……銃声銃声…鳴り響く銃声。  
私は…そうだった何時ものように聖戦で戦う為にトレーニングをしていたんだっけ。  
今日は確か…そうだった。  
 
母さんを父さんの元に送るって話だったな、母さんを私が捨てる事で神の戦士になれるってみんな言ってた。  
私は予防薬という事で注射を受けたばっかりでぼんやりしているが母さんを神の元に送る位はできる。  
私と一緒に匿われた友達も親兄弟を神のもとに送るって話だ。  
 
母さん…痛くしないからね。  
 
私は拳銃を片手に久方振りに私の家に戻った。  
 
そしてひとりさびしく料理を作っている母さんに対して私は  
「ただいま」と声をかけた、驚いた母さんは振り向いて私に声をかけようとするが  
私は拳銃の引き金に手をかけて母さんを仕留めようと引き金を引いた…  
 
……  
 
その何時もの終わりで私は目が覚める。  
「夢か…」といつも通りの言葉を私は呟きながら  
 
またあの夢…いつものこととはいえやっぱり慣れない。  
落ち着いているつもりでも…私の瞳はこの夢を見るたびに涙を流す。  
あの悪夢から逃れられる日なんてこないだろうけど…  
 
あの日以来母さんとは……  
 
私はまだ暗い黒檀の空を窓から眺め  
気候が温暖なはずのガールズアイランドでさえ、窓から見える景色すら私には凍りついて見えた。  
 
 
第二話 戦争ガールを丸裸にする の巻  
 
彰吾とティーは改めて次のモデルが待つ少女の元へと急ぐ  
 
ティーは一日とはいえ友達となったラミムの事を思いつつふと彰吾に対して  
「彰吾さん。次の撮影するモデルさんってどんな人なんですか?」  
と聞くのだった。  
 
彰吾は少し真面目な顔に成り  
「そうだな…色々と訳があって苦労してきた娘なんだよ。  
今回の撮影もギャラで色々と母親の仕送りや仕事に寄付したいって言っていたし」  
とその少女は何かわけありなのかなとティーは思うも彰吾は話を続け  
 
「ああ勿論商売だけだったら断ってたけど  
写真を見たら原石が元々良かったとはいえすっごい可愛くなっててさ…  
それに色々と助けてもらった恩を貰ってほしいって頼まれたからヌード撮影を許可した訳よ」と話を終えた。  
 
(アイツ?ラミムとえらく違うように感じるけど……)  
少し彰吾の言葉に違和感を感じ取るティーだったが、彰吾は  
 
「それから少しクールっていうか最初は話し辛いと思うけどいい奴だから」  
とティーに対してアドバイスをするのだった。  
 
そして二人は人込みの少ない砂漠へと車を走らせて。一時間後  
 
その少女は砂漠のオアシスに待っていた。  
「久しぶり彰吾。その子は?」  
 
ティーはラミム同様自分の存在が結構イレギュラーなんだなと思いながらも彰吾が言う前に自分で自己紹介をする。  
「初めましてボクはジャンゴ父さんのかわりに来たティーです!宜しくお願いいたします」  
ばっちり決まった自己紹介。だがその少女はそっけなく。  
 
「…宜しくティー」  
とくらいしか声をかけてくれなかった。  
 
ティーは彰吾が言ったようにクールな娘だと思ったが  
改めて彰吾と話をしている少女をじっくりとティーは見てみる。  
 
その少女は灰色と黒の混ざった眼をしていた…ティーはまずそこに目が向かうも  
続いて髪を見てみると、バッサリと伸びた髪はあまり手を入れてないようだったがそれでも目を引く艶やかな黒髪  
首元に赤いマフラーを巻き、白い清潔なブラウスからは流石に自分やラミムほどではないが  
メリハリが効いている年相応に豊かなバストがしっかりと突き出ていた  
 
最後に長ズボンと少年の様なボーイッシュな顔立ちで一瞬少年かと誤解するが  
勿論その豊かな胸が少女だという証明である。  
 
そんな少女をティーは見ながら彰吾からその少女に近寄って  
「よぉエアル元気か!」  
と少女…エアルに声をかける  
 
エアルも  
「私は元気……それよりも仕事に入りましょう」  
と彰吾相手にもなんかそっけない。  
 
だがせっかくエアルがやる気な以上。彰吾とティーも準備をするがその前に彰吾は  
 
「ああすまんエアル。  
三サイズの測定を忘れていたから測らせて欲しいな…一旦全部脱いで」  
とヌード撮影前なのに全裸になってくれとエアルに頼みこむ。  
 
ティーは彰吾が純粋に写真集などのデーター撮りだとわかっているが…それでもまだ赤面してしまう。  
だがエアルは「分かった」と一言だけ言い、ズボンやブラウスを脱ぎ下着だけになるが…  
 
「おおーいいじゃんエアル!シンプルな下着にお前さんのいい体がぴったりと!」  
と彰吾はほめるもエアルは「そう」の一言だけでやはりそっけない  
 
ティーの方から下着姿のエアルを見てみるが、あまり凝った下着はつけないのか  
シンプルなスポーツブラと白いパンティだけだったが  
それ故エアルの発育しながらも均整が取れた体にティーはとてもうらやましく感じた  
 
