花火。  
それは夜空に描かれる芸術。  
さまざまな色の光によって作られるそれは  
本当に空に大輪の花が咲いたかのようだった。  
 
一発いくらするのかは知らないが、  
盛大な数の花火がおしみなく空に放たれていく。  
空が輝きを見せることに一喜一憂する人々。  
私もまたその美しさに心を奪われていた。  
 
私にはよくわからないことだけど  
レオナルドなんとかのモナリザの絵は永遠の産物として  
これから先も美術館を訪れる多くの人々を感動させるのだろう。  
 
それに比べれば花火なんてほんの一瞬の炎の輝きにすぎないのだろう。  
だが、ほんの一瞬だからこそ心に刻まれる美しさもある。  
 
「ワぁ!スッゴーーイ!」  
「アハハ。アヤが気に入ってくれてよかったよ」  
 
その花火大会は大歓声の中で幕を閉じた。  
イベントとしては大成功といえるだろう。  
 
「どうだ?楽しかったかアヤ?」  
私は様々な感動をその一言に集約させた。  
「うん。芸術は爆発だね」  
 
さてと、  
私の名前は 坂ノ上 綾。17歳。  
ちょっぴりアホだけど、明るく、元気な女の子。  
 
はるか東北の田舎街から、妹の麻耶と共に大スターを目指して上京してきたのですが、  
………いえ…本当は、ほとんど家出状態で飛び出してきたのだけど………  
都会にきてから  
財布落とすわ…  
警察に追われるわ…  
悪いやつらにAVを撮影されそうになるわ…  
一週間飲まず食わずで彷徨うわ…  
とにかく苦難の連続で、一日として心休まる日はありませんでした。  
 
でも、私とマヤは持ち前の根性でめげずに頑張り、  
最近はなんとか普通に暮らせるようになりました。  
 
今は、毎日のようにタレント事務所などに売り込み等をしているのですが  
これは、なかなか思ったようにいかないのが現実だったりします。  
 
大女優の道は果てなく険しいけど  
私たちはこんなことじゃくじけないぞ!  
 
 
「おいっ…アヤ。何ボーっとしてんだ」  
「あっ…ううん。なんでもない」  
私と手をつないで歩くこの人はタカシ君。  
いわゆるひとつの彼氏というやつで、ルックスもイケメンだ。  
 
出会いはそう……。  
彼も音楽活動をしており、  
同じく音楽に命をかける私とは  
初めて会ったときから何か共感できるのがあったのでした。  
 
彼と出会えたことは、この都会に来て一番の幸運で、  
彼がいなければ、私たちは姉妹は  
今頃、路上でのたれ死んでいたかもしれません。  
 
というのも、彼はどうやらお金持ちの家系らしく、  
毎日のように私達にごちそうしてくれるのです。  
今、身に着けている着物も彼からのプレゼントなのである。  
 
あっ、誤解ないよう言っておくと、援助交際とかそんな卑猥な行為では決してなく、  
私は生まれて初めて異性に対して愛をいう感情を抱いています。  
 
とにかくタカシ君は  
恩人であり、  
救世主であり、  
愛する人であり、  
尊敬できる人なのです。  
 
 
さて…  
夏の夜。  
花火大会の後にカップルが向かう場所といえば  
一つしかありませんね。  
定番ですよね。  
 
看板から放たれるネオン光。  
町中、いたるところから光が溢れ  
夜にもかかわらず、街は人で賑わっている。  
祭りがあったからだろう。  
そして  
私たちの足は誰が言い出したわけでもなく  
自然に、ラブホテル街に向かっていました。  
 
そのいよいよラブホ街の入り口に辿り着く。  
(い…いよいよなのね…)  
私の心は覚悟完了。  
本当は怖くて、不安でしかたないのだけど  
タカシ君の手前、バカにされないように平然を保つ  
 
タカシ君は私が処女なんて知らない。  
というより17歳で処女なんて恥ずかしくておおっぴらには言えません。  
………うん、処女が許されるのはせいぜい小学生までだよね。  
 
