ある夜の事でした。
ずいぶんお酒を嗜まれ、かなり出来上がりお顔の紅くなったご主人様が「ワカメ酒いいよなぁ。
飲んだことないし」と仰いました。
その時はよく分からなかったので、ニッコリ微笑むだけでやり過ごしましたが
次の日用の脳内お買い物リストに、書き加えておきました。
明くる日、ご主人様をお送りして、邸内の仕事を一通り終えると、お買い物に出かけました。
近所の酒屋に出向き「ワカメ酒置いてますか?」と元気よく尋ねるも、酒屋の男性店員に
「ハァ?」という顔付で、「・・・置いてないんですけどぉ」と言われてしまいます。
少し遠目の大きめの酒屋にまで足を伸ばし、再度探してみたましたがここにもありません。
若くてカワイイ男の子店員さんに尋ねたところ、「置いてません」と俯きがちに言われました。
他にも回りましたが、どこでも答えは一緒で売っておりません。
諦めて家に戻り、(確か昨日の新聞にリカーショップのチラシが入ってた)と思い出し探して
見つけて、電話してみました。
出た女性店員に聞いたところ、何故か「うちでは扱ってません!」と半ギレで対応される始末です。
見つからない上、お客に対してのヒドい接客態度に、悲しくなるやら、腹立たしくなるやらです。
よく考えますと、お酒が好きなご主人様が、今まで飲もうと思っても飲めなかったお酒な訳です。
町内の酒屋程度では入手困難なのかもしれいないと、インターネット通販で取り寄せる事を
思いつき、検索してみました。
そして・・・、真実を知りました。
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もうこの町では恥ずかしくて働けません。
今晩、ご主人様がお帰りになった時にお渡ししようと、辞表を書いています。