そしてエアルは下着も服の上に脱いで一糸纏わぬ姿で彰吾の前に立つ。  
彰吾の方もエアルの3サイズを測り始めた  
 
「おお!バストは83cmの…Dか結構でかくなったなエアル  
ウェストは…58cmいいよいいよ〜筋肉と脂肪のバランスが取れてる!  
そしてヒップの前に…陰毛生え始めてきたんだね…」  
と彰吾の測定に…クールなエアルも少し顔が赤くなっており、陰毛の事を言われた日には流石に  
 
「…いいから早く……恥ずかしい」と羞恥心が出て恥ずかしがっていた。  
 
彰吾はそんなエアルを可愛いと思いながらも、少し手早くなり  
「わりぃわりぃ…んで〜〜尻は引き締まっているな…82cm!!」  
とヒップの測定も終わって肉体測定は終了となり、ティーの方もキッカリエアルの3サイズを書き留める。  
 
エアルはそれを見通して颯爽とひとこと  
「それじゃあ彰吾…撮影を始めましょう」  
と撮影自体かなりやる気を出している。  
 
彰吾もエアルの言葉を聞いてか  
「よおし行くぞ!エアル!ティー!!砂漠の娘大作戦だ!!」  
 
と彰吾は最初っからエアルのフルヌードを逃さぬようシャッターをきりまくる  
ティーもエアルの手伝いをしながら懸命に彰吾を支えるのだ。  
 
エアルのエキゾチックな肌が砂漠とマッチし、かつエアルのクールな雰囲気が有無を言わさない  
エアル12歳の肉体はティーが見る限り美しいが。  
ラミムや自分と雰囲気として何かが異なっており、全体的にとても引き締まっている感じを受けた  
 
83cmのDカップも上品に踊り弾ませ。  
58cmのウェストは引き締まっていながらも、筋肉質で切り傷なども多く見てとれた  
82cmのヒップもこれまた小ぶりだがとても形がいい。  
 
「おし!エアルクールに!自然体で…普通でいいから!!」  
エアルのドライな視線…ただし撮影自体は真摯にこなしているエアルに対し  
彰吾もヒートアップして寧ろお前がKOOLに成れよと突っ込み待ちの様な始末だ。  
 
そして砂漠地帯での撮影も早めに終わらせ、次はオアシスで撮影に入るも。  
 
「エアル。次は水浴び風に取りたいからな…少しだけでいい…無理が無い程度に笑って欲しいな」  
と少し笑顔が欲しいと彰吾はエアルに頼むも、エアルは  
 
「私…なかなか笑えないからな」  
と少しだけ自信なく言うが…流石に覚悟してきているだけあり  
「でも彰吾…私もできるだけ笑ってみる…あの頃とはもう違うんだし」  
と意味ありげのセリフを投げかける。  
 
そんなエアルに対しては心意気を買いながらも諭すように  
「俺はエアルが無理に笑う事はないと俺自体思うし、被写体としても望まない。  
俺はそのまま自然体のエアルを撮りたいからな」  
とエアルに優しく言葉をかけるのだった。  
 
そして水辺  
運のいい事に誰も水飲み場にはおらず、さっそく撮影ができそうだ  
ただティーはいろいろと複雑であった…彰吾との最初の出会いが水浴びしていた時で  
彰吾はその時見た少女と自分がどう一人物とはまだ知らない。  
 
そして相変わらずクールな…だけど努力して笑みを浮かべるエアル  
だけどまだ硬い・一生懸命さが伝わるからこそ余計表情が硬くなってしまうのだ。  
 
7.8枚撮った所で彰吾から手を挙げ  
「気分直ししようかエアル。  
色々と忙しかっただろうから街中でレジャーでも一緒に楽しもうぜ」  
とエアルの撮影をいったん止め、気分転換しようと切り出す。  
 
エアルは  
「私…うまく笑えなかったんだね」  
と少し沈んだ表情になるも、彰吾は全裸のエアルを抱きしめながら肩を抱いて  
 
「さっき言ったろ?クールなのはいい。  
だけどエアルが無理して笑うのはダメだ…エアルにしてもな  
俺がエアルに求めるのはこんなもんじゃないんだよ  
それになエアル…こういう小休憩を挟むのもプロってもんだぜ…じゃあティーエアルの荷物を持ってきてやってくれ」  
とてきぱきティーとエアルに指示を出しながらも、服を着てエアルも車に乗り込むのだった。  
 
そして車で移動しガールズアイランド中心部にある一番大きな街中に到着した。  
彰吾はエアルとティーに対しておこずかいを渡すと  
「俺はちょっとメンテナンスがあるから…二人で楽しんでくれよ」  
といそいそと車の中で整理をしている。  
 
ティーはスタッフとして来ている以上  
「彰吾さん。ボクも手伝おうか」と気を使って車の中に入って声をかけるが彰吾から  
 
「いや…お前さんはエアルの面倒を頼む。  
ああいう人混みの多い所は慣れてないんだわ。後で俺から連絡するからな」  
と半ば押しつけるように車庫に入り、部屋で本格的な整理を始める模様だ。  
 
(まいったな…私だって人込みは好きじゃないのに…)  
ティーがティナだった頃。余りに豊満な爆乳故どうしても行く先々で人目に付き  
周囲から奇異と色欲と嫉妬の混じった視線で見られ外出出来なくなったほどだ。  
 
