第一話【お約束の宇宙人襲来!!】  
 
時は20XX年…。太陽系第三惑星…地球の極東に浮かぶ島国、日本国は重大な危機に瀕していた。  
東京都心の空に突如として覆い尽くした邪悪な影。山の手線外周がスッポリと収まる巨大波確認飛行物体。  
そう、外宇宙勢力の襲来である!そして…例によって多摩はまたもや蚊帳の外だった!  
 
「…ホワイトハウスとはまだ繋がらないのか」  
 
首相官邸に設けられた緊急対策本部。内閣総理大臣、大泉純二郎の眉間には深い皺が刻まれていた。  
 
「はっ。大統領は現在エアフォース・ワン機内でテロリストと格闘中です」  
「各国首都はどうなっている?」  
「ワシントンDCを始め、ロンドン、北京、モスクワ上空にも件の飛行物体が確認されております。パリ、ローマ、ソウル、ウランバートル、ブラザヴィル、ワガドゥーグ、エロマンガ島からの通信も途絶しました」  
 
総理はデスクに視線を落とし、深い溜め息と共に首を横に振る。  
 
「総理、首都圏に展開中の自衛隊から緊急連絡です!!」  
「なにっ!?」  
 
ザー…ザ、ザッ、ザザッ。ノイズ混じりディスプレイに屈強な体躯の壮年自衛官が映し出される。  
父性漂うダンディな髭面で何というか皮の腰巻が似合いそうだ。  
 
「対策室へ入電!現在、未確認飛行物体からレーザー攻撃を受け…ぬわーーー!!」  
 
通信は途切れた。所要時間わずか2.5秒。  
 
「やっぱ自衛隊って怪獣と宇宙人には役に立たないんだなァ…」  
 
総理ーっ!平成ガメラ、平成ガメラー!  
 
 
「フハーハッハッハッハ!聞くがいい、愚かな人間どもよ」  
 
なんとも非常識な第一声である。しかもなぜに日本語。  
新宿西口駅の前。ロータリーに集った通行人の視線は、上空に映し出された巨大な黒い影に釘付けであった。  
 
「我が名は暗黒騎士イーヤン・エッヂ卿!全宇宙を支配するドスケベニア帝国の誉れ高き戦士である!」  
 
戦国時代の武将を連想させる漆黒の兜に、コーホーコーホーとか音の出てる妙なガスマスク。  
風も無いのにマントをなびかせたその男は、今にもJ.ルーカスに訴えられそうな、別の意味で恐るべきオーラを発していた。  
 
「我らが偉大なる皇帝ハーラー・マッセル三世陛下の命の下、今この瞬間より地球征服に着手する!!ゆけ、怪人スパイダーマン男!!」  
 
なんとくどいネーミング。まさに頭痛が痛い。  
なんの前置きも無しで始まった侵略にざわめく人々の目の前で、UFOから降り立ついかにもエレベーターっぽい光の柱。  
誰が奏でているとも知れぬパイプオルガンをバックに降下して来たのは怪人スパイダーマ―――――。  
 
「タコー!!」  
 
どっからどうみてもタコ怪人だった!  
その左右にいる全身タイツの覆面兄貴達はまごうかたなき戦闘員である。  
 
「第一話は蜘蛛怪人だろ、常識的に考えて…」  
 
恐れおののき声も出ない都民達の前で、直立歩行のタコは余った手足をクネクネクネクネ…。  
 
「さあ、スパイダーマン男よ、我らが奴隷となる地球人を攫って来るのだー!ただし美女のみ!!」  
「タァァァァコォォォォォオーーーーー!!」  
 
微妙に噛み合っていない上司と部下。  
タコ怪人…もといスパイダーマン男の雄叫びを合図に戦闘員達が一斉に散らばった。  
モーリス・グリーンも真っ青の速力で疾走するタイツマン軍団は居合わせた何の罪も無い人々に無慈悲にも襲い掛かる!ただし美女のみ。  
 
「きゃあ!!なんなのよっ!?」「ち…痴漢ーーー!!」「いやあ、やめてーーー!!」  
 
次々と上がる黄色い悲鳴。戦闘員達は手近な若い女に組み付くと、彼女らの身につけていた衣服を片っ端から脱がし始めたのだ!  
スーツがはだけボタンが飛び、シャツが裂けてブラジャーがちぎれ、スカートがめくられてはパンツが降ろされる。  
人間離れした怪力の前に次々と剥かれていく美女達。露になった乳やら尻やら内股やらを、戦闘員達のテクニシャンな指使いが這い回る。  
こいつら相当な手練れに違いない。  
 
