「…返事しないんなら、電気あんま始めちゃうよ」  
「ぇ…あ、え!?待って!待ってよ!!」  
火照った体も冷めない内に由美の利き足での電気あんまをされたら、どうなってしまうか分からない。  
「お願い。ちょっとでいいから、休ませてよぉ…」  
疲れきった千佳の声に、由美はしょうがないなぁ…という顔をする。  
「分かったよ。それじゃ、休憩タイムにしよっか」  
由美は千佳の足を離し、ベッドから降りる。  
「あー、飲物の氷溶けちゃってる」  
麻美と千佳もベッドから降り、三人はトレイを囲んで絨毯に座る。  
少し薄まったジュースを飲んでいるうちに、やっと三人のいつも通りの空気が戻ってくる。  
会話の内容はともかく、何十分ぶりの穏やかなムードだ。  
「ね、千佳。その胸さ…牛乳とか飲んでるの?」  
思春期の女の子としては、胸というのは当然気になるポイントである。  
「飲んでるけど、胸のためじゃないよ。運動のため」  
千佳は視線を気にするように、肌にくっついたシャツをはがす。  
「それより、さ。これから…電気あんまする訳でしょ?」  
「もち」  
既に千佳自身と約束が交わされたからこそ(半ば無理矢理だが)、  
三人はこうしてリラックスして休憩しているのだから。  
「今更やめてなんて駄目だよ」  
「ううん。それはもう、しょうがないとして。それとは別に、一つお願いしてもいいかな?」  
オレンジジュースをズズッと飲み干し、由美が「お願いって、どんな?」と話の先を促す。  
「えっと…耳かしてね」  
千佳は由美に近づくと、何事か耳打ちする。  
「まず…」「ふんふん」「それでね…」「あ、いいね〜」  
二人がごにょごにょと内緒話を続けるのを見て、麻美が頬を膨らませる。  
「ちょっとちょっと。千佳ちゃん、私は〜?」  
由美への耳打ちを終えると、千佳は麻美の隣に座った。  
「早く〜」  
「はいはい。耳かりるよー」  
千佳は麻美の横顔に顔を近づけ、口を開くと―  
カプッ!と耳たぶを噛んだ。  
 
「ひっ!?」  
完全に意表をつかれ、思わず千佳を突き飛ばす。  
「あはは。引っ掛かったー」  
千佳はけらけら笑って身を起こした。  
「何度も話すのめんどくさいから、あとでね」  
「何それ。今教えてよー」  
麻美は耳をさすりながら食い下がるが、二人は「まぁ、アレだよ」「ね〜」と、のらりくらりとはぐらかした。  
「む〜。まぁいいや。あとで教えてよ」  
「分かってるよ…あれ、どこ行くの?」  
千佳は、コップを置いて立ち上がった麻美に声をかける。  
「トイレだよ」  
「あ、私もいく」  
「私もー」  
三人は連れだってトイレに行き、用を済ませて部屋に戻ってきた。  
「さーて。そろそろ始めよっか」  
「そうだねー。千佳ちゃんも、もう落ち着いたでしょ?」  
二人はさっさとベットに上がると、千佳に手招きする。  
「…う゛ー」  
千佳は嫌々ながら、同じくベッドに座った。千佳の前に由美、後ろに麻美。  
麻美が千佳のお腹に腕を回し、ぎゅーっと抱きつく。  
「千佳ちゃんの髪、いい匂い〜」  
「麻美、本っ当に抱きつき魔なんだから…」  
由美が呆れたように麻美を見る。  
「麻美ちゃん。くっつくのはいいけど、胸はもう駄目だよ」  
「分かってるよ。でも、凄かったよね〜…『あっ!』とか言っちゃって」  
麻美が千佳の声マネをした。  
「麻美が上手かったのは分かるけど、そんなに気持ち良かったの?」  
千佳は違う、と弁解するが、二人はにやにや笑って応じない。  
「言い訳したって意味ないって。千佳が感じちゃってたのは分かってるよ」  
「乳首おっきくなってたしねー」  
 