今はティーとして男装をしている為か昔の様に人前に出られるとはいえ  
正直気のりはしない…がエアルの手前そういう訳にもいかず外で待っていたエアルに対して。  
 
「じゃあエアルさん。二人で買い物に行こうか」  
と声をかけ、二人で移動を開始する。  
 
街中で少年と少女…本当は少女二人なのだが大人抜きで行動を開始する。  
元々彰吾も多めにおこずかいをくれたとはいえ、リゾート地であるガールズアイランドの装飾品は一流ぞろいだけあってどれも高く。  
 
「ねえねえ!エアルさんこれ可愛い!エアルさんがこのイヤリングつけたら……はぁ〜」  
とおしゃれなイヤリングを見ても、まだ大都会にある正規の店で買うのと比べたら安いとはいえ  
どれもこれも子供の持ち金で何とかなる様な服やアクセサリーは無かった。  
 
それでも半年ほど田舎で引き篭っていたティーからしたら買えないとは理解できても  
どれもこれも可愛く、一度つけてみたいものばかりだった。  
 
が…服は勿論ティー自身の美しくもたわわすぎるバスト故。  
どれもこれもまともに着られる服がなく、アクセサリーを一応エアルに進めるという形でこれはこれはと一人で盛り上がるが  
 
「私こういう装飾品付けた事無いから良く分からない…ごめんティー」  
と逆にエアルからティーに対して謝られてしまう始末だった。  
 
そんな気まずい会話がしばらく続いていたが、なんだか小腹が減ってきた。  
時計を見てみると…2時47分だ。  
という事はそろそろおやつの時間という事だ、なのでティーはエアルに対して。  
 
「それじゃあエアルさん。  
軽くお茶でもしませんか?彰吾さんの方は…もう少しかかりそうですし」  
と一緒にお菓子でも食べないかと切り出し、エアルの方も  
 
「分かったティー。それじゃあどこかあいている喫茶店を探しましょう」  
と相変わらずそっけないが、ふと喫茶店に視線が止まる…その先にある店名は  
ルタスレソ・カフェと書かれた喫茶店だ…メニューを二人で見るが  
普通に何とかなる料金設定だったので二人ともルタスレソ・カフェに入るのだった。  
 
二人で店内に入ると店先のイメージ通り大衆的だが落ち着いた感じの店内であり  
当初考えていたよりもスイーツも豊富だった。  
 
「うーん…迷うな。エアルさんは何か飲みたいのある?」  
 
メニューと睨めっこしているティー、だがそのティーから話を振られて  
 
「じゃあ私はグンイービ産のコーヒー。  
苦くてデザートにあうし…私の故郷近くでとれるコーヒーなの…そして」  
と淡々と語るエアルだがデザートの所で少しだけ様子が変わり  
 
「私エクレア好きなんだ。  
あの時…彰吾に助けられて初めて食べたエクレアが」  
ティーからしたら、クールであまり表情を顔に出す人ではないと正直思っていたエアルの表情が  
何か懐かしくも凄く美味しそうなものを食べて心の底から幸せを感じた様な…そんなかすかな笑みをエアルは確かに浮かべていた。  
 
が…ティーはふと疑問に思う  
 
彰吾に助けられた?  
 
何か訳ありだと言うのは彰吾本人も言っていたが、真っ向からそう言われるときになってしまう。  
 
エアルもそれを察したのか  
「ティー?私の事…聞きたいの?」とティーに対して問いかけてきた。  
 
ティーはそんなエアルに対し黙ったまま頷いた。  
このまま深入りしてもいいものかとも考えたが、このまま隣にいる人の話を聞かないで  
何も知らないまま撮影に協力する事が出来なかったのだ。  
 
エアルはそんなティーの気持ちを試す様に  
「私の痛い話…貴女が聞いても多分辛い話になるけど…いいの?」  
と問いかけるもティーは  
 
「はい…エアルさんが話してくれるんでしたら…  
このままボクはエアルさんの事を知らないまま、ただ仕事をこなして別れたくないんです。  
エアルさんがエクレアを食べた時を思い出した顔凄く素敵だったんで…彰吾さんと何があったか聞かせてください!」  
と頭を下げて頼みこむ、実際彰吾とエアルの過去も興味があるのだが一番惹かれたエクレアの件が知りたくもなったのだ。  
 
それを見たエアルはティーを見つめて  
「分かった…じゃあ私の秘密教えてあげるわねティー」  
 
スーと一呼吸置いたエアルは話し始める。  
「まずね…今から3年くらい前かな。  
私の父さんがテロに巻き込まれて死んじゃったの」  
 
とジャブとばかりに父親がテロの犠牲になったと淡々と伝える  
ティーはそれくらい覚悟してましたとばかり、少しだけ顔をゆがめるがエアルの話を懸命に聞き  
 
「それでしばらくたって…父さんのお墓参りに行っていたらいきなり男達に襲われて…」  
と墓参りで突如何者かに襲われたと聞く  
 
ただティーは強盗とかという意味なのかそれとも強姦目的なのかどちらにも取れたので  
流石にこれは迂闊に聞けず、ただエアルの話を待つ。  
 
「…私の事だったら特に何もされてないから安心してティー。恰好から暫く女だってばれてなかったし  
ただね…私を捕まえた人たちは……テロリストだったの……そして」  
 
エアルの唾を呑む音がティー本人だけ聞こえた様な気がした  
そして…何かしら……ひたすら集中してエアルの話を聞き続けるのだった  
 
「勿論私も私の母さんや父さんも政府関係者でも大金持ちでも無い  
私を拉致した理由はただ一つ………私もテロリストとして洗脳する為だった」  
 
余りに衝撃的なエアルの言葉に溜まらずティーは  
「そんな……エアルさん。  
警察とか動かなかったんですか?いきなり拉致されたとか……」  
と少し憤りが混ざった風にエアルに問いかけるもエアルは首を振り  
 
