「…ご覧の通り、依然とし…主要交通…関の麻痺……る中、  
 復旧…早くとも一週間…見通し…」  
ノイズの混じるブラウン管を眺め、夏目久志は溜め息をついた。  
全てはこの街を襲った大地震のためだ。  
建物の殆どが倒壊、負傷者は数千に及ぶ規模。  
とても残った病院に収まりきる被害ではなく、  
命の危険がない限りは多くが自宅療養を余儀なくされていた。  
久志の姉、優夕(ゆう)もそんな一人だ。  
 
「ね、姉ちゃん、粥作ったけど…食べる?」  
久志は襖を叩き、寝たきりの姉に呼びかけた。  
「……ありがとう。入って」  
どこか掠れたような声に、久志はそうっと襖をあける。  
盆を突き出し、伏目がちに。  
姉のあられもない姿に配慮してのことだ。  
優夕は昨晩と同じ姿勢で身を横たえていた。  
肢体の各所に幾重もの包帯が巻かれ、破れた寝巻きのようだ。  
その白い布の間からは、淡い桜色の肌が覗いている。  
久志は唾を呑んだ。  
染みの一つもない姉の肌は、久志が見たどんなものより鮮やかだ。  
ほのかに寝汗の甘酸っぱい匂いがする。  
 
 (…あ、阿呆か、俺は――!)  
久志は努めて無表情をつくり、匙で粥を掬っては冷まして身を起こす姉に与えた。  
唇を尖らせて啜る姉の仕草に、久志はむず痒い気分になる。  
汗で濡れたのかしんなりと頬に貼りつく黒髪。  
匙を凝視するくるりとした瞳。艶やかでぽてっとした唇。  
普段はさっぱりとした美人顔であるのに、今の優は幼く見えた。  
そして横たえられたその見事なスタイル。  
 (見るな、あんまり見るな。姉ちゃんの気持ちにもなれ)  
包帯だけを纏い、ろくに座る事もできず実弟に身体を晒す。  
年頃の娘がそれをよしとするものか。  
 
「ご馳走さま。お腹減ってたから、すーごい美味しかった」  
包帯まみれの手で弟の膝を撫でる優夕。  
その笑顔にも、久志は妙な気分になった。  
自分の下心を見透かし、無理をして場を和らげているようで。  
実際、塩加減も適当な粥などそう美味であるはずも無い。  
「おれ…もっと美味いもん、作れるようなる」  
久志は姉の顔を見つめて言った。  
優夕はそんな彼を優しく見つめ返す。  
 
そして、久志が盆を下げようと立ち上がった時だ。  
「じゃあ、ゆっくり休んでてな…、っと」  
優夕の下半身に掛かっているシーツを踏み、それが外れかけた。  
「――っ!あ、いやあっっ!!」  
突然、優夕が叫んだ。ここしばらく無かった動揺だった。  
久志は慌ててシーツを戻す。  
部屋に気まずい沈黙が満ちた。  
「…ご、ごめん」  
「あ、こっちこそ…。その、さすがに…恥ずかしいから」  
姉は顔を赤くして俯いていた。  
久志は頷く。秘部ならあの動揺も仕方がない。  
 
食器を洗いながら、久志は胸が高打つのを感じていた。  
包帯から覗く肌や、秘部を見そうになった事だけではない。  
彼がまだ小学校の頃、3歳上の優夕は彼にとって理想の女性だった。  
涼しげな顔は贔屓目に見ずとも美人であることに疑う余地はないし、  
中学生にしてすらりと伸びた脚線は周囲の目を引いた。  
雑誌のグラビアよりも優夕の身体がよかった。  
隣の部屋にいる姉を想像し、自慰に耽った時期もある。  
久志は美しい姉をひそかに誇りに思っていた。  
しかし、表面上は喧嘩をよくする普通の姉弟に過ぎない。  
家ならではのだらしなさや意地悪さに、いつしか久志の恋も醒めていった。  
 
久志が再び優夕を女として意識したのは、つい最近の事だ。  
両親が事故で他界し、すでに一人暮らしだった姉が仕送りを始めてくれた。  
「一人では何も出来ないだろう」という嫌味と共に、少なくない額を。  
大学に通いながら幾つもバイトをしているのは明らかだった。  
いつか働いて返そう、そう思った矢先。  
優夕の住む街は未曾有の災害に見舞われ、彼女は立てない怪我を負った。  
痛んだ優夕の家で、久志は今日もなるべくの看病をする。  
 
