ソフトボールの戦場に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。  
汚れを知らない心身を包むのは、白と赤のユニフォーム。  
短めのホットパンツからは白魚のような足を露出させ、豊かな胸もとを泥まみれにしながら激しく揺らして走るのがここでのたしなみ。  
ここは東日本最強ソフトボールサークルリリアム。ここは、乙女たちの楽園にて地獄。  
 
とにかくキャッチ 誓いの御守り  
 
ACT 35  
秋も半ばでついに明日関西に乗り込むこととなった秋大会の決勝戦に挑むために  
そして去年私達リリアムを下したタイガーソウルを倒す為に  
今日は小倉監督の指導なり本当に軽い守備確認なりあまり体を動かさず  
ゆっくり体を休ませて、明日超回復状態に持っていくのだ。  
 
そして私達のキャプテン沙織が練習終了後激を飛ばす。  
「皆様よく頑張りましたね……いよいよ明日です。  
去年私達リリアムを破ったタイガーソウル…強いです……とても!!」  
 
私も私の隣にいる久美…天馬三姉妹に芙蓉さん・村田さん。リリアムのチームメンバー  
そして沙織の隣にいる小倉監督や鷲沢副キャプテンも沙織の言葉を皆真剣に聞いていた。  
 
「ですが私達も強いです!!  
練習試合であの光陵と五分に戦えたのですから!」  
ともうすぐ秋大会に挑む光陵を例にとり、土生や理奈…そして猛特訓を続けたチームメンバー全員さらに逞しく成長し  
今やダークホースとして全国区まで登り詰めた  
今の光陵なら巨神だろうが他の強豪リトルだろうがたやすく負ける事はあり得ないだろう。  
 
沙織の話もいつもとは比較にならないほど熱のこもったもので  
「そして再びリリアムが日本最強のソフトボールサークルだという事を万人に示します!!  
その為だけに私達は東日本最強という…私達からしたら屈辱と言える名前を背負いました!!  
ですけど明日でそれは終わりです!皆さん!リリアムに血を注ぐ覚悟で明日の試合を戦ってください!!!」  
その叫びにも似た声とともに手をあげ最後の檄を皆に向けて言う  
 
「リリアムに勝利を!!」  
 
そしてみんな熱に浮かされたのように…まあ私も体がとても熱くなってきたのは同じだったけどね。  
 
「リリアムに勝利を!」  
「リリアムに勝利を!!」  
「リリアムに勝利を!!!」  
 
とみな口々に勝つための合言葉のようにみんなでコールをあげたのだった。  
 
そんなみんなを満足そうに心から愛おしく見つめる沙織だったが少し落ち着いて  
「では皆様今日はこれで解散です  
くれぐれも明日怪我や事故にならないよう細心の注意を払ってください…それと」  
 
それと…何だろう?  
私達が首をかしげていると沙織が言葉を告げる  
「今日はせっかくなので安全祈願のため深國神社にお参りに行きたいと思います」  
 
とやるだけの事をやり後は不慮の事故に備えた神頼み  
そんな沙織の優しさがしみわたる。  
 
そういえば以前久美が一年前のタイガーソウル戦でおたふくになったり  
沙織自身も一年前の光陵との練習で久美の為に頑張りすぎて  
しばらく休みになった事を思えばの発言だったのだろう。  
 
そんな様子に皆沙織達やリリアムグラウンドに礼をして、シャワールームに向かう。  
私達スターティングメンバーも同様に沙織達に礼をして今日は上がるのだった。  
 
ACT 36  
その前に汚れた体を洗う為にシャワーを浴びる  
いつもならたまり場としても使われるシャワールームだが…  
今日だけは沙織達との約束で明日のタイガーソウル戦に備え“体力を温存”との事で  
みんな普通にシャワーに入っていた。  
 
