陽射しが心地よい。車での長旅で疲れきっていた賢介は、  
都心から少しばかり離れた土地に降り立って、大きく伸びをした。  
 
今日は父母と共に、年度末の挨拶も兼ねて親戚の家に泊まりがけで来ている。  
去年高校生にもなった自分は、こういった親戚の集まりみたいなものには  
多少面倒臭いと思う部分もあり、ここに来るのも約一年ぶりだった。  
流石に偶には挨拶に行きなさいと親から説得を受け、あまり乗り気ではないが訪れたわけだ。  
 
親戚の家の玄関が開き、親同士が挨拶をする。  
ここの家は、現在叔父夫婦と娘、更に叔父の両親が住んでおり、  
元々祖父母が住んでいた家を一部改築したもので、  
所々が古めかしいながらも生活には困らない程度となっている。  
 
別に久方ぶりの挨拶とはいえ、それほど堅苦しくもない。  
そういう所はありがたいと思った。  
親に促され、頭を下げる。  
お世辞にも丁寧なものとは言えないと思うが、叔父夫婦は人のよい笑顔で挨拶を返した。  
 
と、その時ドタドタと奥から足音が聞こえてきた。  
この場に居ない祖父と祖母がこんな元気に登場してくる訳が無い。ならば…  
 
「あっ、兄ちゃん」  
現れたのは従兄妹の加奈だった。  
確か以前会った時は四年生だったから、もう五年生か。  
 
「よう」  
「よう、ってそれだけ?もっと言うことあるんじゃないの?」  
加奈は快活な女の子だ。  
ちょっと生意気な所もあるが、身内の贔屓目を抜きにしても可愛い方だと思う。  
お互いが一人っ子ということもあり、どちらかが家を訪れた時には、  
親達が茶でも啜って談笑している間によく一緒に遊んだものだった。  
 
改めて従兄妹に対する挨拶を済ませると、加奈もにっこり笑って挨拶を返してきた。  
季節の変わり目、そろそろ春の陽気も出てきた為か、あまり厚着という訳でもなさそうだった。  
白と黄色のシンプルなTシャツと、青いスカートを身に着けている。  
 
(ん・・・?)  
そこまで観察して、ふと視線が止まった。何か、違和感のようなものを感じる。  
小学五年生の加奈にしては、どうも不釣合いな・・・胸元に不自然な盛り上がりがあるように見える。  
それも、第二次性徴始めの膨らみかけの胸というよりは、どう見ても成人女性並、いやそれ以上の…  
 
うっかり従兄妹の胸を見つめてしまっていた。  
既に親達の挨拶は済んだらしく、  
所謂「中でお茶でも飲みながらどうぞ」状態に移行するようだ。  
叔母さんに促され、親に続き玄関に上がりこむ。  
親達は何事か話し込み、居間の方へと入っていった。  
 
残された俺に加奈が寄ってくる。思わず胸元に視線が行ってしまう。  
こうして近くで見ると、むしろ初見で気付けなかったことが不思議なくらいの、  
ハンドボールでも詰め込んだかのような彼女の胸のふくらみに、思わず圧倒されてしまう。  
 
「兄ちゃん久しぶりだねー。去年のお正月以来?」  
「あー、まぁそうなるな」  
なんだか胸が気になってしまい、逆に素っ気無い態度で話してしまう。  
そんなこちらの都合は露と知らず、加奈はお構いなしといった感じで話しかけてくる。  
屈託の無い、愛らしい笑顔。しかし顔を見ようとしてもどうしても胸が視界に入ってしまう。  
何だか一方的に気まずい感じだ。  
 
荷物を部屋に置き、夕食までの時間を加奈の部屋で過ごした。  
お互いの学校生活について話したり、一緒にゲームしたり。  
約一年越しの再開だったが、別に気まずいことも無く、ごくごく自然に接することができた。  
だが、どうしてもちらちらと胸元に視線をやってしまう。  
全体的な身長や体格は去年とさほど変わった印象はもたないのに、  
まるで胸だけを風船の如く膨らましたかの様だった。  
一体この一年で何があったというのか。確変があったとしか思えない。  
それともこれは実は家族ぐるみのイタズラで、加奈の胸は詰め物だとか…  
 
「でね、そしたら……って聞いてる?」  
畳に寝っ転がりながら、加奈が喋った。  
「ん、ああ…。」  
また心ここにあらずな状態になってたらしい。  
 
どうしたんだ俺。従兄妹のおっぱいが膨らんだぐらいでこんなに動揺するなんて…  
最近の子供は発育がいいから、加奈ぐらいの年の女の子だったら  
胸が膨らんでいたとしてもおかしくないじゃないか。  
 
「兄ちゃんなんか変。なんか前会った時より更にボーっとしてない?」  
「そんなことねーよ」  
加奈が上半身を起こしてこちらににじり寄る。  
丁度胸を両腕で挟む形となり、その隆起がはっきりと強調される。  
…いや、これは発育がいいってレベルじゃないだろ。  
 
「もしかして荒んだ高校生活で心が廃れちゃったのかな?」  
それを言うなら廃れたじゃなくてスレたじゃないのか…。  
そう心の中で突っ込みつつ、至近距離で胸元を凝視する訳にはいかず、体ごと視線を反らしてしまう。  
しかし加奈は自分が素っ気無く扱われることに不満を抱いたらしい。  
しばらく黙った後、加奈は背中を向ける賢介に唐突に抱きついた。  
 
「えいっ」  
「おわっ!」  
不意に背中にふにゃんとした柔らかいものを感じ、思わず背筋が硬直してしまった。  
この感触…間違いなく…『本物』…っ!  
 
