ソフトボールの戦場に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。  
汚れを知らない心身を包むのは、白と赤のユニフォーム。  
短めのホットパンツからは白魚のような足を露出させ、豊かな胸もとを泥まみれにしながら激しく揺らして走るのがここでのたしなみ。  
ここは東日本最強ソフトボールサークルリリアム。ここは、乙女たちの楽園にて地獄。  
 
とにかくキャッチ 夏休みの楽しい一日 午前の部  
 
ACT25  
 
夏休み真っ盛り!  
おとといは決勝だけに相手もかなり強かったけど何とか勝てて夏大会制覇!  
これで秋に決戦とタイガーソウルとの約束は守れそうだった。  
 
そして今日私石引優子は小倉監督達から聞いていたとおり  
沙織の家が経営しているプール遊園地を一日貸切にしてもらって遊びに来たのだ!!  
 
ちなみに私は今付けている水着は  
ライムカラーな競泳水着……本当は遊び用にもう少し可愛いやつが良かったんだけど  
リリアムの合宿とかの影響、お小遣いの影響などの兼ね合い  
無論去年の水着は胸の大幅なサイズアップで着れなくなっちゃったからな……  
それに色のせいかアンダーを付けてもおっぱいの形やら乳首にあそこが少し浮いちゃうのがね  
陰毛がないのは救いとはいえ…競泳水着だから食い込みもきついし  
 
実は私たちリリアムだけでなく光陵メンバー達と合同で遊びなのだ  
だが仲間内ならまだしも、100歩譲って土生や知り合いになった赤松君ならまだしも  
ちょっと顔を合わせただけの光陵男子メンバー前でボディラインの丸わかりな水着は少し恥ずかしかった。  
94cmの胸と91cmのお尻にくわえて、数値以上にむっちりしたお腹周りとか  
太ってはいないけど少し引き締めたいなと思う私だった。  
 
最も光陵メンバーの殆どは、ウォータースライダーにいったり、リリアムの娘と一緒に泳いで遊んでいる。  
西小・東小・付属小の区別なく楽しそうにしているメンバーをほほえましく思いながらも  
 
私の隣には光陵メンバーのエース、そして私の…  
 
「凄いね〜神楽坂キャプテンって!こんな物件まで持ってたんだ!!」  
私の大事な幼馴染の理奈が私の隣に立ちながら、広大な遊園地に驚いている。  
実際私もここまで広大で施設が充実しているとは思わずびっくりしていたのだが…  
 
実を言うと光陵とリリアム合同で遊びに来たのはいつぞや光陵が私達リリアムと練習試合をしたお礼という事で  
少し遅いがカンカン照りの暑さで時期としてはぴったりなプレゼントだった。  
 
また理奈も水着装着済みで、スポーティなタンキニ水着だった。  
上半身は白いビキニで下半身は花柄の可愛らしい柄の上から更にパレオを装着している  
 
下半身は締まっているがスラッと伸び、胸は102cmのJだけあり  
水着からはち切れそうなほどむちむちしたとっても扇情的なもので  
全体的なアスリートとして付いている筋肉と、母性溢れる小学生離れした爆乳は流石理奈といったところか。  
 
理奈が言うにはその水着は前もって理奈のお父さんが家にいる間買ったという話だった。  
 
そして光陵だけではなく見回すと離れた所に見慣れぬ男女がいた  
私達には内容は分からなかったが話をしている様だ  
 
「豪快な人ね神楽坂さんって…でも少し場違いかもね私達?  
カナたんの事とかあるとはいえリリアム主催で直接関係ない私達も一緒でいいのかしら健太?」  
遠目からでもはっきりとその女の人の美しさは分かった  
黒いビキニの綺麗な…私達アスリートとはまた次元が違う凄くきれいな人  
 
きゅっと引き締まったウェストとヒップ、白くて長くて綺麗な足  
そして程よく上品ながらツンと張っているバストが素敵だったのだ  
 
そして連れの男の人も口を開いているのを確認した。  
「まあいいじゃねぇか紗英。神楽坂があの一件で分かった事があるから来てくれって話だしよ  
それに土生たち光陵がいるっていってもちょっと心配だからな…色々な意味で」  
と男の人のほうは武術でもやっているのか、かなりがっしりとした体形  
お揃いの黒色海パンが変に様になっている。  
 
そして女の人の方は初対面だけど、私でも名前だけは知っていた…  
 
そんな事を思っていたら真横からひっつくように久美が現れた  
久美はシックにラインストーンの付いたブラウンのワンピースで  
久美の均整のとれた体をとても美しく見せている。  
 
基本的に私は久美の姿は普通の私服とユニフォームと裸しか見ていないから  
こういったおしゃれな水着を付けている久美も理奈とは違う意味でドキドキする。  
そんな私を見ながら久美は話し始めるのだった。  
 
「ほー実物を見るのは私も初めて……お姉さまがファンだって言ってたから私も名前覚えてるよ  
『Tesra』でモデルをしていた白瀬紗英だね。ちょっと前からウチに転校してきたんだよ。  
どういう経緯でシバケンさんと一緒なのか知らないけど…」  
と私の腕は久美の胸の感触を感じながら私もなんでだろうという表情になるが  
 
その答えは意外にも理奈から出してくれる  
「白瀬さんの事は私もモデルやってたって事しか知らないけど…うちの緒方さんがモデルやってた頃の親友なんだって」  
親友かぁ…だから緒方さんがこれない代わりに  
白瀬さんとあの男の人…シバケンこと芝浦健太さんが来たんだな。  
 
確か芝浦さんは私達西小の間では‘東小の魔王シバケン’と呼ばれていて  
八坂先輩や谷川先輩達と良くケンカしたり、市立緑化公園で西小の児童相手に暴れたって聞いてるけど…  
 