三人も保健体育の授業は受けているし、年頃の女の子だ。  
たまには学校で「お兄ちゃんの部屋にHな本があって―」とか「夜トイレに起きたら、パパとママが裸で―」  
などといった話もする。  
なので、三人ともそれなりには性についての知識があった(勿論、その内多くは間違っているのだが)。  
「おっぱい触られたりしてHな気分になると、『感じちゃう』ん…だよね?」  
「で、どんどん気持ちよくなって最後にイっちゃう、と」  
千佳は、自分の体を挟んでそんなやりとりをする二人に割って入る。  
「もぉー。わざわざ口に出して言わないでよっ!いいから早くやって終わりにしようよ」  
「はいはい。じゃ、足開いてよ」  
「え?あ…そっか」  
今までの二回は無理矢理だったが、今回は一応合意である。  
とはいっても、自分の意思で足を開くのはかなり気恥ずかしい。  
千佳は体育座りの姿勢から中々足を動かさない。  
「もう充分休んだでしょ〜。早く開いちゃいなよ」  
「あっ!」  
痺れを切らせた麻美が、後ろから千佳の太ももを抱え、一気に両足を広げた。  
元々ぴったりとしたスパッツは、汗と先程の電気あんまのせいで、  
余計にくっきりと下着のラインを浮かび上がらせている。  
「千佳ちゃん、緊張してる?」  
「うん…けど、少し休んだし。体は落ち着いてるよ」  
「よーし。じゃ、やるよ」  
由美が千佳の足の間に入り、足首を掴んだ。  
麻美は千佳を羽がい締めにして、体の動きを制限する。  
 
「いくよ…」  
由美の左足が千佳の股間に押し当てられ―ついに、電気あんまが始まった。  
「ぅう…っ!…んぁっ!!あっ…ああっ!あああぁぁぁああ!!」  
最初の一瞬だけは堪えたようだったが、千佳は数秒もすると大きな声を出して手足を暴れさせだした。  
だが、二人がかりで押さえつけられているので、それは単に体力を浪費させるだけの結果に終わる。  
激しかった動きはすぐに鈍くなり、由美の足が千佳の足の付け根に押し付けられる。  
(「体は落ち着いた」って言っても、そんなに早く回復するわけないからね…)  
「やっぱりやだぁっ!離し…いっ…ぅんっ!あっあああぁぁ!…ひあぁっ!」  
千佳の抵抗が弱々しくなり、ついに土踏まずが完全に秘部を捉らえた。  
それまでの「股間」という広く曖昧な狙いから、もっと狭い範囲へと照準が絞られる。  
「疲れちゃったみたいだね。もう逃がさないよ〜」  
体力を使い切った千佳は、何とか腰を左右に動かして足から逃れようとする。  
しかし足は外れず、秘部をぎゅっと押さえて逃がさない。  
「あ……っ…ふうっ!とめ…てぇ!ううぅぅぅ!」  
由美は敢えて土踏まずだけを使い、また、リズムを変えずに足を震わせていた。  
広くて平らな土踏まずは秘部全体をカバーし、小刻みで一定の振動は波となって  
千佳の下腹部全体までを包みこむ。  
千佳の体が、意思とは別に電気あんまを快感として受け入れてしまうように。  
由美はそう考えて、この焦らすような責めを選んだのだった。  
ただイかせることだけに専念するのではなく、徹底的に感じさせて楽しむつもりなのである。  
 