しばらく家にいると、姉の様々な情報が知れた。  
写真立てに飾られた男とのツーショット、揃いのマグカップ。  
タンスに入った昔は持っていなかった下着。  
古いスケジュール帳にはいつHをするかが記してあったし、  
日記には彼を深く愛していた事、しかしとうとう破局した事、  
急に独りになって心も身体も持て余している事などが綴られていた。  
そこには等身大の娘の生活があった。  
 
「こんな自分の暮らしん中、姉ちゃんは仕送りしてくれてたんや」  
久志は姉に何とも申し訳ない感情を抱いた。  
しかし同時にその環境下、彼の愚息は硬直している。  
遠くなった姉の生活を垣間見て。  
半裸に近い姉に一日3度の食事を与えて。  
かつては理想の女性だった相手だ。  
しかも女子大生となった今の彼女は垢抜けている。  
元もとの美貌が都会に磨かれ、輝きを増している。  
久志が心動いたとしても、それは仕方のないことだった。  
 
そして、もう一つ。この家には、彼の興奮を煽る要素がある。  
 
ポーン、とチャイムの音がした。  
ドアを開けると、そこには小さな少女がいる。  
「あぁ、美香ちゃん。今日もご苦労さん」  
久志が声を掛けると、少女はぺこんと頭を下げて部屋へ入ってくる。  
三つ編みの姿には大人しい令嬢という雰囲気がぴったりだ。  
久志は彼女を微笑ましい目で迎え入れる。  
まだ中学生だというあどけない彼女は学生ボランティアだ。  
自宅療養者の多さに通常のヘルパーが追いつかず、家庭によっては  
こうした学生達が被災者の介護を任されている。  
その内容は、男がするには好ましくない事。  
すなわち女性の身体を拭き清めたり、服が着られるなら着替えさせたり、  
そして…寝たきりの彼女らの、排泄管理も彼女らの仕事だ。  
 
「あの、それじゃあ…介護を始めますので…。」  
美香に控えめに促され、久志は頷いて靴を履いた。  
仮にも女性が排泄したりする状況だ、異性は外で待つ決まりだった。  
 
ドアを閉めるとき、久志は気がつかなかった。  
美香の馬鹿にしたような口元に。  
 
 (美香は見るからにええ子やし、姉ちゃんも幸せやな)  
久志は空を眺めながら思った。  
家によっては学生ゆえに煩雑な介護の例もあるらしい。  
しかしあの美香は誠実そのもので、また優夕が不満を漏らした事もない。  
介護についての不安は無い。だが久志は落ち着かなかった。  
平静で居ろという方が無理かもしれない。  
美しい姉、ひそかに恋心さえ抱いた女性が生身に剥かれ、排泄姿すら晒す。  
そしてそれを導くのは、あの純情そうな美香なのだ。  
 
 (一度だけでも見て―――いや!)  
久志は髪をぐしゃぐしゃと掻いてその考えを追いやる。  
姉が怪我をしたのはバイト先だと彼女の友人に聞いた。  
自分への仕送りが無ければ、そこへは行かなかったかもしれない。  
彼女の怪我は、間接的に自分のせいなのだと久志は思っていた。  
その相手の痴態を覗こうなど、非道にも程がある。  
 
しかし――雄の欲求は大きかった。  
何日も姉の匂いのする家で暮らし、ここしばらく自慰もしていない。  
もはや彼の性欲は、理性を揺るがすに十分なものとなっていた。  
 (ちょっと、裸みるだけや。昔は一緒に風呂入っとった身体を…)  
久志は足音を忍ばせてアパートの脇に回った。  
消化栓や一輪車のゴミ山となっている場所に上れば、  
ちょうど姉の寝室を見下ろせるはずだ…。  
 
「ふふっ。昨日ぶり、ユウおねえさん」  
久志がドアを閉めたのを認め、美香は優夕の部屋に上がりこむ。  
瞬間、優夕は顔を強張らせた。  
けして少女を歓待するわけではないらしい。  
「あらら、わたし嫌われてる?…お漏らしおねーさん。」  
美香は笑いながら近づき、無遠慮に優夕の腰のシーツを取り去った。  
先ほど久志が見なかった部分が露わになる。  
そこには桃色の素晴らしい脚が、横へひし形を作った形で固定されていた。  
中心には赤い秘唇がわずかに口を開けており、さらにその上部からは  
極細のチューブが伸びている。  
チューブの先は黄色い液が溜まったパックに繋がっていた。  
いわゆる導尿である。  
 
