翌日の放課後……俺は図書室で、沢村を待ち続けた。
ここが始まりの場所だったからな……
ここで決めるのが妥当だろう。
しかし、遅いな……来いって、言ったんだが。
俺は、待ち続けた…………
「………くん……か…や……ん…かじやまくん」
誰かが呼んでいる、誰だ…俺を呼ぶのは?
「梶山君!!」
「ふえ……」
突然、大声で呼ばれたので、
反射的にそっちに顔を向ける。
沢村が驚いた顔をして、立っている。
なんか頭がボ〜っとする。
今度は、申し訳なさそうな表情を、浮かべ。
「ごめんなさい、まさか、寝てしまってるなんて思わなかったんで……ごめんなさい」
「あ〜……」
いつの間にか寝てたみたいだ……
昨晩は、徹夜したからな……
何故、徹夜したか……
何を決めるか……
それは、これから明らかになるだろう。
俺はイスから立ち上がり、頭を掻いた。
「いや〜、ごめんごめん、寝ちゃってたね」
「いえ、遅くなって、ごめんなさい」
鞄の所までやってきて、大きく伸びをする。
「あの……今日は?………」
「うん………今日はね……」
鞄から、デジカメと写真を取り出す。
「それって………」
「そう、今までの君の、恥ずかしい姿を収めた全てだよ」
それを机の上に置く。
「欲しい?」
「…………」
俺の、問いには答えず、机の上を凝視している。
「あげるよ、それで全部だ、ホントだよ、
ここで削除するなり、家で壊すなり、好きにしなよ」
「え……ど、どうして急に………」
驚いた顔で俺を見る。
そりゃそうだな……
「心境の変化、て奴かな、いつまでも君を縛り付けておくわけには、
いかない、だろう?」
別に、飽たからとか、そういうわけではない、
言ってることが全て嘘、という訳でもない。
少しは本気で、そう思ってる。
ほんの少し………
只、このままの状態が続くなら、心も体も、両方手に入れたい。
そう思ったのだ。
「あとね、もう一つ、これ……」
鞄から黒い首輪を取り出し、デジカメの横に置く。
「?………それは?」
沢村が聞いてくる。
一見、普通の、犬の首輪に見えるが、少し違う、俺の手で作った
世界に一つだけの、自信作。
手先が器用だから、この手の工作は得意。
これが徹夜の理由……
「これは、まあ、俺に身も心も捧げる、つまり、
奴隷になる、その証みたいなものだよ」
両手を組んで、少し後ろに下がる。
「どちらかを選んで、デジカメか、首輪か……」
「証……どちらか………」
「そうどっちか、デジカメを選べば、
俺はもう二度と君に近づかない、約束しよう、忘れるよ……
散々犯りまくっといてなんだけど……」
沢村は、首輪を見ている。
「首輪を選べば、今までと同じ、いや、それ以上のことをする、
君が、望むと望まざるとに関わらずね、
簡単でしょ、自由か、束縛か……」
交互に、デジカメと、首輪を見ている。
……なにを迷う?
自由か束縛、天秤にかけるまでもないだろ?
誰でも自由を選ぶ……
只、彼女なら、もしかしたら、束縛を選ぶかもしれない……
確証があるわけではない……"ひょっとしたら"程度。
賭みたいなもんだ。
「さあ……選んで……」
「わたしは………わたしは……」
なにやら、譫言のように、繰り返している。
少し緊張するな。
どっちだろう、
デジカメを選んだら、それまで、だな………
だが、もし、首輪を選んだら………
しばらく、交互に見た後、顔を上げ、俺を見た。
目が潤んでいる……様な気がする、気のせいか?
意を決したように、前へ出て、手を伸ばした。
……デジカメを手に取った。
やっぱりな……近くのイスに腰掛けた。
当然の結果、か……
さて明日からどうするかな……
何故か、首輪も手に取り、俺の方へ近づいてくる。
へ?……なんだ?ビンタか?
思わず立ち上がり、近づいてくる、沢村を見る。
俺の目の前まで来ると、机の上にデジカメを置いて、膝を着いた。
「………しますから……」
「え?」
「なんでもしますから……奴隷にも、何にでもなりますから、だから………」
すがりつく様な目で俺を見上げる。
こいつは……ひょっとしたら………
「捨てないで、お願い……なんでも、しますから………あむ」
とか、言いながら、ズボンから息子を取り出して、口にくわえた。
俺は、高笑いしそうになるのを堪えた。
くっくっくっ……最高だ。
「捨てないで」と、きたか…
心配しなくても、捨てる気なんて、さらさら無い。
そんな、勿体無いことするものか。
「どうするか……分かるよね?」
「ん……はあ、はい……」
顔を上げ、微笑みながら、首輪を着けた。
「よく似合ってるよ……」
「ありかとうございます」
「いいんだね?」
「はい…もっと、もっと、私を汚してください……
私が、望んだことですから……ご主人様……」
ご主人様?……いい、いい響きだ。
「身も心も俺に捧げるね?」
「はい、ご主人様」
「じゃあ、続けて」
まさか、ご主人様とくるとは、思わなかったな。
再び口で息子を愛撫し始めた。
「ん、ふ……うぅん、んぐ」
唾液を纏わせながら、下を絡ませ、吸い上げる。
暖かく、湿った、感触が、股間から全身に広がる。
沢村……いや、和美の、頭を撫でながら、その感触を楽しむ。
勝った……俺は、賭に勝ったのだ。
最高の気分だ、叫びたくなる。
高揚感と、性感が、全身を包む。
これからたっぷりと楽しんでやろう。
……だが、やはり、1人だけだと、物足りんな。
明日から次の獲物を探すか……
どんな娘にしようかな。
そんなことを考えながら、和美の口の中に、精を放出した。
俺の中の黒い欲望が、大きくなり始めた。