祥子ちゃんの声が、図書準備室一杯に響いていた。  
 椅子がギシギシと軋む音に合わせるような、喘ぎ声だった。  
「あっあ…、せ、せんせえ!」  
 後ろから見てるだけでは、なにが起きているのか分からない。まだ6年生の麻衣子ではなおさらだ。  
先生の背中越しから祥子ちゃんの髪が揺れてるのが見える。先生はどうやら、祥子ちゃんを膝の上に座らせているようだ。  
しかし、なぜか座ってる椅子を激しく揺すり上げ、太い腕で祥子ちゃんを抱きしめている。その腕も激しく上下しているのだ。  
 祥子ちゃんの息は苦しげだった。しかし、上がる声は甘えたように嬉しげで、たまに聞いたことのない声で先生を呼ぶ。  
その度、先生も「よしよし」とか「ほれほれ」と、にやけた声で祥子ちゃんに答えていた。何をやっているのだろう。麻衣子には分からなかった。  
しかし、今、目の前で級友と担任がやっていることは、誰にも見せられない、秘密の行為なのだと、動物的な暗い本能で感じ取っていた。  
 
 最近、祥子ちゃんが宿題をよく忘れるようになった。  
 それは算数のドリルだったり、漢字の書き取りだったり、社会の年表作りだったりした。  
 そしてそれに気付くのは、大体その授業直前なのだ。つまり、誰かのを写すことが間に合わない時期。  
すると、担任の先生は困ったように言う。「また祥子かあ…しかたない、放課後残りなさい」。  
 麻衣子たちの担任は大塚先生といい、明るい性格と生徒を下の名前で呼ぶところが人気の、まだ若い先生だ。他のクラスの女子からも  
羨ましがられていたので、麻衣子達もなんとなく得意だった。  
 そして祥子は、麻衣子と前学年から同じクラスで、級友達の中でも仲がいい友達の一人だった。家に問題のある子だったが、本人は  
ゴムとびと指編みが得意な、笑顔のかわいい普通の子だった。  
 
 でも、彼女には悩みがあった。背丈がすでに160センチであることと、胸のサイズがCカップにも及んでいることだ。  
体に関しては、普通の6年生の成長を続けている麻衣子には、その悩みは贅沢にも聞こえるが、祥子本人には深刻なようで、たびたび麻衣子に愚痴っていた。  
「男子の前を通るのが、いやだ」「体育が終わって着替えようとすると、ブラがなくなってる」。つまり男子・女子両方からいじめぎりぎりのからかいの的になっているのだ。  
 麻衣子は気の毒に思って、よく言ったものだ。「大塚先生に相談しなよ」と。あの先生なら、きっと男子だけでもなんとかしてくれるよ、と。  
 そして、ゆっくりと、祥子の様子に変化が訪れてきたのだ。  
 そう、祥子ちゃんが宿題を忘れるようになったのは、あの時、私に相談してからのこと。麻衣子は気付いていた。麻衣子がアドバイスをして少したった頃、ある体育の時間、男子が祥子の胸をはやし立てた。麻衣子は「やめなさいよ!」と一喝すると「大丈夫?」と祥子を気遣った。  
しかし、祥子は赤い顔で笑顔を浮かべていた。いつもなら半べそかいているところなのに…。  
「祥子ちゃん、平気?」と麻衣子が尋ねると「うん」と赤い顔のまま彼女はうなずいた。「なんか、気にならなくなっちゃった」。  
そして「ありがとう」と麻衣子に言うとその手を取って、列に向かって走り出した。麻衣子はぽかんとしてしまった。男子にからかわれて、赤い顔で微笑む祥子ちゃんの意外な変化と…、笑顔の裏にある得体の知れないものを、麻衣子は祥子に感じてしまった。  
 
