ソフトボールの戦場に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。  
汚れを知らない心身を包むのは、白と赤のユニフォーム。  
短めのホットパンツからは白魚のような足を露出させ、豊かな胸もとを泥まみれにしながら激しく揺らして走るのがここでのたしなみ。  
ここは東日本最強ソフトボールサークルリリアム。ここは、乙女たちの楽園にて地獄。  
 
とにかくキャッチ 戦乙女たちの小休憩〜虎の挑戦状  
 
ACT19  
日曜日 朝  
リリアムは今6年生チームと4・5年チームに分かれ練習形式の猛練習中である  
 
(くっそーこの間と全然違う。流石に沙織お姉さまと限界まで競っただけあるという事か  
鷲沢副キャプテンの実力って…)  
 
4・5年生、いや年齢のカテゴリーに当てはめるのは実際適格ではない  
リリアムの中でも1.2を争うほどの投手…大泉久美その人であった。  
そんな彼女でも当然打たれる場合もある。  
 
たった今ワイルドな少女…リリアム副キャプテン鷲沢奈津に安打を浴び、つい久美はホゾをかむ。  
奈津の俊足で2塁まで押し切られてしまったからだ。  
 
そしてなんとか2アウトを取っているとはいえ、2塁.3塁にランナーがおり  
久美にとって最悪と言える相手が立ちふさがる。  
 
その少女は髪を三つ編みにし優雅に、悠然とそびえる。  
6年生どころかリリアム内で最大のホームランバッター神楽坂沙織その人だった  
(よりによってお姉さまか…しょうがない、こうなったらお姉さまでも絶対打ち取らなきゃ…)  
自分が一番に慕う沙織を前に、自分が最も信頼している女房役のキャッチャーに対して  
 
「リードお願いね優子!!」  
そう言ってキャッチャーボックスに入る少女…石引優子にボールを投げ  
最適な計算をしてもらう  
 
(2アウトか…相手は沙織……下手な球を投げればホームランだけど  
流石に満塁になる以上敬遠も無理…幾らなんでもスタメンでは無いとはいえ5番打席の  
先輩相手にハイリスクの行動はとれない、だったら打たせて取る!)  
 
優子は久美に対してカーブを投げてもらうようサインを送る  
スピードと球威そのものでは剛速球  
すなわちフォーシーム・ファーストボールを使う投手と比べ若干見劣りする所がある反面  
 
久美自体が打者の目線で変化するツーシーム・ファーストボールの使い手の上。  
元々通常の変化球を得意とし、戦術として討たせて取る投げ方もできる。  
 
(久美のカーブの切れなら…打たれても凡打に持ち込める……頑張って久美!)  
そんな優子の覚悟を組んでか…久美も切れ味鋭いカーブを投げる  
剃刀のような切れ味で曲がり、ストライクコースに飲み込まれる…はずだったのだが  
 
バットの破裂音が響く  
沙織は高々と外野に向かって飛び、全員懸命に走りだす  
打撃の向かった先は…レフトだ!  
 
「レフト!取れぇぇ!」  
久美は大声でレフト守備の少女に指示を出す。  
その少女は大急ぎで落下地点に走り込み、ダイビングでボールに飛びつくも今一歩届かない。  
 
「しまっ!届かない!!でも久美様のためだったら!!」  
ボールには届かなかったが、すぐに立ち上がりサードに返球し、なんとか1塁・3塁で沙織と奈津をとどめる。  
1点取られてしまったとはいえ、2点以上取らせなかった少女の…天馬三姉妹三女。天馬今日子の意地が光る返球だった。  
 
「ドンマイドンマイ!しまって行こう」  
そんな好プレーをみて点を取られたのではなく、点を抑えたと元気付けるため  
優子は声を上げるのだった。  
 
そんな様子に相棒の久美や項垂れる今日子  
そしてセンターを守っている天馬三姉妹長女天馬泉  
ライトを守っている天馬三姉妹二女天馬美咲も優子の声援で励まされるのだった。  
「ほーみんないい感じじゃない!」  
ベンチで座りながら楽しそうに、リリアムの試合を見ている女がいた。  
 
その女はかつてリリアムキャッチャーを務め。そして今愛するチームに監督として戻ってきたのだ。  
その女の名は小倉伊織…リリアムを知りつくした存在と言っても過言ではない。  
 