(ふ〜〜〜気持ちいいな)  
私は久美と一緒にシャワーを浴びていたのだが…  
 
「優子のおっぱいまた少し膨らんだ?  
触りたいし乳首チューチューしたいけど…ダメ??」  
と久美は甘えん坊のそぶりを見せる  
 
そんな久美も春先から秋にかけて成長したのか  
乳首の色はさらに鮮やかなピンク色に色つき、乳輪は濃いめのサーモンピンク  
乳房自体も筋力が付いた影響か…張りが増しそして乳肉の質量も増えて  
サイズも84cmのDから86cmのEカップバストにサイズアップしたと久美は言っていたし  
実際触っていて胸が大きくなったことは私も沙織も実感としてよく理解していた。  
 
だけど私は大変惜しかったが久美に対して  
「駄目だって久美ぃ…そりゃ私だって久美と蕩けるくらい…したいけど  
明日タイガーソウルに勝ってからにしよ…その方が体もお預け食らってもっと燃えるしね」  
と明日勝利して久美とSEXしたいと切り出してみる  
 
久美も残念そうにしてたが、つまみ食いをするかの様に私の胸をぎゅっと揉んで  
「残念…まあお姉さま直々じゃあね  
でも…勝ったらオールナイトで楽しもうか  
その野村さん並に大きくたわわに育った優子のおっぱいを好きにさせてちょ」  
 
と私の胸も猛特訓にくわえてさんざん久美や沙織そしてみんなに揉みまわされ  
今や私の胸も久美同様94cmのHカップから更にサイズアップし  
なんと私も理奈と同じ三ケタ台!100cmジャストのJカップへと大成長を遂げた。  
 
明らかに自分でも小学生かと思うほどぱつんぱつんに張りつめたロケットバスト  
そのバストに合わせるかのように通常でもくっきりと肉筒があらわで  
乳輪のにおいも最近ミルクのような甘い匂いを出すようになってきた。  
処女のサーモンピンク色とは不釣り合いな発達しきった乳房だと自分でもわかる。  
まだまだ成長するのかな?  
 
もちろんそれに比例するかのように筋肉も増し、背も3cmほど伸び  
体つき自体ますます強くなっていくのを感じた。  
 
そして先日大河さんが送ってくれたプロテインの副産物なのか  
周囲の裸体をなんとなく見てみると筋肉や背丈も一周り大きくなっているが  
胸の方も一カ月でみんな少なく見積もってもワンサイズアップして  
天馬三姉妹全員EカップからFカップに成長…  
細かく言うと泉ちゃんは84cmEカップから87cmFカップ  
美咲ちゃんは81cmEカップから85cmFカップ  
今日子ちゃんは80cmEカップから84cmFカップと立派に成長をしていた。  
 
村田さんはたしか89cmのGから92cmのFカップっていってたかな?もう少しでGだとも言ってたけど  
少し驚いたのが芙蓉さんでボーイッシュな外見に合わず  
いきなり89cmのEカップから95cmのGカップと  
日焼けした肌とたっぷん魅力的なバストは凄いなと思った。  
 
そして私たち同級生や下級生のみならず  
「それにしてもお姉さまのおっぱいも大きくなってうれしい?  
お姉さまと3Pもいいね〜優子っ!!」  
 
と久美は沙織に対して熱い視線を向け。私もじっくりと沙織の裸体を見る。  
だけど勿論久美は私の乳首をちゅうちゅう愛撫するのぉ  
 
沙織の胸は91cmFカップから大幅に成長し95cmのIカップ美爆乳と  
驚愕する成長を遂げていた。  
 
更には大きめな乳輪の色も褐色のアーモンド色に近くなり、大人の色気を帯び出してきているが  
乳首は変わらず可憐なバラの様なピンクでとても可愛らしい。  
 
そしてわがリリアムの二大巨頭である鷲沢副キャプテンの裸体も素晴らしく  
腹部は沙織も十分きゅっとしまっているのだが、鷲沢副キャプテンはさらに上をいき  
褐色の肌と良い十分グラマラスなもので、バストサイズも86cmのEカップから  
90cmのHカップへとさらにど迫力なバストとなった。  
 
