「うわぁぁぁぁぁ……」  
 
山道を歩いていると、突然、体が落下する感覚に襲われた。  
周りは崖というわけでもなかったし、落ちる理由が思い当たらない。  
道の真ん中にでかい穴でも開いていたのだろうか。  
譲は、底の見えぬ真っ暗な闇の中をひたすら落ち続け……  
 
気が付くと、木の根っこや蔦のような物が巻きつき体を拘束していた。  
この日は、雪風との3度目の逢引。  
彼女の好物である油揚げを土産に、意気揚々と道を進んでいた矢先の出来事であった。  
 
「うわっ、何をどうすればこんな風になるんだよ」  
 
仰向けになった状態で一切体を動かせないし、携帯電話を取り出すこともできない。  
取り出せたとしても圏外であろうが、ともかく、助けを呼ぶ事ができず困り果ててしまう。  
自分を拘束しているツタを見回すと、周りにある植物とは明らかに違う種類であり、  
何者かの悪意を感じ取る事ができた。  
突然、そばの草むらから物音がしたのは、そんなことを考えている時であった。  
 
(まさかっ、獣か?)  
 
狐や狸ならまだいいが、猪や熊に出てこられると命に関わる。  
首を無理やり曲げて横を見ていると、目の前の草むらがガサガサと揺れる光景が目に入り、  
額から冷や汗が滴り落ちた。  
恐る恐る草むらのほうを見ていたが、そこから顔を出した者を見た瞬間、  
自分の目を疑った。  
半そで短パンに、ブーツを履いたそのラフな姿、  
街中のお姉さんといった感じのナイスバディなお姉さまが姿を現したのである。  
滑らかな体のスタイルと豊満な胸、譲を見つめる細い目が印象的な美しい女性。  
 
(たくっ、こんなラフなスタイルで登山するヤツに限って遭難を……って今は俺もか?)  
 
自分が動けない事を思い出し、助けを求める相手が居る事に安堵感を覚えて声をかける。  
 
「あの、すいません、なんか絡まっちゃったみたいで、助けてもらえませんか?」  
 
相手はしばらく考え込むような表情をしていたが、ゆっくりと譲の方へ歩みを進める。  
彼女が歩くたびに豊満な胸が上下に揺れ、服の上から乳首の突起が僅かに浮き出ており、  
それを見た譲の顔が、思わず顔が赤くなる。  
 
「あら、顔が赤いわよ?大丈夫?」  
 
謎の女性は近寄ってきたかと思うと、譲に跨って馬乗りになり、  
美しい顔が譲を見つめながらゆっくりと迫ってきた。  
その視線の圧力に耐えられず顔を下にそらすと、  
今度は服の合間から生胸が視界に飛び込んできて、顔がさらに赤くなってしまう。  
 
「ふふっ、ウブな所もあるのね、かわいいボウヤ」  
‘チュッ’  
「……!」  
 
 譲の顎下に指をかけ、無理やり顔を上げられた次の瞬間、  
唇に柔らかな感触が襲い掛かった。  
 突然のキスに驚く譲を気に留めることなく、舌を入れて口の中を蹂躙する。  
首を横に振って抵抗を試みたが、女性の細い腕からは想像も出来ない力で  
顎を押さえられており、彼女に従う事しかできない。  
 
‘チュッ ピチュッ チュッ’  
「んっ、むぅ、くぅぅ〜」  
 
 譲は目を閉じてしまっているが、謎の女性は瞳を閉じることなく見つめ続け、  
舌技に喘ぐ譲の姿を、細い瞳をさらに細めて見つめながら悦に浸っていた。  
 
「んふっ、これは、はじめましてのご挨拶よ、譲くんっ」  
「なっ!?」  
 
 自分の名前を言われ、驚きの声を上げることしかできない。  
こちらは彼女を知らない、しかし、彼女はこちらを知っている。  
 拘束された状態で乗り掛かられ、心の中では疑心と恐怖が激しく渦巻いていたが、  
魅力的で積極的な女性のアピールはそんな心とは正反対に性欲を高め、  
‘ムクッ’  
と、その心は正直に下半身に表れていた。  
 
「あら、こ〜んなに硬くなっちゃって、これは服から出してあげないと大変ね」  
 
 ズボンの上に出来た突起に気が付くと、それに手をかけてうれしそうに何度もさする。  
間接的にとはいえ、触れられたことによってその突起はさらに大きくなった。  
 
「このままじゃ男の大切なモノが呼吸困難になっちゃうわ、さ、出てらっしゃい」  
 
 馬乗りになったままで体の方向を変えると、  
ズボンのベルトを外し、チャックを下げる。  
 いっぱいに張った下着が姿を現すと、激しい羞恥心を覚え、思わず顔を背けるが、  
女性はそれをうれしそうに眺めていた。  
 
「あぁんっ、もうこんなに、オトコのっ、いきり立ったオトコの匂いがぁ」  
 
 背けていた顔を再び下半身に向けると、腰を丸めて顔をパンツに近づけ、  
鼻をスンスンと鳴らして匂いをかぐ姿が見えた。  
 譲の視線を向けた事に気がついたのか、匂いを嗅ぎながらもチラリと視線を後ろに向け、視線を交えながら、さらに羞恥心を煽る。  
 
「さ、ご対面ー」  
「ちょっ、駄目だってば」  
 
 そんな譲の目の前で、女性が一気に下着を引き下げると、  
勃起し、下着によって圧迫されていたイチモツが勢い良く飛び出した。  
 鎌首を上げ、亀頭を丸出しにして先走りを垂らすイチモツを直に眺め、  
女性は目を輝かせながら熱い吐息を吐いた。  
 譲は貞操の危機に慌てふためき、拘束を解こうと身体を激しく捻るが、  
身体に巻きついた植物が解ける事はなかった。  
 
「なっ、もうやめてくれ、だいたいなんで見知らぬあんたがこんな事を……」  
「そんなの気にする必要がある? 私は愉しみたいだけ、ただ、それだけよ」  
「そっ、それは……ひあっ」  
 
