「お…むつ…?」
(わた…しも…穿かなきゃ…いけないの…?)
こずえの頭のなかで最悪の予想がぐるぐると駆け巡る。マイのよがり狂う姿が頭をよぎるたびに、それはより確実なものへと変わっていくような…
(あ…わたし…!いや…いやだ…!)
―カサ…ッ…
「!!あっ…!?」
不意に聞こえた紙の擦れる音がこずえを現実に呼び戻した。
草野に目をやると、幼児用の紙おむつを面白そうに指先で弄んでいた。恐らく自分が穿かされれば股間に密着するであろう部分を、こねくり回すようにして擦り上げる。
「い、嫌ぁ…」
震えるこずえの声、それとは対照的な声の主が今日何度目だろうか、こずえの太ももに触れた。
「や…っ…!」
「さぁて、はじゅかしちくないようにお姉ちゃんがぁ…」
言うが早いか、アンスコに指をかけるとスルリと膝下まで引き降ろされてしまった。
「あらあら、こんなに濡れちゃって…そんなにエッチなことが大好きなのぉ?」
「ぁっ…!?…ち、ちが…ぅ…」
(やだ…私こんなに…濡らして…)
膝に引っ掛かっているアンスコ、それはこずえの予想よりも遥かに多い水分を帯びていた。もとより自分の股間には湿りを感じていたのは、解っていた。
恥ずかしいことだが認識はしていたのだ。しかし今アンスコに含まれている自分の愛液は染み込んでいる、などという度合いではない。
前はもちろん二重に布が張ってあるクロッチまで、さらには尻の方にまで水分は行き届いているようで薄ピンクの布を濃く染め上げていた。
(これじゃまるで…)
「お漏らししてるみたいでちゅね〜」
「…っ…!」
草野の言葉にこずえは顔を赤らめ目を反らした。
(そんなこと…声にださなくても…!)
解っている。彼女は自分の恥ずかしいところ、弱いところを皮肉るのが大好きなのだ。
それを否定しようとしても、今度はその心を付き崩すような言葉でさらに恥辱を与えてくる…気の強くないこずえにとって、この言葉責めは羞恥と苦痛、両方が襲ってくる最悪のものだった。
(それより…)
今こずえにはそれどころではない事態が迫っていた。パンツのうえから穿いているアンスコでさえこんな状態なのだ。下に穿いているパンツ、恐らくアンスコよりもひどい状態なのは確かだ。
そして何よりその布を汚す液体をしとどに垂れ流す自分…自慰をしているときでもこんなに熱くとろけるように出てきたことはなかった。
しかし今日は明らかにおかしい。最初に草野に弄ばれたときから、自分の女の部分からはじわじわと熱いものが溢れてくるのだ。
(こんなのって…)
そう、まるでこの刺激を待ち焦がれていたかのように…
(わたし…いじめられて…)
それは心は認めずとも身体は渇望している、被虐と快感の混ざった甘い毒…
(感じているの…?)
自分のもしかしたら歪んでいるかもしれない性癖、困惑するこずえの足首が突然掴まれた。
「あっ…!?」
そのまま脚を開かれ、草野に自分の股間を見せるような格好へとさせられてしまう。
(い、やだ…こんな…はずかしい…)
羞恥に震えるこずえ、それとは対照的に面白そうにそれを眺める草野。
「あらぁ、こずえちゃん…パンツがえっちなおつゆで濡れすぎて…」
不意に草野が爪先でこずえの秘部を布越しになぞり上げた。
「ぁ…はぁぅっ…!」
「パンツが半分スケスケでちゅねぇ」
もたらされた突然の快感にこずえの口から上ずった声が漏れた。
(ま、また…はずかしいこと…言われて…)
その時こずえは気付かなかったが、彼女の秘部からじわりと愛液が溢れだしたのだった。
「こずえちゃんえっちなおつゆ、きれいにしてあげまちょうね〜」
「えっ…?」
草野はおもむろに開かれたこずえの股間へと頭を近付けた。そして脚の付け値に手をやり、抵抗できなくなったこずえの股間に軽く息を吹き掛けた。
「ひ…ぁ…!」
くすぐったさに身体の力が抜けた、その瞬間だった。
―ぴちゃ、ぴちゃ…
「あっ、や、やだぁ、いやぁあぁっ…!」
股間に生暖かい感触、それと供にもたらされる快感にこずえは声を上げた。
(やだ…舐められて…なにこれ…)
パンツ越しに舌がこずえの秘部を行き来する。陰唇をなぞり上げ、ときにパンツのゴムが食い込む付け根の内側を舐め回し、舌先でつっつかれる。
「あっ…ひ、ひぁあっ!んぁぅ…!ふあ…っ!」
(パンツの上から…くすぐったいし…)
一枚布を挟んでの舐め回しはこずえに強烈なもどかしさを含む快感をもたらした。生暖かい舌が行き来するたびに身体がぴくりと反応する。とはいえ四肢を掴まれたままでお尻を浮かせたり腰を引いたりするだけだ。
(きもち…いいよぉ…!)