そして鷲沢副キャプテンは逆に小さめの乳輪は淡いピンク色で  
乳首も小豆大のとても可愛らしいサイズながら形はかなり良く、乳首は薄めのサーモンカラーという魅惑的なものである。  
 
だけど誰も胸が邪魔になってプレイに支障が出る選手はいなかった。  
 
勿論私もブラジャーを新調してもらい、プレイ中支障がないようにしてるけど?  
それよりもやっぱ久美…上手いよぉ…  
私のおっぱい…ぎゅむぎゅむって乳しぼりをするみたいに絞って  
乳首しごきも…私の弱い所むちゅむちゅ絞ってくるぅ…  
 
「あはぁ…らめぇぇ久美ったらぁ…明日までのお預けだってぇ」  
私は久美の愛撫で唇からよだれをだらしなく垂らし  
下の唇は狂おしげに久美を求めるかの様に、バーボン色の愛蜜が溢れ、ぽたぽた久美の太股を汚す  
これ以上されたらお互い貪るまで止まらなくなりそうなので、久美に自重を求める  
 
明らかに感じている私を楽しそうに見つめながら  
「いつも以上に思いっきり感じてくれてるんだ…優子  
じゃあ明日!もっと凄い事するから…明日の試合絶対勝とうね優子!!」  
と久美は私を解放してくれる  
 
そんなこんなでシャワーの湯に当たって性欲で火照った体を覚ましてみんなかくかく着替える。  
全裸・下着・私服など成長しむちむちした体を見せあい褒めあいながら。  
 
私もプルンプルンした胸とお尻を下着に収め、私服に着替えようかという矢先に久美から声をかけられる  
「所で優子?  
確か深國神社って元々安産の神社だけど、厄除けでも有名だったよね  
そんで祭られている深國姫とかどんだけ〜って位胸が大きいって聞いたことあるけど」  
 
私も深國神社の伝説は聞いた事がある。  
もともと安産授乳の神様であるが、同時に命を守る神様でもある深國姫が祭られている神社である。  
そして深國姫自体可愛らしい姿とは全く想像つかないほどの  
物凄く豊かな胸をしているとも伝承では伝えられている。  
 
まあ実際安産授乳で来る人も多いが  
厄除けなどでも有効で、特に女の子だと効き目が強いというのは有名である。  
 
だから私は久美に  
「大河さん達タイガーソウルの分もお祈りにいこ久美!」  
と明日戦うタイガーソウルに対しても試合中に事故が起きないよう祈りたいと言ってみる。  
 
久美は少し複雑そうな表情を浮かべるも  
元々タイガーソウルには色々と恩があるうえ。ここまで来たら変なハンディとかいらなかった  
そんな気持ちを分かってくれたのか久美は黙ってうなずいてくれた  
 
そして私達は着替え終わり大所帯で深國神社へと向かうのだった。  
 
ACT 37  
そして  
私達は委細なく無事に深國神社へのお参りを済ませ、マイクロバスで国境まで送り届けてくれる  
そしてみんな効果抜群というお守りを購入済みだった。  
 
それと私は自分用と…もう一つお守りを持っていたのである。  
 
「あれ?石引さん二つ持ってるけど…  
このお守り…やっぱり野村さんのプレゼント?」  
と私の向かい隣りにいた芙蓉さんは自分の質問が野暮だろうと思っていたが私に一応尋ねる  
そんな様子に隣にいる久美がぎょっと私に振り返るのだが…  
 
「うーん芙蓉さん惜しい…  
理奈だけというよりも…光陵メンバー全員分かな!  
流石に全員分買えないからせめて代表として理奈に持ってて欲しいって思ってね」  
私は本当に素直に思った事を言うも、少し久美は妬いたような表情を見せ  
 
「え〜私の分を買ってほしかったのに。  
そりゃ優子が野村さんや土生の事を気使っているのは知ってるけどさ〜〜」  
とおどけつつもちょっとだけ不満げだった…嫉妬かな?  
 