「テロリスト相手じゃあ政府だけじゃどうにもできない  
それにただの一市民な私の命よりも政府高官とか天秤に掛けたらどうしてもそっちの方が優先されるし  
……母さんは何度も何度も取り合って欲しいって言っていたけど門前払いだって後で知ったわ」  
と不安定な環境下故にどうしても弱者よりも強者が優先されてしまう痛い現場  
そういった厳しい環境で生きてきたエアルの言葉は安全な所からあれこれテロリズムを語るジャーナリストではとても出ない生の言葉だった。  
 
エアルは更に話を続けて  
「それで…私は一年間少年兵としての教育を受けた…  
私の様に拉致された子供や…復讐の為に自分からそういったテロ活動に参加したいって子供もいたわ  
そんな子供たちが結構一杯いたし、わりとすぐに友達になれたから逃げ出したいほど辛いと思わなかったし  
…それから毎日毎日幹部から聖戦の話を聞かされて…馴れちゃったのね私  
一年経った後は銃や刃物を使いこなせる位まで強くなっていた」  
 
と周囲から心無い扱いを受ける事が多かったティーですら想像もつかない様なエアルの過去  
自分の周囲も確かに自分に関係なくても物騒な事件が起きる事が多い。  
 
だけどあまりにエアルの過去はティーの想像を超えていたのだった。  
 
「それで卒業試験というのを受ける事になって……それを受ける前に注射を受けたの  
予防接種だって聞いていたけど本当は違っていた……実はそれ麻薬だったのよ」  
と卒業試験で何故予防接種と偽ってなぜか麻薬を打たれたとの話  
 
点と線が繋がらないで困惑するティーだったがその後エアルの言葉で人間の悪意が底無しだと知る事となる。  
 
「…実はね……私達の家族を……神のもとに…要するに殺せって事だったの」  
 
エアルの告白にティーは激しい吐き気を覚え、ティーはとっさに口を押さえ  
「うッ!!」  
と呻き声を洩らしながら嘔吐をこらえるのがやっとだった  
 
(…なんでそんなひどい事を……エアルさんにさせようとしたの??)  
頭が纏まらないティーだったがエアルが答えを教えてくれた。  
 
「私を…私達を後戻りさせない為  
家族を殺させて、完全に組織に対して忠誠を誓わせる…或いは自殺すら厭わない狂信者に変える為だった  
ティー…大丈夫??もう少しこういう痛い話が続くけど…」  
 
怒るでも悲しむでも無いただ真実を話しているだけのエアル。  
しかしエアルも今となってはその話が普通の人が聞くにはあまりに重い話だと言う事ももう理解していた。  
だからこそここで辛い話を打ち切ろうかと思い、ティーに声をかけたのだが  
 
ティーもここで終わってはただの興味半分で終わってしまう  
勿論エアルほど極端に危険な目や両親の死別などもはまだ経験した事はない  
だけどティーも味方が両親だけで周囲の人間からは常に好奇と性欲と嫉妬と侮蔑に満ちた瞳で見られる事が常だった故  
人間に対する恐怖は今でも根強いがそれとは逆に動物や植物に囲われている為に  
優しさという強みはティーの大きな胸に沢山詰まっているのだ。  
 
だからこそ勇気を振り絞ってエアルを見つめ  
「大丈夫…ごめんなさいエアルさん心配をかけてしまって…続きをお願いします」  
と真っすぐエアルを見てティーは答えた。  
 
エアルはそんな健気なティーに対して少し微笑み  
「ありがとうティー。それで母さんに銃を撃とうとしたとき  
偶々彰吾が母さんの家で世話になってて…止めてくれたのよ。私を気絶させてね」  
 
と彰吾とのなり染めを話しだし  
「それで彰吾は気絶した私とショックで茫然とした母さんを抱えて安全な所まで逃げて  
その後かな…私は自分のやった事とか分からないで混乱していた時に  
彰吾がエクレアを買ってきて私に食べさせてくれたの…あのエクレアは美味しかった」  
 
ティーは彰吾がエアルの母親のもとにいたかは知らないが、とりあえず母娘を助けたというのは理解できた。  
 
そうティーが思った補足なのかエアルは  
「元々彰吾が来たのは戦争カメラマンとして、それで宿とかなかなかとれなかった所で母さんが招いたって言ってた  
その後私の麻薬が切れた頃に彰吾と母さんから自分が洗脳をされていたって…言われて  
最初は納得できなかったけど暫く経って流れたニュースからあの後私の友達はみんな自爆テロをして死んでしまったの」  
 
ティーは確かにエアルの警告通りに心がずきずきするほどの痛みを感じていた。  
が…それでもエアルの話を聞くしかなかった…なぜなら……  
 
「組織の方はそのまま高跳び…結局体よく利用されていたって知って…悔しかった…悲しかった  
ただ大人の都合に付き合わされた上…戦う事を学ばされ…彰吾がいなかったらわたし…  
かあさんを……」  
もうエアルはまともにしゃべれなかった…大粒の涙を浮かべていたからだ。  
 
