中学の頃、俺はいわゆる「グレた」状態だった。  
俺に限らず学校の多くがそうで、片田舎に閉じ込められる鬱憤を  
酒や煙草・単車で発散していた。  
ただ、女には疎かった。  
俺の住む西区は女子自体少なく、いても小太りの垢抜けない容姿。  
逆に北区は多少栄えていて、学校帰りに駅でミニスカの可愛い娘を  
探すのが俺達の日課だった。  
その姿をオカズに夜ごと妄想に耽る日々。  
でも、中にはそれだけで満足しない奴もいたようだ。  
 
「タケが可愛い子捕まえたらしい。見に行こう」  
そう言われて連れの家に行くと、そこには本当に可愛い娘がいた。  
高校生…あるいはもっと上か、すらりと伸びきった体型。  
場所が場所ならレースクイーンにでもなれそうだ。  
親が滅多に帰らないのをいい事に、数人で連れ込んだらしい。  
タケは冗談のわかる奴だが、たまに思い切った事をする。  
本当に大胆な奴だ。  
もっとも、俺達だって人の事は言えない。  
まずいとは皆分かっていたが、誰も止めなかった。  
 
白カチューシャの乗っかった、肩までの黒いストレート。  
華奢な肩、細い腕、くびれた腰つきを際立たせる胸とお尻。  
桃の果皮のように薄らと赤らんだ白肌。  
その大人びた女の子らしさは、俺たちの興味を惹きすぎた。  
 
俺たちは毎日タケの家に入り浸った。  
夜も「友達の家に泊まる」のだから問題ない。  
彼女の身体を使って、俺たちは様々な妄想を実現させた。  
上目遣いのまま口でさせたり、膨らんだ胸に挟んでしごいたり。  
自慰をさせてそれをじっくりと観察した事もある。  
 
雑誌で見たのよりずっと綺麗な彼女のあそこは好んで舐められた。  
反応が良いクリトリスも誰がしかが弄っていた。  
四つん這いで口に物を咥えさせられ、背後から肉芽を剥き出される。  
そのうち透明な蜜が滲んできて、ますます滑らかにこね回される。  
ガキの手で為すすべもなく女を濡らされる。  
思えば、かなりつらかったことだろう。  
だが馬鹿な俺たちは彼女が仰け反るたび、逝った逝ったと有頂天になった。  
 
その代わり、俺たちは彼女の望むことは出来るだけ叶えた。  
風呂には好きに入らせたし、馴染みのない菓子を欲しがれば皆で金を出しあった。  
救いだったのは、彼女が帰宅を望まなかった事だ。  
家出でもしていたのだろうか。  
学校にも通っていない様子だった。もっとも、この辺りでは中卒も珍しくないが。  
 
彼女は不思議な女性だった。  
知性を感じさせる切れ長の目は、気が強そうなのにいつでも物憂げで、  
澄んだ瞳孔が泣き出しそうに潤んでいた。  
それは単に軟禁状態にある為だけではなさそうだ。  
もっと心の深い部分に翳りがあるか、あるいは元々そうした目つきなのか。  
いずれにせよ、俺たちはその気高く儚い瞳を見るたび、額が疼くのを感じた。  
『彼女に求められたい』  
……そんな風になってしまった。  
 
俺たちは、いつしかその人に憧れていた。  
髪を赤や金に染めて逆立てた強面が、揃って呼ぶ名は「お姉ちゃん」。  
全く笑える話だ。  
彼女も段々とつかみ所の無い一面を見せはじめ、  
羞恥に泣いたかと思うと目を細めて俺たちの頭を撫でる。  
反応は様々だが、皆撫でられるのは大好きだった。  
彼女は将来について考えることがいかに大事か、  
意味深に語る事が多かった。  
当時の俺たちには理解できない深い説法。  
その神秘性もあり、俺たちは彼女に惚れこんでいた。  
 
だから、処女を奪うことはしなかった。  
大体それをすれば強姦だ。  
でも同時に俺たちは、彼女を抱きたくてしょうがなかった。  
脚を絡み合わせ、腰を振る本番行為に憧れた。  
そう考えながら彼女のつるんとしたお尻を眺めていた時、  
俺たちは閃く。  
 
アナルセックスをしたい。  
さすがのお姉ちゃんもそれを聞いた時は取り乱した。  
「そんなのおかしい」「やめて」「汚い」「お願いよぅ…!」  
べそをかきながら、あるいは憤って繰り返す。  
でも最後には俺たちの熱意に根負けし、俯いて黙り込んだ。  
沈黙の中、その年初めてのセミが鳴いていたのを覚えている。  
 
まずは穴を綺麗にしようと、薬局に行き浣腸を買った。  
ちっぽけな容器だったので、3個を続けて注入する。  
イチジクの強さも知らないまま、俺たちは必死に耐える彼女を眺めた。  
たちまち顔に汗が噴き、お腹もぐるぐると低く鳴り出す。  
唇が震え、すぐに膝まで笑い出す。  
皆が黙りこくった。  
これが排泄器官にちょっとの水を入れられた反応なのかと。  
トイレへ駆け込んだ彼女のうなり声は、俺たちを落ち着かなくさせた。  
そして隠しようも無い生理的な音。  
しばらくして出てきた彼女は耳まで真っ赤だった。  
年下の子供に排泄を強いられる羞恥は、どれほどだったろう。  
 