そして、それに気付いてしまうと、祥子の不可思議な行動が、どんどん麻衣子の中で浮き彫りになってゆく。  
そういえば、宿題を忘れる日の前日は、必ず祥子は大塚先生に呼び止められ、何かを話していた。そして、  
その時の彼女の顔は、普段の祥子とは思えない、嫌らしいような笑顔を返していた。昔はぶかぶかの服ばかり  
着ていたが、今はボディラインがはっきりしたシャツを着るようになった。からかわれると、目尻を赤くして笑い、  
その後必ずトイレに入り、次の授業に遅れたりすることも増えた…。  
 そして祥子は今日、作文を忘れた。家が落ち着かない祥子のため、先生は校舎のはずれにある図書準備室を使わせ  
ていた。図書委員会の担当もしている大塚先生だからできることだった。一緒に遊ぶ約束が何度も反故にされ寂しかった  
こともあったが、なにより祥子の変化と先生のかかわりを知りたい麻衣子は、人気のなくなった校舎にそっと入り込むと、  
足音を立てないよう上履きを履かずに廊下を渡った。どんどん古く、暗くなっていく廊下の底から薄い明かりが漏れ、  
麻衣子は思わず足を速めた。そして、息を潜めて、そこに居るだろう級友と担任の先生を確かめた。  
 そこにあったのは、埃くさい中で行われている湿めった遊戯だった。  
「ほら、祥子…、ちゃんと作文書かなきゃ、帰れないぞお?」  
「あっ、だって、先生…、だめえ」  
「今、祥子は何されてる? それをちゃあんと文で表現してみ? ほら」  
 ごそごそ、と腕が動く。  
「あん、やあああん! 胸え!」  
「ちゃんと答えなさい」  
「あ…、わ、わたしは…あ、宿題を…、ひいっ! 作文の、宿題を、わ、忘れて…あんん! せんせえから、  
バツを受けてます」  
 あう、と祥子ちゃんが短く咆えた。うほ、締まる、と先生がつぶやいた。  
「どんなこと、されてるの? 中身が分からなきゃ、作文じゃないよ」  
 先生の腕の上に、祥子ちゃんの細い腕が絡まった。腕がとんとんと上下する。先生の膝にいる祥子ちゃんの体も、  
上下したようだ。  
 
「奥にきちゃうよおっ…、ソレしちゃ、だめえ!」  
 奥? 奥って、なんの? 麻衣子の疑問がまた増えた。  
「そうかなあ? 奥はだめなのお? コレされても、かなあ?」  
 先生の腕が今度は小さく動いた。しかし、祥子ちゃんの声は一際大きく上がった。  
「あ、いや、そこいじったらあ! ひくっ! あくうううう!」  
「祥子はあ、おっぱいのどこが好き?」  
 聞いたことのない、嫌らしい大塚先生の声が先ほどからずっと聞こえる。  
「こんな、おっきなおっぱいしてえ…、男子がからかうのも無理ないって」  
「あ、やだあ、それ、言わないでえ」  
「へへへ、今は気になんないくせに。むしろ、からかってほしいんだよな?」  
「いやあ…違う」  
「「祥子のおっぱい、でかいよなあ」って全校男子の間で評判だぞ?」  
「やだ、やだあ」  
「いっぱい、揉んでみてえ! ってクラスの松沢とか鼻鳴らしてたぞ」  
「いやあ…くうう」  
「他にもおっぱい吸いたいとか、齧ってみたいとか…祥子、クラスの男子全員に、おっぱい  
いじられまくりだな? どうする?祥子お」  
大塚先生の言葉責めに、祥子が感応した。顔は上気し、身を縮ませて、腰をくねくねとくねらせた。  
 そしてその顔には、あの、からかわれた時に浮かべた笑顔があった。  
 