「ほら兄ちゃん、こちょこちょ〜」  
体をくっつけたまま、加奈の両手が賢介の体をくすぐる。  
背中に感じる乳房の感触に頭が一杯になっていた賢介だが、これには反応せざるを得ない。  
 
「ちょ、おま、やめい!」  
「兄ちゃんくすぐられるの苦手でしょ、ほれほれ〜」  
益々調子付いた加奈は、更に強く体をくすぐろうとしてくる。  
当然背中に感じる胸の感触も大きくなり、興奮も増す。  
しかし幸か不幸か、くすぐったさにより多少煩悩も薄れていた。  
 
「こらっ、加奈っ」  
なんてことはない、年下の従兄妹とじゃれ合うノリで加奈の手を引きはがす。  
加奈も面白がってまた腕を伸ばしてくる。しばらく小規模な攻防が続いた。  
 
加奈は本当に楽しそうだった。  
それで賢介は、これまで自分が胸を意識しすぎていたので普通に接していたつもりが、  
実際はあまり自然に接せられてなかったのだろうと思った。  
だから無心にじゃれ合うこの状況は加奈にとって昔と同じで楽しい時間なのだろう。  
 
しかし賢介の方はそうでは無かった。  
一歩的にくすぐられていた先程とは違い、今はせいぜいお互いが腕を掴んだりする程度だ。  
正面きってお互いに体を触りあっているこの状況に、性的興味をそそられない訳が無かった。  
また、正面を向き合ってるということは、従兄妹の不釣合いに膨らんだ乳房を間近で見るということだった。  
手を伸ばすと意識しなくとも加奈の柔らかいものに触れてしまう。それ程存在感のある胸なのだ。  
 
思い切り、触りたい。  
再び煩悩が湧き上がってきた。大丈夫だ…この状況なら…  
小学生である従兄妹に対する卑しい感情にどこか引け目を感じながらも、  
目の前に在る余りにも大きなものの魅力に次第に思考も薄れていった。  
賢介は加奈が伸ばしてきた左腕を掴み、グイとこちらに強く引き寄せた。  
 
「兄ちゃん?」  
右手で加奈の腕を掴んだまま、左手を彼女の背中に回すようにする。  
体を入れ替えるようにして、加奈の背後に回り、両腕を脇の下に突っ込んだ。  
指の腹に、乳房の柔らかい感触が滑るように伝わる。  
そのまま脇の下をくすぐるように指先を動かす。  
横乳の感触が、親指以外に伝わってきた。  
 
「やっ、ちょっ、兄ちゃんそれやばいって!」  
加奈が声を出して笑う。脇をくすぐられてるとしか認識してない反応だ。  
身をすくめながら軽く抵抗する加奈だが、お構いなしに両手を動かした。  
くすぐる動きを見せつつも、親指だけは脇に残しながら、徐々にそれ以外の指を胸の方へ伸ばしていく。  
 
そしてとうとう伸ばした八本の指が加奈の胸を包みこむ位置になった。  
軽く、撫でる様な指の動き。それだけでも乳房に指が埋まっていく。  
今度は思い切ってぎゅっと握り締めてみる。  
両手に形容しがたい弾力が伝わってきた。柔らかい。これは…多分、ノーブラなのだろう。  
感触を確かめるように加奈のおっぱいを揉みこんでいく。  
ただし親指だけは脇をくすぐるようにした。  
なんとも格好の悪い話だが、最低限の取り繕いだった。  
加奈は依然としてくすぐったがっている。胸のことは余り意識していないのだろうか。  
これだけ大きな胸をしているのであれば、親や友人にそのことを言及されたりしてもおかしく無さそうだが。  
 
しばらく胸を揉むこととくすぐりを平行して続けた。  
というか実際はくすぐりより揉むことがメインになってしまっていたが。  
 
「だめだってば、もう!」  
加奈の体が前のめりになり、土下座するような体勢となった。  
座ったまま賢介の手から逃れようとしたため、上半身だけ前にいく形だ。  
 
賢介も両手を突っ込んだままなので、必然的に彼も同じような体勢をとる。  
加奈の体に、上から覆いかぶさるような恰好だ。  
 
放そうと思えば手を放せたのだが、無意識に胸を掴んだままだった。  
たぷんとした胸の重量が両手に伝わる。  
 
突き出されたお尻に、既に怒張しきっていた賢介の股間が触れた。  
スカート越しに、胸とは反比例してやや小ぶりな加奈のお尻の感触が伝わる。  
賢介は自分の呼吸が荒くなってしまうのを抑えながら、更に体を密着させるようにし、執拗に胸を触り続けた。  
人差し指から小指までを順々に折り曲げては離し、乳房に埋め込んでいく。  
胸を下から持ち上げるようにし、親指を脇に引っ掛けたまま円を描くように両手を動かす。  
傍から見れば、胸を掴んだままバックで突いているように見えてもおかしくない恰好だった。  
 
