3‐1.  
古瀬沙代子は腹部に当たる皮の感触で目を覚ました。  
身を起そうにも、手首と両の足首が繋がれ、身じろぎもままならない。  
分娩台のようなものに腹ばいの状態で拘束されている。  
辺りの様子も先刻までの荒れ果てた部屋とは違い、ホテルの一室のようである。  
もっともホテルとはいえ、如何わしい方の、ではあるが。  
 
排泄姿をビデオに撮られ、さんざんに罵られたショックはまだ感じられない。  
ただ泣きはらした目が痛み、頭がかすみ、胸に穴が開いているようだ。  
「あら、お目覚めね」  
女の声がする。  
振り返ると、ゴム手袋を嵌めた女が沙代子の引き締まった尻を揉み解していた。  
「ここは…?」  
「プレイルームよ。身体の中の汚物を出しきった貴方に、ゴミ部屋は似合わないものね。SM道具が色々と揃ってるから、奥様の体中を開発して差し上げられるわ」  
女は言いながら、くちゅくちゅと沙代子のアヌスにゴム付きの指を出し入れする。  
ラテックスのすべらかな感触と共に、ゼリー状のぬめりが指の長さだけ塗り込まれてゆく。  
「くっ…」  
「あら奥様、お尻の穴に指を入れられて感じてるの?」  
女は嘲るように言うと尻穴から指を引き抜く。ぬとっとした糸が引いた。  
 
「さあ、入り口もほぐれたことだし、今度は中の拝見ね」  
女が嬉々として手に取った器具に、沙代子は驚愕を隠せなかった。  
それは鵜のくちばしのような、長く胴回りのある拡張期であったからだ。  
「ふふ、そう硬くならないで。体内を傷つけるようなヘマはしないわ」  
女はその銀色の嘴をゆっくりと沙代子の蕾に沈めていった。  
冷たさが長く太く腸内へ染み渡る恐ろしさに、沙代子は唇を噛む。  
きゅるきゅるっとネジを緩める音がすると、今度はそれが奥から開き始める。  
 
沙代子は音のない叫びを上げた。  
 
腸の最奥へ空気が吹き抜ける。直腸がガラス張りになったように冷たい。  
「うわぁ奥様、と…っても綺麗。西瓜の果肉をくり抜いた様な鮮やかさね」  
腸を覗いた女の歓喜を、夫人は恥じ入るようにして聞いていた。  
 
くちゃっ…くちゃ…くちゃっ…くちゃっ…。  
部屋内には粘りをもった水音が間断なく響いていた。  
「どう、大分くつろいできたんじゃない?」  
這ったまま臀部を突き出した沙代子の後ろで女が問うた。  
その指の動きはまるで耳掻きのようである。狭い穴の奥深くを先端の丸まった棒で擦る。  
そのくすぐったさや痛みを超える快感は、恐らく知らぬ者などいないだろう。  
「ふ、…くう……ッ!そんな、私は…!」  
令夫人は悶えながらもかぶりを振る。  
しかし沙代子の昂ぶりは、彼女自身の身体が証明していた。  
 
分娩台を挟む両脚からはしとどな汗が流れ、膝から床へと滴り続けている。  
女がくっくっとアナルスティックを捻って腸の奥を突けば、それに倣うように沙代子の腰が跳ねる。  
女は沙代子の茂みに手を潜らせた。  
「ああっ」  
肉のあわいに長い指をくわえさせて可愛がると、泡っぽい音が立つ。  
夫人の息もたちまちに鼻にかかった甘いものとなる。  
薄い肉ビラであったそこは今や唇のような厚ぼったさとなっている。  
指を美味そうに咥えこみ、とろとろと涎を垂らす秘唇。  
「いやらしいこと」  
女が囁いた。  
 
女は極めて冷静にアナルスティックを抜き去り、一回り大きな物に取り替える。  
2本指よりやや細い程度であろうか。  
そのペースは彼女の常よりも早く、沙代子の括約筋が極めて伸縮性に富むすばらしい物である事は疑うべくもなかった。  
無論、感度はいうまでもない。  
 
