ハルカです。
学校の宿題もやり終え、歯磨きもして今夜は寝るだけ。
ところがそれが、普通ではない。
前に話したとおり、クラスメイトの女の子が2人か3人、ボクの所にやってくる。
一緒に寝るためだ。
寝る、といってもいかがわしいことをするためじゃない。
いや、本当に。……実を言えば微妙だけど。
今日、一緒に寝るのは橘先輩、クラスメイトの薫ちゃん、後輩の麗ちゃん、それにボク。
みんな寮の顔見知りで、しかも同じ部活に所属していたりする。
ということで3人とも、ボクの仲良しさんです。
まず、橘先輩。
キリリとした外見で、目つきが鋭い。ボクの独断でたとえると美麗の女剣士みたいな感じ。
肩よりも長く伸ばした髪を頭の高いところで束ねたその姿は、男女どちらから見てもかっこいい。
背もボクより高くて、いつものスキンシップで先輩に抱きしめられるとちょうど
胸のあたりに顔をうずめることになる。
普段はさらしで巻いている目立たないけれど、その2つのふくらみは天音ちゃんくらい大きい。
美少女ランキングでの順位は常に上位。怖い、という印象さえなくなればトップ3に入ってもおかしくない人だ。
橘先輩は空手部に所属していた。
手芸部はかけもちで、自意識過剰でないならばボクと雑談するためだけに所属しているらしい。本人にそう言われた。
実際、視線を他の男子に向ける時と、ボクに向ける時とでは眼光の鋭さが違うのだ。
何より、むかし告白されたし……。
次に薫ちゃん。
これは前に説明した。クラスの美少女ランキング常に3位以内の眼鏡っ子で、手
芸部の副部長さん。
最後に麗ちゃん。
子猫、という表現がぴったりの可愛い後輩。
無邪気で身体がちっちゃくて、中学生でも通りそうなほどにあどけない。
髪の毛の長さは首筋までと短く、ペルシャ猫のようにクセがあってちょっとカールしている。
瞳はぱっちりと大きくて、見つめられるとなんだか頭を撫でてやりたくなる。
麗ちゃんは学園美女ランキングと同時開催される、学園美少女ランキングでは必ず3位以内にあげられている。
ちなみに1位はボクでした。2位とトリプルスコアってどういうことさ、こんちくしょう。
まー男だからという理由で除外されたけど。
ともあれ。
この子も手芸部の一員で、すなわちボクに告白した女の子の1人でもある。
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はい。
というわけで、就寝ですが。
瀬羅先輩の手回しによってボクのベッドは大きなベッドに差し替えられたので、
寝場所のスペース的には問題はない。部屋のほうも本当は2人部屋。
ボクは家具をあまり置かないので大きなベッドでも簡単に入った。
おっとりとした感じなのに、時々凄まじい行動力を発揮する先輩。
寮長と学園の事務に話をつけ、ついでにボクも先輩の提案にいつの間にか肯いていた。
外交官として働いたらさぞや活躍することだろう。
問題があるとすれば、年頃の男女が同じ部屋に同衾しているということ。
その夜は、みんなはしゃぎつつも大人しく眠ったのだけれど。
夜中、ふと目を覚ましたら。
ボクの周りが、すごいことになっている。
女子をはべらせての雑魚寝。
しかもみんな、ボクの足やら腕やら胴体やらに抱きついていて身動きが取れない。
ボクを中心にしたそれは寝苦しいやらふにふにと柔らかいやら温かいやら。
困った。
下のおにんにんがうぉっきしてしまいそう。
よく女の子に間違われるけれど、ボクはれっきとした男ですから。
「うむむ……」
このままやり過ごすか、それとも非力でよわよわな力を振り絞って逃げられるか
試そうか。
考えあぐねていると、ちょうどボクの胸にかぶさっているボクくらい小さな女の
子が顔をあげた。
「あ、センパイ」
麗ちゃんだ。
子猫みたいにあどけない瞳をボクに向けている。
どうやら寝ぼけているみたいだ。ボクが出てくる夢でも見ているんだろうか。
「せんぱい……」
もふっ。
首筋に手を回され、抱きつかれて胸板にキスをされた。
小ぶりだけど確かにある麗ちゃんの胸が、ボクのおなかのあたりにあたる。
しかももしかして、ノーブラでしょうか?