そんな久美に芙蓉さんはちょっと意地悪げに  
「ああ久美妬くな妬くな  
どうしたって仕方ないじゃないの。石引さんと野村さんはずっと一緒の幼馴染なんだから  
それにその野村さんと交際しているっぽいのが、一年前あんたの球を面白い様に打ちまくったあの土生だっていうのもね〜」  
と煽ってみる。  
 
「なんだとぉ〜凪めぇ!!  
私はこれから完膚なきまでに株をやっつけるんだから〜〜」  
とそれを聞いた瞬間  
久美は芙蓉さんの席に突っ込んでいつものように口喧嘩を始める。  
 
まあ初見で久美のツーシームを打ったのは土生が初めてだって土生本人が言っていたからな  
もっともあらかじめ久美の配球パターン確認されていた事に加えて  
久美の方が土生を甘く見て普通のストレートを投げて打ち込まれたわけだし。  
 
そういう所から相変わらず過剰に土生や理奈に対して対抗心を燃やしているけど  
あの練習試合前。土生から“自分の弱さを認めずに、ただひたすら押してくる”って  
揶揄されたのは私も覚えているしな  
 
でもまあ久美の性格的にまず、私にすら弱みを向けず、強引に押し切ろうとする所は久美の短所でもあり  
自分の気性以外の弱点は努力で強引に押しつぶし克服するところとかは長所でもあり  
そう言う久美の所は私も沙織も好きなんだけどね。  
 
実際変化球を使った本気の久美だったら自分で言うのはおごがましいがリリアム内でも  
打者として五本の指に入る私や沙織・鷲沢副キャプテンに芙蓉さん  
そして光陵のキャプテン土生だってそう簡単に打ち込めるものでもないし。  
 
私より前の知り合いで私が来るまでリリアムホットスポットコーナーコンビの  
芙蓉さん・村田さんペア…更には芙蓉さんの場合沙織絡みの事でも腐れ縁だったからな  
 
そんな事を考えていると席から退避した村田さんが私の隣席に座って  
話しかけてくる。  
 
「道が違っても石引さんと野村さんってお互い想っているんですね  
本当にこういうずっと気心の知れた親友というのは大事なものですよ」  
と私と理奈がお互い大事な親友で、いつまでもその関係が続く事を願ってくれる。  
 
村田さんの言葉が胸にしみる  
これから私は変わらず理奈の親友件幼馴染として彼女を見守り続ける。  
以前は禁断ともいえる思いを理奈に感じていた事は否定しないが  
 
そういう関係には今後発展しようがないし、たとえその機会があっても  
いまさら私は理奈と結ばれる事を望まないし、勿論理奈も望まないだろう。  
 
理奈にはもう番いである土生がいる、今の私の隣にいるのが久美の様に…  
その久美は芙蓉さんといつものように口喧嘩をしていたが、村田さん同様に私も慣れ  
ほほえましく見つめるのみであった。  
 
ただ同級生なり上級生はともかく、下級生の子は割と心配する事もあり  
私と村田さんに後部座席にいた今日子ちゃんが近付いて…  
「石引先輩・村田先輩…久美様と芙蓉先輩止めなくて大丈夫なんですか〜  
確かにいつ通りといえばいつも通りなんですけど〜」  
 
といつものように明るいが、今日子ちゃんは久美のファンで、私や沙織が久美の相手を出来ない時など  
今日子ちゃんは久美の練習で元気に付き合ったり、Hの相手など久美に対して献身的に体を捧げている事は私も知っており。  
久美を心配そうな表情で見つめていた。  
 