パンパンと頬を叩いて気合を入れる。  
心臓の音がやけにうるさい。  
体はガチガチに固まっていて、  
こんなに緊張するのは初めてだ。  
まだ始まってもいないのに  
表情がこわばり、言葉が無言になっていく。  
ヤバイ…  
これで始まったらどうなってしまうのだろうか………。  
 
「って………あ…あれ?」  
気がつくと…  
色々考え事をしている間に  
いつの間にか私達はラブホテル街を通り過ぎていた。  
「………」  
状況が理解できずに目をぱちくりさせる。  
 
(な…なんだ…肩すかしかぁ………)  
がっくりとうなだれる私。  
はぁっと大きなため息。  
残念なようであり…安心したようでもある。  
横で彼が微笑む。  
「どうしたんだアヤ?」  
「えっ…それは…その…なんでもないっ!」  
「ひょっとしてエッチなことでも考えてた?」  
「うっ………」  
なんとか平静をよそおってみても、顔の赤みだけは消せなかったようだ。  
「あはは。アヤはエッチなんだな」  
「…う、うるさぁいっ!んもうっ!バカッ!」  
照れ隠しにポカポカとタカシ君の頭を殴る。  
「はは。冗談だよアヤ」  
「もうっ…」  
 
そしているうちに私たちは大きな公園に辿り着くのだった。  
外灯に照らされて、  
空に浮かぶ月が何気にキレイだ。  
 
「はぁ………疲れちゃった」  
ぴょこんとベンチに腰を落とす私。  
思えば花火大会のときからずっと立ちっぱなしだった。  
「あーー!もうこんな時間だ!」  
時計をみて、時間の進み具合に驚く。  
「タカシ君。今日は本当に楽しかったわ。  
 また誘ってね」  
「おいおい。何言ってんだよ本番はこれからじゃないか」  
「えっ?」  
「………」  
「………」  
「ここでやるぞ」  
「………………………………………………エッ?」  
 
タカシ君のぶっちゃけありえない発言に  
頭の中が真っ白になる私でした。  
 
「ちょっ………ちょっとまって。正気なのタカシ君?  
 こ………ここ…外だよ…」  
激しい動揺を見せる私。  
タカシ君が笑って諭す。  
「あはは、アヤ。何言ってるんだ?周りをよーく見てみなよ」  
「えっ………?」  
「あっ…だめぇ………はっ……あーーっ!」  
「んっ…あふっ……あっ……あっ」  
「ーーーはっ……はふっ……ふわあ…」  
「!?」  
そこらじゅうから  
うめき声……じゃなくてあえぎ声が聞こえてくる。  
「はわわ…」  
茂みの中に目を移す。  
いや…別に見たかったわけじゃないけど、たまたま視界に入っただけで。  
その…視界に入ってきたからには…一応…確認しとかないと…。  
茂みの中。  
そこには性器と性器を繋げて激しく腰を動かすカップルの姿があった。  
「あっ…いいわっ…突いて…もっと激しく突いて…」  
「フハハハハ。このいやらしい雌犬めっ!くらぇ!くらぇ!」  
ギュムッ!ギュムッ!ギュムッ!  
頭が一瞬にして沸騰した。  
 
ずこん!  
 ばこん!  
 
(う…うわぁ……本当にやってるよ…。  
 ………よくこんなところでやれるなぁ………。  
 どこで誰が見てるかもわかんないのに………。  
 ………この人たち恥ずかしくないのかな…)  
「………」  
「あっ……」  
馬乗りにされている女性と目があってしまった。  
知らず知らずの間に私の体は硬直しており  
ずっと直視してしまっていたようだ。  
女性のその目は『何見てんのよ?』と言いたげだ。  
あわてて切り返す私。  
「あっ……えと…その………。  
 …………ご…ごめんなさーいっ!!」  
なんだか知らないけど謝って、  
その場から全力で逃げ出した。  
 