「なっなんてドスケベなんだ!!」「に…逃げろーーー!!」  
 
都心のど真ん中で突如として繰り広げられるうらやま…おそろしい破壊活動。  
人々は先を争ってその場から離れようとしパニックに陥る。  
逃げ遅れた女子高生だか女子社員だかは次々と戦闘員に捕まり、助けを求める暇もなく彼女らの着ていた衣服がバサっと青空を舞った。  
 
「たぁーこぉー!逃がすかーーー!!」  
 
脱がされた衣服の散乱する駅前を我先にと逃げ惑う群集に憤るタコ怪…スパイダーマン男!  
パンパンに膨れた風船のような頭部が一気に萎み、内部に蓄えられた恐るべき溶解液が噴射される!!  
 
「きゃーーー!!」「ひゃあ!!」「うわ!なんだよこれえ!?」  
 
タ…スパイダーマン男が吐き出したのは、某海産物の出す真っ黒な墨。ではなく、ほのかに黄ばんだ白い液体だった。  
質感といい、匂いといい、どうみてもアレだ。  
 
「なっ…きゃぁーーーーー!!」「う、うそ!いやァん!!」「助けてーーー!!」  
 
そしてな、なんと!溶解液を浴びた人々の着ていた服は、ジュクジュクと音を立ててみるみる内に溶け始めたのだ。もちろん美女のみ。  
大慌てで上着を捨ててももう遅い。ドロドロの泡になった衣服がボタボタと地面に落ちる。  
ブラジャーのバンドが溶けて中の果実がブルンと飛び出し、大事なところを守るぱんつ(通称ファイナルフォート)は内股からドロリと滑り落ちていく。  
 
「た〜こ〜!三鷹ァ〜、帝国の最先端変態技術の結晶を!俺様の吐く溶解液は、浴びた人間の身長性別年齢体重体型容姿血液型住所指名年齢電話番号生年月日出身地交際歴口座入金記録等を瞬時に判別し、  
美女の身に着けている衣服だけを溶かして生まれたままの姿に変えてしまうのだぁー!!」  
 
夢の積み過ぎで沈み始めている溶解液を事細かに解説しながらタコ怪…スパイダーマン男が胸を張る。  
 
「さあ戦闘員どもよ!皇帝陛下に獲物の献上する前に俺達の分け前を頂くとするタコー!!」  
「イー!」「イー!!」「イー!!!」  
 
怪人の声を合図に戦闘員達は各自の捕まえている美女の股をグイっと開き自らの腰をグイグイ突き出す。  
彼らの全身タイツは股間部だけが綺麗に開き、赤黒いネッシーの頭がビクンビクンと脈打っていた。  
逃げることも忘れ、湿布のようにドロドロになってしまった下着で局部を隠そうと必死だった女性達も次々と餌食になっていく。  
タ…スパイダーマン男は、服を溶かされ半泣き状態でうずくまっていた女の子をひとり吸盤つきの腕で絡め取った。  
 
「ほ〜れほれほれ、ほれほれほれ〜!!俺様のスーパー触手責めオクトパスアタックはいかがタコ〜?」  
「い、いやん!や…やめて。はう…!」  
 
ぺったんぺったん。タコ怪人ではないスパイダーマン男の吸盤が柔肌に吸い付き、キスマークっぽい痕を全身に刻んでいく。  
変幻自在の骨無しボディと八本の脚は、あらゆる角度から初々しい肉体を責め立て、少女の中に眠る欲望の火に薪をくべていった。  
 