「何も恥じる事はないわ、奥様。私は職業柄慣れているもの。  
お尻の穴の何処をどう突けば女を濡らすか。どうお豆を擦れば泣きを入れるか。  
相手の体型と感度から、大体はわかるつもり。訓練を積んだ諜報員でもない限りね」  
女は言いながら、それを証明するかのごとく沙代子の腸を穿った。  
太さを増したスティックをぐっぐっと数度強く押し込むと、やがて開ききった沙代子の腸から「ぐじゅっ」と水気を含んだ放屁のような噴射が起こる。  
女はそれを確認したうえで、さらにその噴出の根元を擦りまわした。  
結腸から感極まったような熱い飛沫が滲み出ているのが見える。  
「ああ、あぁああ…――いやあ゛…っ!!」  
夫人の口から惑うような悲鳴が漏れ、足の指が強く握りこまれてゆく。  
「そうよ、そう。直腸は人間が日常的に排泄に使う臓器。弄くられると誰でも堪らないの。あたしだってよ。ああそれから……貴方の“妹”も、だったわね」  
女が意味深に言うと、沙代子の表情が強張った。  
 
それを知ってか知らずか、女はいよいよ容赦なく沙代子の尻の穴を弄くりはじめる。  
肛門鏡で奥の壁まで覗けるほどに広がりきった直腸から、肉くさい臭気が漂いはじめた。  
女はスティックと指を使い、笑みを浮かべながらも淡々と夫人のアヌスを開発してゆく。  
 
よほど巧みであるのだろう。  
沙代子はヒップを突き出したあさましい格好のまま、美しい脚を激しく震わせる。  
「あああ…ッううう!止めて、後生です!これ以上されたら、駄目、私…もう……!!」  
歓喜か恐怖か、震える声でそれだけを伝えた夫人は、その後は天を仰ぎながら賛美歌のようなソプラノを響かせるばかりであった。  
 
精密機械のように休まず尻穴をこねくり回すスティックと指。  
その間からは、潤滑油と混ざった体液がとろとろと涙のように零れ続けていた。  
 
 
3‐2.  
帰宅した直後、堀合利恵はエプロン姿の母に抱きついた。  
「……ママ……」  
利恵の母は一瞬うろたえる。  
達観した所のある娘であった。話しかけても静かに頷くばかり、「ママ」などと呼ばれたのはいつ以来であろうか。  
「まぁ、一体どうしたの?このちびちゃんは」  
母親は優しく語りかけながら、汗でしなびた娘の髪を撫でる。  
 
なまじ霊感が強すぎるあまり、娘が学校になじめていないのはわかっていた。  
かといって保護者が介入すれば解決する問題ではなく、母親はただ精一杯の愛情をもって幼い娘を見守るしかない。  
「何か…あったの?」  
母親が問うと、利恵は黙ったまま母の柔らかな胸に顔を埋める。  
くんくんと匂いを嗅いでいるのがわかる。母は可憐な娘をやさしく抱きしめた。  
「……何でも…ないよ」  
母の温もりと香りで落ち着いたのか、利恵はいつものように清冽な瞳で身を離した。  
 
母は階段を上がって自室に向かう娘をじっと見守る。  
白いうなじ、ほっそりとした腰、スカートから伸びる足。  
身内贔屓を抜きにしても、端整な幼い果実は極上の甘みを醸しはじめている。  
『あの子の身体が、どうか望まぬ蹂躙を受けませんように』  
母は1人、そっと祈りを捧げた。  
 
自室のベッドに身を伏せると、突然胸が痛み始めた。  
公衆の面前で余りにも不埒な言葉を発し、擬似とはいえ排泄を晒したのである。  
罵りの言葉、ぎらぎらとした目、荒い鼻息。  
(もう……生きていけない…っ!)  
蔑視されるのは慣れているつもりであった。  
しかし所詮は物心ついたばかりの不安定な精神である。  
「…っく、う、うううう…っ!!」  
枕に顔を埋めたまま、少女は嗚咽を漏らした。いつまでも、いつまでも。  
枕はいつも母が干してくれるのでふかふかだったが、とてもあの温もりには及ばない。  
もう一度抱きつきにいきたい…。  
 
『お母さん!』  
 
利恵は目を開いた。  
 
『お母さん、そんな人じゃないもん!優しくて、綺麗で、おいしいご飯作って…、笑って…くれ、る……!!』  
 
ぽろぽろと涙を溢すのは、クラスメイトの古瀬明海である。  
 
『堀合さんなら出来るかな、と思って…。』  
 
胸がざわりとした。母を恋しがるのは自分だけではない。もっと切実に、母を助けたい、その胸に安心して飛び込みたいと願っている少女がいる。  
 利恵はその母親の泣き声を聞いた。  
縛められたまま洗面器に排泄する姿をビデオに撮られ、匂いをなじられ、強要された台詞を復唱され、その場で舌を噛み切るのではないかと思えるほど切なく号泣する古瀬佐代子の心を、世界でただ1人知っている。  
死にたい、死にたい、死にたい…!でも、あの人が、あの子が!!  
その想いが脳髄を焦がした事を覚えている。  
 