「ハァハァ………」  
「どうだ?わかっただろ?  
 ここはそういう場所なんだ」  
「う………うん………それはわかった…でもぉ………」  
「………でも?」  
「………でも、やっぱり外は………きゃあ」  
バタッっと  
一瞬何が起こったのかわからなかったが、  
どうやら彼に茂みの中に押し倒されたようだ。  
「た…タカシ君…  
 いや……あっ………つ…土で着物が汚れちゃうよぉ…」  
いや…私が心配しているのはそんなことではないのだが…。  
追い詰められて頭もずいぶんと混乱していたのだろう…。  
他に思いつく言葉がなかったのだ。  
「大丈夫だよ。すぐにそんなこと考えられなくしてやる」  
彼の手がゆっくりと近づいて、  
着ている物の上から私の胸にあてがわれる。  
「あやや…」  
強引で、そこにいるのはいつもの優しい彼ではないようだ。  
 
怯える私。  
瞳は涙で潤み。  
あてられた彼の手が、私の胸を揉み始める。  
「あっ……こ、こらーーっ…ちょ、ちょっとっ!」  
「………」  
しかし、彼は私の胸を揉むのに夢中になっているようだ。  
巧みに  
いやらしく  
私の性感を昂ぶらせるように………。  
「あっ…んふっ……いやぁん………だから…だめだよぉ…こんなところで…  
 ……やめようよぉ…はぁ………はぁ…」  
彼の責めの前に、抵抗する力が失われていく。  
「だから、こうゆうところだからこそ萌えるんだろ…ハァハァ………」  
興奮気味の彼の吐息がすぐ耳元で聴こえてくる。  
「ひっ…ひゃあ…あふぅ…んんつ!」  
「アヤの胸、やーらけーな」  
「…そ…そうゆうこと…言うと…んっ  
 ……ぁう…ヘンタイ…みたいだよ…はっっ……あっ…」  
耐えられなくなって、瞳を閉じる私。  
全身を彼にあずけた。  
 
手馴れた手つきで私の和服が乱されていく。  
彼の前に私の素肌が露出されていく。  
「あっ……んーーーーっ!」  
ここまで来てしまったからには  
もう後戻りはできないんだろうな………きっと。  
「んっ…アヤ?ブラはしてないのか?」  
「うっ……うんっ……その…着物とはあわない気がして…」  
「まぁ…たしかにそうか…」  
はだけた着物から私の胸が現れる。  
「あっ…」  
「………」  
「………」  
「………」  
「な…なにか言ってよ…」  
「アヤのおっぱいとっても形よくてキレイだぞ」  
「……うっ……そ…そんなこと言われると…は、恥ずかしいよぉ…」  
いやいやそぶりをする私。  
でも、女の子としてそうゆうことを言われるとやっぱり嬉しかったりするのだった。  
 
彼が私の胸にしゃぶりつく。  
「んっ!くふぅっ!」  
舌が私の乳首を舐めた。  
「ああーーーっ!!」  
「ふふっ。ここは感じるみたいだな」  
体を捩らせる私。  
彼の卓越された舌術が私の体を翻弄していく。  
「はーーっ!はーーーっ!ああン…」  
「さて…下半身はどうなってるかな」  
「あっ……んーーーっ………そ、そんなところまで…っ…あーーーっ!」  
着物の中に彼の腕が滑り込んでいく。  
ぬるっ  
「ひっ!」  
「ふふっ。なんだ。もうこんなに濡れてるのか。  
 いやらしいんだなアヤは」  
「ーーーそ…それは……タカシ君がへんなことするからだよぉ……」  
言葉に力は無い。  
「さて、そろそろ下のほうも拝見させてもらうかな」  
腰帯を緩めていく彼。  
一瞬とてつもない悪寒が背中を走る。  
「あっ…そこはーーーーっ!  
 ………そのっ……ちょ…ちょっとまってーーーーーー!!!」  
「いいやっ。待ちきれない。脱がすね」  
「あ、ああ!!!!」  
バサッ!  
抵抗する間もないまま、着物が全部はだけた。  
 
