○4  
 汗と淫夢の残り香をシャワーの長湯でひとしきり洗い落とすと、真琴は浴室を出た。  
「痛……っ」  
 バスタオルで胸の膨らみにそっと触れると、肌と肉とに痛みが走った。とはいえそこに、アザや傷口のたぐいがあるわけでもない。真琴は一瞬の思案の後、一通り水滴を拭き取った自らの両乳房を、下から捧げ持つようにして重さを量った。  
 十二分に膨らんだふたつの肉塊はもう、長身の真琴の手指をもってしても到底収まりきらないだけの大きさに達していた。  
「やっぱり……おっきく、なってるのかな……?」  
 それでも一昨日の朝、そして昨日の放課後に目にした、今も網膜に焼き付いているあの同級生の裸身ーー谷川千晶の胸に実る巨塊ほどの圧倒的な質量はまだない。  
 しかしその胸と掌に感じる大きさと重さは明らかに今、自らの乳房もまたその領域との差を着実に埋めつつあることを認識させるに十分だった。  
 たとえ今のその質量に、全身に帯びた淫らな熱によるものが含まれているとしても。  
「わたし、変だ……一昨日の朝の、あのときから……いっつもいっつも、ずうっとえっちなことばっかり、考えて……。  
 ベッドの中や、トイレでいつも、こうやって胸を触って……先っぽ摘まんだり……ぎゅうっと揉んだりして……パンツの中に手を入れて、くちゅくちゅするのをいじったりして……とうとう今日は八坂くんに、あんな……ひどいことされる夢までみちゃって……んっ……!」  
 ぎゅっ、と爪を立てるように両掌へ力を入れると、はちきれそうに張りつめた甘い果実が悲鳴を上げるような鋭い痛みと同時に、それに劣らぬほどの甘い悦びが十一歳の少女の肉体を駆け抜けた。  
「はうっ……!」  
 その衝撃だけであっさりと力が抜け、真琴は思わず脱衣所で膝を突きそうになってしまう。なんとか踏みとどまって乳房から手を離し、のろのろと身体を拭き続けた。  
 ショーツに脚を通し、腰を折って身を屈め、ストラップとバンドの中へ両腕を入れたブラジャーのカップを胸へ寄せながら、乳房の肉をCカップへ収めこんでいく。  
「あ、……んっ……」  
 その動作の途中で、やっぱり……そう思っていた真琴の懸念は的中した。  
 昨日までは辛うじて真琴の乳房を包み込むことが出来ていたCカップブラジャーは、今や真琴の乳房を完全に包みきることが出来なくなってしまっていた。  
 乳房の大きさに対してカップの容積も布地の面積も足りておらず、結果として、真琴の乳房はもうブラジャーから『溢れて』しまっている。  
 それでも無理矢理に背中のホックを一番外側の位置で止めると、もはやブラジャーは単なる一種の拘束具となって、みずみずしく張った真琴の乳を締め上げた。  
 きついCカップは乳房の肉へと食い込むようにその身を埋めており、さらに逃れるように乳肉がせり出すカップの縁には少女の白い柔肌だけでなく、うっすらと桃色に染まった乳輪の外縁がはみ出してしまっている。  
 もう真琴のブラジャーは、思春期の少女の乳房をあるべき姿への成長に導く矯正具としての機能を完全に放棄し、むしろその早熟な質量と魅力を淫靡に誇示するだけの拘束具と成り果ててしまっていたのだった。  
「やだ、どうしよう、これ……私のブラ、いま、すっごくえっちだ……」  
 今まで何度も教室やその他の場所で押収していた、同級生の男子たちがこっそり持ち込んでいたいやらしい漫画に登場する水着姿、下着姿の巨乳女性たちを真琴は思い出す。  
 むっちりと実った彼女たちの巨乳を包むべきビキニやブラジャーの多くは適正なサイズとは言えず、多くの場合は小さすぎ、乳房の肉へ食い込んだり過度に締め付けて盛り上げたりと、ただ性的魅力を誇示するためだけに存在していた。  
「……今の私、ああいう女の人たちとおんなじなんだ……。こんなブラジャーもうえっちなだけで、何の役にも立たないよ……。もうこれ以上、こんなの着けてちゃダメなのに……」  
 しかし今の真琴に、このサイズに適切な別のブラジャーの備えがあるわけではない。母親のブラジャーを借りることも一瞬考えたが、今の自分でもまだサイズは合わないだろう。  
 といってノーブラというわけにもいかず、結局のところ今日は一日、きつく食い込んでくるこのブラジャーで過ごすしかないようだった。  
 
「今日は体育の授業もあるのに……みんなの前で、こんなので着替えるの……やだな……」  