「はっ…ぁあ…!んぁっ…!ぁぁぁああ…!」
夕方の部室に淫らな水音、艶ののった喘ぎ声が響き渡る。その音は快感に飲み込まれかけているこずえの耳にも当然入ってくる。
(こんなの…嫌なの…嫌なのに…きもちいいなんて…)
拒絶したいのに身体は素直に反応してしまう…しかも待ち望んでいたかのように過敏な反応を見せる身体に、こずえは必死に抵抗するように自らに言い聞かせる。
(こんなの…だめ…絶対気持ち良くなっちゃ…!)
しかし快感は容赦なくこずえを襲う。女の感じる部分を的確に付いてくる舌戯に陥落寸前だった。
「あっぁあ…!だ、だめ…!ぁあぁぁあ…!!」
(も、もう…我慢できない…よ…!)
諦めて身体の力を抜こうとしたときだった。
「あ…」
突然舌の動きが止まった。頭を上げてこずえを見つめる草野のおかげで、一時的にではあるが解放されたと知ることができた。
(…よか…った…)
「あらぁ…気持ちいいの、もっと欲しいの?」
「も…もう、欲しく…ないです…」
(これ以上は…もう、無理だよ…)
脚を掴んでいた手が離れたので、こずえは素早く開いていた脚を閉じる。
しかし、強烈な快感のせいか、脚に力が全く入らない。
「そうよねぇ〜、これ以上はね」
カサリと紙の擦れる音が耳に入ってきた。
(あ…!や、やだぁ!)
「このおむちゅを穿いてからにしましょうね〜」
先程の事ですっかり忘れていた。自分はこれからおむつを穿かされるのだ。そしてもちろんその後には…こずえの脳裏に悪夢がよみがえった。
(や、やだ!穿きたくない…!あんなの…!)
「いやぁ!お願いです…やめて…!やだ…!やだぁ!」
抵抗しようとしても脚をうまく動かすことができない。もちろん未だに両腕は掴まれているので脚を閉じるしか方法がないのだ。
「おもらしっ娘は穿かないとおしっこそとにでちゃいまちゅよ〜」
いつのまにか両足首には白い紙製のものが引っ掛かっている。そしてそれはゆっくりと草野の手によってすり上げられていく。
「あっ…や、やだっ…!おむつ…やだぁ!」
(も、もう…!私、おむつ…穿きたくなんか…!)
もうおむつは膝の上まできている。そこで一旦草野の手は止まった。
「…!?」
(なんで…)
その時、こずえにある疑問が浮かんだ。自分は今、下着を穿いている。マイのときもそうだったように、何故…?
(わたし…パンツ穿いて…何で…)
その時だった。草野の指が下着越しにこずえの尻の谷間へと滑り込んできた。
「ひっ…!」
そのまま布を食い込ませるようにまわりの布を手繰り寄せる。
(な、なにやって…あっ、パンツが…!)
草野の不可解な行動に困惑するこずえ。そして、間髪入れずに膝上のおむつが一気に上へと引き上げられた。
「やぁあぁぁっ!」
「マイいちゃんよりお尻が大きい分、入りにくいわねぇ〜」
(やだ…!恥ずかしい…こんなの穿いて…)
一瞬にしておむつを穿かされてしまったこずえ。幼児の粗相を防ぐものを穿かされたという羞恥、そして股間に密着する感覚に戸惑いを感じていた。
「どうでちゅか?赤ちゃんのとき以来のおむちゅは?」
「っ…!」
(すごく…キツい…それにさっきパンツいじられたせいで…)
「あら…お尻がまだ少しはみ出てるわねぇ」
草野は後ろへ手をやると尻の半分くらいで引っ掛かっているおむつを一気に引っ張り上げた。
「ふぁ…ぁぁあぁっ!」
(な、中のパンツが…)
お尻の方からぐいぐいと引っ張られる感じに身悶えする。その時に巻き込まれるようにして下着が尻肉に食い込んでいく。
「はぁ…!はぁ…ん…!」
「おもらしっ娘のこずえちゃんにはおにあいでちゅね〜」
「ぁっ…ん…」
手のひらをつかって下半身全体を愛撫されると、思わず声が漏れてしまった。
(だめ…カサカサして…キツいし…)
下着の上から穿かされている分、秘部の辺りは撫でられただけでかなりもどかしい感覚が走る。先の舌の時とは違う、布と紙の繊維質が重なり合う独特の質感が何とも言えないものだった。
