「さあ〜て、正樹、成、今日も一日終わったしモスで飯食ってゲーセンにでも繰り出そうぜ」  
一日の授業を終えた俺はいつものように親友たちを遊びに誘う。  
「あっ御免、銀次君。  
 今日は小枝さんと買い物行く約束してるんだ」  
「ちょっと待て正樹、それ何のためにメイド雇ってんだ?」  
一人で大きな屋敷の切り盛りは大変だから雇ったんじゃないのか?  
買い物くらい任せろよ……  
「色々、事情があってね……」  
正樹の奴が幸せそうに笑う…  
……まさか  
「お…まえ、そのメイドさんとデキ…てるってワケじゃ?」  
「いや……その、そうなんだけどね」  
がーーーーーんっ!!  
あ…憧れのメイドさんプレイっ!!  
「…お前、スゲエ阿呆な妄想しとりゃせんか?」  
という言葉と同時に後頭部に軽いチョップ。  
落雷にも等しいショックを受けた俺を横で見ていた成が現実に戻してくれたらしい。  
嗚呼…真の親友は君だけだ……  
俺は気を取り直して、  
「裏切りモン(彼女持ちの軟派野郎)はほっといて飯行こうぜ」  
そう言うと俺は成(真の親友)の肩に手を回そうとした…  
「わっりい…今日はオレ、ベアトリスと映画見る約束してんだわ」  
ぐはっ…  
ブルータス!!お前もかっ!!  
しかも、パツキンの超絶美人の従兄弟と禁断の近親○姦っ!!  
「だから、阿呆な妄想は止めい」  
ぐはっ  
成の左手での熊手が俺の胸に決まる。  
…一瞬、心臓止まったぞ……  
 
そんな俺を無視し成は  
「お前も彼女作れば良いだろ?  
 もっともその頭(リーゼント)じゃ無理だろうけどな」  
とのたまう。  
「うるせえ!!この頭も女作らねえのもポリシーなんだよ!」  
俺は渾身の右フックで成の顔面を狙う。  
が、成の野郎はそれを簡単にかわしやがる。  
…当たらないってわかってるから本気で殴っているんだけど、  
やはり悔しい……  
「でもさ、何度も言った事だけどこの学校ではその頭浮いているよ?」  
このやりとりに慣れた正樹が冷静に会話に参加する。  
そうなんだ…結構良い進学校であるここでは俺はまるで珍獣扱い…  
「いや、今時ヤンキー校行たってコイツは絶滅危惧動…」  
俺の頭を指さしてそこまで言いかけた成の言葉が止まる。  
そして  
「上映時間に間に合わなくなりますよ」  
凛と張った声、  
この成(馬鹿)の従兄弟ベアトリスだ。  
「ああ…今、行く」  
彼女の一言であっさり成(薄情者)は俺ら(親友)との語らいを終わらせさっさと鞄を持って行ってしまった。  
「じゃあ、僕も待たせると小枝さんに悪いから行くね」  
「おい…」  
……男の友情ってこんなモンか?  
親友に裏切られた俺は教室に一人寂しく残された……  
 
結局、俺は一人で吉○屋で晩飯を済ませ、一人でゲーセンで時間を潰した。  
「ちっ」  
親友の裏切られ傷ついた俺は道端の隅に置いてあるゴミカゴを蹴り上げる。  
俺の蹴りの衝撃に止め金のビスを全て飛ばしたゴミカゴは満載の空き缶を巻き散らしながら歩道に転がる。  
そして、軽いためカゴより高く上がった缶がやや遅れ落ちてくる。  
 
ガンっ!!  
 
「痛っ」  
缶が落ちる中俺の頭の上に小気味音が響く。  
これが因果だろうか?  
空き缶程度じゃない、もっと重く固い物が俺の頭の上に落ちたらしい……  
俺は頭をさすりながら、そのにっくき仇を目で探した。  
…空き缶…空き缶…ペットボトル…  
「分別しろよ」  
ゴミを散らした俺の言えた事じゃないけど……  
「ん?あれか?」  
俺はゴミの中から見つけた仇を拾いあげる。  
「じょうろ?…いや、水差しか?」  
黄銅らしき金属製で、なにやら幾つも宝石らしき物でオリエンタルな飾り付けがされていて、足が付いている。  
「本物の宝石って事はないだろうが……」  
報復に持って帰ってこき使ってやろう。  
なんとなくそれが気に入った俺はそれを拾うと帰路についた。  
 
武南(たけみな)銀次郎(ぎんじろう)  
 