 でも……そう呟きながら、別の考えが真琴の思惟に滑り落ちていく。  
 ーー八坂くんが今の私を見てくれたら、どう思うのかな。  
 私の胸、まだ谷川さんの胸に比べられたら負けちゃうけれど。でも。きっと、男の子たちをじゅうぶん興奮させてあげられるくらいの大きさはもうあるよね。  
 この、えっちな、小さくなっちゃったブラジャーを着けてるところを見せてあげたら。おっぱいの先っぽの周りがブラジャーからはみ出て、カップが食い込んでおっぱいの形を変にしちゃってるところを見られちゃったら。  
 八坂くんも、いまの私とおんなじぐらい、ドキドキしてくれるのかな……。  
 「…………」  
 自らの執拗な愛撫の対象となった乳房はCカップに締め上げられながら、今も蕩け落ちそうな熱をその内側に保っている。  
 その火照りを意志の力で押さえつけると、ブラジャーの上にもう一度パジャマを羽織り、前を閉じながら真琴は廊下へ出た。  
 そのとき鼻腔へふっと食欲をくすぐる微粒子が滑り込んで、真琴は自分の入浴中にもう朝食の準備が始まっていたことと、家族の存在を台所へ感じた。  
「あ……」  
 今の自分は、夏用パジャマという薄布一枚を身に付けただけだ。  
 その下にひどくはしたない、包むべき果実へ男性の劣情ばかりを煽るように食い込む淫靡なブラジャーと、おそらくはここ数日の情欲と自慰の結果として急成長してしまったのであろう乳房の存在を意識して、真琴はとっさにそれを隠そうと気配を押さえた。  
 どうしよう。お父さんやお母さんに、こんなの見られたくない。このまま部屋までこっそり移動して、せめて上着だけでも羽織ってーー  
 しかしそのときにはもう、真琴の決断はすでに遅きに失していた。  
 その左右の乳房をゆさりと背後から包まれるのを感じて、真琴はびくんと背中を跳ねさせながら身を固める。  
「っーー!?」  
「あらあら、真琴さん。すっかり育ち盛りなのね」  
「おっ……おかあさ、んっ……?!」  
 気づけばいつの間にか、気配もなく背後から迫っていた母が真琴の背中にぴったりとくっつき、そして、その両手に真琴の胸の膨らみを優しく包み込んでしまっていたのだ。  
「また少し触らないうちに、ずいぶん大きくなってしまって」  
「お、お母さん! やっ、やめてっ!」  
「だあめ」  
 娘の抵抗を、微笑む母親はあっさりと黙殺した。母の手のひらに包まれても、あっさりと溢れてこぼれ落ちるだけの質量を備えた乳房全体の肉を左右から中央へ寄せながら、器用にパジャマのボタンをことごとく外してしまう。  
 そしてそのままの流れるような動作で、真琴のパジャマはあえなく肌蹴られてしまった。  
「やっ、やあっ!」  
「あらあら。前に買ってあげたCカップのブラジャー、もう、こんなに小さくなっちゃったのね」  
 瞳を濡らし、切なげに漏れる娘の吐息を耳元で聞きながら、母は少女の乳房の見事な育ち具合を両目を細めて確認した。  
 「駄目ですよ、真琴さん? きつくなってしまったブラジャーをいつまでも着けているんじゃなくて、ちゃんと自分に合ったものにしていかないと、あなたの胸によくないんだもの。  
 こういうことは、早くに教えてくれないとね。そうね、今度は……もうDは飛ばして、70のEカップぐらいを今日じゅうにでも買ってきてあげた方がよさそうね」  
「そ、そうだけど……そうだけど、お母さん……こういう、胸の話とか……恥ずかしい、ようっ……」  
「どうして? 真琴さんの胸、すごく素敵よ。真琴さんーーあなた、自分の胸にもっと誇りを持ちなさい?」  
「……ぁ……っ!」  
 決して口に出来ない情欲の残り火にしこる乳肉を、布地の張り詰めたブラジャー越しに愛撫されて、真琴は声を噛み殺してあえいだ。  
「豊かな胸は、愛する人との新しい命を産み育てられる女性の誇りよ。あなただって赤ちゃんの頃、お母さんの胸を元気いっぱいにちゅうちゅう吸って、今の健やかな真琴さんに育ってくれたんですもの」  
「お母さん……」  
 熱を切らして言いながら、真琴は母へそっと振り返る。  
 
 艶やかな黒髪を結い上げ、優しげな目で微笑む美女。  
 落ち着いた風情のなかに成熟した美貌を漂わせ、30代の半ばを間近に控えた真琴の母、国東未琴の身長は、真琴のそれより少しだけ低い。真琴は小学校五年生の頃、すでに未琴の身長を追い抜いてしまっていた。  