利恵は涙を溢した。しかし、自分の受けた羞恥からではない。  
 
第六感には捜索能力が深く関わる。  
本能で物を探し当てたり、帰巣したりは野生動物の得意分野である。  
利恵はそれを経験をもって理解していた。  
古瀬沙代子と何度も感覚を共にすれば、その内おぼろげでも彼女の居場所が掴める。  
まずは彼女の置かれた状況を視認しなければ状況は好転しない。  
 
(また何か…されてるのかな。でも沙代子さんは気絶してたし…)  
少女は意識を瞼の奥へ呑み込ませる。漆黒の泥沼に沈んでいく。  
ラップ音のようなざわつきがないのは、対象が生存している証拠である。  
 
         ※  
 
数刻の後、利恵は寝台の上で汗にまみれていた。  
菊座から腸奥にかけてが冷たく、骨盤が外れそうなほどに開いている。  
その外気に晒された臓物を、何だろうか、冷たく硬く、丸い物で延々と貫かれている。  
『ああ可愛いわ奥様、お尻の奥を突かれる度に腰がびくんびくん跳ねてるじゃない。  
逝きそう?逝きそうなの?逝くときはちゃんと言わないと、後でつらいわよ』  
女の猫撫で声と共に、腸のかなり深く、結腸の入り口がウズラの卵大に開かれる。  
なるほど利恵の華奢な腰は、それを受けてなえやかに振り乱れた。  
 
「あ、あっあっあッ――が、ふぁ!あっああああ!!」  
高らかに声が出ているのがわかる。それも自分だけの嬌声ではない。  
尻奥を突かれて押し出される喘ぎと、もう1人の自分自身が一瞬耐えながら放つ苦悶。  
それを喉で交錯し、肺活の未熟な少女はチアノーゼに陥っていた。  
 
(だめ…場所の特定…どころか……正気を保つのでやっと…!)  
肛門が開ききったままひくひくと息づいているのがわかる。  
しかし、沙代子が手足を拘束されていては刺激することもできない。  
責め手はその状態の心理を知り尽くしているのか、半端に絶頂に導いて性感の淵まで追いやってはクールダウンさせる、という事を繰り返していた。  
『ふふ、物欲しそうにひくつくこと。蕾はまだ清楚なのに、腸液が涎みたいよ。  
コレではもう満足できないんでしょう、ひとつ上に替えて差し上げますわ。  
…おや、とうとうちょっとした男根並みね』  
腸内への貫きがまた一段と大きくなる。夫人と少女は同じく悲鳴を上げた。  
 
壁をこすり、へこませ、子宮を裏ごしし、腸液を押し戻す。  
くちゃくちゃ、ぐちゃぐちゃ…。腸の奥から咀嚼するような音が響き続けた。  
利恵の痩躯は見えない巨漢に犯されるが如く律動し、汗と愛液を滴らせる。  
子供ながらその唇はあえやかに艶光り、隙間からは愛らしい声が漏れ続けていた。  
 
『おおおお、ああうーッ!も、もう駄目です、お粗相をお許し下さい!!』  
麗しい夫人の声が耳に響き、肛門より前にある裂け目からやけに重たるい失禁が起きる。  
腸奥で溶けた内臓が薄皮から滲みて経口を下るようであった。  
(う…ああ…熱い…!あそこが…溶け …ちゃう……っ!)  
尿道からポットの湯が零れ出るようであった。息が苦しくなり、躯中がかぁと熱くなる。  
生理もなく、自慰さえ知らない未熟な利恵は、それが一体何なのか分からずに声を上げた。  
 
『あらあら、ご令嬢が汚らわしい排泄の穴で陶酔かしら?…ふふ、否定してもムダ。  
ここはこんなに素直だもの』  
産毛がようやく生えようかという幼い秘裂を空気で捏ね回され、少女はとっさに枕を噛んだ。そうしなければ、階下まで歌うような幼い悲鳴が轟いた事だろう。  
 