 はにかんだ、しかしどこかしら悦びを含んでいるような、怖いような笑顔…。  
 麻衣子の位置からは、その表情は見ることは出来なかった。しかし、聞こえてくる会話の  
内容全てが少女の耳にはどぎつく、何時までも心の底にこびりつくようだった。  
 大塚先生の、からかう声が聞こえてくる。  
「祥子お。祥子はあ、このおっきいおっぱい揉まれるのとお」  
 腕が大きく動く。待ち焦がれた刺激に、祥子があんん、と鼻を鳴らす。  
「この、ちっちゃい乳首を転がされるのと、どっちがすき?」  
 ひぎっ! と祥子が跳ね上がった。声にまだ麻衣子達と同じ、幼さが残っている。  
 やっぱり先生は祥子に、なにか嫌らしいことをしていた。  
 いまさらなことを自分の中を整理する意味で、麻衣子は確認した。  
 祥子ちゃんが宿題を忘れるのも、先生と居残ってこんな嫌らしいことをするためなんだ。  
 そう心でつぶやくと、麻衣子の胸がどきりとした。何時から、祥子ちゃんはこんなこと  
し始めたの? もし、宿題を忘れるようになってからなら、もう1ヶ月近くたっている。  
祥子ちゃんは、私達と学校で勉強したり、遊んだりしながら、こんなこともしていたのだ。  
よく分からないけど、いやらしいことを先生としていたのだ。  
 
『でも、それってどんなことなの?』  
 誰かに今のことを相談しようにも、祥子ちゃんに訊ねようにも、麻衣子にははっきりと  
その時のことを説明できるような知識も言葉もない(あったら大変だ)。なんとなったら、  
逃げられてしまうかもしれない。  
 麻衣子は、どきどきしながら、そっと準備室に入り込んだ。2人が何をしてるのか、はっきり確認するためだと  
自分に言い訳しながら、もっと2人がよく見える場所に行こうと思った。  
 そう思う麻衣子の中では、どこかむずむずするようなじれったさが芽生えていた。  
 準備室には向かい合わせにテーブルが4つ置かれていて、それぞれの椅子は梯子代わりに使われていたり、  
古い本が積まれてたりで、てんでにされていた。先生も祥子も自分達で夢中になっているし、  
気付かれることもないだろう。極めて自分勝手な憶測で、麻衣子は動き出した。先生達の背中を通り、  
本や物陰に隠れながら、2人の正面の机の下にもぐりこんだ。ここなら、彼らがなにをしているのか  
はっきり分かるし、かえって隠れやすい。机の下は、麻衣子が考えていたよりも2人からの距離が  
近く、生々しい祥子達のやり取りや体の動きが、見なくてもダイレクトに伝わってきそうなほどだ。  
 「見つかったらどうしよう」と思いながらも、これから覗き見ようとしているモノへの興味の  
強さに、息が上がりそうになるのを必死で抑えながら、麻衣子は机の下から2人を見上げた。  
 麻衣子のほんの目の前に、祥子の膝がゆれていた。  
 
祥子はイヤイヤをするように、頭を先生に何度も擦り付けていた。顔を真っ赤にして、苦しそうに眉をしかめているが、それとは正反対なことを  
感じている、とすでに麻衣子には分かっている。体にぴったりしたTシャツの下には先生の腕がもぐりこんでいて、ぐにゃぐにゃと好きなように祥子の胸を  
揉みたてている様子が、はっきり布に浮き上がっている。そして…祥子のデニムの短いスカートはたくし上げられ、先生の両足をまたぐ形に  
なっている股の間には、先生のズボンのジッパーから生えている、黒々とした棒が差し込まれていた。見たことの無い光景に息をするのも  
忘れた麻衣子の眼前で、先生の膝ががくがくと揺れた。すると目の前の棒が祥子に突き込まれ、あんん、と彼女が悩ましく唸った。  
「祥子はホントは、おっぱいいじられるのが大好きなんだよ。もう俺のちんちん、祥子のアへ汁でべとべとだよ?」  
「ち、ちがうもん、ちがうもん!」  
「ほんと? どれどれ」  
 
