「…誰だ…こんな企画考えやがった野郎は……」  
学校全体を文化祭の喧騒が包む中、  
教室を改造した喫茶店で働く俺は、ぎりりと音がなる程に奥歯を噛みしめた。  
その時、  
「文句言ってる暇があったら手を貸してよ!!」  
まさに三面六臂、  
正樹が客の対応をてきぱきとこなしながら、手を止めて文句を言っていた俺に怒鳴る。  
……くるりと黒いメイド服のスカートとエプロンを翻ながら……  
その姿はどう見ても、明るい茶色の猫っ毛が特徴的な可愛い女子にしか見えん…  
 
うちのクラスでは、誰が提案したのか、  
男子が女装…それもメイド姿で喫茶の給仕さんをさせられているのだ。  
それも、俺はリーゼントのままメイド服……  
こんな、男にとって屈辱以外の何物でもない悪ノリ提案が通ったのは正樹や成の容姿のせいだろうが、  
二人はその容姿のせいで、完全に客寄せパンダにされ強制的にウェイターに回されて、  
おまけに、本番は本番で人気のある奴はちょっと何かあるとすぐ客に呼ばれ、息をつく間ことも出来ずにてんてこまいになってしまっている。  
 
因みにこういう場合、なんでも屋の成が自然にフォローするんだが、成は客寄せに正樹とどちらかが必ず店内に居るように店番の順番を入れ違いにされている為にあいつは居ない。  
…仕方ない…少しは俺がフォローしてやろう。  
俺はそう思ってエプロンを締め直した。  
 
……が、その時、  
俺は他人の心配などしてられる立場でなくなってしまった……  
 
エプロンを結び直し気合いを入れ直した俺はなに気なく、入り口の方を振り向いた。  
 
その瞬間、俺は固まった……  
「あはははっ!!銀ちゃんっ何それっ!!」  
……ジルだ…  
入り口で俺を指さし、奴はただでさえ目立つでかい胸が、更に強調される屈んだ姿勢で大声を上げて笑っていた。  
「……何故…」  
驚きに舌が廻らない。  
全身の感覚を失ったように先ほどまでうるさい程だった学校祭の喧騒もまるで、遠くの音のように聞こえる。  
俺は奴に一言も学園祭の事は言ってない。  
ひた隠しにし、もちろん入場券も渡してない。  
当然だろう?  
こんな姿、奴にだけは見られちゃならねえ……予想だにしなかったピンチに唖然とする俺に、  
客どもが奴の胸の目を奪われたお蔭で、ようやく息をつく間が出来た正樹が横から声を掛ける。  
「バースさん来たんだね、席に案内してあげたら?」  
 
そうだっ!!  
こうなったら被害を最小限で食い止めねばっ!!  
同棲がばれた場合、良くて停学!!  
それでも、ただでさえ少ない出席日数が削られる!!  
最悪の事態なんて考えたくもないっ!!  
正樹に声をかけられ正気を取り戻した俺は、  
さすがに学校生活まで脅かされてはたまらない、今日こそガツンと言って家に帰らせてやろうと俺は決意し、腹を抱えて笑うジルに向かう。  
近づく俺に気づいたジルは目尻の涙を指で拭うと、チラっと俺を見、そして、その目は俺の決意を読み取ったんだろう。  
その答えをはっきりと語っていた。  
''有ること無いことぶちまけられても良いの?''  
と……  
 
俺は決意を心の中で血の涙と共に噛み殺し、笑顔を作ると、  
「…いらっしゃい」  
と声を振り絞り、心の中でジルに余計な事は言わないようにと土下座を繰り返した。  
 
 
秋の陽射しは午後にもなると、夏の暑さに慣れた体には冷たくさえ感じる。  
……はずだが、その秋の陽射しの中、店番を終えジルと並んで学校祭の騒がしさの中、模擬店を見て歩く俺はまったく寒く感じない。  
……全身に感じる生温かい視線がそんな感覚麻痺させている。  
擦れ違う奴らが全員、俺を振り向き笑いを堪えている。  
……中には堪え切れずに吹き出す者も少なくない……  
そりゃそうだ…今の俺の格好は190cm近い大男がリーゼントにメイド服、しかも学校祭限りの使い捨てなので仮縫い……  
いくら学校祭とはいえ、横に居るジルの目立つ容姿でさえ、霞む程の衝撃だろうよ……  
 
「死にてぇ……」  
赤面し顔を伏せた俺は小さく呟く。  
「なに馬鹿言ってるかなー」  
顔を伏せて少し下がった俺のリーゼントの先をジルがぽすぽすと叩きながら笑う。  
……いや、笑いを堪えている。  
「くそっ…だから着替えたいって言ったんだ」  
「時間もったいないじゃない?」  
店番の時間が終わるとすぐに、俺はクラスからジルにそのままの格好で引きずり出され、そのまま学校祭を廻らさせられている……  
半ば自棄とはいえ、まだ仲間が居たクラスの模擬店と違って孤立無援、  
……泣けてきたぜ……  
 