 必死に抗議の声を上げるが、女性は今の行為がさも当然のように言い放ち、  
何の躊躇も無くイチモツに指をかけた。  
亀頭の先端に人差し指をかけ、反りの反対に向かって押し下げると、ピッと指を離す。  
離されたイチモツはバネのような勢いで元の反りに戻り、それを何度も繰り返す。  
 譲は、弄ばれているはずだと言うのに、興奮の度を高められた。  
 
「はっ、んんっ」  
「可愛い声をあげちゃって、なんだかんだ言っても男は正直者ねっ」  
 
 指でデコピンをするようにイチモツを弾き、刺激する度に怒張を強め、  
血管を浮き出たせるモノ。  
 その大きさに満足したのか、今度は手のひらで包むように刺激を加えた。  
 
「大きさは十分、硬さも……合格よっ」  
 
 イチモツを片手で優しく包み込む、指をゆっくりと曲げて締め上げた後、  
締めた指をゆっくりと緩める。  
 自分の腕の中で脈動する感触を楽しみ、恥ずかしげに視線を向ける譲の表情を愉しむ。  
雪風とは違う、年季の入った責めが、じわじわと譲を追い詰めつつあった。  
 
「その顔じゃ、今すぐにでも射精しちゃいそうね、もう少し我慢なさい」  
 
 我慢しろといいつつも、指の動きをさらに巧妙にさせた。  
人差し指をカリ首に巻きつけ、親指を亀頭に当ててグリグリと圧迫し、刺激する。  
 血液によって膨張し、先走りでヌルヌルになった亀頭の上を親指が這い回り、  
尿道口を開くように指を押し付けた。  
 
「うっ、すごくっ、気持ち良い」  
「自分で自慰に耽る時とは、比べ物にならない快感でしょう?」  
「うわっ、出るっ」  
「だーめ、まだだめよっ」  
 
 あまりの快感に射精感を覚えたが、寸前に女性の指が離れ、愛撫をやめてしまった。  
開放され、刺激を失ったイチモツはヒクヒクと脈打ちながらさらなる愛撫を求め、  
譲は安心感よりも、射精できなかった焦燥感を覚えていた。  
 
「あら、その顔は……ふふっ、最後までしてほしかったのかな?」  
「えっいやっ、その」  
 
イチモツを扱き、先走りで濡れた己の腕をなめつつ、譲に問う。  
 
「恥ずかしがることじゃないでしょ? 男なんだから、当然のことよ」  
「えと、あの、その、気持ち……よかったです」  
 
 今度は、自らの顔を譲に寄せ、その瞳を直視しながら問う。  
 
「もうっとしたい、して欲しい? 精液いっぱい出したい?」  
「えと……して……欲しいです」  
「あんっ、正直な男は大好きよっ、目一杯可愛がってあげるんだから」  
 
 スッと立ち上がると、無造作に着衣を脱ぎはじめた。  
上着やズボンを脱ぎ捨てると、躊躇することなく下着までも放り投げ、  
後に残ったのは、健康的でセクシーな女性の裸体。  
 特に、今まで見たことも無いような豊満な胸が、譲の目を釘付けにさせた。  
 
「あら、私の胸に一目惚れかしら? いいわ、私の胸で抜いてあげる」  
 
 再び仰向けに拘束された譲の腹に尻を乗せると、69の体勢になり、  
譲のイチモツを胸で挟み込んだ。  
 
「うっ、すごい、柔らかくて、あったかくて」  
「そうでしょ、こんなにおっきい胸で、オチンチン挟まれたこと無いでしょう」  
 
 胸で挟み込み、両腕で抱き寄せ、上下に揺する。  
柔らかな胸の感触が竿全体に擦り付けられ、その快感に喘ぐことしかできない  
 
「んもーっ、かわいいんだからっ、ここも責めてあげるわっ」  
 
 今度は乳首を寄せ、亀頭を重点的に責める。  
コリコリとした感触がイチモツの先端から脳天に向かって駆け巡り、  
下半身ががくがくと痙攣を起こす。  
 拘束されていなければ、上に乗った女性を振り落としていただろう。  
 
「ひあっ、もうだめっ、もうだめだぁー」  
「何言ってるの、まだ一発も出していないのに、泣き言なんて許さないわよっ」  
 
 目を瞑って快感に喘ぐ譲の顔面に、ポタリと水滴が落ちた。  
一滴だけではない。ポツ、ポツと、何滴もの水滴が譲の顔へ落ちてくる。  
 不思議に思い瞼を上げると、眼前にあったのはゆらゆらとゆれる大きな尻。  
女性が胸でイチモツを弄り、体を揺するたびに尻がそれにあわせて動き、  
譲の眼前では露になった秘所がゆらゆらと揺れ動くのである。  
 
「あっ、くあっ、ふぅんっ」  
 
 股の間でプックリと赤く熟れ、筋の間からは愛液が滴り落ちる。  
譲の顔面に落ちてきたのは、その愛液の雫だったのだ。  
 目の前で怪しく蠢く秘所を眺めていると、催眠術にかかったかのように、  
頭がポーっとする。  
無性に恋しくなる。欲しくなる。  
 無意識のうちに口を開き、舌を大きく伸ばすと、その先端に飛散した雫が垂れた。  
 
‘ギンッ’  
「ひゃっ、どうしたの? また、一段と大きくなったみたいね」  
 
 胸の谷間でさらなる怒張を示したことを不思議に思い後ろを向くと、  
口を大きく開き、滴る愛液を口にする譲を目にした。  
 
「そう、私の愛液を飲んだのね、ふふっ、心ゆくまで、味合わせてあげるわっ」  
「え? ムグッ!?」  
 
 目の前で揺れていた尻が、譲の顔面に襲い掛かった。  
女性の尻が譲の顔に、正確に言うと秘所が口の上に強引に被せられた。  
 
「ふふっ、どう? 私のお味は?」  
「むーっ、むぐーっ」  
 
 口を封じられている譲に答えることはできない。  
腰を前後に振るたびに、酸っぱい香りが口いっぱいに広がっていく。  
 口の中では唾液の分泌が活発になり、譲は自分の舌に唾液をたっぷり絡めると、  
香りを放つ割れ目の奥に突き入れた。  
 