 ぬっと手が祥子の股に伸びてきた大きな手が麻衣子の視界をいっぱいにするような位置だった。  
 喉の奥で声を止め、辛くも麻衣子は身をそらし、突然の危機をすり抜けた。  
 先生の手が、祥子の股に入り込んだ。そして、棒が差し込まれてる穴の、少し上の方に指を当てグリグリと押し付ける。  
「あ、せんせい!」  
「ほら、やっぱりべちょべちょになってるよ、俺のちんちん」  
「あっあっあっ…! きちゃううう!」  
「おっぱいいじられると、こんなになっちゃうんだなあ、祥子は。作文のネタが  
また増えたな」  
 祥子は答えを返さなかった。汗にぬれた顔にほつれ毛をからませ、声にならないあえぎに  
口をパクパクさせながら、(麻衣子にはわからない)何かに身をゆだねているようだった。  
 そんな祥子ちゃんに先生は顔を寄せると、後ろから祥子ちゃんの耳の裏や首筋を吸いつつ  
作文の内容を示唆する。  
「ちゃんと書けよ? 祥子は、おっぱいいじられるのが大好きな、エッチな小学生です、て」  
「う、あ、ああ…しょ、しょうこはあ」  
「うん?」  
「しょうこは、おっぱいいじられながら、あ、クリちゃんいじめられるのが、だいすきな、  
スケベな小学生です、うくっ、ひぐうう」  
 俺、そこまでいってねーじゃん、と先生はへらへら笑った。  
「おっぱいいじられると、どんな感じ?」  
 Tシャツの向こうで指が巧みに、ぷっくり膨らむ乳首を摘み、ねじり、転がしている。  
 祥子はその度、顎を震わせ、太ももを擦り合わせた。もじもじと身をよじり、自分の中を  
かき回す棒の感触を、貪欲に味わっているようだった。  
 
「おっぱいいじられると、気持ちよさが、んん、お腹の奥にジンジンきて、はああ、そ、そこを先生の、  
ちんちんにつつかれると…」  
 先生は、そんな祥子ちゃんの行為をじっくり楽しんでいたようだったが、彼女の告白が始まると、にんまり  
しながらその軽い身体を抱きかかえた。胸を這い回る手の動きは止まらない。祥子ちゃんの体がゆさゆさと、  
上下左右にゆすぶられると、とぷんとぷんと突き上げられる部分から粘っこい音が響き、少女の口から悲鳴ともつかない  
声がもれ出ていた。  
「つっつかれると? うわ、すげ…絡みついてくるっ。 ほら、気持ちいいトコえぐっちゃうぞお?」  
 先生の眉も、きゅっと締められる。そして今度は祥子ちゃんのお尻を自分の腰に擦り付けるようにぐりぐりと、抑えつけた。  
 くおおおっ! と祥子ちゃんが先生の上でのけぞった。  
「あ、ああ、祥子、祥子、もうだめなの! せんせえ、突いて、気持ちよくしてえ!」  
 気持ちいいの? 祥子ちゃん? 麻衣子は胸が破裂しそうだった。今まで見たこともないことに、友達と先生が夢中になって  
溺れ込んでいる…。胸を触られて、股をいじられて、挙句に先生の…。今、2人がしていることは、6年になってから習った「SEX」  
じゃないだろうか? 大人になり、自分に責任を持てるようになってからできるようになる、とその時に教わった。  
しかし、そこでは、「SEX」自体が具体的にどんなことをして、どんな気持ちになるのかは教えてくれなかった。皆でまわし読んでいた  
過激な少女マンガで想像を膨らませるのには限度もあったし、なにより、好きな人と、ベッドの上で…と勝手に思い込んでいた想像の行為が、  
こんな場所で、しかも同じ年の子が担任の先生とやりながら「気持ちいい」と言いつつ先生の膝の上を飛び跳ねてるなんて…。  
 頭が割れるように、ガンガン鳴っている。体は強張っているが、芯の部分はくにゃくにゃになっているような、ヘンな感じがする。  
指一本でも動かせば見つかってしまうのでは…、と、麻衣子は先ほどの大胆な行動を起こした自分がうそのように、おびえにも似た  
緊張感に襲われていた。それは、知っていたはずの2人が、恐ろしいほど変貌してしまった今の光景に、理性が付いていかないから  
かもしれない。  
 冬の日に、指編みを教えてくれた少女は、どこへ行ってしまったのだろう。  
 体育の時間、クラスの女子から声をかけられ、照れ笑いをしていた先生は誰だったのだろう。  
 しかし、そんな喪失感に長く浸る暇はなかった。  
「ちゃんと後で作文にかくんだぞ?」  
 先生の声に、麻衣子が目を向ける。先生が祥子ちゃんの両足をひょいと抱え、まるでおしっこをさせるような姿にすると、椅子の上から  
腰を浮かせて、がくがくと祥子ちゃんを揺すった。じゅぷじゅぷ、と祥子ちゃんの股から激しい水音が聞こえ、彼女の顎がぐいっと上がった。  
その口からは声にならない嬌声が上がり、たまに聞こえても「こすれちゃう」、「硬いよお!」と、麻衣子には理解できない言葉だった。  
 先生は小さな祥子ちゃんの体を、ひょいひょいと弄んでいるようだった。おしっこスタイルで祥子ちゃんを揺すっていたが、今度は机に  
突っ伏させて、つながったまま、腰をぐっと上げさせた。そして机ごとがたがたと祥子ちゃんに突きこんだ。  
 麻衣子からは見えないが、祥子ちゃんの「深いよお! ああ、せんせい、すごいい!」と甘えた悲鳴が部屋に響き渡ったのと、先生の  
「くうう、吸い付く…出ちゃうって!」と独り言のような声を聞いた。  
 