そして食い込んだせいでむき出しになったお尻に直接覆いかぶさる紙おむつは、紙の繊維を直に感じ取るため、ゴワゴワとしたくすぐったい感覚がお尻全体を包み込む。
そして股下はもともと幼児用のものを穿かされたせいか、ピッチリと下着を巻き込みながら食い込み、少し動くだけで甘い快感を享受させるものになっている。
(おむつがキツくて…こんなに…気持ちいいなんて…)
「あっ…あぅ…!脱が…せて…」
身体を固定され、僅かに動かすことができる腰を揺らしながら草野に哀願する。
勿論その提案が受け入れられるわけはないのだが、このまま無抵抗でなすがままになるよりは少しは何かが変わるはず…そう思い身体をくねらせていたのだが、どうやらそれも逆効果のようだ。
「ぁあ…!ぬが…脱がし…っ!やだ…ぁ…!」
(なにこれ…おむつとパンツが中で擦れて…)
「そんなにお尻をフリフリ動かして…ぱんちゅがなかで食い込んじゃうわよ?」
「!!…ぁ…っ」
草野の言うとうり、さっきから腰をを動かすたびに自然と地面にお尻を擦り付けることになり、下着がみっちりと股間に食い込んでしまっている。
その感覚がまたもどかしくて下着の位置を直そうとお尻を擦り付けても、更にこずえの秘部に甘い痺れをもたらすだけなのだ。
しかも擦り付けるたびに紙おむつのカサカサした感覚が尻肉を撫で回す…まさに悪循環だった。
(もう我慢できない…くすぐったくて、気持ち良くて、キツくて…!)
「でもね…こずえちゃん」
唐突にグイ、と足首を掴まれ、間髪入れずにこずえの股間に生暖かい感触が伝わってきた。
「あ…っ!!」
「そんなに気持ち良さそうな顔して…電気あんまはまだかけてないのよぉ?」
「ぁ…ゃぁ…っ…!」
クシャッという紙の摩擦音が耳に入ってくる。
(やだ…!もうコレで…気持ち良くなっちゃったら…)
「ゃ…だ…!やだぁ…!やだ…っ!」
もはや逃げられないことは解ってはいる、しかしそれでもこずえの口からは拒絶の言葉が零れ落ちてくる。
絶望が、言葉を紡いでいく。
「やだ…よぉ…!ゃだ…ぁぁあぁあぁっ…!」
突然、その感覚はこずえの股間へともたらされた。今までの乱暴な振動とは違う、ねっとりとした、足の裏で秘部をこねくり回すような…それでいてもどかしい官能だった。
「ふぁぁ…っ!ぁうぁぁぁっ…!」
(なにこれ…!クニクニ足が動いて…)
普段のそれとは違う、それでも甘い振動に身をくねらせる。強烈ではない、しかし我慢できる限界を少し超えた辺りを彷徨うような快感はこずえの秘部をしとどに潤していく。
「どぉ?おむちゅの上からの電気あんま…気持ちいいでちゅかぁ?」
「ぁっ…!ぅあぅぅん…!ぁあぁっ…!」
(おむつの紙が…こすれて…!)
―気持ちいい…―この全く圧迫感のない電気あんまはこずえの抵抗心を確実に削ぎとっていく。自分の女の部分の奥から溢れる熱い蜜、それを受けとめて熱を帯びていく下着と紙おむつ。
そして今こずえの股間に密着している草野の脚の体温…熱くて、気持ち良くて、とろけてしまいそうだった。このおむつ越しにもたらされる感覚は、今までに感じたことのない快感だった。
(でも…恥ずかしい…!こんな無理矢理には…!絶対嫌…!)
「気持ち良いぃ?気持ち良すぎて…どうにかなりそう?」
「ぅんぅぅ…!や、だぁ…!こんなの…気持ち良く…ない…!ぁああっ…!」
「んふ…その割りに…さっきからお股を私にスリスリしてくるのはぁ…どうしてなの?」
「ぁあ…!そんなこと…!なぃ…!」
「…スリスリするたびに…おむつとぱんちゅがクチュクチュいうのは…どうしてなのぉ?」
「や、やぁ…!」
気を抜けばこのまま快感に身を委ねてしまう…こずえは必死に口で抵抗してみても身体はこのもどかしい官能に焦らされ、快感を貪ろうと素直な反応を見せてしまっている。
そして草野の絡み付くような言葉責めに、どんどん気持ちと身体がばらばらになってしまう。
(だって…擦り付けないと…気持ち良く…!でも本当はこんなの…嫌なのに…!)