それから俺たちは、ゆっくりと彼女のアナルをほぐしにかかった。  
生憎、オイルもローションもない。  
だから屈曲位にさせて皆で唾を垂らし、窄まりに溜らせて指を差した。  
ほぐすのは俺だ。  
はじめは全く開いてなくて、へそに指を突っ込むような気持ちだった。  
膣に入れた指よりぬるく、粘ついた感触。  
唾液のぬめりを借りて一気に奥まで指を捻じ込んだ。  
「おい、お姉ちゃん痛そうだぞ!」  
そう言われて見ると、確かに彼女は眉根を寄せて堪えている。  
「平気。痛くないよ……」  
溜息を吐くような言葉は、たぶん無理をしていた。  
彼女は優しいから。  
「もっと力抜いて」  
俺は囁きながら、排泄器官を弄くられる彼女の心中を思う。  
 
だが最初の挿入を済ませれば、あとは意外に順調だった。  
もともと彼女の括約筋が柔らかかったのかもしれない。  
2本指を中で曲げ、伸ばし、抜き差しする。  
「ん゛っ」「くぁ…!」といった彼女の声色で加減は分かった。  
20分もやれば2本指は簡単に入るようになる。  
そこで唾液を足して3本目、それでも痛がらないので4本目も差し入れた。  
彼女ははじめ何本入っているのか分からなかったそうだ。  
「うそ、4本!?やだ、拡がっちゃうって……!」  
本数を教えると、そんな風に驚いていた。  
でも、2本と4本とでは出来ることがまるで違ったんだ。  
 
何度か弄っているうち、尾骨の近くにざらっとした部分が  
あるのが分かった。  
Gスポットのようだが、それよりやや骨っぽい。  
そこを撫で回すと、お姉ちゃんはああっと声をあげた。  
ごりごり磨り潰すように擦ると、その声が切羽詰る。  
子宮側の2本指でもあっちこっちを触ると、  
「そんな、ぐるんぐるんしちゃ駄目っ!!」  
と、まるで知性を感じさせない事を言い出した。  
いつも何だか小難しいことを説いていた知的な彼女が。  
「アナルって、余裕なくなんのかな…」  
誰かがぼそっと呟いた。  
 
それは全くの偶然だった。  
彼女の反応に気を良くし、もっと良いポイントはないかと  
指を4方向に反らした時だ。  
「っぁ、ああ゛!」  
彼女の声が急に大きくなる。  
その時俺の指は、鰐の口のように開いていた。  
直感で『これだ』とわかった。  
「今のがいいの?お姉ちゃん」  
四つ指を限界まで拡げては閉じ…を力の限り繰り返す。  
みっちゃりと水の膜に閉じた腸壁を、ぱんっと一気に引き剥がす。  
彼女の反応はそれは凄かった。  
「奥が、奥が、っああぁーーー!!!」  
唾液ではない水音がお尻からしたのもこの辺りだ。  
そうなると、もうアナルも膣も同じようなもの。  
何度か彼女に潮を噴かせた時の要領で、水音のする部分を  
ぐちゃぐちゃと掻きまわす。  
手首に筋を浮かせ、指先が攣るまで壁に押し付けて神経を抉る。  
「ふぎゃあああああーーっ!!あああっぁうああぁーーーーっ!!」  
彼女は声の限り叫んでいた。  
同時に俺の太股へ爪を立てたので、正直泣きそうに痛い。  
でも、それだけ彼女は追い詰められていたんだ。  
 
周りはもうシーンとしていた。彼女の発狂に言葉もない。  
俺は彼女の爪に負けじと腸内をこねくり回す。  
飛沫をとばす勢いで指を暴れさせる。  
「いぐぅーいくいくうイクぅううー!!あ゛ー、あいっイグぅー!!」  
この時ばかりは、彼女のほっそりした体が大蛇に思えた。  
ものすごい力で背を丸め、俺の指から逃れようとする。  
でも力なら俺の方が強い、側位で責め続けた。  
「っくイクいくー!!ああああぁもうホントにいぐうううぅーー!!  
 誰か、誰かっクリいじってぇっ!イけないよぉーーー!!!」  
全く異質な絶頂感に狂いながら、お姉ちゃんは喚く。  
たちまち皆の指がクリトリスを覆うと、それは音も成さなくなった。  
 
彼女がいつ逝ったのか俺には分からない。  
だが、シーツには寝小便のような大きな染みができている。  
なおもお尻を弄ろうとするとまた太股に爪を立てられた。  
「逝った直後なの…さわっちゃダメ」  
諭すように言い、彼女は脚を擦り合わせた。  
「これ続けられたら……絶対、気失う……」  
 