ただ少なくても芝浦さんは戦争とは無関係な西小生徒には直接的な暴力は振るわず  
ましてや意味もなく谷川先輩以外の女の子を殴ったりしない硬派っていうのは沙織から聞いてるからな…  
 
なるほど…背丈は私とそんなに変わらないと思うが、遠目から見ても彼から凄い威圧感を感じる  
失礼とは私も思ったが白瀬さんと芝浦さんを遠目から見ながらだが、理奈から話は続き  
 
「それと以前緒方さんの事で白瀬さんが野球をやめさそうと翔に突っかかって揉めて  
翔と芝浦さんがケンカになりかけたけど、何とか翔が白瀬さんを説得して  
白瀬さんは緒方さんを応援してくれる事になったの」  
と土生と白瀬さん、そして芝浦さんとの顛末を教えてくれる。  
 
それを聞いた久美は  
「なるほどそのつてで知り合いになって、今日緒方さんの代わりに合流したってわけね。  
それにしてもあの二人付き合ってるのかな?」  
と私も理奈も答えようのない事をいきなり言いだす。  
 
私達は顔を見合せながらも、まず私から口を開く  
「さあ?私も理奈も西小何だから、東小の久美が知らない事私達が知ってるわけないよ」  
と正直分からないといい、理奈も  
「同感。詮索好きは嫌われるよ大泉さん」  
詮索しようとする久美に釘を刺す。  
 
そんな理奈の言葉に矛先を変える気になったのか…今度は理奈に対して久美は  
「はいはい。じゃあ野村さんってぶっちゃけ土生とどこまでシタの?  
おっと!おとぼけ抜きで答えてね、野村さんのあそこまでくそ早い投球を  
土生があそこまで的確に取れるのは一つになった事があるからでしょう?  
野村さんが南海リトル相手にこの間パーフェクトゲームを決めた投球以上に  
私達との試合の球の伸びや速さは何かなきゃあ説明がつかない」  
と矢継ぎ早に土生と現在どういう関係になっているのか聞いてくるのだった。  
 
まあ久美だったら私が特に二人の関係について言わなくても気がついただろう  
この間南海リトルの試合に私・久美・沙織・鷲沢副キャプテンの4人で見に行ったけど  
理奈の投球に全く打者が付いていけなかったのは、正直驚いたし  
 
この間の私達との試合ではそれ以上に理奈の投球は速さとキレが乗っており  
かつ理奈の投球と土生のリードを見ていれば  
ただのチームメイトの関係ではないなと分かりそうなものだ。  
理奈だったら土生の苦境とか全て飲み込んで一緒にやっていきたいと思うだろう  
実際Hな事とかしてるかどうかを知るのは、私としては吹っ切れたとはいえかなり複雑だけどね。  
 
因みにその試合結果と理奈のインタビューの乗っていた週刊MAXを私も見つけてリリアムに持ち込んだのだが  
鷲沢副キャプテンも律儀に買っていて、理奈の事は一躍リリアムの話題になった  
最も久美は理奈と比較されているようであまりおもしろい顔はしていなかったけどね。  
 
そんな突拍子のない久美の発言に対して理奈は  
「えーなんで大泉さんに翔と私がどこまで進んだのか言わなきゃいけないの〜  
優子何とかしてよ〜」  
と私に泣きつくも、久美から理奈に近寄り耳元で囁くように  
「やっぱりお盛んなんだね野村さんって。土生のチン毛口にひっついてまぁ……」  
とからかうように発言するがその真意は…  
私はまずいと思い理奈を黙らせようと思ったがその前に理奈から答えてしまう  
 
「違うって〜昨日は翔のおちんちんおっぱいで挟んでおっぱいべたべたになるくらい出してくれたよ  
口で処理したのは一昨日で翔のおちんちんの毛ひっついてるわけないのに」  
とバカ正直に答えて久美のひっかけに乗ってしまう  
 
更にダメ出しとばかり久美は  
「じゃあさ〜土生のおちんちん加え込んだのいつよ野村さん?  
それから回数は?これは野村さんに対して忠告だけど毎晩毎晩やりまくりだと  
キャッチャーやってる土生の腰が持たないんじゃないの〜週4くらい?」  
とおやじ丸出しで理奈と土生の性交回数などを聞いてくる  
 
勿論理奈は完全に顔真っ赤状態で  
「うもぉ!なんなのよ大泉さん!!じゃあ大泉さんこそどうなのよ  
大泉さんだって優子といつもHなことしてるんでしょ!私ばっかり聞かないで大泉さんだって答えてよ!!」  
 
ゲッ!!こっちにまでお鉢が回ってきた、久美のアホめ……  
あまりに生々しい理奈と久美の会話を聞いていた私だったが、ここにきて今度は私も巻き込まれるのは確定となった。  
 
そんな私の苦悩を全く知らず、久美は勝ち誇ったように言ってのける  
「そりゃ練習が終わったら毎晩毎日よ!  
いつも優子と沙織お姉さまとHなことしてるんだから!!」  
いばりんぼのポーズのまま指を高々突きあげてはっきり言う。  
 
ああ…本当に馬鹿…周囲には私達しかいないとはいえ、理奈に対して馬鹿みたいに向こうを張るのかな〜  
そんで答えたぞとばかりにまた久美が理奈に対して  
「じゃあ野村さんはもっと詳しく土生とHしたか教えて頂戴?  
私はちゃんと答えたわよ野村さん!!私は野郎とHする事は大人になるまでないんだから  
土生とのHがどんなのか教えてよぉ!!いいでしょ減るもんじゃないんだし」  
とひたすら久美は理奈にしつこく食い下がる  
 