その時、突然のノックに利恵は勢いよく跳ね起きた。  
敷いた足が瘧にかかったように震えている。  
「利恵ちゃん、お友達が来てるわよ。部屋に入って貰ってもいい?」  
母の声だ。利恵はとっさにスカートで下半身を隠す。  
 
果たして、初めて利恵の部屋に上がった客人は、あの古瀬明海であった。  
三つ編みのすらりと背の高い少女。  
彼女は部屋に入るなり、腰から折れるように深々と頭を下げた。  
「ごめんなさい!!」  
顔を上げた目には涙を湛えている。  
「私があんな事頼んだせいで、堀合さんが大恥をかいたって…!  
変な噂も立ってるらしくて、私、どう謝れば…!!」  
明海は嗚咽を漏らして身を震わせた。手の甲で拭っても、次々と涙が溢れ出る。  
 
(…やさしい子…。さすがはあの人の子供…この子になら)  
利恵は目を細め、優しく明海の名前を呼んだ。  
「関係ないの。あなたがどう思っても…私、あなたのお母さんを探す。  
身体で苦しいのを共有してるから…放っておけないよ」  
明海が見惚れたような視線を返と、利恵は気恥ずかしそうに目をそらした。  
普通の様子ではなかった。  
「それより…」  
愛くるしい顔には再び汗が流れ、頬は林檎のように赤らんでいる。  
欲情しているのだ。  
明海は本能的に理解した。  
「それより、わたしもう気が触れそうなの!お願い…助けて!」  
 
3‐3.  
古瀬明海は息を呑んだ。  
突きだした利恵の肛門が、何の物的干渉もなく奥まで開ききっていたからである。  
異様な光景であった。  
ただでさえ小ぶりな少女の臀部に、大人が限界を感じるほどの拡がり。  
裂けないのが不思議なほどであったが、それは外因的な力によるのではなく、少女の筋肉自体が弛緩している状態らしかった。  
その腸内はぬらぬらと濡れ光り、入り口である菊門からは透明な液が滴っている。  
掬ってみると、少女の分泌した腸液はさらさらと指に馴染んだ。  
(お尻からこんな液が…?排卵なら習った事があるけど…)  
明海は赤面しながら利恵の体内を覗き込んだ。  
中ではゴルフボール大の凹みが間断なく少女の腸壁を抉る。  
そのたび利恵が愛らしい顔をゆがめ、あ、あ、あ…と喘ぎを出す。  
交霊というものの不可思議さを疑う前に、明海はその利恵の様子にただ見入った。  
 
西欧系の端整に纏まった顔、血色のいい桃色の肌、静かな瞳。  
西洋人形のような顔に、未成熟ながらどんな服でも様になるスレンダーな体型。  
学校レベルで噂されるのは、皆が彼女に関心を失っていない証拠である。  
いつも1人、全てを見透かすかのような彼女には孤高という言葉が似合った。  
クールな少女として明海も憧れていた。  
 
その少女が今目の前で這いつくばり、堪らないといった表情で懇願してくるのである。  
「お、お願い…。指でも…ブラシでも…何でもいい、お尻、滅茶苦茶にかき回して…!」  
ううっという叫びとともに、彼女の直腸から飛沫があがった。  
まるで潮吹きのように、二度、三度と細切れに噴出する。  
真っ赤になった直腸の奥が喘ぐようにひくついていた。  
利恵自身もシーツを強く噛みしめ、内股になって体中で悲鳴をあげる。  
(かわいい…でもつらそう。私がなんとかしてあげなきゃ!)  
明海は真剣な顔で、利恵の腰に手を当てた。  
 
「こ、これも駄目なの…?」  
利恵の肛門から化粧水の瓶を引きづりだし、明海は額の汗を拭った。  
彼女達の受けている責めが相当なのか、極限状態で分泌される脳内麻薬のせいか、  
もはや道具を使ってでさえ針で刺す程の感覚も与えられないらしい。  
「…はぁー…はぁー…」  
シーツに頬を預け、酩酊したようにとろんとした目で訴える利恵。  
「だって、もう他には…」  
洞穴のように開いた利恵の肛門を眺め、明海は考える。  
(大きい…私の腕ぐらいなら入りそう)  
…腕?明海は自分の手を見た。  
小学生女子の手だ、まだ細くて頼りない。  
利恵の押し拡がった肛門よりは少し太いが、入らない事もない。  
 