「おやおや〜、下のお口が随分だらしないタコ〜?」  
「ひぁう!?」  
 
濡れそばり緩み始めていた秘所をチョイチョイ突くタコ…スパイダーマン男。  
少女の口からは驚きと羞恥を足して一で割ったはしたない声が洩れる。  
 
「これは初物の予感だタコ〜」  
 
くちゅり。いやらしい腕が蜜壷に先端を突き入れ、その奥にある膜をツンツンいじる。  
 
「オマケに危険日の予感…丁度いいタコ〜。オマエには俺様の特性精液で次の怪人を孕んで貰うタコ〜!!」  
「ひ…ひぃぃぃい!!」  
 
首をぶるんぶるん横に振り猛烈な拒否サインを示す少女。  
そのけなげな姿はタ…スパイダーマン男の加虐心をメガフレアの如く燃え上がらせた。  
 
「さ〜あ!いーたーだーくータ〜コ〜!!」  
「いやぁぁぁあーーー!!」  
 
哀れ、少女の運命は…!!と煽ってみる。  
 
「待ちなさい!!!」  
「な、なにィ!?」「誰だっ!?」  
 
ペットコーナーが廃止されて久しい小田急デパート屋上からの凛とした一喝。  
戦闘員達はイー!しか口にしてはならない事を忘れ、口々にお約束の台詞を吐く。  
 
「罪もない美女達の心と体を玩ぶ不埒な行為!それ以上の狼藉はこの『宇宙刑事リリカル・リリー』が許しません!!」  
 
律儀に待ってくれる悪の帝国軍を前に、ビシッとポーズを決めて叫ぶ謎の少女。  
 
「リリカル・リリー!?」「な…なんてリが多いんだ!!」「宇宙刑事つーか魔法少女まんまじゃん!」  
 
その美しさに見とれた市民は言葉を発することも忘れていた。  
 
「現れおったなリリカル・リリー!!今日こそは貴様の体をホニャララしてチョメチョメしてくれるタコー!!」  
「イー!」「イー!!」「イー!!!」  
 
百戦錬磨のベテラン軍人が醸し出す葉巻臭い威厳に満ち溢れたタコ…スパイダーマン男の号令を合図に、戦闘員達は一斉に駆け出した。  
エレベーターとエスカレーター。常人ならどちらが早いか迷って手も足も出なくなるところだ。  
 
「させるもんですか!必殺、ムーンライト・サンシャイン!!」  
 
どっちだこら。  
 
「ぐわー…じゃなくてイー!!」「イー!隊長ォー!!」  
 
ロッドの先端から放たれる七色の光にドカドカと吹き飛ばされる戦闘員。中にはブッ飛んだ余り新宿駅に突っ込み中央特快青梅行きに轢かれた者までいる。  
 
「おのれー…リリカル・リリーめぇ!!」  
 
上空からの一撃で並み居る戦闘員を蹴散らしたピンクの少女は、盛大にパンチラしながら着地し、ロータリーを挟んで怪人と対峙する。  
 
「さあタコ型怪人クモ男!あなたの悪行もこれまでよ!!」  
「グ…グゥ!!」  
 
リリカル・リリーは愛用のマジカルロッド、通称『ハートフル・ガトリング・ビームライフル』を太陽にかざし怪人に宣言する。…だがしかーし!  
 
「待てぇ!この娘が孕んでしまってもいいのかァー!?」  
「…なっ!?」  
 
さっきからずっと居たような気もするけど、突き出された人質を前にリリカル・リリーは凍りつく。  
 
「いいのかなァ〜?正義の味方が一般人を犠牲にしてしまってもタコ〜?」  
「く…っ!卑怯な!!」  
 
宇宙刑事は美しい歯並びを噛み締めながら愛用のマジカルロッド、通称『スターライト・ポジトロン・ソルディオス砲』を投げ捨てる。  
 
「フゥハハハハハー!やったぞ、遂に帝国千年来の怨敵リリカル・リリーを討ち取ったぞー…ゲフン、タコ〜!!」  
「えー!?」「そんな簡単に捕まるヤツ相手に千年!?」「あ…ありえねー!」  
 
大ダコじゃなくて大蜘蛛の腕に絡め取られるリリー。  
あってはならない光景を目の当たりにした無辜の民は枯れ果てた大地に泣き崩れ天を仰いで神を呪い絶望の叫びを上げる。  
 
「さあ、他の雌犬たち共々きさまも可愛がってやるタコ、リリカル・リリー!!」  
「そ…そんな!約束が…あっ、いやん!!」  
 
まだ何の取り決めもしていない内に捕まったヒロインの体へ怪人の触手が殺到する。吸盤からにじみ出る便利な液体が乙女チックなコスチュームをあれよあれよと言う間に溶かし始める。  
 
「ひゃん!ど…どこ触ってんのよヘンタ…あんっ!!」  
「おっと失礼。じゃあここかなァ〜?…タコ〜!」  
「あ…やめっ。そこは!」  
 
そろそろ語尾が面倒臭くなって来た怪人が脇の下をチロチロ撫で回す。うなじに次ぐ弱点を責められ感極まった声を上げるリリー。  
だが、どんなに足掻いても敵の触手は先回りし反転攻勢の糸口さえ彼女に与えない。  
 
「むふふ…。タコの脚はなァ、一本一本の付け根に脳の役割を果たす神経の集合が存在し、周囲の生き物のあらゆる動きに頭部の脳で判断する前に対応する事ができるのだァ!…タコ」  
「そ…そんな!恐ろしい事を…。あ…らっ、らめぇぇぇえ!!」  
 
明日使える無駄知識に満足な返事をする暇もなく、吸盤付きの脚はボロ切れと化したスカートの中から下着をひきずり出していた。  
雪山のような純白の生地にピンクの小さなリボンでワンポイントをあしらった可愛らしいローライズパンティだ。  
 