高級マンションに俺の名前の表札がかかっている。  
家族とは同居して居ない。  
中学の時に喧嘩で警察沙汰を起こした時、代議士「様」のクソ親父は対面を気にして、このマンションを与えて俺を家から追い出しやがった。  
もっとも、使い切れない仕送りは有るしその時の転校で正樹や成と知り合ったんだから差引プラスと言えばプラスなんだが……  
 
「そういえば」  
部屋に入った俺は手に持ったじょうろを思い出す。  
明るい所で見ると薄汚れている……  
「たしか、何かの番組で金属の黒いくすみは修正液で擦ると良いって聞いた気がすんな」  
一人暮らしを始めてから増えた独り言をつぶやきつつ、机の引き出しから修正液を取り出しソファーに腰を掛けると試しに少し修正液で擦ってみる。  
「おっ、けっこう落ちるぜ」  
くすみが落ちて金属の肌が元の輝きを取り戻す。  
俺は面白くなってもう少し強く擦ってみる。  
 
ゴシゴシ…  
 
夢中になって磨いた為、ほとんどじょうろは元の金属の輝きを取り戻し始めている。  
「ん?」  
今、じょうろが光った?  
いや、今までも最初は気の所為か反射かと思ったが光ってた、  
……が、  
光り方はだんだん激しくなる。  
 
俺が光源を調べようとじょうろをのぞき込んだ瞬間、  
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」  
じょうろは光ったと思うと、口から激しく煙を吐き、  
その煙からその間抜けな言葉は聞こえた。  
「……な…なんだ?」  
思わずじょうろを投げ捨てた俺は辺りを見渡し呟く。  
異変はない?  
投げ捨てたじょうろも別段変わった様子はない。  
「ゲーセンの帰り際に飲んだビールで酔ってたんか?」  
じょうろを拾い上げて調べてみる。  
異状無し  
「アホらし…」  
童話じゃあるまいし、じょうろが光るなんてな……  
俺は呟いてじょうろを投げ捨てた。  
「ちょっと、それ大事に扱いなさいよ!」  
はあ?  
気の強そうな姐御風の言葉が背後から聞こえ、  
視界に褐色の太股?  
が入り、そして同じ色の指が俺の投げ捨てたじょうろを拾い上げる。  
「アタシの家なんだから!」  
その指に拾い上げられたじょうろと共に俺の視線も上がって行く。  
褐色の肌に露出の多い……インドかアラブの踊り子のような服装、ウェーブのかかった銀髪を金属の髪止めでポニーテールで纏めた後ろ姿が俺の目に映る。  
「誰だ…あんた!」  
 
「ふふ〜ん、さっそく軟派?お姉さんの魅力に惹かれたかな?」  
振り向いたその女性は自信満々の笑みを浮かべながら爆乳……  
もとい、胸を張り  
「ランプの魔神、ジル様だ!」  
と名乗った。  
俺は……  
「コスプレ強盗?」  
いや、他に考えれないだろ?  
常識として…  
「違う!ランプの魔神だって言ってるだろ?  
 耳詰まってんのか!?」  
「…どっかの病院から抜け出して来たんか?」  
さすがに頭が気の毒な病気の女性を殴る気はせず、俺は仕方なく携帯を取り出し110番しようとする。  
……と  
「坊やの癖に疑り深いのは可愛くないぞっ」  
彼女は俺の手からいつの間にか携帯を取り上げ電源を切ってしまう。  
…というか、俺のとこまで手届かない距離だよな?  
俺は彼女の方に手を伸ばして確かめる…  
…全然、届かない……  
これは…つまり…  
「手品師で気の毒な病のコスプレ強盗?」  
「ええい!しつこい!話が進まんだろ!」  
彼女は冷静に分析した俺の答を、拳骨で却下する。  
仕方ない、実害は今の所無いし100歩譲って話を合わせてやろう。  
「つまり、あれの中から呼び出した人の命令を聞くってあれか?」  
じょうろじゃなくランプだった物を指さして俺は彼女に聞く。  
「ノンノン!呼び出させただけで言うこと聞く義務なんぞ無い!」  
こいつ…せっかく人が合わしてやってるのにいきなり自分で設定否定しやがった……  
 
 
結局、ジルと名乗った「自称」魔神は結局、  
「ガキ一人でこ〜んな贅沢暮らしなんて生意気!」  
とか言って俺のマンションに住み着きやがった……  
 
少なくともアレな病気っぽいが強盗というわけではなさそう(いい歳してホームレスか家出か?)なので、  
突然暴れたりしたらその時は取り押さえて警察に突き出せば良いやと思い、  
置いてやる事にして三日、  
 
