「……うー、さぶっ」
「何と言うべきか……お前って何だったっけ?」
「なによ。雪女よ。それがどうかした?」
「……いや、今6月だよな、って思ってさ」
「そうね。毎日ジメジメしてやんなっちゃう」
「……そりゃ、そんなのの中に入ってたらジメジメもすんだろ」
「何か文句あるの?」
「主に電気代的に文句はあるな。……とりあえず、出ろ、そのコタツから」
「横暴だー! 私が冷え性だって知ってての狼藉!?」
「冷え性の雪女なんか聞いたことねえよっ!? しかも冷え性って
レベルじゃねえ! なんだ六月にコタツに潜って『さぶっ』って
言ってる雪女って!?」
「……駄目よ、目の前の現実を受け入れなきゃ。ねっ?」
「『ねっ?』じゃねえっ! とりあえず、電気代かさむし、いい加減それは
片付けさせてもらうからな。寒いのは厚着とかで何とかしろ」
「酷いっ!?」
「……俺も、クーラーつけるのは我慢するから」
「……うぅ~」
「な?」
「仕方が無いわねっ! ……じゃあ、とりあえず今日の所は」
「今日の所は?」
「人肌で暖めてもらいましょうか」
「……ったくしゃーねーな」
「んっ……やっぱりお前のここ、冷たいな」
「んぁぅっ! い、いきなり入れないでよ……もっと、ゆっくり……」
「こうやって繋がってる時じゃないと、お前が雪女だって事、
忘れそうになっちまうな」
「……じゃあ、たまに吹雪吹こうか?」
「いらんわっ!」
「冗談よ。私が雪女だとか、そういう事はどうでもいい事よ。
大事なのは……」
「俺がお前を好きで、お前が俺を好きな事、だろ?」
「……い、言われると恥ずかしいもんね、そういう台詞」
「言ってる方は恥ずかしくなかったのか? 俺、結構恥ずいぞ……」
「……恋は盲目?」
「じゃあ俺はお前にもう恋してないってことですかい」
「何言ってんのよ……恋は終わって、今はもう……愛して、くれてるから」
「……またそういう恥ずかしい事を」
「うん……今のはちょっと恥ずかしかった。えへ」
「じゃあ、お前も俺を愛してくれてるって事だな?」
「……当たり前じゃない」
「……そっか」
「……」
「……」
「そろそろ、動いても大丈夫か?」
「う、うん……もう大丈夫。っていうか前戯してから入れてくれたら
いつもこうやって待たせることも無いんだけど……」
「だって、それじゃ温くなって、よく冷えたお前のアソコを味わえないだろ?」
「……普通温かい方がいいんじゃないの?」
「俺は好きなんだよ……お前の冷たいアソコが、さ」
「変な人」
「そりゃ、雪女を嫁にしようってんだ……変人じゃなきゃ勤まらん」
「そうかもね……あんっ!」
「じゃ、しっかり温めてやるから……覚悟しとけよ!」
「う、うん……ひあぅっ、あっ、ひぃん……よろしく、ね……んっぁ!?」
こうして、夜は更けていくのであった。 おわりー
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