「うわー、こんなに溜まってる。一日で出したもんねぇ」  
美香は嘲るように尿パックを振った。ちゃぽちゃぽという音が響く。  
「っ…!」  
優夕は羞恥に顔を赤らめたが、脚を閉じることはしない。  
いや、出来ないのだ。  
足首と腿が固定されているだけでなく、脚全体が言う事を利かない。  
「ほーらみて、あったかいよぉ、ユウおねぇさんの中の」  
美香はパックを優夕の胸やあちこちに置いていく。  
意思とは無関係に垂れ流した尿の生暖かさが肌に染みる。  
これほどの羞恥があるだろうか。  
「や、い、やぁ…!」  
優夕は嫌々とかぶりを振った。  
 
「へぇ。自分の身体の中にあった物が、そんなに嫌なんだ?」  
「あ…当たり前でしょ、汚い…!」  
顔をしかめる優夕を、美香が嘲るように見下ろしていた。  
そこに外で見せる善良さは微塵もない。  
「ひひっ、ふ、あっははは!!」  
美香は突然高らかに笑い出す。  
優夕は不気味そうにそれを見上げる事しかできない。  
「ひい、っひ。可笑しいね、ユウおねえさんみたいに綺麗でもさ、  
 やっぱりおしっこは汚い?あっはは、そっかぁ」  
ひとしきり笑った後、美香はふと顔を戻して尿パックを高く掲げた。  
するとチューブを伝い、黄色い液体が優夕の尿道へと逆流していく。  
「あ、やぁああっ!!」  
普段出すだけの膀胱に液体が、それも自らの暖かい尿が注がれている。  
そのおぞましさに美しい娘は悲鳴をあげた。  
 
美香は尿道付近のチューブを押さえたまま、パックを握り潰す。  
優夕の細い尿道内を放尿されるかのような激流が満たした。  
「あああっ!は、入ってくる、入って…くるぅ……っ!!」  
優夕は仰向けのまま頭を仰け反らせる。  
「やめて、不衛生でしょ!あなた介護するんじゃないの!?」  
尿道を圧迫される不安から、優夕はまくし立てた。  
その苦しみのない美香は至って冷静に尿を注ぎ込む。  
 
「元々おねえさんの中にあったんだがら、不衛生でもないでしょ?  
 …まぁ、そこまで気にするなら…」  
ついに空になったパックを、美香はカテーテルから取り外した。  
しかし、まだ尿道から抜くわけではない。  
彼女はさらに銀色の小さなパックを取り出し、カテーテルに取り付ける。  
「な、何…?まだ入れる気なの?」  
怯える優夕に笑みを向け、美香はそれをへこませた。  
「…ん、うぅあっ!あ、あつ、い…!?熱い!」   
尿道の壁が焼けるような感覚に、娘の悲鳴は緊迫したものとなる。  
 
「ふふ、染みるでしょ。お望みの消毒用塩素ゼリーよ。  
 おしっこの穴ににゅるにゅる入ってく感覚は、さすがに新鮮だよね」  
美香はますますサディスティックな笑みで塩入りの半固体を注ぐ。  
敏感な尿道粘膜にそれがどれほどつらいかは、想像でしか理解していない。  
「あああ…ああああ……!!」  
一日分の尿に塩素ゼリーが溶け、確かに容積を増してゆく。  
膀胱が膨らむ違和感は凄まじいものだった。  
 
ゼリーが8分ほど入ったあたりで、ついにチューブ内の動きが止まる。  
膀胱内が限界を迎え、逆流しているのだ。  
「膀胱が張り裂けそう?でも、出させてあげなぁい」  
美香は優夕の限界を見て取り、嬉しそうにチューブの先をコックで閉じる。  
「うあーっ!おっしこ、おしっこさせてぇーっ!!」  
尿の出口を塞がれ、優夕は苦しげにうめいた。  
膀胱内の水は尿意を感じる量を遥かに超えており、とても我慢できるものではない。  
 
「出せるならしてもいいよ、でも出来ないよね。  
 わたしの許可がないと排泄できない。おねえさんはそういう立場なの」  
美香は右手で娘のぽっこりと膨れた恥骨を撫で、左手で震える腿を押さえて嘲笑う。  
 