この間に分かった事は、  
主食はビールとタバコ。  
野球中継を見ながら飲むのが一番好きらしい。  
応援している球団はタ○ガース。  
勝ては機嫌が良く、負けると機嫌が悪くなり「〜だったら」「〜がなければ」を俺に愚痴愚痴とこぼす。  
朝はまず起きてこない、  
俺は学校へ行くから何時に起きるかは知らないが風呂を使った形跡があるから朝(時間は朝とは限らないが)風呂が日課のようだ。  
夕食は俺を無理やり引き連れ居酒屋(洋服を何着か俺が買って来て、さすがにあのコスプレで外出させるのは阻止した)で酒を飲みながら大声で騒いで……  
 
結論、こいつは銀髪に色素の薄い鳶色の瞳、褐色の肌の美人の皮を被ったオヤジだ…  
それも病気がどうかを別としてでさえ、社会不適合者のオヤジである事は間違いない……  
 
生活費は余裕あって貯金は溜まる一方だったし、  
(親父の金で別に俺が稼いだわけじゃないけど)  
部屋は一人じゃ広いし居候の一人や二人、別にどうってことない……んだけど……  
 
我慢ならない事が一つ……  
「半裸でうろちょろすんな!」  
こいつは家に居る時は例の踊り子風の服なのだ……  
「おっし!」  
しかし、巨○×阪○戦を観ているジルは全く俺を無視しテレビに熱中している。  
他人はタイミングが悪いと思うかも知れないが、  
こういう時じゃないとこいつは勝手に占拠た元俺の部屋(因みに俺は書斎に寝袋で寝ている)に逃げる。  
さすがにそこまで文句を言いに行くのも難だし、  
テレビのあるリビングから動けない時に言うしかない。  
しかし、  
「おい!聞いているか!」  
「ああ!馬鹿、打ち上げやがった!」  
聞いてない……  
仕方ない強行策だ。  
俺はリモコンを握ると電源を切ってやる。  
「あ!なにすんだ!コラ!!」  
俺は腕を目一杯伸ばしてリモコンをジルから離した体勢で抗議を無視してこっちの言い分を通させてもらう。  
「きちんと服着たら付けてやるよ」  
「はあ?着ているだろ?」  
「だああああ!ンな水着のモドキじゃなく買ってやっただろ!  
 そっちを着ろって言ってんだ!」  
「な〜に興奮してんだか……」  
ジルはたビールに口を付けるととポーニーテールにした銀色の髪と全身に付けられた金属や宝石のアクセサリーを揺らしながら頭をかく…  
そして、ビールを置くと同時に  
「これはアタシの決まったカタチだ!文句あっか!」  
力説する。  
 
こいつ、追い出してやろうか?  
しかし追い出して駅前でのたれ死にしている所でも見かけたら後味が悪い。  
俺は根気良く説得を続ける。  
「出かける時は素直に着てくれただろ?  
 だったら……」  
「あれはお前が泣いて頼むからだ」  
泣いてねえ…  
つーか、本当に泣いて頼んでやろうか?  
「さて、話も解決した所でそれよこせ」  
解決したか?  
少なくとも俺はしてないと思う。  
というわけでリモコンは渡さないままでおくと  
「アタシが笑っている内によこさないと知らないぞ」  
何を馬鹿なことを?  
こっちは中学時代は(成に会うまでは)負け知らずの喧嘩屋だ。  
多少がたいの良い女一人軽くいなしてやるぜ。  
と余裕の笑みを浮かべてやる。  
「渡す気はないっと……  
 じゃあ、実力行使!」  
そう言ってジルがこっちを指さした。  
瞬間  
「ぎゃああああ」  
俺の前身に恐ろしい痺れと熱、そして痛みが走る。  
「おとなしく渡せば痛めみないで済んだのにねえ」  
……スタンガン?  
昔、喧嘩で発禁前の強力なのを振り回す奴がいてくらったのと似ている。  
しかし、そんなの持って無いよな……  
大体、そんなんが触れる距離じゃない……  
俺の薄れゆく意識の中、最初にジルのした自己紹介が響いていた……魔神……もしかしてモノホン…?  
 
