「――洗ってきたのか?自分で」  
「……。はい……」  
 自分でも執拗と思える何度も繰り返した浣腸を思い出し、少女の頬が真っ赤に染まる。  
 もう十分だろうと考えても、どうしても男の前に立つ前に綺麗にさせておかないと気が済まなかった。  
不浄の場所に快楽を教え込まれても、どうしても生理的嫌悪感を消し去る事は出来ない。  
 わざわざ遠く離れた薬局で買った浣腸を学生鞄の一番底に隠して、そしてそれが減っていくたびに  
異様な感覚が少女を襲う。自宅で、学校や駅のトイレで、冷たい薬液に腹腔がぐるぐると音をたて、  
やがて嫌な汗が全身を湿らせる。健康体には必要のない行為である。慣れていない身体はすぐに  
限界を迎える。――それなのに。  
 身体が、疼く。男にそこを犯される為に自ら清めているのだと痛感すればする程、我慢の苦痛が  
どこか甘いものになる。呻きつつ、瞳の奥がとろんとしたものになる。  
 ぎゅっと引き締めている窄まりと愛液を溢れさせた膣口が別の生物の様に卑猥に蠢く。緩めて  
楽になりたい。だが排泄行為への抵抗は一人の時ですら強かった。  
 歯を食い縛りながら、少女の指はそろそろと下へ降りていく。  
『ぅ……く…ぅぅぅぅ……』  
 限界まで絞っている窄まりに滲んでいるのは薬品だろう。まだ崩壊していないが限界に近い  
細かな皺の一つ一つを指で確かめてしまいそうになり、少女は汗まみれの首を何度も振りたくる。  
 男に今すぐいじられたい、などと考えてしまいそうで恐かった。もう汚したくない、だから自ら  
何度も浣腸を施しているのに、繰り返すほどに身体がおかしくなっていく。  
 そんな自分を見透かされている様で、少女は男の視線から目を逸らした。  
 

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