そんなエアルを見てられなくなりティーはエアルを胸で抱きしめ  
「大丈夫…落ち着いてエアルさん。  
エアルさんのお母さんは彰吾さんが助けたんでしょ…それにもうエアルさんは戦わなくてもいいんだから」  
と慰める  
 
エアルは涙に覆われた顔に途方もなくムチムチした爆乳がなすりつけられ  
顔がティーの胸に埋まってしまいそうな感覚すら覚えるも、今はティーの胸に抱かれたまま安らぎたかったのである。  
正直男の子だと思っていた子が実は女の子で物凄い爆乳というのは驚いたが  
ティーは心から自分を心配している事を分かっていたので野暮な事も言わなかった。  
 
ティーに抱かれて落ち着きを取り戻したエアルは  
「…ありがとう……ここまで話したから最後まで話をさせてね」  
と話の続きを切り出す。  
 
「それで私は彰吾のつてからNGO機関で勉強をしながら、子供ができる範囲でいいから働けって言われてね  
母さんは最後まで私の事を心配してくれたけど…騙されてたとはいえ母さんを殺しそうになって事を思うと私…辛くて……  
それで色々と勉強を受けてたの…だけどNGOの融資とかそこまで余裕があるものでもないし  
彰吾の撮影だったらギャラとかも普通に働くよりも多く出るって事が魅力で…  
勿論彰吾に母さんの命と私の未来を救ってくれた事に対してのお礼がしたかったから」  
 
と最後まで顛末を話してくれるのだった。  
 
それを聞き終わったティーも涙ぐみ、普段自分が気にしている爆胸をもにゅもにゅエアルに引っ付けて抱きしめ  
「エアルさん…本当に…本当に」と泣き出すのを何とかこらえている状態だった。  
 
そして…  
暫く二人で抱き合うような格好で何もしなかったが  
 
エアルは完全に落ち着き、百合趣味が無いエアルでさえ、ティーの圧倒的な大きさと認め  
克歯触りや弾力などなんて気持ちのいい爆乳だとうっとりしたが  
それでも少しティーから離れて  
 
「ごめんなさいねティー  
じゃあ…そろそろ喫茶店に来たのだからメニューをオーダーしましょう」  
とクールだが自分の背負っている過去を快く聞いてくれたティーに対して温かみを覚えたのか、穏やかにティーに対して告げる。  
 
ティーはエアルが離れてやっと子供離れした巨大な自分の胸を思いっきり押しつけていた事  
そしてオーダーがまだだったと思いだし顔を真っ赤にしながら  
 
「…ごめんなさい色々っ!!ぼぼぼ…僕の事は彰吾さんにはまだ…  
じゃ…じゃあボクは…ここに書いてあるダブルオードーナツ!とミル・ヴェーダ!!  
それから…エアルさんがアヴァランチ・エクレアを頼むから…半分ずつ分けようよ!!」  
とてんぱった様に慌てまくりのティー  
 
だがちゃんとオーダーは伝える。  
でエアルは分かった分かったと言わんばかりに  
「じゃあ貴女の事今度は詳しく私に教えてくれない?  
私の話を聞いてくれたのだから私も貴女の事……知りたいな」  
と今度はエアルからティー…というよりティナとしての話を聞きたいと切り出し。  
 
エアルからオーダーを店員に伝え先に飲み物を持ってきてもらう  
エアルは故郷近くのグンイービ産コーヒー。何を言っても苦みとすっきりさが釣り合っている王道のコーヒーだ  
ティーが頼んだのはミル・ヴェーダでアメリカなどでもよく出ている乳酸菌飲料  
日本でいるカルペソみたいな飲み物だ。  
 
で今度はティーがエアルに自身のコンプレックスやトラウマを語る番となり…  
「成程…貴女も大変ねティナ。  
12歳でそんなめちゃくちゃ大きい胸をしているなんて…」  
 
とエアルは先程の感触でティナの胸が100cm以上はあるだろうと思ったが、まさかそれを大幅に超えるサイズだとは想像だにしていなかった。  
コーヒーをぐぴっと飲みながらそうエアルは呟く。  
 
「うん…ボクじゃない私はこの胸のせいでまともに外に行けなくなっちゃった  
私って弱い子…だよねエアルさん……」  
と先ほどと変わり弱弱しくミル・ヴェーダを飲みながら呟くティナだったが  
 
「そんなこと言わないでティナ  
貴女は強い…普通だったらジャンゴが怪我をしたとはいえ  
貴女にとっては見ず知らずの男になる彰吾の手伝いをしようとは思わないわ」  
とエアルはティーを励ます、エアルは自身には無いティナの強さを褒め称えながら。  
 
とそんな事を話していたらキラキラとホッピングキャンディの飾りがしてあるダブルオードーナッツと  
女の子が食べるには大きめなチョコレートがけエクレアとキャラメルがけエクレア  
そして和風な抹茶クリームがけのエクレアが運ばれ、エアルは目を輝かせ  
 
「わっ!この…抹茶って彰吾達が住んでいる日本でとれるものって聞いたけど!」  
と初めての抹茶に驚きを隠せない  
 
勿論それはティナも同じで  
「この緑ってきれいだねエアルさん」  
と先ほどまで沈んだティナですら驚いていた  
 
それで二人は仲好くエクレアとドーナツを分け与え  
「へえ…このドーナッツは面白いわ  
生地もちゃんと厳選しているけど、ホッピングキャンデイが食べるたびにばちばちはねて結構刺激的ね」  
とエアルはティナからもらったダブルオードーナツをほめている  
 