 
額が冷たくて気持ちが良い。  
濡れた布が乗っているのか?  
「…やりすぎちゃったかな〜」  
ジルか?  
彼女が軽く笑った息が濡れた布に当たって一層、冷っとした感触となり曖昧な意識が戻る。  
「う…ん」  
「起きたか?」  
「起きた…」  
というか膝…膝…まくら!!  
目が覚めた俺はジルに膝まくらされていた。  
その状況に驚いた俺は慌てて彼女の膝から転がり落ち、床で頭をしこたま打つ。  
意識を失った俺はいつの間にかジルの膝の上で看病されていたらしい。  
「あ…つつ」  
「アンタ…バッカだねえ」  
頭をかかえる俺をのぞき込んでジルは笑う。  
「大体、こ〜んなスタイルの良い美人がこ〜んなイイ格好してるのに止めろだなんてねえ?」  
一息ついて  
「……ホモ?」  
確かにそこらの女より成は綺麗だし、正樹は可愛いかったりする……  
って違うっ!  
「なんでそうなるっ!  
 俺はただ、倫理的にだなあ……」  
「なるほど、君はアタシのこの格好を見て我慢出来ないってわけだ」  
そう言うとジルは頭をかかえて転がっている俺の頭に胸を近づけてくる。  
…やはりでかい……  
じゃなくてっ!!  
「だから止めろって!」  
俺はジルから離れようと寝返りを  
…うてなかった…  
「しっかり、こんなんしちゃってるのに?」  
ジルはしっかり俺の意志を無視しているムスコを捕らえズボンを脱がしにかかっている。  
 
「……」  
「ごめん…さすがに悪ノリしすぎた」  
「……」  
「ほら、そんなに気にしないでも…」  
「……うるさい」  
俺はジルに触られたまま、逃れようともがいた俺は  
「ああっ!!もうっうじうじとおっ!!  
 そんなんだから早漏なんだよっ!!」  
刺激だけで、イってしまった……  
そんな俺をジルは最初は慰めたかと思うと、いきなりキレやがった。  
キレたジルは俺を押さえつけると、  
「大体、発情期のガキの癖にエロ本の一冊も持ってねえ異状な生活してるから溜まるんだよ」  
「てめえ俺のガッコ中に家捜ししやがったな!」  
この3日でついた習性か…こんな状況にも関わらずつい釣られて怒鳴ってしまう。  
「ん?」  
怒鳴ってというか、怒鳴った時に反射的に彼女を払い退けようとして気づいた……  
…動けない?  
「ちゃんと元気あんじゃん」  
「よ…よせっ……ん」  
ジルは俺を押さえつけたまま、優しく微笑むと一方的に金縛り状態の俺の唇を奪う。  
 
つぅーっと  
俺の唇から離れたジルの唇との間に一本銀色の唾液の糸が伸び、  
切れた…  
「こ…の、何考えてんだ!  
 この金縛りもお前のしわざかあ!?コラっ!!」  
自由になった俺の口から怒号がほとばしる。  
「そうしないと銀ちゃん、逃げるでしょ?」  
そら逃げるに決まっているだろ  
…俺は他に打開策は思い付かないぞ……  
大体に男って奴は生涯、惚れた女一人ってもんだろ?  
会って三日でどうこうってのは間違っている!  
「おお!立派、立派!偉いぞ、それでこそ男の子」  
俺を組み敷いたままジルが拍手してやがる。  
って  
「おい」  
もしや…  
「心まで読めるのか?」  
「アタシを呼び出した人のはね。  
 その方が願い事をかなえてた頃は便利だったしね」  
……勘弁してくれ……  
っていうか、かなえてた頃はって…そういうのってやらなくて良くなるものなのか?  
「だから、銀ちゃんも安心しなさい。  
 そりゃあ会って三日だけど、アタシはちゃんと銀ちゃんの心に惚れてるから」  
…惚れ…?俺にか?  
「そっ、銀ちゃんが初めてなんだよ。  
 アタシを呼び出して損得抜きでおいてくれたのは…他の人はうんざりするほど欲まみれだったのに」  
欲まみれか……  
そりゃあ魔神と知ってジルを意図的に呼び出すなんて願い事、つまりなにかしらの欲があるに決まっている。  
そんなのをジルは見てきたのか……  
「…魔神ってのも結構、大変なんだな」  
「だから、銀ちゃんが何の見返りも考えず黙ってアタシを置いてくれたの本当に嬉しかったんだよ?」  
ジルの言葉と微笑みになんだか抵抗する力が一気に抜けた気がする……  
 
その隙を突き、ジルは俺の服を脱がしにかかる。  
彼女の両腕がカッターのボタンを引きちぎり、  
ベルトを爪でなぞるとあっさりと皮のベルトが切れる。  
そして、彼女のその細い指がゆっくりとズボンと共にトランクスを、にちゃっと暴発の跡の音をさせながら下げて……  
 