そして……  
その隣には大規模な設備でその試合録画している技術部がいたのだった。  
 
「さてと…このチームに貴女はどうやって挑むのかな? 桜ちゃん」  
そんな風に誰ともいわず伊織は呟き、今日来るべき人を待つのだった。  
 
ACT20  
試合結果  
6年生チームVS4.5年生チーム 6イニング結果は  
5対3と流石に先輩としての貫録を見せたが、4・5年生サイドも十分善戦したといえよう  
 
「ありがとうございました!」と試合が終わった後はお互いの健闘をたたえて固く握手を結ぶ  
 
そしてお互いベンチに戻って反省会  
「ごめんなさい久美様…私が届けば少なくても一点失う事はなかったのに……」  
今日子は久美の期待に答えられなかったことに対して悲しげに謝罪するが  
「いいえ…これは私のミスだから…今日子ちゃんは十分いいプレーだったよ」  
と4年とはいえスタメンに選ばれるほどの好プレーを見せた今日子に対して、優子はなだめ。  
「いやいや。これは打たれた私のミスよ。優子…今日子  
お姉さまにコースを読まれた私のミス」  
久美は自分が完全にコースを読まれたと思い、自分のミスだという。  
そんな自分の未熟さを改めて見つめ、学ぶ。  
 
一方6年ベンチも  
「危なかったですわ…もう少し力が足りなかったら確実に凡打でした  
流石に久美…それに懸命に飛びついた天馬さん。そして久美に対して最善策を提示した石引さん…」  
と見事に打った沙織も内心ひやひやしていた事を吐露し  
「流石に大泉と石引のバッテリーを打ち崩すのは大変だった…私でも確実に打てる保証がないものな」  
と奈津の方も沙織に同意するのだった。  
 
そんな反省会・あるいは相手の力を知り彼女達はもっと強くなっていく。  
 
そんな中 伊織が全員を集め  
「それじゃあかたずけって所だけど  
実はね…ビックゲストがいるから部屋の御掃除みんなでやって!その間私はゲストを迎えに行くから」  
 
と本日来客があると宣言し、リリアムメンバー全員残って清掃をしてほしいと言い出す。  
流石にみな誰だ誰だとがやがやしだすも、流石にキャプテンの沙織が仕切り  
「わかりましたわ小倉監督。それでは恥ずかしくない位にはかたずけて置きます」  
と伊織に一礼し、メンバー全員スタジアムから廊下など、てきぱき指示を出し政争の準備をさせながらも、自分もグラウンド清掃を始める。  
 
「ごめんねみんな。それじゃあ出発しまーす」  
とそんな姿を見届け伊織は出発する。  
 
ACT21  
1時間後  
清掃具合も完ぺきといえるほど全てぴかぴかとなり  
汚れどころかホコリ・水滴すら完全になくなって、あとはゲストを迎えるだけとなっていた。  
 
二人コンビで清掃をしていた優子と久美だったが大方掃除も終わり、一息交じりで話しこむ。  
 
「誰なんだろうね…今日来る人って?」  
まず優子に話しかけた久美だったが  
なんとなく久美から誰が来るんだという表情となり  
 
「分かんない。誰なんだろう?」  
優子の方も全く見当がつかず、久美と同じような表情でオウム返しをする。  
そんな二人に近寄ったのは奈津だった。  
 
「鷲沢副キャプテン!誰が来るか知ってますか?」  
と何か知っているのかなと優子が話しかけるも首を振り。  
 
「いや私も知らない。ただ今日野村理奈が試合だな〜って思って話しかけに来たんだけど石引」  
と優子の幼馴染。野村理奈が今頃リトルリーグの試合で活躍している頃だろうと話を切り出す。  
 
そんな発言に久美の方は  
「ま〜だ懲りてないんですか鷲沢副キャプテンは?  
野村理奈なんてどうでもいいでしょう?光陵にいるんですし…一回戦目で負けるんだったらそれまででしょう」  
と全く興味なしという表情で言い返すも、気にせず奈津は話を続け  
 
「まあそういうなって大泉。  
石引!確か聞いた話だとたまに野村理奈に対して料理持って行くんだって?  
今日野村理奈疲れて帰ってくると思うからなんか持って行ってやんなよ」  
と奈津は優子に対して野村理奈に対してなにか料理を持って行けと言い出す。  
 
そんな奈津に対して優子も  
「そうですね。今日リリアムの方は早上がりって聞いてますし  
夜にでも理奈にパスタでも持って行ってみますよ。試合結果とか聞きたいですし」  
とうれしそうに微笑み返すも、久美は露骨に不機嫌となり。  
 