「ん?」  
顔をしかめる彼。  
「ああ………」  
ぐすっっと涙を流す私。  
彼は私の下半身を見た後、不思議そうに表情を伺ってきた。  
「………なんだ。アヤ……オマエ、パイパンだったのか?」  
「だ、だからちょっと待ってっていったのにっ!!ばかっ!!!」  
うわぁああんと……子供のように泣き喚く私。  
「あはは。上は大人でも下はまだまだ子供なんだな」  
「ち、ちがうっ!  
 ………そ、その…ちょっとした事故で全部剃れちゃっただけだよっ……」  
全力で否定する私だったが、  
「ふーーん」  
「……こらぁーーっ!その目は…信じてないなっ…」  
「そりゃあ。こんなにツルツルしてたらなぁ…。  
 実はまだ産毛も生えてないんじゃないのか?」  
そう言いながら、  
彼は意地悪な手つきで私の秘所を擦っていく。  
「あンっ……や、やめてェ…。  
 そんなことしたらすごく感じちゃうよぉ…ひっ…ひゃっ…  
 くすぐったいっ………ああン!」  
「それじゃあ、アヤは子供のように扱ってやらなくちゃあなっははは」  
「ひゃっ…はふぅ…やめてぇ………」  
 
開始してから結構たった。  
「それじゃあ、そろそろ挿れるか」  
「うっ…うんうん」  
たくさん胸を揉まれたせいか  
私の秘所もすっかりお腹がペコペコらしく  
早くタカシ君のものが欲しがっているようだった。  
タカシ君は下半身から、そのガッチガチに猛ったモノをとりだす。  
私の体でそんなに長く大きく太くなってくれていたなんて、なんだか嬉しい。  
「………それじゃあいくぞ」  
「………う…うん!」  
男性器を私の秘所にあてがう。  
私としても緊張の一瞬だ。  
「………」  
「おい。アヤ…そんなに力を入れてたら入んないだろ」  
「えっ……あっ……ごめっ…」  
「まったく。処女じゃないんだから」  
「は………はは」  
私の返事は上の空。  
嘘をついてるのは悪いことだけれども  
まぁ、もうすぐ本当になるのだからいいとしよう。  
「ふぅ」  
深呼吸して力を抜いた瞬間。  
ずぶう!!  
「ひ…ひぎい!」  
股間に激しすぎる痛みが走った。  
 
「ーーーーーー!!」  
なんの躊躇もなく性器を一気に捻りこまれた。  
それは、優しくもなんともなく、思い切り乱雑。  
初めての私には耐え難い衝動だった。  
「あ………はっ………ひ!」  
何の準備もなく、あまりに突然にやってきた痛み。  
玉のように涙がこぼれ、あまりの痛みに呼吸もできない。  
しかしタカシ君はそんな私にも気づかず  
中を乱暴にかき回していく。  
それで痛みがさらに倍増………。  
「ひっ…ひっい…………ひ!」  
「フワハハハ!これが風林火山の火だっ!」  
本来ならどんな熟女でも満足させるものなのだろうが…  
ぐりっ!ぐりっ!  
しかし、いくらなんでも処女の身でこのワザを受けるのはきつすぎる…。  
 
締め付ける肉壁を、ムリヤリ突き進んでいく。  
それに歯をくいしばって耐える。  
力をいれて…指が地面にくいこんでいく。  
もうだめだ…。  
これ以上乱暴にされたら…痛みで……精神が…死んでしまいそうだ。  
タカシ君には悪いがこっちも最大限に抵抗させてもらうことにした。  
下半身に力をいれる。  
侵入してくる男性器を押しつぶすような勢いで圧力をかける…。  
「うっ…くっ…。  
 お、おいっ…さっきからなんでこんなに締め付けがきついんだ?」  
「…………!!!  
 ………!」  
説明しようにも言葉がだせない。  
しかし私の必死な形相から悟ったのか…。  
「…………………………。  
 オマエ…まさか…処女なのか?」  
もう、カッコ悪いとか…そんなことを、なりふり構っていられなかった。  
なにしろ私は命の危機に直面している。  
私は夢中で首を立てに振った。  
あきれた様子でタカシ君は男根をひきぬく。  
「はーーーふーーーーはーーーふーーーー」  
ようやく必死に呼吸する私。  
「やれやれ…まったく、しょうがないやつだな…アヤは…」  
「ひんっ……ひっ…」  
今回ばかりは色々な意味で流石に涙が止まらなかった………。  
 