「ひっ、はぁぁん」  
 
 己の秘所に突き入れられた舌の感触にビクッと体を仰け反らせ、反応さする。  
そのまま暫くは胸で責めることも忘れ、突き入れられた舌の動きに喘いでいた。  
 
「ふんっ、ふぅんっ、はうぅん」  
 
 舌をいったん口の中に収めると、膣の味が口いっぱいに広がる。  
その味が無性に恋しくなり、再び舌を伸ばす。  
 入り口を押し開くようにして舌を左右に動かすと、愛液がさらに垂れ、それも舐めとる。  
プックリと膨れたクリを執拗に舐め取る。  
 
「はうっ、はうっ……これじゃ、私の方が先にいっちゃうよぉ」  
 
 下半身を譲に預け、快感を貪っていたが、先にイクことは気が咎められたのか、  
譲に負けじと、再び胸の愛撫を開始する。  
 
「だめだっ、もう我慢の、限、界」  
「あんっ、激しっ、はうんっ、私もっ、いっ、イッちゃうー」  
「あーーーっ」  
「はぁーんっ♪」  
 
 二人は同時に絶頂を迎えたが、ここで不思議な現象が譲を襲う。  
彼女の体が叫びと同時にまばゆい光を発し、あまりのまぶしさに目を瞑ると、  
目の前で何かが蠢くような気配を感じ取ることができた。  
 
「……?」  
 
 まぶしさが引くと同時に、顔の上をやわらかいモノが通過した。  
ゆっくりと目を開けると、目の前にあったのは見覚えのあるモノ。  
 金色に輝く柔らかい毛で覆われ、先端が少し白みを帯び、ウネウネと蠢くモノ。  
雪風にあるモノと同じく巨大な狐の尻尾であり、  
譲はソレを見た瞬間に女性の正体を把握した。  
 
「お前、アイツのっ、雪風の関係者だなっ!」  
「ふへへー、バレちゃったね、君が上手に舐めるからだよ」  
 
 言いながら正面を向きなおして頭を痒くと、頭上に三角形の狐耳が飛び出してきた。  
顔面には、譲の射精した精液がベッタリとこびりつき、顔を擦りながら舐めとっていた。  
 
「私の名前は時雨、雪風の姉よっ、職業は……」  
「知ってるよ、男漁りが酷くて山神クビなって、今はニートだっけ?」  
 
 言った瞬間に時雨の顔が硬直し、眉毛と尻尾がピクピクと痙攣しているのが見えた。  
癪に障る事を口にしてしまったようで、不機嫌そうな顔が譲を見下ろす。  
 
「ふーん、この状態で、ずいぶんと大きな口が聞けるのね……ま、いいわ」  
 
 時雨が自分の顔の前で手を叩くと、譲の体を拘束していた木の根や蔦が  
ハラハラとほどけ、ようやく身を起こす事ができた。  
 そのまま立ち上がると、首をコキコキと動かし、手を大きく伸ばして自由を満喫しつつ、  
その場から逃走するために隙をうかがう。  
時雨が、ここですんなり帰してくれるとは思えないからだ。  
 
(さて、どうしたものかな?)  
 
 現在位置は雪風の常駐する社から遠くは無いはずであるし、  
逃走の機会はあるはずだと考えていた。  
 ひとまず、ズリ下げられていたズボンに手をかけ、引上げようとした時、  
 
「さぁ、こっちを向いて、譲クンッ」  
 
 言われるままに声のするほうを向くと、時雨が四つん這いになって尻を突き出していた。  
濡れた秘所を丸出しにし、尻尾をウネウネと動かしながら譲を見ている。  
 
「ねぇ、突いてっ、遠慮する必要は無いわ、欲望のままに私を犯せばいいの」  
 
 大きく突き出した尻を円を描くように振ると、再び不思議な甘い香りが鼻を衝き、  
その香りに誘われるように、自分の意思とは関係なく歩みを進めてしまう。  
 無意識のうちに、引き上げようとしていたズボンやパンツを脱ぎ捨て、  
上着までも放り投げた。  
 
「そうよっ、いらっしゃい……んっ、はやくぅ」  
 
 普通の男なら、以前の譲ならば欲望の赴くまま彼女の秘所にイチモツを  
ぶち込んでいることだろうが、譲の頭にはある思いが浮かんでいた。  
 
(何で俺は、雪風ばかりか姉のほうにまで弄ばれなきゃいけないんだ?)  
 
 意識が保てたのは、雪風との交わりによる経験があったからであろう。  
それに、目の前の女性が雪風と同じ種族であれば、その‘弱点’はお見通しである。  
 譲は、反撃のための計画を思いつき、誘われるままに時雨へと近寄る。  
 
「んっ、どうしたの? 焦らすなんてひどいわよっ」  
 
 相手に感ずかれることの無いように、あくまでも欲望の赴くまま、  
彼女の思い通りに行動しているかのように。  
ゆっくりと時雨の体に近づき、目標を射程圏内に納めると、  
目の前で揺れる“ソレ”に両手を伸ばして一気に……  
 
‘グワシ’  
「ひやぁぁぁぁーーーーっん♪」  
 
 森、いや、山中に時雨の媚声が響き渡った。  
予期しない出来事に心の準備ができていなかったせいもあってか、  
簡単に絶頂を迎えてしまった。  
 余裕の表情で譲を求め、尻を突き出していたのが一転し、  
目と口を大きく開きながら絶頂を迎えた体は硬直してまっている。  
 
「ハフゥ、ハフゥ……なっ、何をするのよぉ……ひゃぁ♪」  
 
 落ち着きを取り戻した所を見計らって再び‘ソレ’を握りこむと、  
その行為だけで再びイってしまう。  
 
 譲が何をしたのか……  
そう、彼は目の前で揺れる尻尾の群れに抱きついたのだ。  
 数度にわたる陽炎との行為によって、尻尾が彼女達一族の性感帯であることは承知済み。  
性交の際にはその感度が通常より一段と高くなることも特徴であり、  
性感帯である4本の尻尾に一気に抱きつかれた時雨は、瞬時に絶頂を迎えてしまったのだ。  
 