 しかし今の二人の話題であり、真琴にとって最大の懸念材料である乳房については、真琴はいまだ母に遠く及んでいなかった。  
(お母さんのおっぱい……やっぱり、大きいな……)  
 均整の取れた、鍛えられて見事に引き締まった未琴の肢体の胸から、砲弾のようにふたつ大きく突き出す乳房の威容は、まさに爆乳と称するに相応しい。  
 それを包み込むブラジャーのサイズは、実にHカップ。小柄でボーイッシュな小学六年生の美少女、谷川千晶が備えるGカップバストのインパクトと比べても、全体から受ける印象の鮮烈さは劣らぬものがあり、絶対的な質量はさらに大きい。  
 十一年前に娘の真琴を産み、そして惜しみなく溢れ出る母乳を与えてからもしぼむことなく、むしろ溢れんばかりの母乳を絞り出してもなおみずみずしい張りを保つ未琴の乳房は、真琴にとっても今なお母性と憧れの象徴であり続けていた。  
(私のおっぱいも、お母さんのぐらい大きくなってくれたら……谷川さんにだって、絶対負けないのにな……)  
 その圧倒的な質量を背中で布地越しに感じながら、温もりを帯びた柔らかな重みを通じて、真琴は少しずつ心が安らいでいくのを感じていた。  
 そのとき不意に電子音が台所から響いた。聞き慣れた電気炊飯器のアラームだ。  
「ん……。そろそろ、ご飯とお味噌汁がいい頃ね」  
「お母さん、私も用意するの手伝う」  
「あら。それは嬉しいけど……もうすぐお父さんが起きてくるから、その前に着替えていらっしゃい。今の真琴さん、お父さんにでもちょっと刺激が強すぎるから」  
「あ……は、はいっ」  
 そう言われてはじめて、真琴は布越しに揉まれた乳房の頂が、夏用パジャマの薄布を押し上げる曲線にふたつの突起を刻んでしまっていることに気づく。もはや小さなブラジャーではしこり勃った乳首の尖りを抑えきれず、薄布にくっきりとその存在を誇示してしまっているのだ。  
 こんな格好、お父さんに見られちゃったら……。  
 今度こそ耳まで真っ赤になりながら、真琴は慌てふためいて自室へ階段を駆けていく。そんな娘の足取りを微笑みながら見送って、国東未琴は呟いた。  
「いつの間にやら、あの子もすっかり女の子ね。身体だけじゃなく、心もすっかり女の子になっちゃって」  
 言いながら、その娘を立派に育て上げた自らの爆乳をエプロン越しに、その両掌で押し上げる。  
「んっ……。小学六年生か……。もう、そういう季節なのね……」  
 夫婦の寝室からの物音で、寝起きの気配を感じ取る。まだ眠たげな表情で起き出してきた最愛の夫を、どこか濡れた熱を帯びた笑みで未琴は迎えた。  
「おはよう、やっくん」  
「おはよう、母さん。……今日はどうしたんだ?」  
「ふふっ。やっくんの奥さんで、二人の娘の母親で、22年前に西小六年二組の副委員長だったみーちゃんは、今朝は一体どうしちゃったんでしょうか?」  
 胸の前に組んだ両腕にエプロン越しの乳房を載せて持ち上げ、未琴は布越しにも分かるその形と大きさを誇示してのける。  
 未だ健康な男性としての機能健在の夫は、起き抜けの怒張にさらなる血流を注ぎ込まれつつ、周りを見渡しながらたじろいだ。  
「な、何やってるんだ、母さん……もう、真琴が起きてくる時間だぞ……」  
「んふっ。大丈夫。……今日はまだ大丈夫だよ、やっくん……」  
 しどけなく微笑みながら、甘えるように、未琴は自然な足運びでするりと夫の胸にしなだれかかった。片手を夫の股間に伸ばし、もう片手で夫の手を取ると自らの乳房に導き、たっぷりとしたその重量すべてを負担させていく。  
 
「か、母さん……こんな、朝から……っ」  
「……やっ……。母さん、じゃ、いやぁ……。……今日は、あの頃みたいにぃ……やっくんが私のおっぱい、放課後の音楽室で、はじめて触ったときみたいに、呼んでぇ……!」  
「…………!」  
 濡れた瞳で甘い雌の嬌声をあげて求める妻のいつにない媚態が、夫の雄を揺り動かした。  
 ぎゅうっ、とエプロンとワイシャツ、それにブラジャーと三枚の布地を巻き込むようにして、十指が乳に絡みつく。何度も強度を変えて繰り返し、Hカップの中で乳肉を、乳首へ向かって搾り出すように揉みしごいていく。  
「んっ……ああっ、はああぁっ……やっくん……っ!」  