時間をとって再挿入。  
今度は優しくゆっくりと挿れてくれた。  
「んっ……」  
ビクッっと体を振わせる私。  
「大丈夫?痛くないか??」  
「う…うんっ…」  
「痛くなったらすぐにいえよ…」  
「うん…」  
その気遣いが何よりも嬉しい。  
 
ゆっくりと、私のトンネルが掘り進められていく。  
「いいだろ………奥まで」  
無言で返事を返す。  
「よし、いくぞ」  
ずぶっ、ずぶっ  
「……はふぅ…」  
差し込まれていく男性器。  
その気持ちよさに酔いしれる私。  
「ちょっと緩急でもつけてみるか」  
腰のフリが早くなる  
「ひ…ひぎいいいっ!」  
泣きながら拳を振り上げる。  
「あっ…悪かった………悪かったアヤ!」  
「こ、今度やったら許さないんだからっ!!」  
「やれやれ……」  
 
タカシ君のモノはずいぶん立派だ。  
それが、ようやく半分ほどまで入ったようだ。  
いや…やっと半分というべきなのだろう…。  
どうにも私の腔は道がわかりにくいらしく、  
タカシ君は四苦八苦しながら進んでいる。  
それもナメクジのようにゆっくりとしたスピードでだ。  
挿入開始してからずいぶん立っている気もする。  
男の人がいつまであの硬さを維持できるのかは知らない。  
本当はすぐに奥まで入れて、いっぱいだしたいのだろう。  
………心の中で謝罪した。  
 
ぐりっ…ぐりっ…  
「あっ…ふっ……ンっ!」  
「あれ…おかしいなぁ…さっきまで、こっちが空いていたような…」  
「ひゃああ!」  
「なんか…中…動いてないか…?」  
「えっ………」  
(…………………………………………  
 …………………………………………!!)  
今…ちょっとしたことだが…何気に重要なことに気づいてしまった。  
 
「ちょっとまって!タカシ君。ハァハァ………す、すぐに引き抜いて」  
「………?  
 なんだ。おれなら、まだまだ平気だぞ」  
「ち…違うの…ンっ!  
 も………もっと…その…根本的な問題がっ………」  
「おれの竿に問題があるのか?」  
「そ………その根本じゃなくて」  
「わからないやつだな?まさか今更処女が惜しいなんていいだすんじゃないんだろうな…?」  
「そ、そんなことない。愛してるわダーリン」  
「それじゃあ、このままいくぞ。  
 大丈夫。俺にまかせろ。  
 おっ…こっちには入るな…」  
「だ…だめっ…………あふっ…んくっ…あっーーーあっーーーーあっ」  
まともな言葉が発せられない。  
激しく腔内の中の『彼』が暴れだした。  
「なっ…なんだ???」  
私のお腹の下部分が波を打つ。  
「ひ…あっ…はふっ……ひぐっ…んっ…や…んふっ…あっ…あっ」  
「な…なんかヘンだぞっ…オマエの体っ!!」  
 
ぬちょ…  
「な…なんだ…?  
 …なんか…先っぽが…ぬるっとして……気持ち悪いものに包まれて……  
 うおおっ!なんだ、この押し戻されるような力は?」  
「あっ…あうううっ」  
ずきゅ!ずきゅっ!  
 
私の中から突然に生まれてきた圧力。  
それは『住家』に侵入するタカシ君のモノを押し戻し、  
外に追い出そうとする力。  
 
ずぽんっ!  
「あっ…ふっっ!」  
「うおおおおぅっ!なんじゃこりゃあああ!!!」  
引き抜かれた男根。  
それは鏡餅ぐらいの大きさをした  
半透明のぬるぬるした物体に包まれている。  
じゅるっ!  
「ひぃ…う…動いたっ!」  
動いている…その半透明の物体は動いていた。  
 
そう………スライム君だった!!  
 