ティナもまた  
「このエクレア凄く美味しい!  
思った以上に甘さを控えてあるからすっごく素材の味が分かるよ!!」  
エアルからもらったエクレアに舌鼓を打った。  
 
そして陰々鬱欝した話から逸れティナからエアルに対して  
「ところでエアルさんはお菓子作るの?」  
と女の子ならではの話も弾んでいく  
 
エアルもまたティナに対して  
「ええ!  
実はまだ母さんやスタッフに彰吾にもまだ言ってないし連絡していないんだけど  
実はお菓子屋を作ろうと思って!中東でエクレア専門店とか考えているの!  
私が昔食べたときみたいなエクレアで子供を喜ばせるっていうのが私の夢かな  
…所でティナ?貴女は誰かお菓子を作りたい人はいるの??」  
 
とエアルは夢をティナに語るも、エアルはティナに対してお菓子を作りたい人はいるのかと何気なく聞いてみる。  
 
が…ティナは思いっきり戸惑い  
「え〜私…そんなお菓子を作ろうとする人なんて…いないよう  
ジャンゴ父さんや母さん…位しか」  
と否定するも内心彰吾の顔が浮かぶ。  
 
逞しくエアルの話を聞く限り取っても勇敢な男の中の男  
そしてラミムやエアルそして自分に対する対応からしても紳士と言うほかない男である。  
ティナはおぼろげながら彰吾に惹かれていたので  
完璧に顔真っ赤状態だったのだ  
 
最もエアルも色恋とかまだよく分からない年頃の為  
「そうなんだ…変な事を聞いてしまったかしら  
でもまあジャンゴと都会で働いている母さんは大事にしてあげてね  
母さんとはあれ以来手紙のやり取りがやっとってところだし…  
父さんの墓参りも行きたいけど…中々忙しい上に心の準備がまだ…ね」  
とあっさりその話から引き下がり、ティナに対して両親に対して大事にしろというのだ  
自分の父親が死んでいるからこそ言えるセリフにティナも  
 
「うん…ジャンゴ父さんと母さんの事は私も大事にする」  
とティナはエアルに誓うのだった。  
 
そして二人は女の子として理解し、お互いの親交を深めていき  
満ち足りた所でそろそろ彰吾の元に戻る事にする。  
 
そんなこんなですっかり打ち解けた様子のティーとエアルは彰吾の部屋に入りまずティーから  
 
「ただいま〜彰吾さん。  
色々とエアルさんのお話を聞いてきたけど…」  
と彰吾の部屋に入るや話せる限り彰吾に話そうとするも、椅子にひとりの女性が座っていた。  
 
苦労を重ねて少し粗末な身なりだったが、それでもその女性の優しさなどどこか伝わってくる  
だが彰吾からティーとエアルに対して  
「ああお疲れさんティー  
その様子だと…エアルとも打ち解けた様だな…それから…多分エアルから話は聞いていると思うけど紹介する。  
この人は昔俺に対して親切にしてくれたマイーヤさんだ」  
 
と先程話に聞いたエアルの母マイーヤを彰吾が紹介する  
ふとエアルを見てみるティーだったが、親としての友愛と過去の贖罪で揺れた表情をしていた  
が…マイーヤは先手を取って、エアルに対して抱きつきながら  
 
「エアル……おかえりなさい」  
とただ思いっきり抱きしめた…そのマイーヤの行動でエアルもマイーヤの背中を抱いて  
「ただいま…母さん」という  
 
これだけでまだ流石にすべてのわだかまりが解消される訳はない  
だが…この出会いはエアルのわだかまりを少しでも減らす事に役立つ事だろう  
ティーはそう思った。  
 
その展開で彰吾が口を開く  
「わりぃなエアル。  
驚かす様な事をしてよ…マイーヤさんとお前さんを合わせたくてな…あれから一年以上は立っている訳だし  
それにヌードを撮るっていう許可も貰ってなかったから気になってた  
ああ許可はいまマイーヤさんからもらったんだけどなエアル」  
ティーはなんとなく彰吾は方便を言ったのだと思った、彰吾ほどの人物なら前もってマイーヤからエアルのヌード撮影の件は連絡し許可を貰うはずだ  
だがあえてマイーヤを呼んだのはエアルの為だろうと思ったのである。  
 
そして感動の対面だったがエアルから少し離れて、彰吾の目の前に立ち  
「ありがとう彰吾  
さあ!今だったら無理なく微笑む事ができそうだから仕事に戻ろう!!」  
と彰吾に仕事再開を持ちかけ、彰吾もエアルの様子を見て  
 
「分かったぜエアル!じゃあティー準備を頼む  
それからマイーヤさん。良かったら娘のヌードを見ていくといい、しばらく会ってないうちに魅力的に成長しているから」  
とマイーヤを入れた四人所帯で夕暮れの砂漠に向かう。  
 