流石に理奈はこの場で私と久美に対して公開性交告白は無理と判断し  
「減るからやだ!いい加減大泉さんを何とかしてよ優子〜」  
と久美から離れて私の背中に隠れるが、理奈のむっちんむっちんバストが私の背中に当たる  
ただ久美も負けてないのか  
「だ〜め!!教えてったら〜ほら優子からも野村さんの秘密聞き出すようにしてってば」  
私のおっぱいに自分のおっぱいをひっ付けながら、理奈に迫る  
 
理奈のむにゅむにゅおっぱいと久美のぷりぷりおっぱいに挟まれて幸せだったのか  
私の乳首やクリトリスもしっかり硬くしこっていくのが水着上からはっきりとわかり  
私も打つ手がなくなるのだが…助け船は遠方から現れる。  
 
土生は芝浦さんと同じような海パン  
 
そして沙織の水着は流石に露出が凄かった…藍色のスリングショットなのかな?  
胸の恥ずかしい所だけ隠れる程度の面積だけで、よこちちなどしっかり確認できる  
下半身もなんとか陰部が隠れる位だけの生地しかなく  
お尻の方は美味しそうなお尻がプルプル揺れている  
おそらく背中は本当に紐だけで、お尻が丸出しなのだろう…  
勿論これだけだったらただ下品なだけなのだが  
沙織がつける事で妙な気品というものもあり、Hなだけではなかった。  
 
土生もそんな沙織に対して流石に落ち付かないのか沙織とチラチラ横目で見てしまっていた。  
まあこれは土生じゃなくても見ちゃうよなこれは誰だろうが……。  
 
だがまず土生から話しかけたようだった  
「すいません神楽坂さん……俺達まで招待してもらっ…て」  
顔を赤くしながらぺこりと頭を下げたのは私達も確認した  
 
そんな土生に対して沙織は  
「いえいえ。土生君や光陵の事とかには私達も勉強させて頂きました  
せめてこれ位の事はさせてください」  
と土生を宥めている様だ  
状況を見れば年上の女性とお似合いの男の子という図式  
土生の表情も沙織を見てかなり鼻の下を伸ばしているのが遠目からでもわかり  
私が見れば結構ほほえましい光景なのだが  
 
「土生……」  
「……翔」  
久美も理奈も土生に対して露骨に不機嫌な表情となり、理由こそ違うが妬いている様だ…  
ご愁傷様……土生  
 
今までの事を忘れて二人は私から猛ダッシュで離れ、理奈は土生に、久美は沙織に  
駆け寄って話しかけるのだった。  
 
「お姉さまぁ!その水着お姉さまが全部出ててお美しいです!!  
土生と何を話していたんですか?というより土生!!あんたはお姉さまを見てデレデレしない!!」  
「翔。神楽坂さんと何話してたの?私がいるのにスケベな顔しないでよ!  
そりゃ神楽坂さんの水着と色気には勝てないけど…おっぱいだったら神楽坂さんにだって負けてないんだから!!」  
やっぱり私が思ったとおり声は私から聞こえないが土生は訳も分からず理奈と久美から攻め立てられるのだった。  
 
ACT26 Sied A  
そんな大騒ぎを私は知らん顔しながら離れ、一人で泳いでいたが  
そんななか、折運悪くスライダーで滑っていた女の子と正面衝突をしてしまう。  
 
「あだっ!!」  
「キャッ!」  
 
私は水中でその女の子に押し倒される格好となったが意外と役得であった。  
その女の子はピンクのフィットネス用水着を付けており  
私以上に水着と肉体が密着し3サイズや体の凹凸が激しく出ていた  
更には下半身のスパッツ生地にぱっくりと美味しそうなわれめがはっきりくっきりとわかってしまう。  
 
そんなスケベな格好に加えて  
小柄な少女にしては豊かな胸が私の胸と潰れて胸で疑似パイズリをしている興奮が走るが  
このままだと言葉通りの意味合いで天国にイッてしまうので少女を抱いたまま水面から顔を出す。  
 
「ごめんなさい石引さん。ついはしゃぎすぎちゃっいました」  
その少女はすまなそうな表情で謝る…そうこの少女は私も見た事がある  
光陵在籍の4年生瑞原勇気ちゃんだった。  
確か勇気ちゃんは腰が細いから…80のFだったかな?  
 
それと勇気ちゃんの容姿はかなり可愛い事もあるが、それ以上に小柄だがどこかたくましかった。  
たとえて言うなら私がたまにやる格闘ゲームにでてくる  
レオタードに身を包む女の子を思い出させる…体中についている傷もそれっぽい  
まあその傷は虐待とかじゃなくて昔やってた空手でついた生傷だって言ってたっけけな  
それに野球の経験は乏しいとはいえアスリートとしての素養は土生並みという逸材だ。  
 
そんな勇気ちゃんのプロフィールを思い出しながらも私は  
勇気ちゃんの胸の感触を味わい、3サイズの方も思い出していたが  
ぶつかったのは私も同じなので。  
 
「いやいやこっちこそ気がつかなくてごめんね勇気ちゃん  
それにしてもくっきりあそこの割れ目わかっちゃう?大丈夫??」  
と謝りながらも勇気ちゃんのフィットネス水着は完全におまんこが浮いていた為  
そのままで大丈夫か聞いてみる。  
 
勇気ちゃんはにこにこと笑いながら  
「ああこれですか?私の場合は出来る限り薄手の方が好きなんです」  
 
笑いながら私に対して答える勇気ちゃんの話は続き  
「それにかったるい時とかいつも上半身はだけてますから別におっぱいの形が分かったり  
ましてやおまんこがくっきりしたって全然気になんないですよ」  
と言ってのける。  
 