「ダメッ! お願いだから尻尾だけはあぁぁぁぁん♪」  
 
 不意打ちとばかり、セリフを言い切る前に再び尻尾を強く握ると、  
本日3度目の絶頂を迎えた。  
 4本の尻尾は譲の腕から逃げようともがくが、  
時雨が絶頂を迎えるたびにピーンと逆立ち、興奮をあらわにする。  
 やさしく撫でたり握ったりを繰り返すと、もっとしてくれとねだるかのように  
腕の動きに合わせて蠢きだした。  
だが、そんな悦び溢れる尻尾とは対照的に時雨自身は必死なようだ。  
 
「知ってるんでしょ? 尻尾は、尻尾だけはだめなのよぉ」  
「ダメだよ、気持ちよくしてくれたお礼は3倍にして返してあげないとね」  
 
 絶頂の連続に息を切らし、涙目になりながら懇願するが、譲にやめる気はまったく無い。  
ニヤッと口の端を吊り上げて笑顔で答えると、  
首を曲げて譲を見る時雨の口元がヒクついているのが見えた。  
 責められる恐怖と次なる快感への期待に満ちた表情は、責める者の心を燃え上がらせる。  
 
「それに、だ。君のおかげで雪風とお知り合いになれたお礼もしたいし……ねっ」  
‘サワサワ’  
「はうんっ」  
 
 
 暴れる尻尾を押さえつつ、マッサージをするようにその表面をゆっくりなぞる。  
尻尾の根元をしっかりと握り、そこから先端に向かって一気に擦りあげる。  
 
「うはぁ、ふかふかで気持ちいいなぁー」  
 
 マッサージに合わせて腕の中でバタバタと暴れる4本の尻尾。  
抱きつくだけでは飽き足らず、今度はそのなかに顔をうずめて左右にグリグリと動かす。  
 顔を動かすと、尻尾の繊細な毛並みとやわらかさが何ともいえない心地よさを伝え、  
目を瞑れば、そのまま夢の世界への扉が開いてしまいそうなほどだ。  
 
「ひあっ、らめぇ、らめらったらぁー」  
 
 時雨も口先では必死で抵抗するが、尻尾の方は積極的に肌を擦り合わせてくる。  
また、腕の中で尻尾がウネウネと蠢くたびに尻尾同士が擦れあい、  
結果的に時雨は更なる快感に身をよじらせる事になる。  
 
「ふんっ、はぁ、ひあんっ」  
 
 尻尾を持っていない者にはどんな感覚なのか理解することはできないが、  
4つのペニスを同時にいじられるような感じなのであろう。  
ともかく、時雨の乱れ方を見るだけで、相当の快感を受けている。  
 
「ひやぁ、はぁん、尻尾、尻尾いいよぉー、あぁぁあんっ♪」  
 
 そして4度目の絶頂。  
次第に、心の方も次第に尻尾と同じように快感を求めるように変化しており、  
 尻尾に顔をうずめている譲には見えていないが、アソコはグチョグチョに濡れていた。  
時雨の秘所から噴出する愛液が俺の股間に降り注ぎ、興奮で譲の怒張はさらに高まる。  
 
「あぁぁぁ、アソコが切ないよぉ、いじわるしないでよぉ、いれてちょうらぁい」  
 
 もはや、最初に会ったころの妖艶な雰囲気は消えうせ、淫らな一匹の女狐と化していた。  
4つんばいで尻を向けたまま尻尾を押さえられ、顔と胸を地面に擦りつけながら腰を動かす。  
腕には力が入らないのか、地面に伏したまま動く事が無い。  
 
「はやくっ、お願いだから、このまま焦らされたら、こわれちゃうぅ」  
 
 挿入を懇願する彼女の言葉は譲にも聞こえていたが、彼は一心不乱に尻尾を煽り続けた。  
時雨の尻尾と肌を触れ合わせるだけで不思議な感覚が譲の中に流れ込んでゆく。  
 気持ちよさとは別の何か、強い力のようなモノが譲の心を満たしてゆくのだ。  
その感覚がまた心地よく、両腕で弄りながらスリスリと顔を尻尾にこすり付けていたが、  
 実際の所、譲の股間も限界が近づいていた。  
時雨が絶頂を迎えるたびに甘いに匂いが譲の鼻を刺激し、  
淫らな喘ぎ声が耳に届くたびに頭の中で響き続ける。  
 さらには、股間に飛び散った愛液が媚薬のようにペニスを痺れさせ、  
萎えることなく勃起し続けていたのだ。  
 
「俺も、もう我慢できないよ」  
 
 尻尾を握りこんだまま、腰を落として挿入の体勢に入ると、  
時雨の嬉しそうな顔が目にとまった。  
尻尾が視界を邪魔して時雨のアソコは見えないが、位置を合わせて腰を前に出す。  
 
‘ピトッ’  
「はあっん♪」  
 
 ペニスと秘所の入り口が触れた。  
ようやく挿入してもらえる悦びに時雨の呼吸は荒くなり、  
顔を譲に向けながら期待に満ちた瞳で見つめている。  
そして、そのままさらに腰を前に持っていくと、  
 
‘チュルンッ’  
「あんっ♪」  
 
 狙いは正しかったようだが、ペニスは狙った肉穴を外れて  
時雨の股下に潜り込んでしまった。  
 
「あれ? うまく入らないな」  
 
 別に意地悪しているわけではないが、何度挿入を試みても譲のペニスは  
股下に潜り込んでしまう。  
 目隠し状態で挿入しようとしている所為か、愛液で濡れている所為か、  
何度か挑戦するが位置がうまくあわず、その度にペニスが彼女の股下に潜り込む。  
 