「犯して…!お尻の穴が熱くて…じんじんするの…お願い、擦って…」  
利恵の言葉に明海は喉を鳴らす。  
「いいの、堀合さん?ホントに壊れちゃうかもしれないよ…」  
耳元で囁いても、利恵は嬉しそうに見あげるばかりだ。  
明海はため息を吐くと、拳を握り、腸液でぬめりを帯びた少女の肛門にあてがう。  
 
 
「う……あ、あああ…っ!」  
利恵は背中からどっと汗が噴出すのを感じた。骨盤が筋肉と共に二つに割れ、丸太で身を裂かれるようだ。脚が今までにないほど震えだす。  
しかし、痛み以上に少女の頭を満たすのは充足感であった。  
腸の至る所を蟻に噛まれるようであった痒みが消し飛び、柔らかい腕を腸詰めされていく。  
腕から肉汁を搾り出すかのように、腸の全てが引き締まっていく。  
腰をつきぬけるような痺れ。  
 
「熱い…」  
肘の辺りまでを利恵の中に沈めた明海は、思わずそう漏らした。  
可憐な少女の内臓が脈打っている。ぬるぬるとした柔肉の圧迫感。咀嚼するような締め付け。腕を引くと、逃すまいと言う様に手首にねっとりと絡み付いてくる。  
 
明海は背筋がぞくぞくした。  
気味が悪いからではない。どこか違う世界の人間と思っていた少女が、こんなにも熱心に自分を迎え入れているという事実。そして、その類稀な美少女の内臓を鷲掴みにしているという異常性。しかもその少女は、つい昨日まで肛門に指を入れた事さえなかった筈である。  
「き、気持ち…いい…!」  
利恵もうっとりとした口調で漏らす。明海は改めて、少女の魅力を嫌というほど脳に刻み込まれた。  
「動かすよ!」  
腸壁の圧力に負けじと腕を引き抜き、一気に突きこむ。ぐちゃあっという音と共に、自分の手の形に少女の腸内が作り変わっていく。利恵は嬌声をあげた。  
 
ぐちゃっぐちゃっ…ぐちゅっぐちゃっぐちゃっずぐちゃっ………  
 
徹底的に、奥深くまで少女の中を抉りまわす。少女は脚を精一杯に伸ばし、腰を打ち下ろす。明海の腕だけを支えにし、利恵の華奢な身体が空中での肛門性交にむせび泣く。  
 
 ――可愛い!  
 
明海は目をらんらんと輝かせて腕を繰った。  
自分の腕に体を貫かれて喘ぎ泣く少女が、この上なく愛おしい。  
右手を少女に潜り込ませながら、左手で少女のとろとろになった割れ目を、屹立した小さな陰核を愛でる。そして舌をまだ成長の兆しもない胸へ、すべらかな首筋へ、浮き出た鎖骨へ、そして桃の様な香りのする唇の中へと這わしてゆく。  
 
少女はそのすべてに感極まった声をあげて身悶えた。  
 
丸太に腰を打ち付けているような極感、利恵は全てを金繰り捨てて悶えた。  
大きい、太い、深い、恥ずかしい、気持ちいい。そんな雑多な考えが瞬間的に頭を巡る。  
明海が奥のほうで掌を開くと、背中を針で貫かれるような痛みと共に、膀胱が泣き叫ぶ。  
 
「いくぅ、いく、いく、いくいっちゃうーーーー!!!」  
 
利恵が泣きながら身を震わせた瞬間、明海はその腸の最奥を強く押し込んだ。  
腸液があぶくとなって指先に噴きかかると同時に、利恵の小さな身体は重みを増した。  
 
 
数分後、利恵と明海は共に服を脱ぎ捨て、素肌をすり合わせて重なっていた。  
互いの愛液を潤滑油に、いつまでも身を重ね、目線を重ね、ちろちろと舌を絡ませあう。  
 
  ――あ、あけみ…ちゃん…  
   ――んむっ…ふふっ、可愛い、りえちゃん。  
 
明海が友人になった事。  
それがずっと孤独だった利恵にとって、どれほど嬉しかった事だろう。  
 
 
「………レズビアンって奴かしら…。最近の小学生は進んでるっていうけど…凄いのね」  
同刻、ドアの外で利恵の母は1人呟き、茶菓子の載ったトレイを持って踵をかえした。  
その顔はひどく嬉しそうであった。  
 
                       続  
 
 

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