「おっ…おい………アヤっ…なんだよこいつっ!!」  
タカシ君が怯えている。  
無理もない。  
「だ…だから早く抜いてっていったのにぃ…」  
ぷちゅるるる。  
住家を荒らされたスライム君はかなり興奮している様だった。  
ぎゅううっと…  
「あっ…はふっ…」  
男根の先を包んだスライム君は  
強力な締め付けと愛撫でによって  
タカシ君の射精感を高めていく。  
「あっ…あうっ!」  
恍惚としたタカシ君の表情。  
くやしいけれど、私の中に挿れてる時よりもよっぽど気持ちよさそうだ。  
「きゃあああ!た…タカシ君っ!気をしっかりもってっ!!」  
女性には強力な媚薬効果を生み出すスライム君であるが、  
男性の場合は強制的に射精感を高め  
溢れた精を根こそぎ奪ってしまう恐るべし能力を発揮するのだ!  
まずい…  
このままではタカシ君がイ○ポテイツにされてしまう…。  
 
「あうぅぅぅぅ…吸われるぅ……」  
「ちょっと!スライム君っ!そんなことしちゃダメェ!」  
しかしスライム君は食いついた男根から離れようとしない。  
スライム君にとりつかれたタカシ君の性器はさらに膨張を続け、  
果てることすら許されない。  
ドピュルルルルル  
「あああううっ!精がどんどん出て止まんねぇよっ!」  
タカシ君はイきながらも、形相は恐怖の色に染まっている。  
明らかに出しすぎだ…。  
なおも精を貪り続けるスライム君。  
「いやぁ!た…タカシ君っ!  
 こらぁっ!やめなさいっこのバカスライムーーーっ!!!」  
私がカナキリ声をあげるとスライム君は力無くポテンと落ちた。  
プルルンと体を震わせて、  
ピョンピョンと地面を跳ねながら逃げていくスライム君。  
それよりも今はタカシ君の安否の方が心配だ。  
「タカシ君っ!タカシ君っ!しっかりしてェ!!」  
「あっ…ふっ…ひひひ…アヘヘヘヘ」  
タカシ君はすでに気を失っていた。  
 
―――。  
 
「はっ…ここはっ!!」  
バッっと飛び上がるタカシ君。  
そこは私の膝枕。  
公園のベンチで、私はずっとタカシ君の顔をうちわで扇いでいたのだ。  
「よかった!タカシ君!目が覚めたのねっ!」  
ようやく意識を取り戻してたタカシ君。  
手放しで喜ぶ私。  
解放している間、ずっと気が気でなかったのだ。  
こうなったのも全て私のせいなのだから。  
私がもっと早くにスライムの存在に気づいておけば……。  
もっとも…最悪の結果にはならずにすんだようなので、  
とりあえずはよかったよかった…。  
 
しかし………タカシ君の第一声はとても私の心を傷つけるものでした。  
 
「ひ…ひぃ…は、はなせっこの化物がっっ」  
「えっ…」  
「お…俺に……さわるなっ…どけっ!」  
彼は全力で私を振り払って、距離を空ける。  
私にとっては信じられない事態…暴言だった。  
「ちょっ…ちょっと!  
 ひ…ひどいよっ…そんな言い方っ!  
 …わ、私…タカシ君が倒れている間っ!ずっとずっと心配してたのにっ」  
しかし、私を見る彼の目は  
まるで悪魔か何かを見るように恐怖に満ちた眼差しだった。  
「た…タカシ君っ?」  
「う…うるせぇ…人の名前を軽々しく呼ぶなっ!この妖怪女がぁっ!!  
 
―――ガーン。  
 
一番言われたくない言葉を…  
一番言われたくない人に言われてしまった…。  
「よ…妖怪なんて…ひどいっ…」  
訴える私は、悔し涙が溢れていた。  
 
「は………な…なに泣いてんだよっ…キモイな…。  
 人間の真似事なんかしてんじゃねーぞ…カスっ。  
 ちっ………てめぇみたいな物の怪の類と今まで一緒にいたなんて  
 気持ち悪くて吐き気がしてきたぜっ…。  
 と…とにかく、二度と俺につきまとうんじゃねーぞ……。  
 近づいたら蹴り殺すかんな…  
 この人外っ……クソがっ…ぺっ!」  
背後を向けるタカシ君。  
しかし今の私には止めることも追うこともできなかった。  
 