「はぁ?野村理奈料理作れないの?  
あんまり甘やかさない方がいいんじゃないの?」  
と冷やかすも、優子の方が久美に対して  
 
「じゃあ久美は料理作れるの?  
簡単な例で料理の大原則さ・し・す・せ・そ言ってみてよ」  
と切り出してみる  
 
「え?おぉ言ってやろうじゃない  
酒・塩・酢・セロリ!・ソース!」  
と大外れの答えを言い、奈津は大笑いで  
「あーはっはっは!!違うよ大泉  
砂糖・塩・酢・醤油・味噌で、出来るだけその順番に調味料を入れると味が染みるってことだろ石引?  
ああもちろん文通り全部入れろってことじゃないよ大泉!」  
と料理の基本さ・し・す・せ・その解説をするのだった。  
 
「久美ったらぁ!酒とソースで間違える人はいるけどまさかセロリなんて言う答えが出るとは!  
わぁっはっはっは」  
 
そして横で大笑いしている優子を見て膨れる久美であった。  
「もう!料理なんてまだまだできなくても困らないんだから  
それよりも野村理奈ってリリアムでも本当に必要だったんですか?鷲沢副キャプテン?  
野村理奈並みの剛速球選手ってソフトボールではいないと思うんですが〜」  
ちょっとメンツをつぶされた久美は奈津をからかってやろうと言葉を出すも意外な返答が返ってくる  
 
「いや大泉…石引…実を言うとな。  
ソフトボールにもいるんだよ。野村理奈並みの速さの奴」  
と、実際ソフトボールにも投球スピードが超小学生級と言い切れる、野村理奈並の球を投げる人間がいると言い出し。  
 
「「え?」」  
と二人とも驚きの声を上げる。  
 
そんな驚きの声を上げる二人をよそに奈津は会話を続ける。  
「いやね…去年。大泉はおたふくで寝込んじゃったからあの試合には出れなかったけど  
その選手の前にほとんど討ち死に状態だった…何とか沙織が一矢報いたとはいえね」  
 
とそのとんでもない投手の前にリリアムメンバーはほとんど打てなかったといい  
 
「それに打者にしてもとんでもないやつがいた  
守りは雑だけど打撃が凄くパワフルなやつで、私や沙織を越えたとんでもないのがいたの」  
 
と打撃においてもリリアムの二枚看板と言える沙織と奈津を超える選手がいると聞き  
誰だそれって表情に優子・久美ともなっていく。  
 
そんな驚愕の表情を浮かべた二人を見ながら、奈津は息をつき  
「まあ私が野村理奈に執着したのは元々野村理奈に一目ぼれしたこともあったんだけど  
実際彼女たちを見て少し焦っていたのかもね」  
と過去に失敗をした自分をさげすむように、他人事風に話し  
 
「誰なんですか?その人たち…」  
「お姉さまを超える相手って……」  
優子・久美の二人とも顔を見合せつつ、奈津を見る  
 
「沙織はまだ言ってなかったのか?  
去年秋の本大会で優勝した関西のタイガーソウ……」  
奈津は言いかけるが、その時伊織が大慌てでやってきて、リリアム全メンバーを集合させる。  
沙織や近くにいた奈津もあわてて周囲に指示を飛ばし、集合させる。  
近くにいた優子と久美は伊織の隣に女の子がいるのを確認した。  
 
隣にいる可愛らしい少女は見慣れないユニフォームを付けていた  
少女としか思えない風貌なのだが、意外と長身で体つきはしっかりし何より……  
少女の胸は少年と言っていいほど真っ平らで、まるで胸がなかったのである。  
 
その少女が今後の暴風第一号となるとはだれ一人として知らなかった…  
 
ACT22  
「こんにちは。私は小学5年生で関西のソフトボールチームタイガーソウルでライトをしている鈴木凛です!  
リリアムの皆様の事は大河キャプテンや九条副キャプテン。そして春日監督から聞いてます!  
今後ともよろしくお願いします!!」  
 
それがその少女……鈴木凛の声であった。  
 
そんな凛のさわやかな自己紹介が終わって伊織は  
「ありがとう凛ちゃん。凛ちゃんは関東出身だけど今年関西に引っ越してきたばかりで  
レギュラーに選ばれた精鋭よ。みんな拍手拍手!!」  
と凛をからかっているのか称賛しているのか、それともその場のノリで言っているのは不明だが  
凛に対して拍手を求め、みんな訳も分からず大きな拍手を送る。  
 