 
「ど、どういうこっちゃ、これ…」  
小高い場所から室内を見下ろしていた久志は言葉が無かった。  
どう見てもまともな介護ではない。  
実の姉が動けない事をいいことに、膀胱に延々と液を流し込まれて苦しんでいる。  
会話はよく聞こえないが、美香の顔は明らかに悪意あるものだ。  
 (どうする、すぐ止めるか…?)  
そう考え、しかしそれは出来ないと彼は気付いた。  
姉は一度も介護に対する不満を漏らした事はない。  
彼女は虐げられていることを弟に知られるのが嫌で、じっと耐えてきたのだ。  
もしここで自分が立ち入れば、その思いを踏みにじる事になる。  
 (…っくそ!)  
姉の事を思えばこそ、久志は気付かれぬよう黙って見守るしかなかった。  
そしてその室内では、また彼の心を蝕む動きが表れはじめる。  
               
優夕は閉じた目に涙を浮かべ、唇を噛んで尿意に耐えていた。  
「何で、何で私にこんな事…!」  
腰をくゆらせて気を紛らせわせたくとも、体がろくに動かない。  
ただ尿道の焼けるような痒みにじっと耐える他なかった。  
美香はそれに追い討ちをかけるかのごとく、カテーテルに卵型のローターを宛がっている。  
細いチューブ越しに尿道を揺さぶられ、娘の息が荒くなる。  
 
「ボランティアってつまんないの。ジジイやババアの排泄まで見るんだよ?  
 学校側に言われて来てやってるけど、正直やってらんない。  
 だからせめて、おねえさんみたいな綺麗な人で遊ぶの」  
美香はあどけない顔で言いながら、ローターの位置を変えた。  
半ば剥きだしになった優夕の陰核に震えが走る。  
「膀胱がいっぱいだと、クリも充血して盛り上がってくるんだね」  
言いながら、女ならではの巧みさで陰核を撫で上げる。  
 
「ああ、ああぁっ!」  
美しい娘は為す術もなく身悶えた。  
たしかに膀胱が膨らむと、普段より昂ぶりやすいようだ。  
「ひひ、感じてる。彼氏と別れたのが二ヶ月前だっけ?  
 そろそろ身体が寂しくなってくる頃って聞いたよ」  
少女がローターで横ざまに陰核をくすぐると、優夕の腰がのけぞった。  
 
動けないまま尿道を満たされ、年下の同性の手で愉悦を迎えてしまう。  
それが情けなく、優夕の心は千々に乱れた。  
 
何分が過ぎただろうか。  
部屋に湿った空気が充満しはじめたころ。  
「い、いくう、いくっ……!」  
絶え間ない陰核への振動に、ついに優夕の頭が白んだ。  
しかし最高の一時へ向かうその瞬間、急に美香はローターを止める。  
 
「何がいく、よ。勝手にイっちゃ駄目だって言ってるでしょ。  
 おねえさんが逝っていいのは、ここでだけよ」  
達し損ねて口を開閉させる優夕の腰を、美香は抱え上げた。  
そのまま彼女が下腹部を押し込むと、腹圧で娘の中にあるものがひり出される。  
「うあうっ」  
優夕がうめく。  
慎ましい蕾を割りひらいてその直腸から覗いたのは、極太の張型だった。  
「こんな太いのを一晩中咥えこめるようになったんだぁ。あは、湯気でてる」  
怪我で代謝が異常なのか、ほかほかと上気する張型を拾って美香が言う。  
優夕は後孔にぽっかりと空洞が空いたような感覚を覚えた。  
 
毎日のように拡張され、そこはすっかり拡がってしまった。  
抵抗などしようもなく、多少痛くても叫べなかった。  
外には弟がいるのだから。  
 
優夕は今まで、どれほどの恥辱を受けても叫ばなかった。  
幾度も浣腸され、排泄姿を携帯で撮られても。  
マッサージ器を秘裂に差し込まれて過呼吸になるまで逝かされても。  
しかし美香の“遊び”は日に日に激しさを増し、また彼女の精神も弱っていた。  
我を忘れて叫ぶ日は遠くないだろう。  
今日の、膀胱の破れそうな感覚がそう伝えている。  
 
身体がうつ伏せにされるのも、優夕は止められなかった。  
力なく掲げた美尻が掴まれ、菊座を暴力的な質量がこじ開ける。  
美香がつけた特大サイズのペニスバンドだ。  
少女には、それで限界を迎えた娘の後孔を犯すのが至上の楽しみだった。  
 
剛直は中ほどまで進むと、一息に根元まで沈められる。  
「あぐぅ…!」  
優夕は苦悶の声をあげた。  
美香は娘の腰を掴むと、具合を確かめるようにずんずんと腰を突き出す。  
 