上半身を触れ合うボクと麗ちゃんのシャツからは、下着の固い感触がない。
寝る前はつけていた、というか付けるようにきつく言ったのに。
見るとベッドの下に、白い下着が転がっていた。
ノーブラ確定ですか、そうですか……。
「あ、あのね。甘えるのはいいんだけど、ちょっとどいてくれないかな?」
ああ、言ってしまった。ボクって何て鬼畜なんだろう。うう、自己嫌悪。
だってこのまま乗られていると、色々な意味で辛いんだもの。
「せんぱい、いい匂い……」
聞こえてないみたい。
ちゅっ、て
あの、ちょっとお待ちになって、おぜうさん。
あなたが口をつけているそこは、ボクの……その、乳首ですよ?
というか何故?
いつの間に、ボクのパジャマのボタンがはだけられているの?
ボクはほとんど完璧におっきしたモノを、極力麗ちゃんに触れないように身じろぎしようとする。
しかしボクの腕は橘先輩に、足は薫ちゃんにほぼ完璧にロックされているわけで。
「せんぱいのにおい……すき……」
すりすり。
すりすりすり。
すりすりすりすり。
ぬこ様のごとく、ボクの薄い胸板に頬をよせる麗ちゃん。
あいかわらずボクの下はおおきくなっているわけで。
当然のことながら、むらむらしはじめている。
はたしてこれは。
寝ぼけているだけか、それともわざとなのか。
困った。
立っている。
立ったソレが、麗ちゃんのおまたの付け根のあたりにちょうど当たってしまう。
そんな凄まじいポジションだった。
「フフッ。うらやましいな」
「ぇ……!?」
声が。橘先輩の鼻で笑う声が。起こしてしまったみたい。まずい。
この状況で先輩まで乱入してきたら。
犯されかねない。
ひ弱なボクと空手で県大会レベルでは常連になっている橘先輩。相手にならない。
でも先輩に力ずくで抱きしめられるのは嫌いじゃない、むしろ好き。
だって温かくて柔らかくて、おっきいし。ボクには優しいし。
いたずらの度が過ぎてボクが本当に困った顔をすると、先輩もしゅんとして、解放してくれる。
その時の顔がすごくツボというか可愛いし。
ツン&デレならぬデレの2段活用というかなんというか。
いや待て、落ち着けボク。
そんなことを考えている間に、股間では事態が悪化している。
「どうした、ハルカ? そうか寝苦しいのか。お姉さんがさすってやろう」
「せんぱい、はるかせんぱぃ」
ボクが答える前に手を伸ばし、微妙なタッチで鎖骨のあたりをくすぐる橘先輩。
寝ぼけているのか起きているのか、無心にボクの胸板に頬をよせ、舌を這わせる
麗ちゃん。
ボクのおっきしたモノは、薄いパジャマの布地越しにしっかりと麗ちゃんの女の子の部分にあたっている。
完全に素股の体勢だ。
あー、もー。
頭がくらくらしてきた。
美麗で凛とした年上の女の人と、ぬこ様のように思わず抱きしめたくなる美少女の取り合わせ。
しかも両方とも、ボクのことが好きなわけで。
その状況で。
自分が発情しているのを、これ以上ないほどに自覚した。
「……んっ」
「……ぁ、ふぅぅ」
先輩が長いまつげが伏せ、目を閉ざす。
身体がぴくりと震えた。
同時に麗ちゃんもまた、ボクの胸に這わす舌の動きをとめ、声を押し殺すように唇を押しつける。
ボクの脚にすがり、眠っている薫ちゃんも身体をすくませ、寝息が一瞬だけどとまっていた。
例の、複数の女の子を感じさせる能力。
ボクの手の動き全てが、傍にいるみんなにとっては快楽へと変換される。
「麗ちゃん、先輩」
先輩の拘束が緩み、自由になった手を動かして麗ちゃんの頭へ。
くせっ毛を梳くように指を絡ませ、優しく撫でる。
「ぁ、っ、んぅ……はふぅ……ぅにゃぁ」
麗ちゃんは心地よさげに鳴き、ボクの身体に自分の身体をこすりつけるように動かす。
つぶらな瞳には、涙が溜まっていた。
驚くボク。けれどその涙は、恐怖とか嫌悪とかとは全く逆の理由だった。