「ちがうよぉ、もっと上だよぉ、あんっ、でもっ、気持ちいいっ」  
 
 挿入したわけでもないのに、彼女の秘所からは尽きることなく愛液が滴っていた。  
それが潤滑剤となり、ヌルヌルになった股の間をペニスが出入りする。  
すると、股と同時に秘所の下部が刺激され、時雨に僅かながら快感を与えていた。  
 
「はうっ♪ はうっ♪」  
 
 腰を打ち付けるたびに小さく媚声を上げる。  
譲は、先走りの液を出し、愛液に濡れた自分のイチモツを、股の間で何度も往復させた。  
 腰を突きつける度に、時雨の尻と譲の体が触れ合う音が響き渡っていたが、  
ここでひとつ、譲には疑問に感じることがあった。  
 
(あれっ、そういえば俺……イってないよな……)  
 
 そう、最初に一発抜かれてから、攻守が逆転した今まで、絶頂を迎えていない。  
ここまでの快感を受けていれば、譲も絶頂を迎えていいようなものだが、  
不思議と快感に対する耐性が強くなっているのに気が付いていた。  
 
「あぁぁぁ……もういいでしょぉ? お願いだから入れてよぉ〜」  
 
 そんな譲に対し、時雨の方は快感に対する耐性が弱くなっているようで、  
ひたすらに喘ぎ、感じ続けている。  
 尻尾を弄るのを辞めてから彼女はイっておらず、さらなる快感を望んでいたのだ。  
譲も時雨もマタズリを楽しんでいるはずだが、彼女としては不満らしい。  
さっきから連続で絶頂していることを考えると、仕方の無いことか……  
 
「ああっ、おちんちんの先っぽが、先走りの液があふれてるよぉ」  
「はあんっ、はやく欲しいのぉ」  
 
時雨は、自分の股の間に垣間見える譲のイチモツを見ると、さらに興奮の色を強め、  
体から発せられる臭いも、より強くなっている。  
 
「ここよぉ、今度はちゃんと入れてよね?」  
 
 譲の焦らしに我慢ができなくなったのか、自分の尻に手を当てると、  
グイッと指に力をこめて、秘穴を広げるような形をとる。  
相変わらず尻尾に顔を埋め、尻を直視していない譲であったが、  
ここぞとばかりに怒張したモノをあてがい、腰を思いっきり前に出した。  
 
「ひああぁぁぁぁんっ♪」  
 
 先端を時雨の穴に合わせ、ズブリと肉棒の先端を挿入する。  
本日初めて味わう挿入の感触に、時雨は本日何度目か分からない絶頂を迎えた。  
穴の中では熟れた肉が熱く煮えたぎり、内壁が収縮を繰り返しながら、  
ペニスに激しく愛撫を繰り返す。  
 譲も負けじと腰を突き出し、奥へ奥へと挿入するが、途中で違和感を覚えた。  
雪風の膣とは違う、強い締め付けと妙な温もりであるが、  
これが熟れた女狐の官職なのだと感じただけで、そのときは特に気にしていなかった。  
 
「あんっ、すごいっ、でもっ、ああんっ」  
「くあっ、締め付けがすごいなっ、お前の穴は、雪風とまた違って、気持ちいいぞっ」  
 
 熱く煮えたぎる肉穴は、譲のイチモツをギチギチと締め付け、出し入れするのも一苦労。  
ゆっくりと穴を慣らすように動くが、イチモツの反りが肉壁を抉り、  
ゴリゴリと音を立てているようであった。  
 
「おなかの中がっ、すごいっ、でもっ、でもぉぉ」  
「違っ、あんっ、そこっ、んっ、違うよぉ」  
 
 快感に喘ぐ時雨の口から意味不明な言葉が発せられ、ピストンを続けながらも考える。  
‘違う’という言葉の意味が理解できずに少し考えていたが、  
時雨から発せられた次の言葉で、その意味を知ることができた。  
 
「そこっ、ちがうっ、おしりっ、おしりぃー、ひあぁぁぁんっ」  
 
 思わずハッと我に返り、腰の動きを止める。  
尻尾が視界を邪魔していたせいもあって、再度場所を間違えたようだが、  
 強烈な締め付けと腸内の熱さによる異様な快感は、女性器に勝るとも劣らない。  
譲にそういう趣味は無いのだが、一人の男を新たな領域へ目覚めさせるのに  
十分な快感であった。  
 
「はぁ、はぁ、もうっ、おしりは、らめぇ」  
 
 息を荒げ、口からは涎をたらし、耳は垂れ、尻尾は天に向かって逆立ち続けている。  
限界を感じさせる表情ではあったが、それがまた異様に欲情をさせる。  
ちょっとした自分のミスに動きを止めていた譲であったが、思い直すと直ぐに再開した。  
 
「はうっ、ヒドイよぉ、何でこんな事するのぉ……」  
 
 ズンズンと時雨の腸壁を抉るように続けるピストン。  
譲は、にっこりと笑いながらその質問に答えた。  
 
「君のイタズラのお陰で雪風とお友達になれたのは感謝しなくちゃいけない」  
「あふうっ……なっ、ならもう許してくれてもいいでしょ?……あうっ」  
「まだまだっ、君のイタズラ癖を矯正するまで、たっぷりとお仕置きしてあげるよ」  
「ひぃっ!?」  
 
入れる時は激しく  
「はうんっ」  
 
抜くときはゆっくりと。  
「ふっ、クゥン、クゥゥゥゥン」  
 
 子狐のような喘ぎ声を放つ時雨ではあったが、最初の挿入以外に尻穴では  
絶頂を迎えておらず、快感に耐え続けていた。  
 譲は尻尾も離しておらず、そちらからの快感も伝わっているはずだが、  
今は自分の中にあるペニスの感覚に集中し、必死でイクのをこらえていた。  
そして、  
 
「なぁ、俺、もう我慢できそうに無いんだ、このまま、お尻にいいかい?」  
「えっ、射精しちゃうの? おしりに、そんなっ、でもっ、私ももうっ」  
『あぁぁぁぁーー!』  
 