「みーちゃん……みーちゃんのおっぱい……あのときからずっと、大きくってきれいで、ぱつんぱつんで感じやすくて……僕はずうっと、みーちゃんの水着や、体操着や着替えや、縄跳びのときにすっごい揺れるのを、夢中で見てた……」  
「やっくんが……やっくんが、私のおっぱい好きだったからぁ……  
 いっつもえっちな目で息をはぁはぁさせながらいっぱいじろじろ見て、何かあるたび偶然みたいにわざといっぱい触ってきて……好きって言って、いっぱいちゅうちゅう吸ってくれたからぁ……だから私のおっぱい、こんなにおっきくなっちゃったの……。  
 ずっと好きだった、いっしょに学級委員長してた男の子にいっぱい揉まれて、私のおっぱいおっきくなったのぉ……!」  
「みーちゃんっ……!」  
「ふふっ……やっくん、いけない子……学級委員長だったのに、警察官なのに……あのときから狼さんみたいに、誰もいない音楽室で、いっしょに居残りしてた副委員長の女の子のおっぱい無理矢理わしづかみにして……。  
 ブラウスのボタンが飛んじゃうような乱暴な脱がせかたして、まだおっぱいなんて出ないのに、赤ちゃんみたいにむしゃぶりついてきて……」  
「ごめん、ごめんみーちゃん……あのときみーちゃんのブラウス、びっしょり雨に濡れてて……ブラジャーの刺繍の模様が透けてて、雨のなかを走ってきたから頬から赤くなってて、おっぱいの先っぽもツンと尖ってくっきりしてて……だから俺……俺、我慢できなくて……っ!」  
「ああん……っ!」  
 ここで大きく声をあげたら娘に、真琴に聞かれてしまう。そう思いながら、それでもこらえきれずに未琴は熱い吐息を解き放った。  
 このまま何度となく抱かれてきた夫に全身をまさぐられ、胎内に子種を仕込まれてきた逸物に貫かれたい。熱く激しく欲望を燃えあがらせ、容赦なく精を放って汚してほしい。  
 
 そんな情欲の炎に押し流されそうになりながらも、頭上でかすかに天井を鳴らしていた少女の足音が階段へ向かうのを感じ取って、未琴は蕩けかかっていた目蓋を押し上げた。  
「ん……っ、やっくん、ダメぇ……っ。……もう、真琴が、着替えて、降りて……っ」  
「ダメだよみーちゃん、自分からここまで誘っておいて、ここで寸止めなんてずるいよ……こうなったら、もう最後まで……部屋に戻って最後まで、続きをやろうよ……!」  
 しかし未琴の意思と提案に反し、欲望に火をつけられた夫の動きは止まらなかった。  
 エプロンの下に潜り込んできた夫の両手はブラウスのボタンを外すとたちまち潜り込んで、Hカップのブラジャーを完全に剥き取ってしまおうと、左右の四指を上べりに食い込ませてくる。  
「あ……ああんっ、もう……だめえ……っ、お願いやめて、やめ、てぇ……っ、やっくん……やっくん!」  
「っ!!」  
 そして次の瞬間、弾けるような技の応酬が発生した。  
 夫の身体にのし掛かられ、ただ貪り尽くされるようだった未琴の身体がその刹那、溜め込まれていたしなやかなバネを解き放ってぐるりと回った。  
 身体の奥深くにまで刻み込まれ、研ぎ澄まされた技の回路が未琴の四肢を駆動させる。妻の肉体と媚態に対する情欲に呑まれていた夫の反応は瞬時遅れ、そしてその一瞬が勝負を分けた。  
「おはよう、お父さん……二人で何してるの?」  
「や、やあ。おはよう、真琴」  
「ちょっと、二人で……なんとなく昔が懐かしくなっちゃって……ね?」  
 くすりと微笑みながら片目を瞑って、ともすればエプロンの表面にまで浮き出てきそうな乳首の硬さを気にしながら、未琴はうつ伏せに組み敷いた夫の上で愛娘に微笑んだ。  
 そういえばあの放課後の音楽室でも、最後の最後はこの体勢だったっけ。学級委員長のやっくんは副委員長のみーちゃんの大きなおっぱいだけで満足できなくなって、ガチガチに固く大きくなった男の子のものを、無理矢理みーちゃんの大事なところに入れようとしてきたから。  
「本当にあわてんぼさん。やっくんは変わらないね」  
「みーちゃんもね……」  
「続きは今夜、帰ってきてから、ゆっくり……ね?」  
 甘い吐息を夫の耳に吹きかけながら、母はきょとんとしたままの娘を見上げる。  
 真琴さん。あなたのおっぱいをそんなに育ててくれたのは、いったいどんな男の子なんでしょうね?  
 
 

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