人は先ほどよりもまばらで朝方以上にヌード撮影にはもってこいだった  
そして撮影に入る前。マイーヤからエアルに対して声をかけ。  
 
「エアル…あんまり旨くないかもしれないけどエクレア…彰吾さんから貰って以来好物になったって聞いたから」  
とお手製のエクレアを渡す  
 
エアルはマイーヤが苦心して作ったオーソドックスなエクレアを受け取り、ぱくっと食べてから  
「ありがとう母さん!じゃあ私の裸。母さんや彰吾に…写真集を買ってくれる人の為にみせるから」  
と笑顔のまま撮影に入るのだった。  
「おし!いい笑顔だエアル!!  
俺はこれが撮りたかったんだぜ!!」  
今度は無理のない心からの笑みを浮かべているエアル  
そしてエアルの美しい裸体を余す所なく、万全の態勢で撮り続ける彰吾に  
一生懸命アシストを務め上げるティー  
 
見事なまでの連携にマイーヤはただ驚嘆の表情のまま三人を見ていたのだった。  
 
そして夜には  
「OK!!これで撮影終了!!お疲れさんエアル!!」  
と彰吾の声がかかり、ティーがエアルに服を着せる前にマイーヤの方からエアルに服を着せて  
 
「エアル…暫く見ないうちに立派になったのね…  
シーリスも…お父さんも空から見ている事でしょう」  
と母は娘の全てを褒め称えた。  
 
「そんな…彰吾の撮影とティ…ティーのアシストが良かったから…」  
マイーヤの賛辞にエアルはただ照れて、彰吾達を褒めるのだったがまずティーからは  
 
「ボクのサポートなんてまだまだだよエアルさん。  
それにこんなにいい写真を撮れたのは何をおいてもエアルさんが美人だったから!」  
といい切り彰吾からも  
 
「ティーの言うとおりだな。  
最高の写真が取れたのは俺の腕でもティーが全力でサポートをしてくれたからでもない  
お前さんが最高だったからさエアル」  
とティーに合わせるかのようにやはりモデルがとてもよかったといい、そして続けて今後を励ますように彰吾は  
 
「エアル。未来は誰にも撃ち落とせないし、誰だろうが勝手に撃ち落としていいもんじゃない  
未来は俺たち一人一人が努力して掴みとるものだ。故郷に帰ってもいろいろと大変だろうが、頑張れ!未来の為にな!!」  
と彰吾はエアルを激励する。  
 
エアルは彰吾の話を聞きただ頷くばかりだ。  
 
そして星が目映く輝いているその空にはエアルの父シーリスが付けていた眼鏡を思わせる眼鏡座が  
天から見守るように煌びやかに輝いていたのだった  
 
その後彰吾とティー・イブラヘム母娘の四人でホテルにチェックインをするのだった。  
 
「こんなに高いホテル…エアルは彰吾さんのモデルをしたのですからともかく私まで…」  
と三ツ星級の高級ホテルだった為マイーヤは恐縮し、私までいいのかという表情になるが彰吾は  
 
「ほんの恩返しですよマイーヤさん!困ってた俺を貴女の家に泊めてくれたじゃないですか!  
それにこんな素敵なモデルに引き合わせてくれたんですから」  
 
とエアルの肩をぽんと叩きながら、気にしなくていいと言い切る。  
 
が彰吾は誰に言うでもなく  
「それに…まだ借りは返し終わって無い…からな…あの連中の始末どうしてくれよう……」  
とティーが見た事のない表情…少し冷たい表情と声で彰吾は呟く  
 
その様子に少し背筋が凍る感覚を覚えた三人だったがティーは  
「彰吾さん?」  
と心配して声をかけると彰吾はふっと何時もみたいな好青年の表情に戻り  
 
「ああ悪いなティー…俺の都合って奴でね…今俺が呟いた事は気にしないでくれ  
勿論エアルやマイーヤさんが気にする事じゃないしね」  
とティーやイブラヘム母娘に微笑むのだった。  
 
そしてその夜  
イブラヘム母娘を二人きりで一緒にさせようと言う彰吾の配慮で  
今ティーは彰吾と今日撮影したフィルムの手伝いをしながら一緒の部屋にいた  
 
「ティーちょっといいか?」  
ティーがいろいろと手伝いをしていた時に彰吾から声を掛けられたので  
「どうしたの彰吾さん?」  
と意図が分からずティーは彰吾に対して聞き返す  
 
彰吾はそんなティーを見ながら  
「ティー…そろそろ俺の事は他人行儀じゃなくてもいいよ。  
ティーがラミムちゃんやエアルの事とか俺が良く分からない所でフォローしてくれたみたいだし  
そろそろ対等に俺の事は彰吾って呼んでくれないか?」  
 
と2.3日の間だが一緒に行動し彰吾はティーの人となりを理解し、ジャンゴのかわりとしてではなく  
ジャンゴとは別の可能性をティーに感じ始めたのである。  
だからこそ彰吾はティーに対して対等の関係に成りたくなり、手始めに自分の名前を呼び捨てで呼んで欲しいと頼むのだ。  
 
そんな彰吾の思いにティーは顔を少し赤くしながらも  
「うん!わかったよ……彰吾!!」  
とティー自身も心から彰吾と打ち解けたと確信しあえて彰吾と呼ぶのだった。  
またこの時からティー…いやティナは彰吾と一人の男性として明確にみる事になる…  
 