 二人は同時に絶頂を迎えた。  
譲は時雨に精を捧げ、彼女はそれを受け取る。  
 絶頂した瞬間に彼女の尻穴はペニスをギュウギュウに締め付けるばかりか、  
肉壁が精液を逃すまいと蠢いているような感触すら覚えた。  
 時雨は背骨が折れんばかりの勢いで背を仰け反らせながら体を痙攣させたが、  
数秒後には意識を失うかのように倒れこんでしまった。  
 
「いけね、ちとやりすぎたかな」  
 
 結合したままグッタリと動かなくなった時雨。  
精液を逃すまいと蠢いていた肉壁は動きを止め、ゆるくなった結合部からは  
精液が滴り落ちる。  
 腕の中で暴れ続けていた尻尾も、今は力なくうなだれている。  
責め続けた譲も心配になり、抱きついていた尻尾を開放し、ペニスを抜こうとした。  
その時である。  
 
「うわっ、なんだ!?」  
 
 開放しようとした瞬間、うなだれていた尻尾が元気を取り戻し、  
離れようとした譲の体をガッチリ巻き取ると、時雨の体へ引き戻す。  
 半分抜いていたペニスも再び時雨の腸内奥深くまで導かれ、  
挿入したまま身動きが取れなくなってしまった。  
しかも、絶頂後にゆるんでいた尻穴がペニスを再びぎちぎちと締め付け、  
腰を動かして何とか抜け出そうと試みたが、腰と腕を完全に固定され動かす事ができない。  
さっきまでの柔らかな尻尾とは別物のように強く譲の体を締め付け、  
抜け出す事ができないのだ。  
 
「ふふっ、ふふふふふっ」  
 
 地の底から鳴り響いてくるような不気味な笑い声と共に  
時雨の体がゆっくりと持ち上がる。  
 次の瞬間には、後方に体の重心を動かすと同時に、挿入したたままの体制で  
器用に体を180度回転させた。  
 今度は、譲が仰向けに地面に寝そべり、時雨がその上に伸し掛かった形で、  
弱点であるはずの尻尾で四肢を拘束している現状から見ても、完全に攻守が逆転している。  
 
「尻尾はダメって言ったのに……お尻まで……」  
「本当は、味見をするだけのつもりだったのに、君がいけないんだからね……」  
 
 体を完全に拘束したことを確認し、締め付けていたペニスを開放すると、  
結合部から再び白い液体が降り注いだ。  
視線の先にある時雨の顔は涙ぐんでおり、潤んだ瞳が譲を見下ろしている。  
 
「気持ちよくしてくれたお礼は……3倍にして返せばいいんだっけ?」  
 
 空を仰いで何かを思い出すような顔をしながら、指を折って何かを数えている。  
数え終わると、空を仰いでいた顔がこちらを向き、にっこりと笑って譲に語りかけた。  
 
「あなたが私をイかせた回数は……まぁ20回くらいかしらね♪」  
「ちょっ、ちょっと待てっ! 60回って絶対無理だから!」  
 
 その瞬間、頭の中でこれからイかされる回数が瞬時に計算された  
だが、時雨の顔を見る限り、本気と書いてマジと読む感じで、  
時雨の体中から、ピンク色のオーラのようなものが発せられている。  
 
「あなたに拒否権は無いのっ、さぁ、あたしの膣で悶え狂いなさい♪」  
「いやゃぁぁぁ!」  
 
 尻から抜いたペニスを濡れた秘所へとあてがい、腰を下ろそうとする。  
譲は尻尾で全身を押えられて身動きがとれず、向こうはいつでも腰を下ろせる状態だが、  
焦らすつもりなのか腰をゆっくり動かしながらペニスを秘所の入り口で擦り続ける。  
 
危機的な状況に絶望と、ちょっとの期待を抱いていたが、救いの手が差し伸べられた。  
 
「お姉さまっ!」  
 
 聞き覚えのある声、そう、ピンチを感じとった雪風が救出に駆けつけてくれたのだ。  
巫女服姿のまま駆け寄ると、二人の状況を見とり‘カッ’と目を見開いて声を荒げた。  
 
「お姉さまばかリずるいです!私も参加しますっ!」  
(なっ、なんだってぇぇぇ!?)  
 
―訂正― 救出ではありませんでした。  
 
 状況の悪化を予見させる発言が、希望を見出していた譲をガッカリとさせる。  
雪風の表情をよく覗き込んでみると、顔は赤く、息は荒く、興奮の色が隠せない様子だ。  
時雨も雪風の出現に驚き、考えを廻らせていたようだが、  
 
「あら、じゃぁ二人で一緒に楽しみましょう♪」  
 
 姉妹で喧嘩でもしてくれれば脱出の機会もあると思ったのだが、  
姉の方も相当乗り気のようである。  
雪風が巫女服の赤い袴を捲り上げると、無毛の丘が透明な雫が垂れているのが見え、  
興奮の度を知ることができる。  
おそらく、姿を現す前から、二人の行為を覗き見ていたのだろう。  
 
「はんっ、ズルイよ譲ぅ、私に黙ってこんな事を」  
 
 巫女服を脱ぎ捨て、寝かされた譲の顔の上に立ち尽くすと、時雨が譲に行ったように、顔の上にゆっくりと腰を下ろす。  
腰を前後に動かしながら、アソコを舐めろと言わんばかりに擦り付ける。  
 
「あふぅ、もっと舐めてぇ……吸ってぇ……ね、お姉さまより、おいしいでしょ?」  
 
 その発言から、覗き見は襲われた最初の時点からであることが理解できた。  
濡れ具合から考えて、覗き見をしつつも自慰を行っていたのだろう。  
 
「さぁて譲君、覚悟はいいかしら? お股にお尻に……3度目の正直よっ」  
 
 妹の痴態を見つめつつ、入り口で譲を弄んでいた時雨が行動に移る。  
腰を、落とし始めたのだ。  
 何枚ものヒダがうねりながら口を開け、亀頭を包み込んだかと思うと、  
時雨は一気に腰を落とし、根元まで呑み込んだ。  
 