余韻からの回復を待っていよいよ挿入となり、彼女は正常位をつくる。  
彼女の脚はベッドの上でまだがくがくと震えていた。  
美脚に挟まれた菊輪はわずかに盛り上がっている。  
指で押しひらげると、腹圧でぴゅっと温かい雫を飛ばした。  
俗に言う腸液だろうか。  
そして俺の体には、それよりもっと熱い汗が滝のように流れていた。  
しごいて整えるまでもなく、物が痛いほど反り返っている。  
「入れるよ」  
石のような亀頭を『お姉ちゃん』の尾骨に乗せた。  
「もっと早く入れても良かったのに」  
先ほどの狂乱に少しの恨み言を呈し、彼女は腰を上げる。  
最初はやや手間取った。入り口が滑って定まらない。  
だが、一度生ゴムのような輪を通り抜けると一息に潜り込んだ。  
その瞬間だ。  
 
『お、おっあ゛ああああぁぉおううううっっ!!』  
 
“物凄い声”としか形容しようが無かった。  
発しているのはお姉ちゃんだ。  
普段の声とは何オクターブも違う音。  
女の子らしさのまるでない、腹の奥底からの叫び声。  
なりふりも構えない、捕食者に食い破られる動物の原始的な唸り。  
 背筋がぞくっとした。  
俺とは造りから違う上品な顔をした彼女が、そんな声を上げるなんて。  
これが排泄の穴を犯されるということか…。  
 
「お姉ちゃん、大丈夫?」  
指を入れたときのように訊くと、彼女はベッドに後頭を埋めたまま頷く。  
その脚は筋ばって小刻みに痙攣していた。  
今度ばかりは堪えたくても許容量を超えているらしい。  
「ごめんね、変な声でちゃった、。動いても…いいよ」  
彼女は健気に脚を踏ん張り、腰を上げる。  
 
俺は…もう、その言葉に甘えるしかない。  
そのアナルは、今までに経験が無い快感をもたらした。  
根元には菊輪が喰いついて鬱血するようで、肉幹は口粘膜に覆われたよう。  
「うああ…すご、すごい…!!」  
フェラチオの極の極、食道に呑まれたような異質さに、俺は声を上げた。  
相手の細い腰を掴み、自分の欲望を果たす為だけに腰を使う。  
「あっ、お、おぅっ、あう、う゛っぁあ…」  
彼女が肩で息をしているのが見える。  
唾液が口元から顎先まで流れ、その跡が異様なほどいやらしかった。  
 
果たして何回の摩擦に耐えられただろうか。  
「お、おっおぉう、出るっ!!」  
俺はさっきの彼女以上に情けない声で絶頂を告げた。  
どくっ、、どくんっと彼女の腸内に、かつて出した事もないほどの精が放たれる。  
跳ねる怒張を腸壁になだめられ、俺は恍惚に酔いしれた。  
 
 
それからというもの、俺たちは毎日彼女のアナルを愉しんだ。  
誰もが10分ともたず達してしまうほどの名器だった。  
彼女自身はしばらくは痛くもなく、かといって逝けもせずという  
むず痒い状態だったらしい。  
だが乳首やクリトリスを弄りながら責められているうち、  
だんだんとアナルの感度も上がっていった。  
彼女曰く、浣腸をせずに実入りで突っ込んだ時が一番凄かったそうだ。  
 
俺たちは、ある時は姫と従者のように、ある時は雄とその奴隷として、  
快楽を貪る毎日を過ごした。  
乳を吸い、白い腿に舌を這わせ、深くキスをして。  
俺やタケをはじめ、何日か前まで喧嘩しかしていなかった奴らが、  
すっかり柔らかい顔になっていた。  
 
しかし、楽しい日々は長く続かない。  
“タケの家で見知らぬ女が食事をしていた、風呂を使っていた”  
何しろ田舎の事だ、些細な事実もたちまち知れる。  
「もう、潮時ね」  
彼女のひと言で、俺たちは項垂れ押し黙った。  
最後のセミが鳴きやんだ。  
 
 
高校の頃、俺はもう酒も煙草もやっていなかった。  
普通に卒業し、バブルに沸く世代の平凡な会社員になって。  
俺に限らず、他の奴らもくだらない日常を真っ当に生きはじめた。  
ただ、女には貪欲だ。  
会社の子、飲み会で知り合った子、海でナンパした子。  
俺はそれぞれと普通にも愛し合いつつ、アナルを弄った。  
どの子もはじめは嫌そうな顔だが、宥めすかして開発する。  
はじめて貫くとき、愛らしい彼女らはみな獣のような声でうめいた。  
それを聞きながら尻穴を貪ると、社会でのストレスなど何ほどの物でもなくなる。  
 
しかし、未だに彼女を超えるほどの感触には出会えていない。  
彼女――俺たちのお姉ちゃんはどうしているだろう。  
市長選のウグイス嬢だったとか、ローカル局のアナウンサーになったとか、  
噂は山ほど耳にした。  
案外、結婚して家庭に収まっているかもしれない。  
 
 
もう懐かしくて顔も覚えていないけど、もうその匂いさえ忘れたけれど、  
きっとどこかで元気にしている事だろう。  
俺たちは、あの温もりを忘れない。  
 
                   おわり  
 
 

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