その雪崩のような拍手の大音に  
「や…恥ずかしいです。そんな皆さんに拍手されて…まだまだ若輩なのに……」  
と照れているようだった。  
 
そしてさっと伊織は手をあげ拍手を辞めさせ、次に移る  
「それから。タイガーソウルの方から凛ちゃんを通じて挑戦状を持ってきてくれました  
それをみんなでこれから見ようと思うから、急いでミーティングルームにいこみんな!!」  
とミーティングルームに移動する。  
 
ミーティングルームに向かいながら優子と久美…そして沙織の三人で固まり  
久美は奈津から話を聞きかけたこともあり、沙織に聞いてみる。  
「お姉さま。挑戦状って何なんです? タイガーソウルって一体…」  
 
優子も久美同様状況が分からず、ただ沙織を見ていただけであった。  
「やれやれ…彼女たちの方からやってくるとは……  
去年私たちリリアムを破ったチームですよ」  
と簡素にタイガーソウルはリリアムに勝ったチームだと宣言する。  
 
優子は久美同様直接タイガーソウルを知らない為。  
「それって…タイガーソウルはいったいどんなチームなんですか?」  
と沙織に聞いてみるも  
 
「それは鈴木さんが持ってきてくださった挑戦状を見ればわかりますよ」  
といつもと変わらぬ微笑みを見せ安心させる。  
 
そして鈴木凛が持ってきた挑戦状の入ったDVDをセットし、DVDの映像が始まる。  
 
ACT23  
「うぉぉぉぉ!!わいや!大河虎じゃ!!  
リリアムに入った新入生にも言うぞ!!わいがタイガーソウルキャプテン大河虎じゃい!!」  
突然ミーティングルームに響き渡る大声。  
 
「ちょっと!何この人!!めちゃくちゃ声が大きくてうるさい!!」  
久美が耳を押さえながら画面越しに対して無意味と分かっていながら抗議してしまう。  
 
優子は耳を餃子にしながらも、タイガーソウルキャプテンと名乗る少女  
大河虎に対してみてみる。  
 
容姿としては鷲沢副キャプテン以上に短いスポーツカットの為  
髪が短いため一見男性を見間違えそうだが、顔立ちはエキゾチックでなかなかの美少女  
体型も腕や腹・足などの筋肉が女の子の割に太く、見るだけでホームランバッターだとわかるが  
胸やお尻も立派につき出てなかなかグラマーでもあった。  
 
黙っていれば美少女だがあまりに男らしい態度の為。チームメイトの凛も含めほとんど引いてしまっているが、虎の話はまだ続き。  
「そしてぇぇ!神楽坂沙織ぃぃぃ!!  
わての相棒九条からホームランを打った事ぉぉわては忘れておらん!!  
わてと主のどっちが真のホームランバッターか白黒つけてるわぁぁぁ!!」  
 
と明確に沙織に対してライバル宣言をするのだった  
なるほど…確かに挑戦状。とみんなが思っていたが、もう一人虎に代わって女性が出てくる。  
 
女の子では無い…女の子というにはその女性は背が小学生離れをして高く、清らかな雰囲気だったからだ。  
髪は沙織以上に長く、ただ束ねているだけ。  
だがそれが最上級の墨汁を付けた、極上の筆のような圧倒的な質感で、顔立ちもまさに美女のそれである。  
体のラインも引き締まり華奢なイメージを皆持つが  
 
だが6年生は…特に……ひときわ彼女を見て高ぶった人物がいる  
「来ましたね……九条さん!」  
彼女の顔を見た沙織は拳を握り、闘志を高ぶらせその女を見る  
 
そしてその女も自己紹介を始める  
「こんにちは。タイガーソウル副キャプテンの九条萌葱どす  
リリアムの皆様またお会いしましたな。そして新規入団した方はじめまして〜」  
と先程の虎とは打って変わり上品に挨拶をするも  
 
「連れの虎がやかましてくて申し訳ありませんが、神楽坂はん。  
また去年みたいな勝負をしたいですわ〜まっておりますわ」  
と虎同様沙織に挑戦状を送るのだった。  
 
そんなキャプテンと副キャプテンの紹介が終わると  
タイガーソウルの練習風景が映し出される  
 
そんな中もちろん皆鍛えられているが  
大河虎の冗談染みたバッティングの破壊力・九条萌葱の剛速球の爆音  
皆押し黙るに十分な破壊力があった。  
 
そしてライト付近でキャッチをしている凛だったが  
普通だったら二塁打級の打球を、とんでもない俊足でボールに飛びつき無理やりアウトに持っていき  
バッティングの方も萌葱の超剛速球すら、ヒットに持ち込むほどのバッティングセンスを見せつけた。  
 
