「おねーちゃん、足伸ばしすぎだよぉ」  
「じゃああんたが縮まりなさいよ」  
高林怜は妹の凛の不満を却下して、逆に伸ばした足を開閉して領土を広げた。  
二人がいるのは居間のこたつ。両親が出かけている冬休みに、向かい合って宿題をしている。  
「凛、そんなことよりみかん取って来てよ」  
「えー。寒いし、おねーちゃんわたしのノートに余計な事書くもん」  
「あたしの方が寒いから取って来てよ」  
「……今やってるの数学だけど、「1」を片っ端から「4」に書き足したりしない?」  
夏に、英語の宿題の「n」を「h」に継ぎ足しまくった前科がある。  
「いや、今回はみかんのことしか考えられない……」  
「じゃあ、行くよ。このこたつむりめっ」  
「よろしくー」  
 
「持ってき……あ」  
凜がこたつに入り、硬直する。怜の足の裏が、ちょうどしっかり当たっているのだ。  
「妹よ、よくやったっ! みかんみかんー」  
「あの、おねーちゃん?」  
「よかったのかい? ほいほい持ってきて。あたしは白い筋も構わず食べちゃう女さっ」  
「……」  
嬉しそうに皮をむいて、一房口に入れる姉。何気なく横に動いて股間のフィットを外す。  
そう、たまたま座ったところに足がフィットしすぎているのだ。姉もきっと、この足の位置はまずいと思いながらあえて動かすのも逆に恥ずかしいから平静を装っているのだろう。  
ずず……ずっ  
「!?」  
足がついてくる? そんな……  
「あー、みかん食べ始めると止まんないよねえ。おなか減ってるわけでもないのにね」  
「えーと……あっ」  
くっついたまま足の指が動き、凜の敏感なところを布越しになでる。びっくりして、動きが止まってしまう。  
 
「おねーちゃん、そこは……」  
「なに?」  
「あの、足をどけてほしいんだけど……」  
指が、凜の先端をかすめるように往復する。こたつの足を握って耐える。  
「凜……」  
触れるか触れないかの位置で指がくるくる回る。声だけは出さないように我慢する。  
「あたしはこたつを独り占めしたいの。だけどあんたも、あたしほどじゃないとは言え寒がってる」  
「うん。だから譲り合って温まろうよ」  
「違う。そんなことより、あんたがこたつに入らずして暖かくなればいいの」  
くにっ、ぐにっ  
柔らかい肉が強めに弄ばれる。姉とは言え、いや、姉だからこそそんなところをいじられるのは恥ずかしい。  
「だから、姉として電気あんまする」  
「え、ちょっ」  
こたつの中で足首が捕らえられる。引き寄せるようにして、爪先がパンツに食い込み  
「いやああああ!」  
天板の下で、圧倒的な振動が始まった。  
 
「あっ、んっ……!」  
子供の頃から姉には逆らえない。たとえばおやつを奪われそうになって抵抗してみても、欲しがられた時点で奴が食べることは決まっているのだ。  
「あ……やあっ」  
今だって、怜が電気あんましようと思い付いた時点で凜が辱められることは決まっていた。  
「どうよ凜、温まってきた?」  
「んっ、すごい……熱いよぉ……離して、おねーちゃん……」  
「まだ平気っぽいね」  
「あーっ!」  
振動が少し強くなり、凜は上体を仰向けに倒してしまう。足首を引き寄せる手の力も強まり、凜の大切なところが足に吸い付くようだ。  
全然平気じゃない。固い足の裏が繊細な器官を荒々しくこねくり回すのだ。最初優しくまさぐられていた頃に慣らされ、よだれをにじませてしまっていたその部分に凜の全神経が集中する。  
「ほらほら、もっと熱くなりなさいよ。頭の中までぐちゃぐちゃにとろけなさいっ!」  
「んあぁーっ! やめてやめてっ! あっ……だめえーっ!」  
凜の目から見えるのは、怜の顔だけ。その顔は、妹を無理矢理気持ち良くさせる行為を心から楽しんでいた。  
 
凜はこたつの中で送り込まれる性的エネルギーを必死に受け止める。こたつの足を押さえるのはやめ、かぶせられた布団を両手で掴み口元に押し当てている。  
「ん〜……む〜っ!」  
半開きになった割れ目に親指が食い込みながら、ちょうど良過ぎる強さと速さで秘密の突起がこすられ続ける。  
全身がパンツの中身になったように快楽でいっぱいになり、時折目の前が真っ白に光る。  
この感覚は、だめだ。もう後戻りできないところまで高められてる。身体がおねーちゃんの足を求めてる。  
「太股があたしの足をしっかり挟んでる。そんなに最後までいきたいんだ」  
「ちがっ、あ……っ!」  
慌てて口に布団を押し当てる。  
「電気あんまが気持ちいいんだよね? 腰がかくかく動いちゃうくらい」  
「んーっ! んんーっ!」  
その動きは止められない。声を押さえるので精一杯。  
「パンツもあたしの靴下もぐしょぐしょになっちゃった。凜の気持ちいい証拠で」  
「あふっ! ちあぁあぁっ!」  
いつの間にか更に強くなっている振動で抗議もできない。見えない足に身を任せてしまう。  
「そろそろ限界でしょ? 我慢しないでいいよ」  
言われた瞬間、心と身体のブレーキが壊れる。床と天井が分からなくなり、脳の中で性器だけが強い存在感を示す。  
「あ、あっ……! んあっ! あ…………ぁ」  
「あーあ、本当にイッちゃった。いやらしい妹」  
 
気が付くと、凜はこたつから抜き取られて姉の膝の上で寝ていた。  
「おはよう、凜」  
「おはよ……」  
喉が渇いていた。みかんをむさぼる。麦茶を流し込む。  
「……」  
「……」  
気まずい沈黙。長い付き合いだが、あんな痴態を見られたのは初めてだ。姉も、悪乗りしすぎた自覚はある。  
「…………」  
頭を横に向けると、こたつが目に入る。布団に覆われた、禁断の暖房器具。  
凜は無言で立ち上がり、また姉の向かい側に入った。  
「寒いの?」  
「うん、だから……」  
こたつに入ると、うずく。変な条件反射ができてしまった。仰向けになるとますます局所的に血の巡りが良くなる。  
「また、あっためて……」  
凜は脚を開き、伸びて来る足を待ち受けた。  
 
Fin  
 

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