温かい流れが覆うあいだ、少女の括約筋はかつて無いほど締まっていた。  
男の唸り声が耳の奥にぞくぞくと響く。  
理彩は小さく腰を反らし、腸内の空洞がふたつに分かたれるような感覚に震えた。  
 
それから、理彩は毎日のように刑務官の慰み者となった。  
昼夜も無く、する事と言えば食事か、シャワーか、アナルセックスだけだった。  
くたくたになった理沙は、犯されながら眠るほかない。  
 刑務官は精が尽きると趣向を変えた。  
「漏らす前にコイツで3回イってみせろ。イく時にはちゃんと言うんだぞ」  
柱に太いアナルバイブを括りつけ、一升分の浣腸を理彩に施して命じる。  
「はーっ、はーっ、あ、ああ、ぐ…ぅっ……あ、あ〜〜ッ!!」  
膝に手をつき、汗みずくになって腰を繰った。  
それを男達は酒を喰らいながら眺めていた。  
 
一日のほとんどを尻穴への感覚にしか向けない日々。  
手錠をされ両脚を広げられたまま、強制的に絶え間ない快楽で乱される屈辱。  
それは、理彩の中を少しずつ蝕んでいった。  
ぼやけているのが頭か、脊髄か、腸管なのかは分からない。  
だが変化は明らかに起きていた。  
硬い亀頭を腸奥の粘膜が柔らかく受け止められるようになり、  
荒っぽい突き込みでも粘膜が擦り切れて血の滲む事が無くなった。  
1時間ほど嬲られれば熱い下腹がぬるくなる。  
その感覚を覚えた時には、すでに秘唇は蕩けて蜜を垂らし、  
直腸ではそれより粘度の高いとろみがぐちゃぐちゃと音を立てた。  
 
男はみな身体を密着させ、理彩の艶やかな肌を愉しんだ。  
怒張が抜けそうなほど腰を引く最大限のストロークで。  
何度か出した後であっても、彼らはたちまちに低く唸って愉悦に浸った。  
少女の括約筋はよく鍛えられ、しかし奥は驚くほど熱く柔らかい。  
元来ふくよかな体質を必死に絞り上げてきた少女のアナルは、極上だった。  
 
「助けて、助けて、助けて、たすけて……!!」  
膝が笑い、腸の奥が排泄時のようにぼこぼこと蠢く絶頂の瞬間になると、  
少女は知らずにそう叫んでいた。  
臓物のすべてを噴き出しそうな極感からか、腰が砕ける事への防衛本能か。  
あるいは、自分が犯されているという認識が絶頂を呼ぶのか。  
理彩は幾度となく身を捩りながら、壮絶な表情で極まりを迎える。  
その顔に惹かれ、また誰かが猛りをしごきながら少女の後ろにあてがうのだった。  
 
永久に続くのかと思われたその日々は、一ヶ月後、呆気ない終わりを告げた。  
理彩の疑いが晴れた為らしい。  
それは余りにも唐突すぎ、少女の身体は物足りなさを禁じえなかった。  
排泄の際には無意味に深く息を吐く。  
街角で見かける化粧水のビン・ジュースのボトル…さらには自転車よけの鉄杭。  
それらを見る目が、変わった。  
「太くて、こんなに長い……お尻壊れちゃうよ?」  
骨董品屋で木製の像を手にしながら、可憐な処女はくつくつと笑っていた。  
 
それでも、理彩は満たされなかった。  
どんなものを使っても、それが自分の手首よりも大きいものでも、物足りない。  
犯されていないから。  
ネットで人を集め、自分の好みからかけ離れた男を見た時、背筋が震えた。  
あと3日でこの部屋に殺到するんだ。  
そう考えると、物足りなかった玩具でもたちまちに電流が走るのが不思議だった。  
外では完璧な人間を演じるミス・キャンパス。  
尻穴を容赦なく抉り回されて泣き叫ぶ間、その肩書きが理彩の胸を焦がしていた。  
 
 
玲は息を呑んだ。  
現実離れした話だが、理彩の様子を見ると嘘とは思えない。  
「犯されたのがクセになるなんて、どうかしてるでしょ?」  
理彩の目には涙が浮いていた。  
彼女は少し幼く見えた。  
理彩の見せるそうした弱さに、玲の胸は疼く。  
自分のものにしたい、する。そう強く願ってしまう。  
理彩の全てを知って決意した。  
これまで幾度となく抑えてきたその気持ちを、もう止める気がしない。  
 
「先輩は、私に犯されるの好きですか?」  
玲の毅然とした問いかけに、理彩は躊躇い、ゆっくりと頷いた。  
「玲ちゃん、私がミスに選ばれた時、ゴミでも見るようなすごい目してた。  
 あんな目で見られながら犯されたら、わたし……」  
玲は口角を吊り上げた。  
男に犯された事がトラウマになったなら、それを塗り替えてやればいい。  
自分でしか感じられないように。  
男根を持たない玲には、理彩の後孔がどれほどの具合なのか分からない。  
だが代わりに果てる事もなく、一人でいつまででも彼女に愉悦を与えられる。  
女を仕立てるのは女だ。  
 
「ねぇ先輩。この近くのSMホテルに、米産の木馬型マシンが来てるのご存知ですか?」  
玲の瞳の変化に気付き、理彩は身を竦ませた。  
「……え?」  
玲の目は爛々と光っている。獲物をみつけた蛇の目だ。  
「私、試しに使ってみたんですけど、3秒でたまらず飛び上がっちゃって。  
 もしその上に縛りつけられて、おまけに脚を掴んで持ち上げられたりしたらどうでしょう」  
理彩の後ずさりを腕を掴んで留め、玲は微笑んだ。  
「あの、泣いちゃったらちゃんと止めてね?」  
「あら、ご自分で気付いてらっしゃらないんですか?  
 貴方って泣いて意識が飛んで、そこで初めて本気汁の色が変わってくるんですよ」  
理彩もまるでつられたように、引きつった笑みを浮かべる。  
「……やっぱりあんな話、言わなきゃ良かった……」  
 
二人の夜はこれからだ。  
 
                    ――終――  
 

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