 最後は、椅子に座っての対面座位だった。さっきの大きな動きで机から少し離れ、横向きになった椅子で、  
祥子の白い尻が先生の腰に跨り、どし、どし、と重く揺すられる。そして、その敏感な胸を、今度は舌と口で  
いじくられていた。  
「あ、先生、ひああっ」  
「祥子のおっぱい、今日もおいしい」  
 ちゅぱちゅぱ、とわざと嫌らしい音を立て、先生はひりつくような生徒の胸に、容赦ないバツを与える。  
「ハリがあって、まんまるで、こんなにエッチにしこってて」  
 そんなことを言いながら、舌がねろねろと小さな蕾に絡みつき、嘗めあげられ、吸い付かれ、白い歯で甘噛みされる。  
「ひ、ひいい、あ、きちゃう!」先生の頭を抱えながら、祥子があらぬことを口走っている。  
 そして、とうとう先生は、あんぐりと喰らい付いた。  
「んぐううっ!!」祥子の声が喉の奥で破裂する。   
 白い乳房から、先生の涎が幾筋も流れ豊満な曲線を描いていく。  
 先生の口がまぐまぐ動き、揺すり上げられると祥子の小さな尻がぶるぶると震え、彼女は何度も、ビクビク、と背中を  
のけぞらせた。  
「せんせえ…奥にごつんごつん、あたってるっ」  
「覚えちゃったなあ、祥子お。もうコレ大好きだろ?」  
「そうです…祥子は、コレが大好きなの! いっぱいいっぱい、して欲しいのっ。してください。くひいい、  
ああ、せんせええええええ」  
「いいぞお祥子、先生も…うう、イク、出すぞ!」  
「おちんちん、ぴくぴくしてる! きもちいいっ、せんせえ、うああ!」  
「出るぞ! うお、すげえ、イク!」  
 その時、先生が祥子の体をくるっと回し、麻衣子の前に先生と祥子のつながった部分がさらけ出された。  
 