「次は校舎の中見て廻ろっか?」  
そんな俺の心情をジルは無視し、次々と学校祭の模擬店で賑わう中、校庭を俺を引っ張り回して行く。  
そして、そうやって引っ張られる度に悔しい事に俺は、ジルが楽しそうだから良いんだけどさ…と思ってしまう。  
 
そんな風に考え諦めた俺は、ジルに引っ張られるままに校内の模擬店を回り、  
その中のリサイクルショップで、どう考えても必要のない物を両手に抱える程買わされ、  
日が傾きそろそろ人の数が次第に減って来た頃には、へとへとに疲れ果てていた。  
 
「ん〜良い風っ」  
両手一杯に荷物を抱える俺と対象的に、全く荷物を持ってないジルが自由な両手を上げて冷たくなった風の中で背伸びをする。  
下から遊びながら上がって来た俺は、全部回りきると、さすがに疲れ休憩のために屋上に上がってきた。  
「……そりゃ、よう御座いましたね……」  
俺は屋上に上がってくると、ジルに生返事をしながら荷物を傍らに置くと、壁にもたれ掛かりへたり込んだ。  
屋上には全く人気がない……  
当然だ、平時でも昼休みなどしか解放されていない屋上は校外の人間も来る学校祭の期間中は屋上は閉鎖、  
さっき俺が、授業さぼり用に成が作ってくれたハリガネで鍵を開けるまで屋上へ続く扉は鍵がかかっていた。  
 
「下の人も疎らになってきたね」  
「寒くなってきたからな」  
へたり込んだままの俺はジルとなにげのない会話をかわす。  
「良い学校だね」  
確かに、俺が腫れ物じゃなく珍獣扱いなのは確かにかなりマシだな……  
俺は、少し考え答える。  
「そうだな……」  
そう答えた、俺の唇にいつの間にか目の前に居たジルの唇が少しだけ触れ、  
「そうだよ…銀ちゃん、楽しそうだもの……」  
突然の事に、驚き俺の唇から離れたジルの唇に俺が目を離せず言葉が出ない間にジルが言葉を続ける。  
「……で、アタシは学校に嫉妬してるんだよね〜銀ちゃん?」  
「へ?」  
なんじゃそりゃ……  
「ってわけで、銀ちゃんの好きな学校でしちゃおうっ!!」  
「ちょ…」  
ちょっと待て。  
と言おうとした俺は、それを言う間もなくジルに壁に押さえつけられていた……  
 
ジルは俺を両手で押さえたまま、胸を押し付けてくる。  
経験上、もうこうなったら抵抗しても無駄だ……  
それに……ジルの豊満な胸の柔らかさに刺激された俺の体は、情けない事にもう俺の意志を完全に無視している……  
 
ただ、さすがに  
「解ったから、ちょっと待て」  
 鍵は掛けておかなければ。  
と思い、俺はジルを言葉で制止すると、  
「何?銀ちゃん」  
と不服そうな事こそ言っているが、ジルはやけにあっさりと手に込めた力を緩める。  
「……いや…鍵、閉めようるつもりなんだが……」  
あまりにあっさりと戒めが緩められた事に不審感を感じた俺は、言葉を続けてジルに聞いてみる。  
「やけにあっさりと、力緩めたな?」  
その俺の問いに、ジルは腕を完全に離し、  
「だって、銀ちゃん…」  
その手を俺のスカートの中に潜り込ませ、  
「お…おいっ」  
俺の抗議を無視しながら、  
「もう、こんなになっちゃってるじゃない?」  
と軽く微笑みながら、トランクスの上から俺のモノをさする。  
「くっ…やめ……」  
細い指でもたらされる半端な刺激に、俺は思わ上擦った声を上げるが、  
「だって、こっちは止めて欲しそうじゃないじゃない?」  
とジルは面白がって余計に指を強く、絡めてくる。  
 
「くっ……」  
緩やかな刺激に、欲求不満が募り今直ぐにでもジルを押し倒したくなっているのを俺は理性で必死に押さえ、  
壁に押さえつけられている、気持ち良すぎるジルの体の柔らかさと重さから逃れ、扉に手を伸ばし、  
カチリ  
と鍵を捻る。  
 
「ちぇ…鍵まで手届いたか……」  
鍵が掛かるとジルが心底残念そうに呟く。  
「って、おい!  
 鍵掛けさせたく無かったのかよ!」  
「だって、その方が面白いじゃない」  
……おいおい……  
と思ったが、さすがにもう文句を言っても仕方ないと俺は悟っている……  
俺は大人しく諦めると、服を脱ごうとスカートのホックに手を掛ける。  
……が、  
「いてっ」  
その手が思いっきり、ジルにつねられる。  
「せっかくの服なのに勿体ないじゃない。  
 今日はこのままね」  
……なんとなく、解るような気もするが……  
それは男女、逆の場合じゃないのか?  
 