そんな今日子ちゃんの隣席に座っていた美咲ちゃんが  
「大泉先輩も芙蓉先輩も本当に仲が悪いわけじゃないんだからそこまで今日子が心配しなくても大丈夫だって  
それに…あまりにひどいときは神楽坂キャプテンなり鷲沢副キャプテンだって注意するでしょうし何より…  
バッテリーを組んでいる石引先輩がいるんだから」  
と今日子ちゃんを美咲ちゃんが心配しないように声をかけながら、私に熱のこもった視線で見つめる。  
 
私も久美がいないときなど色々と美咲ちゃんにお世話になっているのだった。  
生きた球を使ったノックから、私のあそこを丹念に舐めてくれるような尽くすSEXを与えてくれる。  
 
私達がリリアムを去るのはまだまだ先の話とはいえ未来の事を考えると  
泉ちゃん・美咲ちゃん・今日子ちゃんら東小の後輩に  
西小・付属小のこれから入ってくれる娘たちの為にも、もっと上に!もっと高みにと  
更に飛翔できる力がわいてくるのだった。  
 
そんな私の気持ちを察してくれたのか今日子ちゃん・美咲ちゃんを束ねる三姉妹長女の泉ちゃんが座席から立ちながら締めてくれる。  
「私達ももっと力を付けて出来る限り芙蓉先輩や大泉先輩を止められるように頑張ります  
勿論試合やポジションだってもっと上を狙いますのでこれからもお願いします!」  
と丁寧だが勝気なお言葉。その覇気があればリリアム自体あと10年は戦えそうだと確信した。  
 
そんでそろそろ東小と西小との境目  
私達児童は“国境地帯”と呼んでいる付近に迫ってきたので  
飽きずに口喧嘩を楽しそうにしている久美と芙蓉さんに近寄って  
 
「それじゃあ芙蓉さん。  
久美。明日こそ私達リリアムがソフトボールサークル最強だって証明しようね」  
と力強く声をかけると口喧嘩をやめて  
「当然!明日の試合だって私は!  
優子や沙織お姉さま…そして美咲達みんなの為にボールを投げてやるわ!」  
と久美はまっすぐに私を見つめて言い返し。  
 
そんな久美に賛同するように芙蓉さんも  
「久美がそう言ってくれればあたいたち打者だってガンガン打って打って打ちまくってやるんだから!」  
強く私と久美を見ながら言ってのける。  
 
泣いても笑っても明日が勝負の日  
そのためにも勝って有終の美を飾りたい…沙織や鷲沢副キャプテン達先輩だけじゃなくて  
自分で選んだ道だから…  
 
ACT 38  
そして私は家に帰る前に理奈の家に寄る。  
明日には関西に行くし、それが終わっても光陵のほうも練習一辺倒でなかなか理奈達と  
会えないだろうからだ。  
 
私はいつものようにチャイムを鳴らして、理奈…あるいは理奈のお父さんか土生が出てくるのを待つ  
しばらく待っていると足音が聞こえ、ドアの鍵を外す音が聞こえ  
 
「あれ〜どうしたの優子?  
明日試合って言っていたけど?」  
と私の顔を確認した理奈は、私を出迎え…家に上げてくれる。  
 
理奈も律儀にプロテインを飲んでいるのか  
全体的に体幹も春と比べてより大きめになり、なによりも胸も大きくなったような気が…  
もともと理奈の胸大きい方だから私の勘違いかもしれないけど…ね。  
理奈の101cmJカップがさらに育だってKカップやLカップまで成長したらと思うと…ごくっ!!  
 
そんな少しスケベな事を考えながらも私は理奈に対して  
「うん…明日関西に行くからその前に理奈に…というより光陵メンバーに対してプレゼントがあるの  
受け取ってほしいな…」  
話しかけながら、深國神社のお守りを手渡す。  
 
理奈は私の渡した御守りを見て  
「深國神社のお守りか〜翔との赤ちゃんの事だったら流石に私には早いような…」  
と安産祈願かとぼけを噛ます  
 
私はそんな理奈に対していつも通りと思いながらも  
「いやいやそうじゃなくて…無病息災の方  
光陵も大会近いし…光陵のメンバーが怪我しないようにって思ってさ」  
とはっきりと自分の意図を伝える。  
 