そんな大胆な勇気ちゃんに対して私は  
「そうなんだ。まあそれだったらそれでいいや、今日は楽しんでって…」  
と口を開くが水しぶきが思いっきり私にかかる。  
 
「何?誰か来たの?」  
とうろうろ見回し、手で顔にかかった水をぬぐうと男の子がそこにいた  
確か光陵ナンバーワンの俊足で名前は…  
 
「おお邪魔になっちゃったかな?カジウラくん」  
と声をかけてみるも、ちょっと不満そうな顔になり  
 
「待て待て名前違ってるぞ。俺は橡浦(とちうら)でカジウラじゃないよ石引  
それと話しこんでたら周りの人も迷惑するし何より危ないから気を付けてくれよ石引・ユキ」  
と苗字を間違っていた事と迂闊にも入り口近くで話しこんでた事を怒られてしまった。  
 
「ごめん橡浦」  
「ごめんなさいチュウ」  
と二人で少しスライダーから離れて謝る  
 
そんな私達の謝罪を聞きながら橡浦も  
「ああわかってくれればいいんだ。石引達は秋ごろタイガー何とかと試合だし  
俺達もあいつらを…巨神を兄貴や姉御そして俺にユキ…デカブツとか大事な仲間たち  
みんなで倒さなきゃいけねぇんだ。  
思わぬ事で怪我するわけにはいかないからな俺達は」  
 
許してはくれたようだが、思いのほか真面目な表情で怪我に対して注意しろと彼は言う  
 
横を見てみると勇気ちゃんは少し悲しげだ…勿論橡浦から単に注意されたからではなく  
もっと深い事情があるのだろう  
勇気ちゃんさっき橡浦をチュウと呼んだ所から見て結構親しげだし…  
 
理由はちょっと怖くて聞けなかった。下手に触るとメンタル面云々以前に  
張りつめたものを傷つけてしまいそうだったからだ。  
 
まあ私達を本気で心配してくれた事は嬉しかったので  
「ありがとうね橡浦…ちょっとはしゃぎ過ぎてたかも  
確かに土生だったらこんなときでも怪我とかしないように気を付けるだろうしね  
土生の周りにこんなしっかりした人間がいるのも光陵の強みかもね」  
とお礼と改めて反省の言と橡浦に対しての賛辞をいう  
 
そんな私の様子に少し照れたのか  
「よしてくれよ石引。照れるじゃねえか。兄貴がいるから今俺は野球をしているんだ  
それとそういう石引の素直な所は姉御に似ているのかもな…じゃあ気分を変えて今日は楽しもうぜ!  
それとユキ!今度は一緒に滑ろうか」  
橡浦は私にお礼を言いながらも勇気ちゃんの腕を握ってウォータースライダーに昇る  
 
「うん。じゃあいっしょに滑ろうチュウ!じゃあ石引さんまた!」  
勇気ちゃんも頬を赤くしながら橡浦についていくのだった。  
 
そんな光陵第二のベストカップルを見守りながら、いつかは男の子と交際する日も来るのかなと私は漠然に思う。  
少なくても今は久美が恋人なんだけどね  
 
そして私はまたプールで背泳ぎを再開し空を見上げながら泳ぐ。  
私の94cmバストの山を越えた空にはまぶしいばかりの太陽が照りつけていた。  
そんな中私は土生・理奈・久美の奇妙な取り合わせの三人が歩いているのに目が合い。  
 
ACT26 Sied B  
「久美…野村さんどうしたのですか?まずは落ち着いてくださいな」  
なぜだか知りませんが、私のお気に入りなお姫様久美と先日リリアムと試合をして頂いた  
光陵のエース野村理奈さんが血相を変えて私の…というより土生翔平君の事で来たみたいです。  
 
とりあえず私は二人を落ち着けてみます、これでは土生君も事情が呑み込めないでしょう。  
少しお二人を落ち着けると土生君の方から口を開きました。  
 
「大泉・理奈そんなヤマシイ事なんて思ってないよ……神楽坂さんの水着は卑怯だけど…」  
と流石に土生君には刺激が強すぎた水着…褒めて頂けたことは嬉しいのですが  
ちょっとこれではまた久美達が怒り出しそうでしたので  
 
「私達はこの間の試合で話していただけですよ  
それに…私は恋人の仲を裂くようなまねは決して致しません。それは保障してくださいな野村さん」  
と野村さんの方を宥めてみます  
 
野村理奈…確かに優子や鷲沢さんが一時期過剰に彼女を気にするのも頷けた  
彼女の投球は去年私達が苦杯をなめたタイガーソウルのピッチャー九条萌葱さんと同等で  
私達だけでなく4・5年生にとってもいい勉強になった。  
 
体つきの方も女の子すらひきつけるほどの可愛さに加えて、私や優子すら超える爆乳  
もしもソフトボールを選んでいたら良いチームメイトになった事だろう。  
 
だけど彼女は野球を選んだ…そして隣にいる土生君と野村さんは  
私達とはまた違う強い絆で結ばれているのだろう。  
隣にいる土生君を少しうらやましく思うがこれもまた運命  
 
そして私が一番大事なのは久美  
それはどんな事があっても変わらないし、はっきりと言い切れる。  
 
私はそんな事を思いながら様子を窺ってみましたが、野村さんの方から  
「そこまではっきりと言い切れる神楽坂さんって素敵ですね  
優子や大泉さん達みんなが信頼しているだけあります。神楽坂さんの前で怒鳴ったりして恥ずかしい」  
 
と恥ずかしがる様子も可愛かったりしますが久美も口を開きました。  
「当然!大当然!!それこそ私の…私達の神楽坂お姉さま何だから!!野村さん!  
お姉さまがお美しく優美かつインモラルなお姿をされて鼻の下をのばす土生とは違うのよ土生とは!!!」  
…日本語になっておらず調子に乗ってしまったようですので注意します。  
 
