「えーっ、海行きたいよっ!」
「可奈と休み合わないし、俺9月まで時間余裕無いから無理」
「1日位……なんとかなんない?」
「んーなんないなー……」
真治は仕事が忙しい
チームのやり手だった山本さんが支社に移動してから
平日は "労働基準法?なんですかソレ?" の如く動き回り
土曜もほぼ次の週にこなす仕事の段取りで終わる
日曜は休み……でも、そんなハードな日々を清算する様に睡眠を取る
言葉にすれば"やり手の商社マン"ぽく聞こえるけど
実際は弱小会社でボロボロになってる多忙の営業マンでしかない
とにかく、あたしはつまらなかった
"仕事とあたしどっちが大事なの!"
そんなくだらない質問で詰め寄る気もない
でも、夏の一日位……あたしの為に空けてくれもイイじゃない
そんな気持ちをぶつけたのが、はじまりだった
「ねーっ、一日位イイでしょ? ね? ね?」
「あーもう、しつこいよ……」
「真治が折れれば良い事!」
「約束は出来るよ? でも、もしドタキャンしたりしたら……
可奈に文句言われるの俺だよ? 守れる確信の無い約束はしません」
敵は頑固だ……言ってる事はあたしにも判る
でも女の子は破られる約束だとしても
"わかった、お前の為に空けるよ" その言葉が欲しいダケなのに……
ダルそうに欠伸を噛み殺しながら、ベットに背中を預けた真治に
負けてなるものか! と、海への誘いを続行すると深い溜息を吐きながら
「んー可奈が、すっごいエロい水着を着るなら行ってもいいかな」
「……はぁぁ?!」
「んーっと、どこだっけな……こないだグラビア雑誌に載ってたやつ」
ワークデスクの下、経済誌やらグラビア雑誌が積み重なる場所から
一冊の雑誌を掴み真治はあたしの隣に腰を下ろした
「コレコレ、こーゆー水着持ってくるなら無理して行ってもいいよ」
「うわ、かわいい……」
想像よりも、まともなデザイン……いや、本当に可愛い水着
ホルターネックがちょっとレトロな感じで、でもサイドのカットは結構際どい
色も真っ白で凄く可愛い水着に大賛成でOKをすると
「んじゃ俺が買ってあげるよ、同じやつ」
「ほんとに? いいの?」
「うん、俺のリクエストだし買ってあげる……そのかわり」
「そのかわり……? なに……?」
「アンダーヘアの処理、俺にさせてね? スーパーホワイトだから透けるし」
絶対なにかあるとは思ってた……
エロい水着を着用するんじゃなく
正確には、エロい事をさせろ……だった
真治の笑顔が、最近怖くて仕方が無い
"やっぱ……海、行かなくてもいいかな"
そんな事を思い始めた時、あたしの耳朶を生暖かい息が掠め
真治の手が、崩したあたしの脚に置かれた
「透けてるのとか、人に見られたら……イヤでしょ?」
「でもっ、自分でちゃんと出来る……からダイジョブだしっ……」
「なんで? 脚広げるの……可奈、得意じゃん? すぐ済むからさ……ね?」
耳を掠める真治の声が、熱く身体に入り込む
低く優しい声色で紡がれる選択は二択
"はいorYES" もはや選択では無い
絡みつくような声と置かれた手の感触に
身体の奥から甘い甘い疼きと劣情が湧き出した
「んんっ……っ」
「どしたのそんな声出して? 可奈ってば、やーらしぃ」
鼻にかかる僅かな声を漏らす
その声を聞き逃さない真治は、意地悪そうな顔で笑い
一切の身を引き、あたしの側から離れた
あたしの中でモヤモヤした熱が上がるのを知ってか知らずか
引いたまま、一切声もかけない真治に
身体も、この空気も堪らなくなったあたしは沈黙を破った
「ちっ、違う水着とか……無いの?」
「んーあぁ、ベットの向こう側に雑誌何冊かあるから見てみたら?」
あっさりチェンジを受け入れる真治に吃驚したのはコッチだ
少し気味が悪いな……と、思いながら
言われるままベットをのぼり、ベットと壁際のライトが設置された
その隙間に手を伸ばした瞬間
"ヤバイ……" 背後から腰を掴まれた
「やっ! 何っ、何っ?」
「いいから、早く雑誌とりなよ」
カッチリと腰を掴まれたまま雑誌に手を伸ばすも僅かに届かない
無理やり伸ばせば腰の位置が高くなり、お尻を高く上げる事になる
雑誌に手を伸ばしたまま静止するあたしに真治は
「届かない? ほんっと可奈は手がかかるよねぇ……」
背後から、深い溜息が聞こえた
あたしは溜息を吐かれる様な事をしてるんだろうか……
そんな疑問を感じるや否や、太腿の間に真治の脚が割り込み