そんな私の気持ちを今度こそ理奈は  
「ありがとう優子  
それと今……んーと〜翔が来ているからご飯食べて行ったら?」  
感謝を言い、土生も律儀に理奈の家にいる事を伝えてくれる。  
 
私はせっかくなので理奈の言葉に甘えて  
「そうだね…じゃあ折角だから土生の料理をごちそうになろうかな」  
と了承し台所にはいると  
 
「理奈ご飯出来た……あれ??石引じゃんどうした?」  
とエプロンをまとって料理を作り終えた土生がきょとんとした顔で迎え入れてくれた。  
 
「まさかお前にも料理を食べさせる事になるとは思わなかったよ石引」  
苦笑いを浮かべるが、私も理奈もキッチリ土生の作った料理を平らげ  
ちゃんと美味しかったという意思表示も受け取ってくれた。  
 
そんな私に対して理奈から  
「優子ー私も翔に美味しい料理食べさせたくて少しは料理うまくなったけど  
まだまだ翔や優子には及ばないから、あいている時間でいいから料理教えて欲しいな  
お願い優子!」  
と今度正式に料理を教えてほしいと頼まれる  
 
親愛なる幼馴染の頼みだ。当然私は  
「勿論!  
明日の試合が終わってから、私と理奈の都合の合う時にでも教えてあげるね」  
と理奈のお願いを聞くのだった。  
 
土生はそんな私達を温かく見つめながら  
「じゃあ俺も石引の料理教室に協力しようかな  
いつぞや理奈が作ってくれたナポリタン焦げてたけど結構うまかったから  
ちゃんと練習すればすぐにでもうまいもん作れるようになるぜ  
俺だって最初っから料理上手かったんじゃないんだから」  
と土生もこれだけの料理を作れるまでには様々な試行錯誤が合った事を吐露してくれた  
 
そして私に対して向き合って  
「明日…なんだよな  
石引……タイガーソウルを倒して春日監督のハナを明かして来い  
俺達も今年は優勝するつもりで勝負するから」  
と声をかけてくれる。  
 
私も  
「私もそのつもり…リリアムの為に私も全力で戦う  
そして光陵の試合前に優勝旗を持って応援しに行くんだから」  
と必勝を誓う。  
 
理奈も  
「優子…確かにお守り受け取ったよ  
優子の気持ちがあれば相手が誰だろうが勝てそうな気がする…優子達リリアムが優勝したら  
私達にも励みになるしね」  
と理奈もあのエキシビジョンマッチで一回だけリリアムの投手として投げた事などの  
成果を生かすと言ってくれる。  
 
三様三者の想い…色々と違うところもあるけど一つだけ一致していると言い切れるところがある。  
それは勝って勝って勝ち続けて頂点の座へと付くこと  
それを私達は確認しあう。  
 
そんなこんなで私達は食器をかたずけたあと、色々と雑談していたが、そろそろ理奈と土生の邪魔になりそうだったので  
「それじゃあ私そろそろ明日の準備があるから…二人でゆっくりね」  
とつがい同士二人っきりにする。  
 
その後どんな事をするのか察しはつくけど…理奈と土生が幸せなら特に言う事はないからね。  
 
そして私は家に戻り両親に“理奈の家で食事を取った”と言い  
お風呂にゆっくり入って…たっぷりの睡眠を取る……明日の決戦の為に  
 
ACT 39  
早朝……というより深夜って時間帯…普段なら疲れでたぶん大地震が起きても眠っている時刻だが…  
目覚ましが鳴る5分前に目がさめ、母さんにお弁当などを作ってもらう傍ら  
朝ごはんを作ってもらい、もぐもぐと食べる。  
 