「久美。そのようにむやみやたらと相手を小馬鹿にするようなことを言ってはいけませんよ  
直接顔は知りませんが去年貴女を見くびって大負けした巨神の選手と同じになってしまいますよ」  
とついでに少し土生君と野村さんも煽ってみます。  
 
流石にお二人とも顔色が変わり  
「ええリリアムとの試合。俺達の糧になりました!」  
と土生君が私の顔をまっすぐ見つめ次に野村さんが  
「私達も優子と大泉さんの様なコンビネーションをあの人たちとの決戦で見せます!!  
それと……」  
 
それと?  
私は野村さんの言葉を待ち  
「それとちょっと大泉さんはしつこい所があるので釘をさしてください  
私と土生のHな事とかやたらと聞きたがるので」  
 
と意外な告白を受ける…そして私は久美を見ると  
何で告げ口しやがった〜と言いたげで野村さんを見ていたので…  
「久美!あんまり野村さんと土生君を困らせてはいけません…そんな悪い子はお尻ペンペンです!」  
と私の趣味も兼ねて久美のお尻を5発スパンキングしてみました  
 
……  
「痛かったですお姉さま〜ごめんなさい〜〜」  
久美もお尻を抑えて謝っているので私は許してあげようと  
「ええ可愛い久美…許してあげますわ」  
と優しく声をかける…私に対しては甘えん坊な久美にはきついプレイの後に  
優しく声をかけるのが一番いいと経験で分かっていました  
 
流石に野村さんも土生君も少し声を失っていましたので、ゲストとの用事を果たそうと思い  
 
「お恥ずかしい所をお見せしましたね…では後はお三方で遊んでてくださいな」  
と私はプールを後にして白瀬さんとシバケンを待たせてあるゲストルームへと移動します  
 
「ちょっと遅かったな神楽坂」  
少し待たせてしまいましたのか…芝浦君ことシバケンはちょっと不満げだった  
白瀬さんとの二人っきりだったのに邪魔だったのかもしれませんが…  
 
「で神楽坂さん。礼の仇の事教えてくれない」  
と白瀬さんは見えない友人の仇に苛立ちながらも、例の敵付属小の事を聞こうとするのだったがまずは  
 
「そうですね白瀬さん貴女一人で私の家に訪ねてきた勇気に報いたいと思いますがその前に…  
もう一人この場に入る権利のある方がいます…入ってくださいな鷲沢さん」  
 
私の言葉とともに鷲沢さんが4人分のドリンクを持って入ってきます。  
彼女の水着は黒字に炎の様な柄のファイアレッドのビキニで  
たとえて言えばあのドリルを使うロボットアニメのスナイパーみたいに彼女の激しく燃える気性を表してます。  
勿論下の方も引き締まりながらもむっちりしたラインの黒パンツがたまりません!  
全体的に褐色のたくましい肌と思いのほか日に焼けてない為。白く女の子らしい豊かな胸も魅力ですね。  
 
そんな私を見つめながら初対面のシバケンと白瀬さんを見て  
「お待たせ〜沙織。  
それとこの人たちがあのシバケンに白瀬紗英だね……  
礼の課外授業の一件で聞きたい事があるって沙織が言っていたのは」  
と前もって話をしていただけあり話をすぐに飲み込む。  
 
ただ流石に初対面なのか白瀬さんから  
「鷲沢さん?神楽坂さんこの人付属小の人??」  
となんで鷲沢さんが来るのか首を傾げるも、シバケンが上手くまとめてくれました。  
 
「神楽坂。権利って何か知っているのだな…それだったらその場にいるべきだと俺は思うけど紗英。  
それといいのか鷲沢…あんたの事は俺も紗英も知らないけど…巻き込まれたって言うんだったら俺達もあんたの話を聞いても」  
とシバケンは鷲沢さんに気を使いますが、鷲沢さんは  
「いいぜ。元々うちの学校の不始末だもんな…あんた達には私の知っている事全て  
話すべきだと思う」  
と気にしないと断言してくれます。  
 
以前私は付属小の課外授業の一件で白瀬さんの友人が被害をあった事を聞き  
彼女の依頼を受けて、色々と付属小に通う私のお友達から聞き込みをしたり  
私や光を浴びることのない草などで尾行などをし、決定的な証拠こみで犯人を確定できました。  
 
勿論鷲沢さんが礼の一件に巻き込まれてなければ、ここまでスムーズにはいかなかったかもしれませんが。  
 
私は4人分のドリンクを鷲沢さんにそれぞれ手渡しを頼んで椅子に座ると  
鷲沢さんの名誉に傷を付けないよう事情を話します。  
そんな話しながらで少し私は思い出していました。  
 
ACT15.5 ver:S  
「いったい何をしていたのですか鷲沢さん?リリアムのルールを忘れたわけではないでしょう?」  
泣き…傷ついた優子を久美にまかせ、私は鷲沢さんと対峙していました。  
 
野性味があり克女の子らしい豊かな体  
こういう状況でなければお相手したいのですけどね  
 
「ああわかってる…嫌がっている場合は無理やり抱かない…だろ?  
かっとなった私が悪いのはよくわかってるさ…でも触られたくない事だってあるよ私だって…」  
 
鷲沢さんが言うには野村理奈さんの気持を抑えることができず、つい下着を盗んでしまい  
それを見破った優子に逆上してつい乱暴な事をしてしまったようです。  
 
私はたぶんそれだけではないと確信していました。  
白瀬さんが聞いた様に付属小らしき人たちが女の子を襲っている事を…  
分かっていたのですがあえて言ってみました。  
「残念ですね…貴女は付属小に沢山のファンや恋人がいるのにそれに飽きたから  
無理やり女の子に乱暴してばれないように写真を取って脅すという趣旨替えをしたのですか?」  
 
私はあえて挑発をしてみました、そこまで性根の腐った人間だったらリリアムの副キャプテンはおろか  
練習とかにも付いていけなくなると分かっていましたが様子をうかがうために  
 