それは欲情と恍惚、幸福感。
「つづ……けて……。せんぱい……すきなの……」
麗ちゃんはかすれた声で懇願し、ボクに親愛の情をしめす。
愛撫を開始して(実際には髪の毛を撫でているだけだけれど)数秒で、何度も小さい絶頂を迎えているのだろう。
布越しに当たっている麗ちゃんの女の子の部分がじっとりと濡れ、蜜を分泌しているのが分かった。
一方ボクのもう片方の手は、先輩のおなかに伸ばしていた。
触れる場所はともかく自分からするなんて、ちょっと前までのボクなら考えられない行為。
橘先輩は驚いたように目をしばたたかせたけれど、すぐににぃと唇を笑う形にし
て、僕の手に自分の手を添えた。
それだけではない。
麗ちゃんの割れ目の下あたりにすっぽりと収まっているボクのモノの先っちょに
手を伸ばして、可愛がるように指の腹でさすっている。
橘先輩の爪先が、心地よくボクのモノに刺激を与える。
攻められっぱなしは性に合わないのだろう。
こんな状況なのに、ボクは感心する。
おへそのあたりを撫でるボクの手によって感じさせられ、頬は赤く、麗ちゃんと
同じように不規則に身体を震えさせる先輩。
視線を下にすると太股を擦り合わせているのがはっきりと分かる。
きっと洪水状態になっているのだろう。
しかしそれでも尚、先輩は表情から余裕のふりを崩さず、ボクのを攻めていた。
しかし、布越しの刺激ではじれったい。
射精したかった。
ボクの手でもだえる美女と美少女の姿を見ていると、興奮する。
だからその興奮を覚ましたいと思うのは、男としてしょうがないことだろう。
ボクだって男ですから。
女の子とよく間違われるけれど。
「なっ、なななな、何しているのよ、3人ともっ、て……あ、やぁ、なに、これ
……ぁ、ぁ、ふぁぁぁっ」
事態に気づき、起きた薫ちゃん。
だけれどもすぐにボクの発情した気に当てられ、例の能力によって肉体は強制的に感じさせられる。
すぐに、困惑と怒りは快楽に塗りつぶされる。
「せんぱい……」
麗ちゃんが、何度も感じさせられた身体を這わすように動かす。
ボクの胸板においていた顔を、目と鼻の先にまで持ってきた。
口づける。
ちゅっ、と唇同士が触れ合う。
ボクは大きめに、指を動かす。
「〜〜〜〜〜っ!!」
「はああっ!」
「あ、ぁあっ」
三者三様の声が、ボクの耳に淫らに響く。
ボクの他に男はいないから、あえぎ声を抑える必要はない。
それでも声をほとんど聞こえない子がいたのは、ボクがその子の唇を塞いでいたから。
くちゅ、ちゅ……ちゅぅ…ちゅ、ちゅるっ、ちゅ…………
がく、がくと激しく身体を震わせながら。
麗ちゃんはボクにすがるようにし、重ねる唇を離そうとしない。
むしろ積極的に、ボクの動きに応じるように自分もまた舌を動かしていた。
ボクは、麗ちゃんの口腔を犯すように貪る。
手の動きは相変わらず、麗ちゃんの髪を撫でたまま。
だからもちろん、相手を感じさせる能力も発動したまま。
ボクの手で何度も奏でられる麗ちゃんの可愛い声を塞ぎ、ボクはキスを続ける。
「唇はとられたか。ならこちらを触るぞ」
先輩の声。
ボクの返事を聞く前に、橘先輩の手がボクのパジャマのズボンにかけられる。
薫ちゃんが先輩の動きをサポートしていた。ボクは特に、抵抗しなかった。
ズボンと一緒に下着も下ろされ、ボクの大きくなったモノが外気に触れた。
「ほぅ……」
「ハルカの……すごい」
先輩が、息をつく。目を丸くして、食い入るようにボクのを見つめる。
眼鏡をつけていない素顔の薫ちゃんは、頬を紅潮させたままつぶやく。
ちょっと恥ずかしい。
けれどボクは、なるたけ平然を装う。
「さわっていいよ。先輩も」
感じすぎて人形のように力の抜けた麗ちゃんから唇を外し、ボク。
2人が、ごくりと喉を鳴らし唾を飲み込んだ。