左右に力を込められた
膝を付き四這いになっていたあたしの高さがガクンと低くなる
低くなった勢いで雑誌に手は届いたものの、既に雑誌どころの話ではない
「ちょっとっ! はっ、離してよっ!」
「いいから、じっとしてて」
「良くないしっ! ホントにちょっとっ!」
嫌だと訴えるあたしの事など、まったく気にもしない真治は
腰とお尻を僅かに覆った揺れるスカートをたくしあげた
「やあっ! ちょっとまった!まった!」
露になる下着、部屋の電気はピンスポとはいえ
普通に読書が余裕で出来る明るさ、丸見えもイイトコ
「可奈、さっきヘンな声出してたよね? ココ……もう濡れてんじゃないの?」
突き出したお尻を隠すショーツのクロッチ部分をなぞり上げる指
「ひぁっ! やっ……」
「うわ、ホントに濡れてるみたいだけど……」
クロッチの中心部分で指が止まり、ゆっくりと押し抉られる
「はぁっ、んっ……あ、あ……」
「ヤバイ、可奈すげぇ濡れてる……もう色変わってるしココ」
"ココ"と言葉を発しながらグッグッと押され、堪えた声が部屋に漏れた
「そ……そんな、事ないっ」
「だぁめ、可奈のイヤってのと、そんな事無いってのは充てにならないよ」
「ふぁ……ああっ……」
「どうしよっか……こないだ下着すごくなっちゃったし、今日は脱ごうか」
「やっ、やだっ、ホント恥ずかしいから……ヤ」
そう言い終わらない内、突き出されたお尻の
一番高い位置の布に指を通し思い切り引っ張り上げられた
「あぁぁっ! あ、あ……んっんんっ!」
「気持ちいいの? 気持ち良さそうだよね、すっごい声だもん」
「お……願いっ、ひっぱらないで、それっ、ダメっ」
「気持ちよすぎちゃう? じゃぁ……ダメじゃないよね?」
引き上げられたショーツが食い込む
上半身が下がり、下半身を突き出すカッコは
敏感な部分が全て開いたままになる
そこを、引き上げられて細く絞られた布に擦り付けられる
頭を振りながら、イヤと言い続けても
自然と腰が刺激を求め揺れていく
もう既に上半身を支えた、あたしの腕は崩れ
ベットカバーを握り締めながら切ない声を上げていた
ショーツに吸われる体液が、絞られる布を更に硬くし
不規則に引き上げられる度、あたしの声が漏れる
真治はショーツを思い切り引っ張ったまま
肩で息をするあたしの顔を覗き込み
「下着……脱いどこっか?」
耳朶に、唇が触れるかどうかの距離で囁かれる
カーッと熱くなる耳の奥、思わず漏れる上ずった声に
真治の手の力が緩んだ
「そんなに……気持ちいいの?可奈」
「は、ぁっ……ん……んんっ、ちが……気持ち、良くな……」
「まぁだ、そんなコト言うんだ? 素直じゃないよね」
「ふっぁ……あっ、あっ……ぁっん」
「まぁ……いいや、可奈膝あげて?」
緩んだ食い込みは、あたしの突き出された下半身全てを解放した
情け無い位に湿って、生暖かい布が内股を掠める
そんな感触にも身震いを起すほど、身体が敏感になっていく
頬を預けたシーツから顔を上げ
再度、腕で身体を支えながら膝を上げると
開いた脚に伸ばされたショーツから、片足が抜かれた
露になった中心から、僅かに溢れる体液
受け止めるショーツを失ったソレは
外気に晒されただけの刺激で軽く収縮を繰り返す度に
少しづつ少しづつ、内股に垂れていく
そんな内股にツーッと指を滑らせ
真治は垂れる体液の感触を広げてゆく
「恥ずかしい? それとも恥ずかしい方がいい?」
「恥ず……かしい、よっ……やっ、やぁっ」
「んー、イヤなのは判ったけど……コレなに?」
内股に滑らせた指は、背後からあたしの目の前に突き出された
目を背けたくなるほど艶を帯びた指先が
あたしの真上でぼんやり点るライトの光を反射する
「ねぇ……聞いてるの、コレ……なに?」
「しらな……」
「知らない……って、知らなく無いでしょ? 最近可奈は、我侭すぎっ
俺の言った事まったく守らないしさぁ……嘘ばっか吐くし……」
背後から覆いかぶさる様に真治が耳で囁く
あたしの体液でテラテラと光った指は
その体液の存在を、あたしの唇をなぞる事で伝えられた
「あふっ……んっ」
「ね? 凄いベタベタでしょ? 可奈、俺の指ちゃんと綺麗にして」
唇をすべる指に、舌を伸ばすと
なんとも言えない……生き物の味がした
鼻先から、甘ったるく少し酸味が混じる女の香り
ピチャピチャと舐る度、唾液と絡んだ体液の僅かな水音
一種の陶酔……それに似た何かが、あたしの脳を支配する
