明朝こそは、ほぼ16年間『勝利』し続けていた午前五時直前の目覚まし時計との決闘を
三日振りに再開出来る様、それなりの策を弄したつもりだった。
しかし今回、俺に口移しされたナニカによって、股間が熱く滾り始めたのは日付が変わる頃。
(あー、窓を巨大本棚で、扉をくそ重いワードローブで態々塞いだのに
使用人の部屋にまでこっそり『隠し通路』なんか繋げとくなよ、ど阿呆っ!!!)
どす黒い欲望で濁り霞んだ瞳に映るのは、一方的な力の差で押し倒され、手荒く組み敷かれて
引き毟られた衣類から覗く柔肌を喰い尽される様な辱めを与え続けられながらも、なお嬉しげに
微笑んでいる一人の少女。
(……あ?)
つい先ほどまでの16年間、恐らく彼女自身ですら、ろくに触れた事なぞ無いであろう秘所を
俺の手が暴き立て、俺の指が潤ませて、俺のモノが抉り破った時、流れる涙を拭おうともせず
綾花 様はその華奢な足を俺の腰にしっかり絡ませて、強く強くしがみついて来た。
「……あっ、あの、千早 様っ。私、今日、無事、十六歳に、なりましたぁ……っ!!!」
「そう、ですね。本当におめでとうございます、綾花 様」
「あり……がとう、ございま……すぅ、千早 様ぁ。……私っ、ずっと以前に、美月(みつき)
お母様にっ、教えていただいていた『大きすぎるおっぱいを小さくする方法』を、やっと
実践出来る年齢になれたんで……す……っ、あぁっ!!!」
「……ほう?」
「それ……でぇっ、先ほどの、お薬はっ……、御堂 家にぃ、古くから伝えられているぅ……
必ずっ、子を、成せるお薬ぃ、でぇっ……」
「……で?」
「あ……、あっ、あぁぁ……、貴方が好きですっ!!! 世界で一番、貴方を愛しておりますっ!!!
わたっ、私にぃ、貴方を、貴方の子種を下さいっ。私を孕ませてぇっ、お願い、千早っ!!!」
「……綾花。取りあえず言っとくが、赤ん坊に吸われて『小さくなる』のは、ほとんど妊娠中に
でっかくなってしまったのが、『元に戻るだけ』だから。
……後、あの雅之と義兄弟になるのだけは、死んでもお断りだっ!!!」
「……そっちかいっ!!!」
警備室の巨大モニター群の前で、スレンダー体型の嫁を背後から激しく突き上げ攻め抜いている
出歯亀の冷静なツッコミが、子作り入門者な馬鹿ップルの耳に届く機会は、多分、永遠に、無い。
「……そうですね。双子ならば、両胸に偏りが出にくいかと……。綾花、まだまだ往けますよね!?」
「ふぁい、ちはや しゃまぁ……。がんばり……ま……あっ、ソコ、だめぇっ! しぬっ、しにましゅ!!
……あぁん、わらくしっ、しんでしまいましゅーーーっ!!!」