「また乳首立っちゃってるよ。気持ち良くなってきたでしょ…麻美、触っちゃ駄目だよ」  
「分かってるよ。残念だけど」  
麻美はその代わりにというように、千佳の肩に顎をのせて頬ずりする。  
「千佳ちゃん、肌すべすべ…あと、顔真っ赤だからあったかーい」  
千佳はせめて腰を引こうとするが、背中にくっついた麻美がそれを許さない。  
「千佳、感じてる?」  
「べ、べ…つ、にぃいっ!」  
「本当に〜?じゃあ、こうされても?」  
由美は足の人さし指をお臍の下にあて、お尻の方まで縦にスーッ…と動かした。  
指は秘部のスリットを正確になぞり、千佳は「ひあっ!?」と体を跳ねさせる。  
「千佳ちゃんの今の声、えっちぃ〜」  
スパッツと下着は完全に食い込み、足の指で押し込まれたことによって  
その下の秘部の形を確認できる程の状態になっている。  
「千佳ちゃん。今度のは感じた?」  
「…感じて……ないもん…」  
千佳はそっぽを向いて答える。  
「素直じゃないなぁ…それじゃ、これは何?」  
由美に言われて自分の下半身を見下ろし、千佳は目を見開いた。  
「―!?」  
スパッツの股間部分が、もともと黒い生地の色を更に濃くしている。  
当然、何らかの液体が染み込まなければそんなことにはならない。  
「知ってるよね?女の子がエッチな気分になると、ここが濡れてきちゃうって」  
「こ…これは、汗で……」  
千佳も(ちなみに麻美も)『濡れる』という現象は知っていたが、自分の身にそれが起きたのは初めてである。  
「千佳ちゃん、いくらなんでも無理があるよ〜?そこだけ汗沢山かくわけないってば」  
麻美は直接責めに参加できないので、その分積極的に、千佳が恥ずかしがるようなことを言う。  
 
「エッチな液でも汗でもなかったら、何なの?」  
「…それは……」  
由美も、答えられない千佳を追い詰める。  
「もしかして…おもらししちゃったとか?」  
「っ…!それは絶対に違うよぉっ!」  
三人でトイレにいったばかりなので、それが違うというのは明らかだ。  
それでも由美はとクスクス笑って  
「怪しいな〜。確かめてみよっか?」と麻美に同意を求める。  
「確かめるって、どうやって?」  
麻美が小首をかしげて問い返すと由美は  
「勿論、こうやって」と足の指でちょん、と千佳の秘部をつっついた。  
千佳は、不意打ち気味の刺激に声も無くのけぞる。  
由美は何かを探り当てるように、足の指を器用に動かす。  
「…ぅん…っくぅ!何…してるの…?」  
「だから、濡れてるのがおもらしのせいなのか、調べてあげてるんだよ。えっと…この辺かな?」  
足の指がくっと押し込まれた地点は、ちょうど尿の出口であった。  
由美は、つま先をスパッツに埋もさせたまま足を震わせる。  
「千佳、どう?おしっこ出ちゃいそう?」  
「でっ…出な……ああぁぁぁ……出ないぃっ!」  
尿が溜まっていないので、出る筈がない。  
「ホントに出ないの?我慢してるんじゃないのかな〜」  
「千佳ちゃん、嘘ついてるのかもよ。もっとちゃんと調べようよ」  
二人は分かっていながらそんな事を言い、千佳の反応を楽しむ。  
由美は麻美に頷くと、指先に力をこめ、足首を支点に円を描くように動かした。  
 
「ほらほら。出したかったら、いつでも出していいんだよ〜」  
「ひぃっ…くぅ……ぁうっ!出な…いっ…て、ばあぁぁ!」  
千佳は尿道をぐりぐりと刺激され、実際に尿を必死に我慢しているような感覚を味わっていた。  
いっそ出てしまえば楽なのに…などと考えてしまうが、空っぽな膀胱はそんな一時的な解放すら与えない。  
「っ…ふ…」  
ようやく足が離れ、千佳は一瞬のことと知りつつも、安堵のこもったの吐息を漏らした。  
「う〜ん。おしっこはホントに溜まってないみたいだね」  
由美は分かりきっていたことを言い、続けて千佳にさっきと同じ質問をする。  
「じゃあ、この濡れてるのは何なの?」  
(分かってるくせに〜!)  
千佳は上目使いに由美を見るが、由美はそんな視線を全く気にしない。  
「千佳ちゃんが言ってくれないと分かんないな〜」  
「ねー。こうなったら、直接体に聞くしかないよね」  
千佳の秘部のスリットが、再びスーッと縦になぞられる。  
千佳は身をよじるが、由美の爪先は正確に股間の真ん中を上下する。  
「やぁっ!そこ、こすっ…ちゃ……はぁんっ!」  
尿道への責めは、どちらかといえば、感じさせるよりは尿を意識させて  
恥ずかしがらせる目的のものだった。  
しかし、今の秘部を擦る由美の足は、千佳を感じさせる為だけに動いている。  
「ふぁ…あっ…ぁ…ぁんっ!」  
執拗な責めにスパッツの染みはさらに広がり、触れ続けている由美の靴下までもが湿り気を帯びてきた。  
「千佳、体は素直だね〜。すっごく濡れちゃってるよ」  
指が往復する度に、くちゅっと水っぽい音が響く。  
食い込んだスパッツと下着は秘部に擦れ、だんだんと腰に力が入らなくなっていく。  
そして、それと反比例するように快感が増していった。  
 