舐る行為に夢中になった頃、あたしの口元から指が離れ
同時に覆いかぶさった重みも消えた
「さて……どうなってるでしょう?」
楽しそうな声が、背後から飛び込んだと同時
背中が仰け反りそうな程の刺激が
開かれた中心から駆け上がった
「はぁっ、うっ……」
「あーぁ……何コレ……ねぇ、何考えて指舐めてたの?」
「……っ」
言われるまでも無かった
真治の指が唇に触れ、舌先で舐る間
下半身にはズキズキと痛いほどの疼きが湧き上がっていた
突き出されたお尻の左右に手の感触を感じる
左右の中心部分に指の感触が移動した瞬間
ただでさえ開かれたままだった中心が更に開かれ
身体の奥にまで、外気と真治の視線が刺さる
「見られるの好きなの?」
「やだっ……やっ、やぁっ……」
「だって、可奈がHの時に気持ちいいって言う時と同じにヒクヒクしてるし」
カーッと熱くなる頬、同時にぬるっとした感覚があった
「今……、一気に溢れたね」
淡々と状況を伝えられる事で、さらに煽られる
「嘘ばっか吐く子には、なんかお仕置きが必要?」
ふるふると頭を振りながら、そんなものは必要ないと訴えるも
言い出したことを、取りやめるような真治ではない
ベットから降りた真治は、脇にあった椅子に座り
静かに言葉をなげる
「可奈、さっきみたいに……頭ベットにつけて」
「な、なんで……」
「いいから、早くして」
腕の支えを肘の支えに変え
頬をベットに預けた
椅子を引きずる音が聞こえ
背後の行動が見えない事に、少しだけ怖さが湧き上がった
膝立ちのあたしの膝裏を少し前に押し出す
自然とシーツに皺がより、あたしは体勢に僅かな苦しさを感じた
「真っ赤だよ、ココ」
中心から垂れる体液を絡めた指が
刺激を貪り大きく腫れ上がった突起を弾く
「はぁっ! ふ、うぅっ……」
背後から予想もつかない刺激
しかも真治からは、撫で上げる行為の力だとしても
受け止めるあたしには、撫で下ろされる刺激になる
普段と違う力の刺激に開かれた下半身全てに痺れるような刺激を与える
ほんの僅かな指の動きに、クチュクチュと音が響く
上部の狭間から垂れ流される体液は、指に絡める手間もいらない程
充血したソコに流れ、纏わりついた
足の付け根に手を付け、親指を突起に宛がうと
触れるか触れないかの僅かな摩擦を繰り返す
「はぁっ……あ、ああっ……んんっ!」
時折、指の腹を全て使い押し上げる
その不規則な刺激に泪が零れた
「気持ち……イイの? どうなの?」
「もう、もう……やめっ……」
「可奈は気持ちイイし、俺は目で楽しむタイプだし……やめる理由がないよね?」
「意地……悪っしなくても……」
「え……それ、心外だね……ってゆーか、可奈ヨガりまくってんじゃん? ほら」
両手がかけられた感触
むず痒さと切なさでズキズキと痛む場所に軽く触れ
次の瞬間一気に左右に引っ張られた
「あははは、すごい飛び出てるよ……」
「くぅっ……んっ」
「どうして欲しい? このままずっと眺めててもいいけど?」
剥き出しになった突起が外気に晒される
自分自身悲しくなるほど……その晒される行為ですら快楽が走る
ただただ黙ったまま、疼く感覚を堪えると
真治は、左右に添えた親指に力を込めクルクルと扱く様に動かした
「ふぁっ! やぁ……だめぇ、それっだめだめーーっ」
「気持ちいい、もっとして……って言いなよ、素直に」
「やっ、ちが!ふぁめ……おかしくなるっ」
「あ、それ……大っ歓迎かも」
そんな笑い声が聞こえた瞬間、中心にあった突起に
とんでもない刺激が与えられた
真治の舌が、ソレを舐め上げゆるゆると上下に動く
軽く舌先で弾かれる度に、目の前の景色が歪む
「はぅん、んっん……」
堪えた声が鼻にかかり出すと、舌先の感触が消え
「イキそうなんでしょ?」
決定的な刺激が絶たれ、肩で息を整えながら僅かに振り返ると
唇を指で拭う真治と目が合った
「すっごい、エロい顔してるよ? 自分で……見たい?」
「見……たくな……いっ」
恥ずかしさで、顔を背けたあたしに真治は
「可奈、脚……疲れたでしょ 立ってイイよ」
気味の悪いほどの笑顔、快楽で半分意識の飛びそうなあたしは
判り易いほどの笑顔に気が付かず、ベットの上にペタンと座りこんだ
あちこち痛む手足の痛みと
下半身の疼きに顔を歪ませながら深い溜息をつくと
背後から、あたしを抱きしめた真治が耳もとで囁く
「次は、どうされたい?」