「これは…とっておくタコ…」  
 
そそくさと戦利品を仕舞い込む。  
 
「ゴホン…。さあ準備はいいタコかァ〜!?」  
「だ駄目!そっそこだけは…!!」  
「問答無用ぉーーー!!…タコォ〜!!」  
「ひ、ひぎぃぃぃぃぃい!!!」  
 
穢れを知らぬリリーの秘所をドスケベニア怪人の触手が無慈悲に貫いた。  
 
「いやぁぁっぁああぁぁあ!!抜いて!!抜いてー!!」  
 
未体験の痛みに宇宙刑事のプライドも捨て彼女は泣き叫んだ。  
 
「しっ死んじゃう!おかしくなっちゃうー!!」  
 
それでもヴァギナは怒張を飲み込むのをやめない。男女の結合を目的とした器官は、前進してくるナイスな穂先のすべてを収めようと自らの垂れ流す粘液で抵抗を緩和し続ける。  
…ちなみにおかしいのは元からだ。  
 
「良い子を産もうぞ、良い子を産もうぞ〜」  
「ひ、ひぃぃぃぃいいぃぃぃ!!…もぐう!?」  
 
脇の下を撫でていた触手が口腔に挿し込まれた。狭い空洞の中を逃げ惑うリリーの舌を絡め摂り、アナコンダのように巻き付いて来る。吸盤から溢れ出る媚薬はロイヤルゼリーのように甘い。  
 
「ふむむーーー!ふ…ふ…んんーーーーっ!!」(やめてーーー!や…や…ううーーーーっ!!)  
「そうかそうか気持ちいいかァー。そんじゃあボチボチ仕上げかなタコ〜?」  
「むぐ!?」(なに!?)  
 
ずっくん。  
 
「ふんーーーーーっ!ふ、ふむむむーーー!!」(いたーーーーーっ!お、おしりがーーー!!)  
「三点責めの可能な優良種にのみ許された極上性技『トリニティスペルマン・カノン』とくと味わい妊娠してしまがよいわ!!…タコ!!」  
 
ネーミングのヤバさに善悪の境界線はないらしい。語尾の安定しないタ…スパイダーマン男は全身の気を集め、オーラを練り、金運を上昇させ、スカラー波を股間に集中させる。  
 
「…はァ!あ…ぁ…あー…ふぅ〜〜〜」  
 
そして怪人が恍惚の表情と共に全身の緊張を緩めた次の瞬間、リリカル・リリーに挿し込まれた触手はビクビクっと震え…。  
ブルブルブル…ドビュルルル〜!!…どくん、どくん、どくん…どっくん。  
 
「むぶぅうーーーーーーー!!!」  
 
ありったけの精液を彼女の三穴にブチ撒けたのだった。哀れな宇宙刑事はザーメンをひたすら吐き出しながら死ぬ気で呼吸を確保しようとする。マーライオンも真っ青だ。  
 
「イィー!!」「い…イイ!」「あぁ…ホントにイイ…」  
 
同時に、他の女性達とずっこんばっこんしていた戦闘員達も絶頂を迎え、哀れな一般人の胎内に己の精を放流した。  
 
「げほっ、げほっ…むげほっ。あ…ああ。こんな…ひっく。こんなのって…」  
 
怪人による拘束から解放されて道路の上に横たわる正義のヒロイン。  
激しい咳き込みと共に口からこぼれる白濁液。股間からはほのかに赤く染まった精液が漏れ出し、尻穴からも生暖かくなった命の素が滴り落ちる。  
 
「よくぞやったスパイダーマン男よ。ドスケベースに期間の後、存分に続きを楽しむが良い」  
「ははー…タコ」「イー!」「イイー!!」「ああ…次はションベンだ…!!」  
 
完全に忘れ去られていたダースベー…なんとか卿が怪人をねぎらう。戦闘員達も女と繋がったまま律儀にかしこまった。  
 
「さあ愚かなる地球人どもよ。貴様らに与えられた選択肢は凌辱か凌辱のみ!命惜しくば早々に諦め、ドスケベニアが軍門に下るが良い!!ワーハハハハハハーッ!!」  
 
ダー…イーヤン卿のバカ笑いがひとしきり続いた後、怪人一行は登場時と同じ光に包まれ帰還していく。  
…捕まってしまった美女達と宇宙刑事はお持ち帰りだったそうな。  
 
戦え、我らがリリカル・リリー!負けるな、我らがリリカル…ん。あれ?  
…完璧負けとりますがな。  
 

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