そして彰吾はティーに対して握手をしながら  
「ああ!これからもよろしく頼むぜティー」  
と親しげに声をかけ、二人で懸命に写真などを整理し終えて  
 
「それじゃあ先に寝かしてもらうわ…お休みティー」  
と先に彰吾は就寝に入る。  
 
そしてティーは彰吾を起こさないようにお風呂に入る。  
昨日はラミムの事もありティーは先に彰吾をお風呂に入らせたのだ。  
 
厚手のパーカーを脱ぎ、100cm以上は確実にあると思われる巨大な…だが形のいいバストが  
思いっきりTシャツから浮き出た  
 
それからティーは着ている服と帽子を洗濯機に押し込んで洗い  
全裸になった姿…たわわすぎる胸をたたえた少女が鏡に映る…その姿はまさに美少女としか形容できない  
ティーからティナへと戻って、豊かすぎる胸を苦労しながらぽよぽよ弾ませて洗い  
豊かすぎる胸を浴槽に浮かせながらティナはぼんやり考える  
 
「まだ…男装は止められないけど…  
私…好き……になったのかな?彰吾の事…」  
と恋慕を少しずつ…少しずつ募らせていく。  
 
そして朝  
「じゃあエアル・マイーヤさん元気でな!」  
とホテルのチェックアウトを済ませて、彰吾らはイブラヘム母娘と別れるのだった。  
 
エアルも  
「彰吾いろいろありがとう。また何かいい話があったら連絡して」  
と笑顔で彰吾とティーに手を振り  
 
母マイーヤも  
「また平和になったら遊びにでも来てくださいね彰吾さん。それからティーさんも元気で」  
とエアル同様笑顔で見送ってくれるのだった。  
 
運転している彰吾は無理だが彰吾のかわりにとティーが二人分とばかりに思いっきり手を振るのだった。  
 
そして二人はガールズアイランド北部に向かう  
ガールズアイランド最後のお仕事相手の元に大急ぎで二人は向かうのだった。  
 
次回  
第三話 筋肉美少女を丸裸にする の巻  
 
 
後日談   
彰吾に写真を撮ってもらって十年後  
 
「それじゃあ母さん。行ってくるよ」  
エアルはあれから十年経ち、エアル自身子供の時より精悍な…  
だが女性らしい柔らかさも備えた笑みで母親に微笑んで店に向かう。  
 
エアルは十年後NGO所属活動を続けながらも故郷に一軒の店を開く。  
NGOに協力しているパティシエマイスターなどからスイーツの作り方を学び  
エクレアマイスターとなり、中東では珍しいエクレア専門店を苦心の末創業した。  
 
店先では真っ先にエアルが店の掃除などを一生懸命行っていた  
そのうちカスタードマイスターやチョコマイスターなども来るだろう  
エアルはこれからも変わらず苦労はするだろうが、同時に本当に自分のしたい事を見つけて  
そこから人々を少しずつでも幸せにしたいから全力を尽くし続けるのだった。  
 
そして彰吾にヌードを撮ってもらって2〜3年経った頃から  
政治・宗教・利益・略奪など戦争から生まれる生き血を啜る為に存在するような連中が  
煙にでも巻かれたかのように謎の怪死と遂げる事態に成り  
 
政府の方もテロリズムが減ったゆえか  
物資・民兵などの民衆からの強制協力や搾取なども大幅に減り、人民の政治に力を入れるようになった。  
十年経った今では内戦の火種すらなく、貧しいものも最低限の住処などは何とか確保できていたのだ。  
 
エアルは誰が・どうして・何のためにと以前彰吾に助けられるまで少年兵をしていた経験上。  
こういう社会悪はなくならないものだと思っていたのだが。  
実際不安定な地域の人々にとっては誰だか知らないが、社会事情がなんであれ好転するのは望ましく。  
エアルは集中して商売に打ち込めるのだった。  
 
 
 
キャラ紹介  
 
エアル・イブラヘム  
157cm 47kg 12歳  
83(D) 58 82  
 
中東出身の少女で全体的にエキゾチックな風貌をしているが、後述の過去の為基本的にクール。しかし内面はとても優しい女の子。  
 
実は以前テロリストの一員として洗脳教育を受けていたが、たまたま戦場カメラマンとして来ていた彰吾に助けられる格好になり  
現在は彰吾のすすめでNGO保護下の元で勉強を受けながら償いをしており  
ビジネスのため彰吾のヌード撮影に自分から申し出る。  
(彰吾はビジネスだけだったらエアルのヌード撮影を断ろうと思っていたが、かなりの美少女に育っていたので引き受けた  
エアル自身も彰吾に対してはある程度の好意と恩義を持っている)  
ちなみに一番好きなスィーツはエクレア・ドーナツが二番目に好き  
 
モデルは機動戦士ガンダムOO主人公 刹那・F・セイエイの本名 ソラン・イブラヒムより  
 
マイーア・イブラヘム  
163cm  52kg 36歳  
79(C) 59 78  
 
エアルの母親。  
夫に先立たれ、女手一人でエアルを育ていていたが、エアルが誘拐された上  
洗脳の上薬物を打たれたエアルに撃たれそうになるが、彰吾に助けられた。  
 
また以前の事がきっかけでエアルはなかなかマイーアに会いたがらなかったが  
マイーア本人はとても心の優しい人物でエアルの過ちに対しても恐れたりするようなことはなかった。  
 
モデルは機動戦士ガンダムOO 登場人物 マリナ・イスマイール  
 
シーリス・イブラヘム  
マイーアの夫でエアルの父親。少し冷たい所があるが聡明でマイーアの事は不器用ながら愛していた。  
しかしテロに巻き込まれて命を落とす  
 
モデルはマリナの友人シーリン・バフティヤールより  
 

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