一人残されたのは私は  
公園のベンチで  
失恋のショックで放心し  
頭の中で彼との思い出を思い出しては何度も何度もすすり泣いた。  
「うっ…ぐすっ……」  
涙が次から次へと溢れて止まらなくて。  
「うっ…ううう」  
人はここまで悲しみに打ちのめされたとき  
泣くことしかできないとだと初めて知りました。  
 
マヤの前では見せられない姿だった。  
きっと私が泣いてたら、  
あの子はもっと泣いちゃうんだろうから…。  
だから気丈に明るく笑って戻らなくちゃならないのに…  
だめだ…今日はもう戻れそうにない………。  
 
そこにピョンピョンと跳ねながらスライム君がもどってきた。  
「ス…スライム君…?」  
スライム君はベンチの横で何も言わずにじっと私を見つめてくれている。  
それは、私を慰めてくれているようなとても優しい感じだった…。  
「………」  
 
スライム君のおかげで勇気がわいてきた。  
「うんっ…そうだよねっ、  
 こんなことぐらいでいちいち落ち込んでいられないわっ」  
こんな弱い女は私なんかじゃないと…  
パンパンと頬を叩いて気を取り直す。  
「そうよっ!アヤっ!  
 こんなことぐらいでくじけちゃだめよっ!  
 私には大女優になるっていう夢があるんだからっ!  
 なによっ!あんな男の一人や二人っ!!  
 すぐにもっとイケメンでお金持ちの男を見つけてやるんだからっ!!」  
新たな誓いを頭上の月に誓うのだった。  
 
スライム君を持ち上げる。  
そこに先ほどまで泣いていた弱い私はもういない。  
「かえろっ。マヤが心配してるわ」  
無言で相槌をうつスライム君。  
こうして私のひと夏の恋はちょっと苦めに終わるのでした。  
 
新たな誓いを決意したばかりの私に  
…横から声がかかってくる。  
「ちょっと…あなた…ひょっとしてその、ヌメヌメの飼い主?」  
「ヌメヌメじゃないっ!スライム君ですっ!」  
反射的に言葉を返す。  
さっき妖怪だの物の怪だの言われたばかりだから  
この手の言葉にはちょっぴり敏感になっています。  
「あ…れ………?」  
…どうゆうわけか、眉間にシワをよせたお姉様方が  
皆一様にコメカミ辺りの血管をピクピクさせながら私の周りを囲っていた。  
………な、なにやら不穏な空気。  
「あんたのそのスライム君とやらにやられた彼氏が目を覚まさないんだけど」  
「私の中にだしてくれるはずの精子君を全部とられちゃったんですけど…」  
「私の体、こんなに昂ぶっちゃったのにっ、いったいどうしてくれんのよ!!」  
「へ…」  
頭に豆電球がピキンと浮かんだ。  
ああっ…そうか………。  
タカシ君のが奪えなかったから  
他のところに補充しにいってたんだな…  
…んもうっ…スライム君ったら…。  
 
さて……どうやら彼女達は納得のいく回答というのを求めているようだ…。  
「あっ………えと…困っちゃったナ…スライム君…」  
ひきつった顔で返す。  
彼女達はピクリとも笑ってくれない。  
しかたなく謝ることにした…。  
「お…お楽しみ中のところを…大変お騒がせしました。  
 ………そ…それじゃあ私、これでっ!!!!」  
ロケットダッシュで逃げようとしたところ  
なんかやたらとガタイのいいプロレスラーみたいなお姉さんに  
ネコ掴みされて持ち上げられた。  
「そんな言葉で納得いくとでも??」  
「で…ですよねぇ…」  
「飼いネコの仕業は飼い主のせいだからね」  
「これからここにいる全員で、ちょっぴりキツメおしおきしてあげるからね…クスクス」  
「昂ぶった体もあなたの体で鎮めさせてもらうかんねっ!」  
「よくみるとカワイイ。私好み?」  
「い…いやあああああ!!」  
 
プロのお姉さま方の絶妙な技を前に  
その日、一晩中私の悲鳴が響き渡るのでした。  
 
…わ、私の名前は 坂ノ上 綾 17歳  
ただいま夢に向かって驀進中。  
こ…こんなことじゃ全然くじけないぞ。  
 

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