「ってちょっと待てよ!!」  
その音が蘇らせるトラウマになりかねない暴発の悪夢のお蔭で俺の思考はようやく復活する。  
「俺の方の気持ちはどうなるっ!?」  
「……」  
おっ、分かってくれたか?  
ジルの動きが止まったの事に俺が安心した、  
その瞬間。  
「そんなんアタシは知らん!」  
げっ!!  
心読めるのに知らんって……  
「ん〜今の顔、カワイイっ  
 持ち上げて落とすのって面白いよね〜」  
おいおい……  
「いい加げ…あうっ」  
文句を言いかけた俺の乳首をジルの爪がひっかきその刺激に思わず、声を上げてしまう。  
「女の子みたいな声、あげちゃって〜」  
ジルはそんな事を言いながら俺の気がそがれた隙に一気にズボンとトランクスを膝まで下げ下半身を剥き出しにする。  
 
「結構…イイモノ、持っているじゃない…」  
相変わらずに俺の乳首を弄びながら、俺の下半身を見てジルは呟く。  
そして、ジルは俺自信を握り締めると彼女自身の大切な部分に誘い、そのまま腰を沈めていく。  
「……っ」  
俺自身が暖かく柔らかいモノに包まれる感覚と同時に彼女の食いしばった歯から息が洩れる。  
「おい…無理してねえか?」  
その苦しそうな表情に自分の置かれた状況を忘れつい心配してしまう。  
「優しいね」  
その俺の言葉にジルは満足気に微笑すると、再び俺の唇を奪う。  
「うっ…ん」  
そして、そのままゆっくりと腰を動かし出す。  
序々に彼女の動きの度に少しづつ、俺を包む暖かさにぬめりが加わってそれに応じて彼女の動きも大きくなっていく。  
「あ…あう…ん」  
そして、いつの間にか苦しそうに歯を食いしばっていた彼女の声は別の物に変わっていた。  
そして、俺も男の哀しさか……  
唇の感じる柔らかさ、甘い吐息、  
彼女の動きと、  
それにあわせて胸に当たるジルのボリュームのある胸の重さ、  
それら全てが俺から思考力と理性を根こそぎ奪っていく。  
「……くっ、じ…ジル、俺もう…」  
さっきの暴発がなかったような速さで俺に限界が訪れる。  
「んっ…良い…よ、なかで……」  
俺はそのジルの言葉を最後まで、聞き取る事も出来ずに俺の意識は真っ白に飲み込まれていった……  
 
 
 ー・ー・エピローグ・ー・ー・ー  
しくしく……  
「あ〜、男がめそめそすんなよ…うっとおしい」  
「うるせえ…俺はなあ」  
「はいはい、生涯たった一人の女に捧げたかったんだろ?」  
すでに衣服を整えたジルはビール片手にバラエティー番組を見ている。…こいつは……  
「そんなに言うんなら、アタシをその生涯一人の女性にすれば良いだろ?」  
落ち込む俺の背にジルはでか過ぎる胸を押し付けて言う。  
「な…なにを馬鹿な」  
「そう馬鹿な事じゃないんだけど?  
 アタシたちみたいなのを呼び出すのは偶然じゃなく、必然のなのよ。そうじゃないとアタシたちがそこらじゅうで現れたら大変じゃない?  
 そうね、運命って言い変えても言いかもね」  
……運命?  
「プっ……キャハハハ」  
真面目に俺が考えはじめた一瞬後、いきなりジルが笑い始める。  
「な…な…」  
状況を掴めない俺にジルは  
「そんなわけ無いに決まっているじゃない!アハハ……真面目になっちゃって〜やっぱり銀ちゃんからかうの最高だわ」  
「こ…この…」  
俺が文句を言おうと口を開けた瞬間、  
「まっ、銀ちゃんの悩みは置いておくとして、  
 アタシの処女は安くないからね。銀ちゃんはそっちの覚悟を決めておくように」  
「はあ?」  
嘘だろ?男襲う処女がどこの世界に居んだ……  
「そうね、まずおつまみに焼き鳥の缶詰とビーフジャーキーでも買って来てもらおっかな〜」  
「お…い、ちょっと待て」  
どうしてそうなる?そもそも、そっちが一方的に……  
「はい、急ぐ」  
俺の質問を無視したジルが俺を指さすとその指が光りビリッっと軽い痛み俺の全身に走る。  
 
こうして俺のパシリ人生が始まった……  
 

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