「んぁっ…ふぅ……あぁ…んっ……」  
千佳は言い返すこともできず、刺激に身悶えする。  
抵抗は目に見えて弱々しくなり、漏らす声には甘い響きが混じりだした。  
「さてと。質問には体が答えてくれたし…やっぱり、ちゃんとした電気あんまでイかせてあげないとね」  
由美は秘部から指を離すと、今度は踵を押し当て、一気に振動を加えた。  
「っ!?…は…ああぁぁっ!」  
唐突な足の動きの変化に翻弄され、千佳は激しい振動に身を縮こませる。  
今までの責めで、体は完全に「出来上がって」いた。  
秘部に圧力を与える踵。  
時折スリットを弄ぶ爪先。  
そして下半身全体を包む振動そのものすら、千佳の体には快感として認識されていた。  
「…ぁあ……あ…っ…あっ…」  
息使いがだんだんと荒くなり、胸の鼓動も、他の人間にまで聞こえるのではないかと  
思う程に打ち鳴らされる。  
「千佳、思いっきりいくよ。イかせてあげる」  
由美は足全体を大きく震わせ、最高レベルの快感を送りんだ。  
千佳は「はっ…ぁ……はぁっ…」と小刻みに息をつくばかりで、まともに声をあげることすらできない。  
仕上げとなる電気あんまをしながら、由美はふと、麻美の方を見る。  
ちょうど、しばらく黙っていた麻美がぱっ、と顔を上げたときだった。  
「麻美も…」  
麻美は忍耐の限界、という感じに「麻美もやっぱり、千佳ちゃんに触る〜!」と、高らかに宣言した。  
由美が制止する間もなく、麻美は千佳の胸をむぎゅっと揉む。  
 
「っっあっ!」  
とうに快感のメーターの針が振りきれていた千佳は、ひきつったような声をあげた。  
しかし麻美は今までの欝憤を晴らすかのように、技巧の限りを尽くし、千佳の体に快感を与え続ける。  
「ちょっと、麻美?胸はもうやっちゃダメだって…」  
「目ぇつむってじーっと黙って、すっごく我慢したもん。もうやめないよー」  
上半身と下半身でそれぞれ荒れ狂う快楽の波は、ぶつかりあい、渦となって千佳を飲みこんだ。  
初めて味わう圧倒的な性感に全ての感覚を支配され、意識の片隅に微かにこびりついていた  
理性が完全に消え去る。  
「あっ!ぅあっ……あっ…あっあぁあああぁぁっっ!!」  
千佳は喉の奥から搾り出すような大声をあげると、全身をガクガクと震わせて、ついに絶頂に達した。  
 