「どうおねえさん、膀胱が張り裂けそうなままお尻を犯される感想は?」  
言葉責めを加えながら力強い抽送を繰り返す美香。  
菊座の皺を伸びきらせる剛直には麻酔剤入りのゼリーが塗布され、  
ぐちゃぐちゃという生々しい音を直腸内から響かせている。  
「あああう、ああああう!」  
優夕は床に頭を擦りつけて抵抗を示した。  
 
尿意は限界を訴えて脚を震わせているし、火照ったクリトリスは  
腰が前後するのにあわせて冷たい風に晒される。  
直腸への抜き差しは腹の奥まで貫かれるようだ。  
たまらなかった。  
排泄の自由を奪われたまま二つの排泄孔を穿たれる。  
まるで自分が動物以下の存在になったかのようだ。  
 
「おし、っこ…あぅ、お、おしりがあ!もう、もう…!!」  
「あはは、何?わたしに犯されるのがそんなに嬉しいの?」  
美香は容赦なく、うつ伏せに股を開いた娘を後ろから突き上げる。  
腕の一本も動かせず、娘はされるがままに排泄孔を蠢かせた。  
 
「んっ、んあ!ああっ、うあっ!!」  
愛した男性のこと、弟のこと、全てがどうでもよくなっていく。  
ぐちゃぐちゃと尻穴から漏れる音だけが羞恥心を炙る。  
「ほら、あそこももう濡れっぱなしじゃない。アナルで感じてるんでしょ」  
前に回した手で優夕の秘芯を弄くりながら美香が囁く。  
 
「あ、あ……うああああああ!!もう、もうだめええぇええ!!!」  
膀胱がびくびくと痙攣するのを感じ、優夕は叫んだ。  
総身の汗腺が凍りついたように危険信号を発している。  
「仕方ないなぁ。おしっこ垂らしながら、お尻でイっちゃいなよ!」  
美香が腰を引き、弾みをつけて最奥までを貫いた。  
同時にカテーテルのコックを外す。  
括約筋が収縮し、急激に膀胱内の水圧が変わって優夕の腰が震え上がる。  
 
「あ、あああああああああああ―――!!!」  
あらん限りの叫びを発し、娘の尿がパックに黄色い泡を立てた。  
激流が尿道を駆け巡る感覚。  
優夕はそれをすべて感じ取ることもなく、汗みずくの身体から意識を飛ばした。  
 
「ふふふ、こうなっちゃあもう完全にドーブツだねぇおねーさんも。  
明日からは綿棒でどんどんおしっこの穴を広げてあげるから、楽しみにね」  
美香の蔑んだ笑いが、わんわんと鳴る耳にこだましていた。  
 
 
「ね、ねぇちゃん…」  
美香の帰った後の部屋に、久志はへたり込んでいた。  
姉は何事もなかったかのように包帯を巻きなおされ、  
下半身には真新しいシーツが被せられて寝息を立てている。  
しかしその顔は苦しげにしかめられていた。  
 
思えば、いつもそうだったかも知れない。  
怪我が痛むのだろうと思っていたが、そうではなかった。  
そっとシーツをたくし上げてみる。  
鮮やかな朱色の秘裂は何かの粘液でてらてらと輝き、  
カテーテルの挿された尿道口はわずかに腫れているのがわかる。  
そして同じく赤くなった菊門はちいさく開いており  
真ん中から泡だった薬液がつたっていた。  
 
やはり、先ほどのことは夢ではなかったのだ。  
姉はいつものようにあの少女に虐げられていたのだ。  
もし今日あれを見なければ、彼女はいつまでもそのままで。  
近いうちに壊れたかもしれない。  
 
「…っざけんなや……」  
姉の美しい寝顔を見つめながら、久志は涙を溢していた。  
幼い頃一緒に遊んだ姉。勉強をみてくれた姉。  
意地悪で、生意気で、しかし本当は自分を愛してくれた姉。  
胸がむかついて仕方がなかった。  
何が良くて何が悪いのか、彼にはもうわからない。  
 
久志は寝たきりの姉に背を向け、アパート脇にあるバイクに跨った。  
ひとつ、ふたつと路地を飛ばし、やがて小さな後ろ姿が視界に入る。  
その前に勢いよく回りこんで進路を塞いだ。  
「…え…?」  
おっとりとした三つ編みの少女が首をかしげる。  
世間の事に疎そうな、純情という言葉が似合う令嬢。  
久志はその少女の襟を掴み上げると、荒々しく地面に引き倒した。  
 
                  END  
 
 

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