そして練習が終わった後に今度こそ普通の成人女性が画面に現れる  
もっとも普通といってもその成人女性自体かなり背が高く美人でスタイルも良く  
容姿端麗を絵に描いた人物だった。  
 
「久しぶりイオリン。  
それとあった事の無い娘ははじめまして。あった事のある娘は久しぶりと言わせてもらうわ  
私はタイガーソウル監督の春日桜です。  
去年私達タイガーソウルがリリアムに勝たせてもらって今は  
“小学生ソフトボールサークル最強のタイガーソウル”を名乗らせてもらっているけど  
今年も改めて最強の名前をかけて勝負しましょう。  
それじゃあ秋の全国大会でまた会う日を待ってる…イオリン?」  
とタイガーソウルのロゴが出て、DVD上映会は終了となる。  
 
途中まで凛々しく言っていたが、最後イオリン…伊織…小倉伊織に対してだけ  
甘いような…溶けそうなしぐさとなっていた桜のボイス。  
 
タイガーソウル監督と小倉監督は付き合っていたのかしら?  
DVDを持ってきた凛も含め、この場にいた人物ほとんどそんな表情で伊織を見ていたのだった。  
伊織はポーカーフェイスをするも、頬が赤くなっているのは皆見逃さなかったのである。  
そんな皆の視線に「相変わらず変わらないな…桜ちゃん」と伊織は呟くのだった。  
 
ACT24  
周囲のかたずけを終えて、伊織は改めて  
「はーい。これが去年私たちリリアムに勝ったタイガーソウルです  
みんなすごく強いチームだってわかったよね!」  
とタイガーソウルの脅威が如何程のものか皆に伝える。  
 
そのメンバー鈴木凛も  
「こんな私達ですけど…全国大会で戦う事になったら改めてお相手よろしくお願いします!」  
とスポーツマンらしく皆に頭を下げ、今後の応援をするのだった。  
 
そんな凛に伊織から  
「それと凛ちゃんにプレゼントなんだけど…このDVD桜ちゃんに持ってって欲しいな  
今日の練習試合が収められた出来立てほやほやもんだけど、桜ちゃんばっかり手の内を見せるのは何かアンフェアだしね」  
とDVDを手渡して皆を見て。  
 
「それじゃあ私は凛ちゃんを送っていくから…あとは個人練習なりなんなりしてかえってちょ!」  
と凛をつれ、伊織はリリアムスタジアムを後にする。  
 
その後リリアムメンバーは、運命と言える相手に対して皆やる気が出たのか  
「冗談じゃない!まだまだ練習が足りないわ」  
「トンデモナイ長打力に対抗するには…」  
「体を鍛えて対抗!」  
皆各々で大練習を敢行し、さらに自分たちを鍛えるのだった。  
汗と泥まみれとなりながらも美しく、そして力強く猛特訓をして!  
 
その後のシャワーでも珍しく全員一緒になり、当然皆裸体のまま契りを交わすのは当然の展開となり。  
 
「久美さまぁ…石引先輩も好きですけど久美様のお相手したいですぅ」  
とすっかり立ち直った今日子が久美相手に性の相手を志願し  
「今日子ったら…でも…石引先輩。御迷惑でなければ私を…抱いてください」  
と二女の美咲は憧れていた優子に対して相手を申し込むも  
「ああちょっと…それだったら私も混ぜてもらえない?  
この間先輩らしいところ見せるっていったろ石引…勿論天馬も一緒に相手してやるから心配すんなって」  
と奈津も優子に対して美咲と同時に相手を申し込むと  
「神楽坂キャプテン!おお…お相手お願いします!」  
と珍しく緊張した様子の泉が沙織に対してHの相手を申し込む。  
 
そしてお互いうら若き乙女たちはお互いの肉を食らい始める。  
 
「あふぅ♪結構気持ちいいじゃない今日子のおまんこ!  
体つき自体は華奢だけどおっぱいもなかなか美味しい!!」  
「あぁ!!久美さまぁ!!久美さまと貝まんこ繋がってるぅぅ!!  
石引先輩ごめんなさい!今だけは久美さまをお借りしますぅぅ」  
 