流石にその物言いに鷲沢さんはかなり怒りを覚えたのか…憤怒に満ちた表情で私を見つめます  
「違う!!その件は私だって巻き込まれた!!」  
と言い返します  
 
だけどその裏に何か別の…何かを隠すようなしぐさを私は見逃しませんでした  
そもそも私は優子と鷲沢さんが揉み合っていた時。他の方にもばれたような物言いをしてました。  
 
「じゃあその件について詳しく言っていただけませんか?  
優子の一件だけじゃなくて…リリアム自体付属小の課外授業とかいう  
ふざけた方々との諍いを持ち込まれたらみんな迷惑します」  
 
もっと詳しく聞き出そうとしますが鷲沢さんは首を横に振り  
「そんな私の恥を掘り起こしてどうしようっていうの?  
私だってそんな事でリリアムを巻き込みたくないわよ!!」  
と心を閉ざし話してくれそうにありません。  
 
それだったら…今の鷲沢さんなら容易いか……  
私は鷲沢さんに一つの提案を持ちかけます。  
「わかりました。じゃあ話したくないなら今はかまいません  
それと時間が押しているので最初に貴女が言っていた野村理奈さんの一件に戻りたいのですが」  
 
私が“野村理奈”の名前を出すと、パブロフの犬のように鷲沢さんは顔色を変え  
私に向きなおります。  
それを見計らい話を進めます。  
 
「練習終了後。久美と優子と勝負をしてもらいます  
それで貴女が勝てば二人が納得しなくても、私の方からも光陵から野村理奈さんを  
引き抜く交渉をしましょう」  
 
鷲沢さんはまじめな顔で私を見つめながら、私が言えば優子も久美も嫌々でも首を縦に振るだろうと確信する。  
だが…負けた場合は?そんな不安を私は見逃しませんでした。  
 
「そして鷲沢さん。  
貴女が負けたら全てのけじめを取ってもらいます」  
とはっきり目を見ていいきります。  
 
鷲沢さんはいぶかしげな表情で  
「それは私に出て行けという意味?  
あの二人がバッテリーとしてはあんた最強の駒だとしても私の事を馬鹿にしてるの??」  
と選手としての自負があの二人に負けると言わんばかりの私の態度が癪に障るのでしょう  
勿論今の鷲沢さんなら久美と優子の敵ではないでしょうが……  
 
ただ勿論鷲沢さんを追い出す事自体それはそれであり得ない選択でもありましたが  
フォローの為に私から口を開きます  
「いえいえ。貴女抜きでは虎退治は無理です  
鷲沢さん。少なくても私は貴女を選手として必要だと思ってますよ  
不服なら久美達に勝てばいいのです…  
それと久美と優子が“今の貴女にすら勝てない”のなら所詮あの二人の敵にはならないでしょうしね」  
 
フォローをしたのですがつい鷲沢さんを小馬鹿にしたような態度をついとってしまいました  
 
一瞬鷲沢さんはカッとしたようでしたが落ち付き私を睨みながら  
「じゃあいいぜそれで!  
私が勝ったら無理矢理でもあの二人を納得させるんだぜ沙織!」  
と了解してくれる…そこまで見くびられてはというプライドがそうさせるのでしょう。  
 
ただそれは夢想…現実を追いかける優子と久美の敵にはなりえない  
そう私は確信していました。  
 
ACT18 裏   
あの後久美の体を何時ものように存分に味わい  
私は鷲沢さんが全てのけじめをつけ家に帰ったころを見計らい電話をかけてみました。  
 
「……はい。神楽坂様ですね……奥さまやお嬢様より貴女様の事は存じております  
奈津お嬢様にお取次ぎますので神楽坂様しばらくお待ちください」  
メイドの方からお取り付きをしてもらって頂き鷲沢さんに出てもらいました。  
 
「もしもし。沙織?何の用?」  
今日いえ…もしかしたら2.3週間ぶりになる快活その物の鷲沢さんの声  
どうやら心残りは済ませたようです。まあこんな時に掘り起こすのも悪いのですが  
白瀬さんの友人や東小・西小・付属小内で頻発している“課外授業”の権を聞くいい機会だったので  
 
「同やら禊は済んだようですね。晴々したはずですよ鷲沢さん。  
それと恥を掘り起こすようで悪いのですが…最近貴女も知っている…もしくは巻き込まれたと思いますが  
例の女児の裸や下着姿を写真に撮って弄ぶ変態が付属小関係者らしいのです  
私の所に態々来て頼みこんだ方や泣き寝入りを余儀なくされている人  
そしてほっておけばリリアム内でも巻き込まれる方が出そうなので  
知っている事全て教えてください鷲沢さん」  
 
鷲沢さんの吐息が受話器越しに響きます、が意を決したように  
「分かった!知っている事全部話す。実は……」  
全ての事情を私に打ち明けて頂きました。  
 
ACT26.3 Sied B  
「なるほど…その三人が犯人なのね鷲沢さん」  
一通りの話を私から聞いた白瀬さんとシバケンは鷲沢さんの方を見つめて  
白瀬さん直々に確認を取る  
 
鷲沢さんは  
「正確に言うとリーダーはあの後それとなく周りの奴に聞く限り好きな女ができて  
そういったことから手を引いた…それに結果的にとはいえあいつが私の助け船となったわけだし  
まあ私だけならあいつの手前、あいつや取り巻きを弾劾する気もなかったけど  
うちや東小・西小に例の二人がまだちょっかい出しているんだったら話は別。  
あいつは…加賀はともかく、藤田と矢口の二人をかばう義務が私にないから」  
とにべもなく告げる  
 