「ね、ねぇ兄ちゃん、ホント、もう、勘弁してよぉ」  
加奈が懇願する。すっかり観念した様子だ。  
笑い疲れたのか、くすぐり(?)に慣れてしまったのか、なんだか元気が無い。  
されるがままの状態だ。  
実際、これ以上続けるのは不自然、というか間が持たない様に思えた。  
なので賢介本人も、そろそろ終わりにすべき、と考えた。  
しかし、加奈の尻に押し付けたままの股間のそれは、今にも暴発してしまいそうである。  
ここまで来たならせめて一発ぐらい抜かなければ収まりがつかない気もする。  
 
賢介はうなだれる加奈の背中を見つめながら、  
彼女のTシャツが少しめくれて素肌が僅かに見えるのを確認した。  
そこで最後に一つ、やらかしてやろうと思った。  
 
「ねぇってば〜」  
へたり込んだ体勢のまま、こちらは見ずに加奈が言った。  
 
「ああ、はいはい…」  
そう言い、脇から手を抜く。密着させっぱなしだった腰も少しだけ離す。  
加奈に気付かれないよう、スカートの裾を指先でつまみ、少しだけ持ち上げ、己の下半身をその下に被せた。  
いっそ自分のズボンのチャックも降ろそうと思ったが、  
万一精液が従兄妹の服にでもかかってしまったら後始末に色々困ることになると思ったので止めた。  
これは、少し意地悪かな。などと思考しつつも、自身の欲望に逆らうことはできない。  
 
「…分かりましたよっ、と!」  
そう言うと同時に、下半身を勢いよく加奈の尻にぶつけた。  
股間のブツが、スカートの中、パンツ一枚に包まれた彼女のお尻に埋まる。  
 
「え?ちょ……」  
加奈の言葉を無視し、間髪入れずに両手を彼女のシャツの裾から中に入れた。  
滑らせるように両手を、腹、背中、脇へと動かしていく。  
その肌はすべすべで、キメが細かくて、とても気持ちが良い。  
そして両手を彼女の乳房に持っていく。  
手のひらを思い切り広げ、胸全体を包み込むようにし、五指全てを使って思い切り握りしめた。  
 
「ひゃああっ!」  
「──!!」  
生で掴んだ加奈のおっぱいは、とても柔らかく、両手からはみ出す程である。  
中指から乳輪の感触を得たが、乳首らしき突起物は無い。陥没乳首なのだろうか。  
加奈は突然のことに驚き、瞬間的に体を起こそうとした。  
結果として彼女の尻が賢介の股間を擦り付けることになり、彼は射精の限界を迎えた。  
賢介は加奈の胸を鷲掴みにしたまま、しがみつくように彼女の体に抱き付いた。  
ビクビクと、賢介自身から精が放出される。  
普段の自慰行為とは比べ物にならないほどの快感に、思わず我を忘れかけた。  
そのまま完全に出しきるまで、しばらく抱きついたままで居た。  
 
ようやく収まった所で、賢介は掴みっぱなしだった彼女のおっぱいから手を放した。  
ゆっくりと、剥がれるように加奈の体から離れる。  
加奈は中途半端に硬直した体勢のまま動かない。  
正直これはやりすぎだったかと微妙に思い始める。  
自分がしたことは歴とした『性的悪戯』だ。  
もし加奈が自分が何をされたのか、こちらがナニをしたのか理解していて、親達に報告されたらジ・エンドだ。  
家族会議どころか親族会議で満場一致で勘当採決、社会的抹殺は免れないだろう。  
 
「加奈…?」  
背中に向けて声をかける。従兄妹の返事は無い。  
が、徐に彼女は立ち上がると、乱れた衣服を整えながら俯き気味にこちらを向いた。  
 
「……」  
「えーと…ごめん」  
「……」  
「…その、大丈夫?」  
その質問は何より自分自身に向けられるべきだという突っ込みはさておき。  
 
「……」  
「ん?何だって?」  
俯いたまま、何かを呟いたように見えた加奈に近づいて顔を寄せる。  
加奈は俯いていた顔を上げる。一瞬間をおいて、  
 
「兄ちゃんの馬鹿っ!」  
とだけ言うと、小走りに部屋から出て行った。  
心なしか、その顔はどこか紅潮してるようにも見えた…がそれはこちらの気のせいだろうか。  
 
「あー…」  
やってしまった、ああやってしまったと脳内で思考する。  
しかし謝りに行くにせよ口止めをするにせよ自首するにせよ、  
とりあえずパンツの中に出したものの処理をしなければと思い、トイレに向かった。  
 
 

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