「石引先輩のおっぱい…美味しい。  
体の汗も…大好きで…いっぱい御奉仕させてください…ひゃぁ!  
副キャプテンの指であそこをくりくり貫かれながらぁ…先輩の体舐めてますぅ!!」  
「美咲ちゃん!あぁっそこっ!!乳首からぁ…おなかぁ…凄く良いよ……ふぁぁん!!  
副キャプテンん!!アナルらめぇぇ!!あなるゴリゴリされてキちゃうのぉ!!」  
「天馬のあそこは締まりが良くていいね…流石小四!!それに愛液がこんなに滴って…鍛えれば名器になるんじゃないの?  
石引のアナルもちょっと弄っただけで腸液がどばどば出てやっぱりスケベ!  
でも今度はちゃんとイカせてあげるから。イカせるって意味で沢山泣かせてあげる♪」  
 
「はあはあ…美咲も今日子もあんなはしたなく乱れてぇ…あうん♪  
ああっがぐらざきゃせんぴゃいぃぃ…私もあんな風に…もっとみだれさせてくだひゃい」  
「うふっ!天馬姉妹で一番変態なのは貴女ですね泉さん。  
今度はお二人が見ている前で貴女のアヘ顔を見せながら5回はイカせてあげますね」  
 
そして山百合の名にふさわしく、相手を変えて肉と心で絡み合ってイキ  
 
「ひゃぁ♪  
鷲沢副キャプテンったらぁ♪私のちくびこりこり弄っていいのは  
沙織お姉さまか優子だけなのにぃ…それに…副キャプテンの舌…いいのぉ♪」  
「そんな事言ったって大泉も沙織に仕込まれた事があって、比較として小ぶりな胸だけど  
凄い感度だな…次は沙織と一戦でも♪でもまあちゃんと大泉もイカせてあげっから  
むぬぅ♪久美の舌って柔らかいね」  
 
「石引先輩ぃ…乳首せつないれすぅぅ。  
わたしのちくびちゅーちゅー吸ってくださいぃ…あうん♪  
泉お姉ちゃんの猫舌私の足舐めてぴくぴくしちゃうぅ!!」  
「甘えん坊さんなんだから…今日子ちゃんのおまんこたくさん解してから  
陥没しながら勃起してる今日子ちゃんの乳首完全勃起させてあげる…あん♪  
泉ちゃんもいつも今日子ちゃんと美咲ちゃんのちゃんと面倒みてるけど…泉ちゃんって  
本当は今日子ちゃんと同じ位甘えん坊さんだね…私のおっぱいたくさん揉み揉みして…いいよ」  
「ふぁぁぁ♪石引先輩のおっぱい硬くて張りがあって揉むだけで私…何回でもイッちゃいますぅ  
今日子の足もぉ…艶々してて舐めるの好きなのぉ…今日子の妹おまんこも舐めてあげるからぁ」  
 
「なるほど…美咲さんはお腹撫でられながらふた穴同時に責められるの…大好物と  
あぅ♪なかなか…私の胸…たくさん奉仕してくださいな…美咲さん」  
「ひあ゛がぁぁ!!飛゛んじゃうぅ!!  
神楽坂キャプテン!!すごすぎで体が壊れそうですぅ!!お尻と恥ずかしいところぐりぐり弄られて…ま゛だイ゛グのぉぉぉ♪」  
 
乙女たちの嬌声がシャワールーム全てに響き渡り、淫らな蜜のにおいで溢れ  
より一層乙女の園といった様子である。  
 
その後もさらに淫らな交流が続き、リリアムメンバー全員で相手をとっかえひっかえしながら盛りの付いた雌のように、全て貪る勢いで体が動かなくなるまで絡み合い  
カオスな大乱交大会になった事は言うまでもないが、団結はさらに深まるのだった。  
 
そして夜……  
 
「やばっ!急がないと理奈のお腹は大ピンチだ!待っててね理奈!!」  
すっかり遅くなり大急ぎで優子は母に作ってもらった料理と自分の手作りパスタを持って理奈家へと大急ぎで向かう。   
 
見る限りまだだれも帰ってきてないようだったが、少し待っているとそんな優子に対して  
後ろから理奈と土生が声をかけるのだった。   
 
その後の優子の顛末は暴走ボートさん  
迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』にて 終わり  
 

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