確かに私も付属小の天才少年加賀桐也の事は聞いた事がある  
彼なら女の子に訴えられたりしないよう二重三重の罠を張ることは容易いだろう。  
 
幸運な事に彼に守るべき大事な娘。栗本沙耶さんと交際するようになって  
課外授業から手を引いたというのは、私だけあの電話で聞いたが  
シバケンも白瀬さんも知らない事実であった。  
 
そして頭の切れるリーダーを失った取り巻きの藤田・矢口両名は二人だけで  
場当たり的な課外授業を続けていたようだった。  
 
そんな押し黙った空気の中  
私は一連の証拠品をバスケットに詰めて白瀬さんに渡し微笑む  
「これでその気になれば警察に事情を話して法で裁かせることもできますよ  
それと…」  
 
次に私は白瀬さんからシバケンへと目線を移し  
「東小の魔王が直々に裁くのもよし」  
 
そしてその気になれば…私は天井を見上げて  
「逆に脅したり、全てをネットでバラして報復という手段もとれますよ」  
と恐ろしい事を言ってみる。  
 
流石にそれだと加賀少年どころか栗本さんという人まで巻き込みかねないと思ったか  
鷲沢さんから話に割り込んでくる  
「待ってくれ沙織!それをしたら付属小自体大騒ぎになるぞ  
それにそこまで大ごとになったら私だけじゃあ付属小のリリアムメンバーを守りきれない!!」  
 
と尤もな…鷲沢さんらしい気使いを見せます。  
それでこそ鷲沢さん。  
 
流石にその展開には白瀬さんもシバケンもびっくりした様子でした  
白瀬さんがどう決着を付けるか分からないが、これ以上白瀬さんたちを助ければ  
鷲沢さんや他の付属小関係者・あるいはリリアムメンバーにも累が及ぶ可能性もあるので私ははっきりと言い切ります。  
 
「どうするかなどの処置は白瀬さん達にお任せしますよ。  
それと申し訳ないですがこの件に関してこれ以上タッチはしませんので悪しからず  
十分私は役目を果たして白瀬さんに報いましたわ」  
 
とこれ以上私としては首を突っ込む意思がない事を告げました。  
それと白瀬さんが無茶をしないように  
「それと以前私の屋敷に一人で来ましたね…白瀬さん  
色々と私の噂も…実際そうだと知っても態度自体変えなかった貴女の心は美しく強いですが  
そういう心がまったく意味をなさない方もいるのです、一人だけで背負わないでくださいね」  
と釘を刺し、シバケンを見つめて。  
 
「シバケン…その件や戦争の件など色々あるでしょうが  
責任を持って白瀬さんを守ってください」  
と美しい白瀬さんを守れと釘をシバケンにも打ち込んでみます。  
 
そんな私の言にまずシバケンから  
「分かってるよ神楽坂…紗英は俺が守る」  
と強く白瀬さんを守ると言い切り、その白瀬さんも  
 
「怖い人…でもすごく義理堅いのね神楽坂さんって  
後は私達に決着をつけさせて…百合がよく似合う神楽坂さん」  
と礼を言ってくれる、しかも以前私を称し“百合”と言ってくれた  
 
だから私も  
「ありがとうございますね。シバケン・白瀬さん  
それと白瀬さんには“バラの女王”と呼ばせて頂きますね…以前に話した通り貴女は薔薇の棘ではなく  
高貴で真っ赤なバラその物…それが白瀬さんにとって一番ふさわしいと思いましたので」  
赤いバラの花言葉は「激情の愛」容姿に似つかわしくない位の激しさを持つ  
白瀬さんに相応しい美しく咲き誇る華  
 
もう半年もないとはいえ、この出会いは私にとって輝かしいものになるのは間違えなかった。  
そんな思いを抱きながら私は…白瀬さんの手土産として封筒を手渡します。  
 
「神楽坂さん?何これ」  
と白瀬さんが聞いてきましたので私は笑顔で答えました。  
 
「これは本日来られなかった緒方さんの分です。  
白瀬さんと緒方さんは古くからのご親友と聞いておりますので、秋ごろにでも温泉に行けるようにと…」  
と私どもが経営している名湯旅館のチケット二枚が中に入っています。  
 
緒方かな子さん  
不幸な事故さえなければ、いまでも巨神のスターティングメンバーでいたと  
断言できるほど私達6年生全てに名の知れたバッターで  
私達もこの間の試合で彼女自身のブランクや大幅な爆弾を抱えている事をさし引いたとしても  
彼女の執念に学ぶべきものはたくさんありました。  
 
そして『Tesra』でも白瀬さんが言っていたとおり緒方さんと無二の友という事なので  
今回の様なイベントは来られなくても、白瀬さんと二人きりならこのプレゼントを受け入れてくれると  
私の我儘で緒方さんにとっては却って迷惑かもしれませんが、お礼をしたい気持ちだけでも伝えたかったのです。  
 
白瀬さんは黙って頷いて  
「怪我の跡……カナたん人に見せたくないって言ってたから……  
神楽坂さんありがとう…私からカナたんにこの事を伝えておくね」  
と全てを察していただけたのか受取って頂けました。  
 
そしてせっかく小倉監督や中井監督もいないので  
「では私の用事も終わったことですし…少しゆっくり話しましょうか皆さま」  
とドリンクを飲みながら、私達4人だけで雑談に移るのでした。  
 
ACT27  
「ふーん。それで久美は今お尻を押さえていると」  
どうやら三人は沙織とあったようで、しつこい久美がせっかんされたという話だった。  
 
久美は痛そうな顔で  
「痛かった〜〜お姉さま本気なんだもの…もう!」  
と誰に対して怒っているか分からないが膨れている。  
 
そんな様子の久美に対して土生も  
「お前な〜神楽坂さんみたいに落ち着いてられないのか大泉?」  
とあきれ顔だ  
 
久美はそんな土生に対して  
「今年でお姉さまがリリアムから去られてしまうのよ?  
そんな状況で楽しまないでどうするのよ??それにまだあんたには借りがあるんだから!」  
と沙織が来年からいないから精いっぱい楽しみたいと言い  
土生に対して例の初打席で打たれた事をまだ覚えているようだった。  
 