「はぁんっ、やっと、やっと味わえたわっ」  
 
 待ち焦がれた場所に対する快感、  
その中では、何十にも及ぶヒダや瘤のようなものが個別に蠢き、譲を絞り上げる。  
 快感に抗う術を持たない譲は、一瞬で絶頂を向かえ、大量の精を捧げた。  
 
「もう出しちゃったの? 仕方ないわ、私の膣だもの」  
「そうです、お姉さまの膣は、我が一族でも一、二を争う名器ですものねっ」  
 
 そうこう言う間にも、再度の絶頂が訪れる。  
止まる事の無い連続の射精を受ける時雨との接合部からは、精液が垂れることは無い。  
大量の精液は、漏れることなく時雨の膣内に貯蔵されているのだ。  
 
 時雨は譲のイチモツを膣の奥深くまで招き、腰を動かすこともなく、  
膣内の動きだけで扱き上げ、雪風は譲の顔面に秘所を擦り付ける。  
 
「あんっ、お姉さまぁ」  
「ピチュッ、うんっ、雪風ぇ」  
 
 譲の上で、唇を交える姉妹。  
視線を交えあいながら、舌で互いの口内を舐りあい、舌を絡める。  
そのまま口を離すと、二人の間には、唾液の糸が橋のように渡っていた。  
 
「嬉しいわ、可愛い妹が、いつのまにかこんな大人になっていたなんてね」  
「お姉さまっ、譲とこんなことができるのは、お姉さまのお力添えがあったからです」  
「でもっ、でもっ……」  
「何? 言って御覧なさい。もうっ、気になるじゃないの」  
 
 口の端から垂れた唾液をぬぐおうともせず、目を潤ませながらも  
キッと姉を睨みつけるようにし、  
 
「譲をお貸しするのは今日だけですっ、譲は私の大事な人なんですからねっ」  
「あら、縄張り意識かしら? ふふっ、さすがは‘大人’ね」  
 
 言い放った言葉に、最初はキョトンとした時雨だが、ニコッと優しい笑顔を見せ、  
雪風を優しく抱き寄せると、再び口付けを交わす。  
 
「あら、譲クンも苦しそうね、三人一緒に、気持ちよくなりましょう」  
「はい、お姉さま」  
「あんっ、この子の精液っ、とってもいいよぉん」  
「譲っ、もっと、もっと舐めてぇ」  
 
 譲の体の上で妖しく乱れる2匹の獣。  
尻の上から突き出た尻尾を激しく揺らし、  
 快感を受けるたびに頭上の狐耳をピクピクと痙攣させる。  
人間ではない、獣を相手にしているという実感を始めて覚えるが、  
恐怖を感じることも無い。  
耳に聞こえる喘ぎ声がだんだんと遠くなり、乱れた身体が視界からぼやけていく。  
 
「どうしたのっ? まだまだ頑張りなさいよっ、はあんっ」  
「ふぁあんっ、またイっちゃう、イっちゃうよぉー」  
 
 残念ながら、その声が譲に届く事はなかった。  
搾取される快感を受けながら、譲の意識は闇の中にあったからだ。  
 
△▽△  
 
「うっ、むぅ……」  
 
 気が付けば、空には満天の星空が輝いており、月が森を僅かに照らしている。  
山の夜風はさすがに肌寒く、裸でいるのは少々つらい。  
 雪風と時雨の二人に責苛まれ、いつのまにか気を失っていた譲。  
譲の体でたっぷりと快楽を貪った二人の獣を探すと、  
少しはなれたところでヒソヒソと話をしている。  
 不思議そうに二人を眺めていると、それに気づいた二人が一瞬譲を見るが、  
再び困った顔でヒソヒソと話を始める。  
 
「おい、貴様ら何を隠してる」  
 
 その言葉にビクッと耳が反応すると、二人とも困惑した表情を譲に向けていたが、  
近寄ってきた雪風が無言で手鏡を差し出す。  
 手鏡を渡すからには自分を見ろということだろうから、譲は自分の顔を見る。  
鏡の中に移るのは普段見慣れた顔だけで不思議なところは何も無く、  
何を見させたいのか理解できず雪風に尋ねると、彼女は自分の頭上を指差す。  
 
「ん? 頭の上を見ろってか?」  
 
見慣れた眉、見慣れた髪、そしてその上には見慣れぬ金色の狐耳。  
(……え?)  
いったん手にした手鏡を下ろし、まぶたを閉じて心を落ち着ける。  
 
「ふぅ、どうやら疲れるようだな、こんな幻覚を見るなんて」  
 
再び自分の頭上を確認すると、そこには立派な三角形の狐耳が……  
 
「なっ、なんじゃこりゃぁぁぁ!」  
 
 異常事態に取り乱し、手鏡を取り落とすと自分の手で頭の上を確認する。  
やはりそこには立派な毛並みの耳があり、神経も通っているようで触れると感覚があり、  
力を入れるとピクピク動くから不思議だ。  
 
「おーまーえーらー」  
 
 この異常事態の犯人達に詰め寄るが、目を逸らして譲の方をみない。  
しかも、クスクスと笑いをこらえているように見え、  
譲は頭から火が出そうなくらいに怒り心頭なのだが、時雨は知らん顔で言う。  
 
「あら、そんなに怒ると尻尾が逆立っちゃうわよ?」  
「あんっ?」  
 
その言葉に後ろを振り返ると、見たくないものを見てしまった。  
 
「……え、尻尾?」  
 
 そう、譲の尻からは立派な狐の尻尾がニョキッと生えていたのである。  
何となく力を入れてウネウネ動く所を見ると、  
 耳と同じように俺のものであることは間違いないようだ。  
蠢く尻尾を楽しみながらしばらく考えていた譲だったが……折れることにした。  
 
「あの、狐様、申し訳ありませんが、これなんとかならないのでしょうか?」  
このような格好では会社に行けないどころか、普段の生活すら危うく、  
 一歩引いてでも解決策を見つけなければならないと判断したのである。  
時雨の方も、下手に出る譲の態度に満足したのか、現状を説明してくれた。  
 