そして早朝5時  
私は決戦の地へと向かうべく  
待ち合わせに停車してあったリリアムのシャトルバスへと乗り込み  
さっそうと大阪へ向かうのだ  
 
隣にはやっぱり久美がいて  
「今日だね優子!!  
お姉さま達のリベンジ絶対に果たす!!そして優子…二人で戦おう!」  
といつも以上に熱く私に話しかけてくれた  
 
そして周囲を見渡すとスタメンの芙蓉さん・村田さん  
泉ちゃん・美咲ちゃん・今日子ちゃん  
そして鷲沢副キャプテンに沙織のみんな気力が充実しており  
 
リリアムに属するメンバー全てに、チアの娘やバンカラな所で応援団(女装した娘が大半)  
など大所帯であったが…  
 
「小倉監督がまだ来ておりませんが…」  
沙織があきれたような声でまだ肝心の小倉監督が来ていない事に気がつき少しざわつくが  
出発時刻から2分遅れて猛ダッシュで小倉監督がバスへと乗り込む  
そのスピードは光陵メンバー一の俊足橡浦の2倍ほどだった…と思う  
 
「小倉監督!!監督が遅刻してどうするんですか!!」  
案の定今度は鷲沢副キャプテンが少し怒ったように声を荒げる  
そして沙織も少し怒った表情でにらんでいる  
 
流石にその失策に平謝り状態の小倉監督だったが  
「ごめんね〜沙織…奈津  
最後の最後までタイガーソウルの研究をしていて遅くなっちゃった」  
とどっさりと資料を持っていたのだった  
 
それを見たメンバーを代表して沙織が  
「なるほど…それで遅れたのですね  
時間厳守が原則なのは重々承知でしょうが…ではそのデータを早速見させて頂きます  
到着するまでゆっくりお休みくださいな小倉監督」  
と改めて少しとはいえ時間に遅れた注意と小倉監督が時間全部使って纏めた労をねぎらう。  
 
その言葉を聞いて小倉監督はやっと眠れると思ったのか  
「ふぁ〜あぁ…ごめんね〜  
じゃあ大阪に付いたら起こして〜ZZZZZZZZZ」  
そのままだらしなく椅子に横たわって寝込んでしまう。  
 
そして沙織と鷲沢副キャプテンの二人で改めて点呼を取り  
全員そろった事と確認したのちシャトルバスが戦場へと移動を始める  
 
勝つ…絶対に勝つんだ……絶対に!!  
私は戦場に向かいながら改めて打倒タイガーソウルに闘志を燃やし  
小倉監督がまとめてくれたタイガーソウルメンバーの戦い方などのデータをみんなで確認し…  
あっという間に時刻は過ぎ10時位には…  
 
「あ〜久美様っ!泉お姉ちゃん・美咲お姉ちゃん通天閣〜〜〜」  
今日子ちゃんの無邪気な声がバス内に響き渡る  
 
5時間の間私たちスターティングメンバーはもとより  
控えのメンバーなど全員でデータをじっくりと確認したころには…もう…というべきか  
とっくに大阪へと付いており  
ふと窓から景色を見た今日子ちゃんが最初に通天閣を発見し声を上げたのだった  
 
私達もつい今日子ちゃんにつられるように景色を見て見たが  
大阪と言えば日本人なら大抵知っている通天閣が私達を出迎えてくれた  
 
そして…正午にはあの甲子園球場でタイガーソウルとの激闘が始まる!   
 
と改めて気合が乗っていたのに、ふと小倉監督が起きて一言  
「たこ焼きの美味しそうなにおいで起きちゃった〜」  
とひたすらにみんなの腰を折りそうな脱力ぶりを発揮した!!  
でもそんな小倉監督も監督なりに熱くなってきているようだった…  
本人も気がつかないのか…握りこぶしに力を込めて、闘志をむき出しにしている感じだったのだった。  
 
では改めて…あと一時間でタイガーソウルとソフトボールNO.1の座を争う戦いが  
始まるのだっ!!  
 
続く  
 
次回 とにかくキャッチ 最終回 久遠の乙女  
 

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