そんな久美に対して理奈は  
「ああ巨神に移籍した4人を打ち取った後で土生からぼこぼこに打たれた事ね」  
と切って捨てる  
 
久美は理奈の方を見て  
「その後変化球は打てなかったけどね! 打ててもファールだったし」  
とやっぱりいつもの様に強気で返す  
 
理奈も負けずに  
「でも大泉さんの球を所見で打ち返すってだけで翔は十分凄いと思うけどね?  
神楽坂さんも組んでいた時もそうだったんだろうけど  
大泉さん優子と組んでるだけあって凄く変化球の切れを最大限に引き出せているよ  
私の剛速球を受け切れる土生みたいにね…」  
 
土生を褒めながらも久美を持ち上げてみる、そんな理奈のおだてに久美も  
「まあね。野村さんこそあんな剛速球を投げろって言われても私は無理  
変化球では絶対に誰にも負けないって自負はあるとはいえ…直球じゃあ野村さんには絶対に勝てない  
そして投球はいまいちだけどそれ以外は上々の出来な土生もね…いいコンビだよ本当に」  
と久美も理奈と土生のバッテリーを認めるのだった。  
 
そんな私は理奈と久美という素晴らしい二人のボールをとれたというのは光栄の至りである。  
 
そして私は先ほど久美が言ったとおり、今年でリリアムを去る沙織や鷲沢副キャプテン  
先輩方の為改めてタイガーソウル打倒に意気込みを燃やす。  
 
そんな燃えている私に対して土生も同様にいろいろと思ったのか  
ふと私達は目が合い声をかけてくれる  
 
「来年は俺達がみんなを引っ張っていく番だな  
これから競技こそ違うけど…また機会があれば合同試合頼むぜ石引  
それと大泉の支えになってくれ。俺も全力で理奈を支えるから…頑張れ!!」  
と手を差し伸べてくれるのだった。  
 
私も土生の手を握って握手をし  
「土生こそ理奈の事これからも見守ってあげてね。秋に会う時には…」  
 
と私は土生を見つめ、土生も私を見つめ返して  
「分かっている…俺達は勝つさ。しがらみや因縁を越えてな、お前たちも…」  
 
とお互い秋の試合に目が言っていたのだろう  
「もちろん!リリアムの為絶対秋の決勝戦でNO.1だってことを証明してみせるわ」  
と私も土生に伝えるも、その時ブザーが鳴り響く。  
 
小倉監督と中井監督の2ショットでプールに現れ  
「はーい。ちょうどお昼になったのでみんなでお食事にしましょ〜」  
と小倉監督が食休みを持ちかける。  
 
その合図で泳いでいた皆ピラニアのように水から上がって我先にと食堂にダッシュする。  
私はせっかくなので  
「じゃあ私達4人で食べに行こうか!」  
と土生・理奈・久美を加えた4人で食堂に駆け込むのだった。 午後の部へ続く  
 
午後の部予告  
「ふぁーふぁっふぁあぁ!!どうや!わいの水着わよぉ〜」  
相も変わらず大声でまくしたくりな大河さんだが、その迫力は決して虚仮ではなかった  
 
水着になっているからわかる  
女の子とは思えないほどの豪快な筋肉…そこから生み出される超パワーは半端ではない事はリリアムメンバー皆知っていた。  
初対面の理奈たちもおそらくそう思った事だろう  
 
勿論アスリートだけではなくその肉体は鮮やかと言えるもので…  
 
……  
「あの〜恥ずかしいです…皆さんと比べて…私すっごく胸が小さいので……  
それに大河キャプテンはビビらしたもの勝ちと言いましたが…私の方が縮こまっちゃいそうです」  
この間来た時以上に凛ちゃんは縮こまっていた  
 
私達としては極端とはいえ凛ちゃんくらいに小さい胸の方がありがたかったりする時もあるからな〜  
理奈の場合爆乳で嫌な眼を見たことが多いから少し複雑な表情で凛ちゃんを見ている。  
それくらい凛ちゃんの胸は水着になった事で改めて大平原だったと皆確認した。  
そしてその水着は…  
 
……  
「お久しぶりどすなあ〜神楽坂はん・鷲沢はん。そしてリリアムの皆様  
ちょっとわての水着姿を見せるのは恥ずかしいですけどなぁ…こういう形でもいつか会いたいと思ってたんどすわ」  
 
この人…やっぱり凄い長身…  
沙織もかなり背が高い方だけど…下手をしたら九条さんは社会人といっても通用するくらいの背の高さだ  
顔立ちも沙織に負けないほどの品と美しさを誇っている。  
 
だが……それ以上に私は…私達は驚いていた  
九条さんの胸…ユニフォームで隠れていたのか、あるいは隠していたのか分からないが  
今まで見た事がないくらいの巨大で張りのある乳肉がそこにそびえ立っており……  
 
……  
「久々〜イオリン?改めて会いに来ちゃった?  
でこの人がイオリンが言ってた……中井さんですね  
こんにちは私はタイガーソウル監督を務めている春日桜と言います。イオリンが色々お世話になっているようですけど…」  
 
相変わらず小倉監督ともまた違う覇気を周囲に漂わせている春日監督だったが  
旧友の小倉監督とあって気が緩むのか、べたべたするような様子で話しかけるも  
近くにいる中井監督に対しての話しぶりは思うところがあるのか…中井監督を値踏みしている様子にも見て取れる。  
 
虎来襲!!しばしお待ちを  
 

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