「私たちは人間から陽の気を得てそれを妖力として得る事ができるの」  
「あなたを襲うだけだったら、あなたから‘気’を吸うだけで問題なかったんだけど」  
「私の尻尾をいっぱい愛撫したでしょう?」  
「ああ、いっぱいした」  
「その時にね、尻尾から私の‘気’を目一杯に吸い取っていたのよ」  
 
 言われてみて、尻尾への愛撫の最中に不思議な感覚が流れ込んできた事を思い出すが、  
彼女の話には分からない事があった。  
 
「待て、それならばさっきので相対的に吸収してもらえてるんじゃないのか?」  
 
 そう、雪風&時雨ペアによってたっぷり絞られたわけだから、話の通りだとすれば、  
譲の現状を説明する事ができない。  
 
「いやね、私は搾り取っていたんだけど、雪風がねぇ」  
「雪風が……あっ」  
 
 言われて、自分が雪風の秘所を舐めしゃぶり、愛液を啜っていたのを思い出した。  
つまり、出入りした‘気’の量はプラスマイナスゼロ。  
心境的にはむしろマイナスだが、先に時雨から吸い取って分を加味すると  
相当なプラスだ。  
譲は、今までの話を総合して、現状の解決策を考えると、  
 
「なるほど、つまり、一方的にお前らに搾り取られれば良いというわけだな?」  
「正解、でもほら、見て」  
 
 時雨の腹を見ると、譲の精液で妊娠したかのようにプックリと膨れ、  
“もう満腹です、食べられません”と言った感じで自分の腹をさすり、クフーと息を吐く。  
 雪風に視線を移すと、秘所からたっぷりと気を吸ったにも関わらず、  
時雨から口移しで譲の気を流していたようで、同じく満腹そうである。  
 
「貴様らぁっ、責任とれぇー!」  
 
 半泣き状態で詰め寄る譲。  
雪風はなだめようと苦心するが、時雨は怪しげな笑みを浮かべて声を上げた。  
 
「んっふっふっふっふ……心配には及ばないわ、兵力は整っているからね」  
「でませい! お山のみなさんっ!」  
 
 そう叫ぶと、周囲の茂みが物音を立て、いくつもの黒い影が飛び出した。  
猛烈な勢いで空中に飛翔すると、譲の目の前に着地した。  
 
「いやぁ、コッソリ見てたかいがあったわ」  
「先輩の獲物を味わえるチャンスなんてめったに無いものねっ」  
 
茂みから出てきたのは、数名の狐っ娘。  
しかも、全員が裸で、臨戦態勢である。  
 
「あ、あの、どちら様方でしょうか?」  
「ふふっ、この娘達はね、お山の学校の下級生、それとお友達よ」  
 
 尻尾の本数は2本から3本で、雪風と同じ程度の力の持ち主と推測されたが、  
情欲に燃える瞳は、勝るとも劣らない。  
彼女達は舌なめずりをし、獲物をゆっくり見定めると、一気に飛び掛った。  
 
『いっただっきま〜す!』  
 
 最初は逃走も考えたが、最初に飛び掛った数人が伸し掛かるように押さえつけ、  
仰向けで身動きをとることができなくなった。  
 押しのけようと手足をバタつかせるが、すぐさま別の者が手や足を押さえ、  
完全に拘束されてしまった。  
 
「あはっペニスもーらいっ、ふぅ、おっきぃよぉー」  
「もうっ、一人でズルイっ、じゃぁ私は尻尾をかわいがってあげよぉー」  
「おいお前ら、そんないきなりっ……ひっ」  
 
 最初に伸し掛かった娘に肉棒を握り締められると、萎えていたはずのモノに血が昇り、  
一気に天を突いた。  
 さらに、生えたばかりの尻尾を別の娘が握ると、それだけで射精してしまったのである。  
 
「あはっ、もうイっちゃったのね……ンッ、おいしぃよぉ」  
「あっ、精液が漏れてる、もったいない、私がもーらいっ」  
「んっ、クリちゃん舐めないでぇ、あんっ」  
「みんなズルイ……ボクは……口からもらう」  
 
 射精を感じ取ったのか、竿をしごいていた娘が口で亀頭を包み、  
煮えたぎる精液をゴクゴクと飲み干してゆく。  
 だが、パワーアップした譲の射精量は半端なものではなく、  
口からこぼれたものをさらに別の娘が舐め取っていた。  
 
「んふっ、全部吸い取るまで、放さないんだからぁ」  
「今夜は、眠らせないわよっ」  
『ああぁぁぁぁんっ♪』  
「ぎゃぁーーーっ」  
 
朝日が差し込む頃には、精液と愛液にまみれた獣達の群れが横たわっていた。  
 
△▽△  
 
「お疲れ様〜、またきてねっ」  
 
 にっこりと笑顔で見送る狐っ娘たち。  
耳と尻尾は何とか消えたが、気力体力共に限界で足元がふらつく。  
 
「もうっ、2度とこないぞっ……」  
 
 よれよれになりつつも、山を後にする譲が、ゲッソリとした顔立ちで言うが、  
そんな態度の譲に対し、時雨は余裕の笑みを持って応える。  
 
「それは無理ねっ、下界で‘気’を溜め込みすぎると、また出ちゃうわよ?」  
「え?」  
「つまりっ、あなたは陽気を溜め過ぎると耳尻尾が出る体質になったってことよ♪」  
(この女狐、軽くとんでもない事を言ってくれるぜ、これはお前のせいだろぉが!)  
 
 聞こえないように心の中で叫ぶ。聞こえて機嫌を損ねられると大変だ。  
耳と尻尾がまた出てくると私生活が危うくなる。  
つまりは、目の前の女狐たちに頼らなければならないという現実が譲を襲っていた。  
 
『またよろしくねぇ〜』  
「なんだか図られたような気もするんだがなぁ……」  
 
そうボヤきつつ、女狐たちの期待を背負って山を後にするのだった。  
 

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