―――――――――  
 
「うー。まだふらふらするよ…」  
数分後。三人は再び、絨毯の上に座っていた。  
勿論千佳は着替えて、今は膝下まである短パンを履いている。  
「私は約束してからやったんだから悪くないよ。それより―」  
二人はじと、と麻美を見る。  
「だ…だって、由美ちゃんすっごく楽しそうだったし、麻美も千佳ちゃんのこと気持ち良く  
させてあげたかったし…」  
千佳は無言でずいっと詰め寄り、麻美の言葉を遮る。  
「うー…」  
それでも、千佳が「怒っている」という感じではなかったので、麻美はひとまず落ち着きを取り戻した。  
「ね、由美ちゃんてばさ。由美ちゃんも何かフォローしてよ」  
麻美が千佳の視線から逃れるように話を振ると、由美は「ん?」と顔をあげる。  
由美はじゃれあう(麻美はかなり必死だが)二人に構わず、  
マイペースにトレイに盛られたクッキーを頬張っていたのだ。  
 
「千佳。まぁ、麻美も最後の方までは我慢してたんだし。  
情状しゃくりゃ……しょ…酌量の余地はあるかな」  
由美は塾で習ったばかりの四字熟語を噛みつつも、一応麻美のフォローをする。  
麻美はよく分からなながらも、自分を弁護しているらしいとは理解した。  
しかし、由美がその後に続けた  
「まぁ、さっき千佳が言ってたので許してあげればいいんじゃない?」  
という台詞の意味は全く分からなかった。  
「『千佳ちゃんが言ってたの』って?」  
「さっきの内緒話だよ。私の電気あんまが終わったら教えるって言ったでしょ」  
「あー。ところで千佳ちゃん…質問があるんだけど」  
麻美の額を、一筋の汗が伝う。  
「内緒話の内容でしょ?ちゃんと教えるから、そんなに焦らないでよ」  
勿論それもあるが、もう一つ。  
「いや…あのさ。麻美、なんでだっこされてるのかなーって」  
そう。千佳はごく普通に会話しつつ、麻美に近づき、ひょいっとお姫様だっこしたのだ。  
「まぁまぁまぁ。両方ともすぐに分かるから」  
千佳は麻美の軽い体をベッドにぽすんと置き、自分も腰を降ろす。  
「由美ちゃん」  
「分かってるー」  
由美もベットに乗り、ついさっきまでと似たような形になった。  
違うのは、千佳と麻美の位置関係だけ。  
 
「麻美ちゃん。この三人の中に、一人だけ仲間外れがいます。それは誰で、何ででしょう?」  
「ふぇ?」  
いきなり質問を受け、麻美は間の抜けた声を上げる。  
「えっ…と…千佳ちゃん?一人だけ成績悪いから」  
「はずれ。ねぇ、麻美ちゃん…もしかして、私のことキライ?」  
千佳ががくっと肩をコケさせる。  
「麻美、面白いけどハズレだよ」  
「じゃあ由美ちゃん」  
「どうして?」  
「大人っぽい」  
「はい、嬉しいけどハズレ」  
千佳が今度は「_| ̄|○」のポーズになってうなだれる。  
千佳にしてみれば、麻美に同じ子供側と分類されたのは心外であった。  
「で…正解は?」  
「もちろん、麻美だよ」  
由美はさりげなく麻美に擦り寄りながら答えた。  
「私はおかしくなっちゃう位くすぐられたし、千佳は電気あんまであんな風になったよね?」  
「麻美ちゃんだけ、まだ何にもされてないんだよねー」  
千佳もようやく立ち直り、麻美ににじり寄る。  
麻美はそんな二人の態度に、猛烈に嫌な予感を感じた。  
そして一瞬後には後ろから千佳に抱きつかれ、予感は確信へと変わる。  
「で、内緒話の方だけど」  
密着した千佳の髪の毛が、麻美のうなじにかかる。  
「麻美にはくすぐるのと電気あんま、両方やるのはどうかなー…って話してたんだよ」  
由美が麻美の左足を掴み、足の甲を手のひらでさっとなぜた。  
「ひゃっ!」  
麻美はすぐさま足をひっこめ、身を縮める。  
「ちょっ、やだよ…麻美、そんなことされる理由ないもん!」  
「ダメって言ったのに私の胸触ったでしょ」  
「…あ゛」  
別に口実は何でも良かったのだが、電気あんまの時にちょうどいい大義名分が出来た訳だ。  
 

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