そんな事を考えている間にもジルはスカートをまくり上げ、トランクスから俺自身を取り出すと、  
すでに先走りが洩れているそれを、自分の唾液で濡らした指で刺激しながら、その先走りを唾液をその全体に延ばすと、  
シャツの前をはだけ、露となった褐色の胸で俺自身を挟み込む。  
 
「うぉ」  
初めて感じる普段の行為とは違う柔らかくさで挟まれる感触に、思わず上擦った声が出る。  
俺自身を挟んだまま、ジルの大きな胸を両手で固定し緩やかに上下に動かし始める。  
そして、彼女が動くと弾性で彼女の胸が俺の形に変形し、  
その度に俺のモノにふにゅぷにゅとした感触と、時折、モノの横をカリといわず竿といわずに刺激するすでに固くなった彼女の乳首が、なんとも言えずに心地が良い。  
 
「銀ちゃん、気持ち良い?」  
「ああ…」  
その感触に酔っていた俺は、口を開けば吐息しか洩れない為にジルの問いかけにも殆ど、夢現に答える。  
「そう…私も感じてきちゃった……  
 銀ちゃんもして」  
靄のかかった俺の思考に、うっすらとジルの声が響き、  
ジルは一旦、俺から離れると力の入らない俺の体を寝かせ、俺の顔に跨った。  
 
目の前に迫ったジルのその部分は、すでにうっすらと濡れ夕日に照かっている。  
俺がそこにそっと指を這わせ撫でると、  
ジルも、体を寝かせて俺の体に覆いかぶさるとその胸で俺自身を挟み、上下に刺激する行為を再開した。  
 
「んっ…あぅ……」  
俺の指が動くたびにジルの声が漏れ、  
熱い吐息が俺自身にも掛かり、それが一層、俺を興奮させる。  
当然、限界も早い……  
「ジル……俺、もう」  
情けないが気持ち良すぎるんだ……  
俺は、手を止めると彼女の腰を少し持ち上げ上体を起こして、  
俺のモノを胸でしてくれているジルの動きを言葉で止める、彼女の下から這い出し、  
「あぅん……もう?」  
不満気な彼女の声が胸に刺さるが、  
俺は挫けずに彼女を寝かせ、今度は、俺が上になってゆっくりと腰を合わせていく。  
 
くちゅり…  
と、彼女の濡れた部分と俺の先が合わさり会い音が鳴り、  
「あぅん」  
同時に、彼女の口から甘い声が洩れる。  
「……くぅ」  
それに反して俺は、自分の声を歯を噛みしめ押し殺す、  
何よりすでにイキ掛けていることも有り、こうして耐えないとすぐに終わってしまう。  
それに、ジルの声を聞きたいという欲求にとって自分の声が邪魔だった。  
 
俺は声を噛み殺したまま、最初はゆっくり……  
「ああん……」  
そして、時々、角度を変えながら序々に速度を上げていく。  
「あっ…あぅん…  
 あんっ……銀ちゃん、少し…上手に…ぅんっ!!」  
「誉められた所、悪いけど…もう…限界だ……」  
いや、本来の限界は遠の昔だ……  
我慢しすぎて下腹の辺りが気持ち悪くなってきた……  
「うん……良いよ」  
ジルが俺の腰に足を絡ませ、より密着する。  
俺は、そのジルの行動に合わせ腰を深く深く沈ませ、  
彼女の一番深い場所で達した。  
 
ー・ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー・ー  
 
「ところで、何で学校祭知ってたんだ?」  
俺は彼女の体を抱き締め余韻に浸っている時、何となく気になった事を聞いてみた。  
「……本気で言っているの?」  
そんな俺を、ジルは呆れたような目で見る。  
……が、判らないものは判らない……  
首を捻る俺の様子に本気で判らないんだと言わんばかりに吹き出したジルは、  
「くっくく…これからは隠したい事は、考えない方が良いよ」  
「考えない方がって……あっ」  
ようやく思い出した……  
そう言えば、考えは筒抜けだったんだ……  
「あんなに必死で考えてちゃあ〜アタシには大声で言ってるようなモンだからね〜」  
と笑いを堪えて出た涙を指で掬いながら、彼女は俺の下から這い出し……あれ?  
 
…っかっしいな?  
ジルに釣られて動こうとして気づいたが、動けない……  
そして、丁度、四つんばいの形で動けない俺を見下ろす形でジルが言葉を続ける。  
「でも…どうせ隠せないんだけど……」  
ジルの手元で煙のような物が集まり、形を成していく。  
「隠そうとしたのは、アタシとしては許せないわけよ」  
……なんとなく見覚えのある形に……  
……なんというか…男のモノを型どった大人のおもちゃ……  
 
「丁度、銀ちゃんイイ格好してるし〜」  
激しい俺の嫌な予感……いや、確信か……を無視し、ジルはそれを握ったまま、俺の後ろに回り込む。  
「ちょ…ちょっと待てっ!!話せば解るっ!!」  
俺はあらん限りの声で抗議するが、  
無情にもスカートがまくり上げられ、トランクスが下げられ、  
「覚悟してね〜」  
ジルの楽しそうな声が後ろから聞こえ、後ろのすぼまりに冷たい物が触れた……  
 
……その後、俺はしばらくの間、痔に悩まされる事になった……  
 
 

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