 
 2人の獣の唸りのような声が部屋に響き、祥子のお尻の下になった先生の玉タマが  
きゅうっと上がった。その次の瞬間、大量の粘液がプシュ、と音を立てて噴き出した。  
 麻衣子の隠れている机の下まで飛び散ってきたそれは、生臭いような青臭いような  
不思議な臭いでアメーバのような白い液体が、さらさらの透明な液体に混ざりこんでいる。  
 これが人間の体から出てきたとは、麻衣子は自分の目で見ても信じられなかった。  
 せんせい…あついい…、先生の膝の上で、祥子がうっとりとつぶやいている。先生も、  
腰が今だに動いているのだから、そうとう強い刺激だったのだろう。  
「先生の、まだ固いよ。エッチ」  
 すっかり「女」の声をして、祥子ちゃんがゆっくり先生から離れた。エッチなのがいい  
んだよ、と先生がティッシュでジッパー付近をぬぐっている。  
 終わった? 終わったのだろうか?  
 麻衣子の頭は、まるで雲の中にいるように、ぼおっとしていた。  
 これでやっと家に帰れる…。2人がここを出て行ったら、急いで家に帰ろう…。麻衣子の  
理性が、まっとうなことを囁いている。2人の秘密を確かめることができた。当初の目的は果たされた。  
後は明日、2人に確認すれば話しは終わりだ。その後のことはそれから考えればいい。   
 しかし麻衣子の心に、もう一つの心が浮き上がっていた。  
 それは、知っていた少女をここまで変貌させる〜あれほど嫌がっていた男子のからかいにも、貪欲に悦びを求めるほど〜、  
そこまで人を変える未知の刺激への想像と期待だった。。  
目の前で痴態を繰り広げられ、身近な人がよがる姿を延々と見ていれば、自分もその刺激を受けているような  
気持ちになる。しかし、実際にされているわけではないから、期待だけが膨らんで、身体のあちこちに感じたことの  
ない「むずがゆさ」を走らせる。  
 自分で触っても、気持ちいいの? 今見たみたいに、誰かにやってもらったほうがいいの?  
 学校で習ったように、大人じゃなければ、体験できないの…?  
   
 その時  
「祥子、作文書けそうか?」  
「はい、先生。…でも、どうやって書こうかな?」  
「ああ、それは大丈夫だろ。だって」  
 にやり、と先生が笑った。祥子も笑って、机に振り返った。  
「手伝ってくれる、友達もいるしな」  
 麻衣子の体が、ギクリと凍った。  
 2人はにやにや笑って、机の下を覗き込む。  
「まいこー。まさかお前、見つかってないって思ってたの? かわいいなあ!」  
「もちょっと早く来るかと思ってたんだけどなあ。だってアタシ、まいちゃんだけが  
分かったと思ったモン。祥子と先生が…エッチしてること!」  
 麻衣子は、机の下で真っ青になっていた。全て、バレていたことだった。麻衣子が祥子の  
変化に気づいたことも、それを2人の様子で疑いだしたことも、そして、いつか麻衣子が2人  
を覗きにくることも…。  
 これでは、麻衣子はまんまと2人に誘い込まれてしまっただけの話しだ。  
 ショックを受けている麻衣子の様子を、まるで見ているかのように  
くっくっと先生が楽しげに声を上げた。  
「麻衣子、お前友達だろ? ちゃんと宿題手伝ってやれよ。これからやり方、教えてやるから」  
「アタシ、まいちゃんとずっと、宿題したいと思ってたんだあ」祥子が目元を染めて笑う。  
 その言葉が、麻衣子の心を引きずり込ませる。その目は潤み、頬が上気する。足はもじもじとしはじめ、  
はく息に熱がこもる。自分の身体が小さく震えているのは、これからの怯えよりもこれからの期待が強いからだ。  
「麻衣子。ほれ、先生の膝に乗るか?」  
 まだギンギンに立った、ぬらぬらと光る棒をジッパーに生やしたまま、先生が膝を叩いた。祥子ちゃんを  
気持ちよくしていた、黒い棒が自分を誘う。熱っぽい頬のまま、祥子が机の下に手を差し伸べてきた。  
「おいでよ。まいちゃん」  
 祥子が机の下に手を差し伸べた。  
 その手に、ほてった小さな手が乗せられた。  
 祥子がにんまりと笑って、机の下に囁いた。  
 
「これからは、3人で宿題をしようね」  
 

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