カチカチ・・・という音が部屋中に響く。  
その部屋はどこか薄暗く、パソコンの明かりだけが部屋を怪しく照らしていた。  
よく目を凝らせ見てみると部屋の壁中にオタク向けのポスターが貼られている。  
そう_つまり彼はオタクなのだ。  
彼の名前は益田雄二。典型的秋葉系オタクである。  
しかし、彼は部屋を薄暗くしてパソコンをいじっているからと言って決してニートや  
フリーターの類ではない。れっきとした高校一年生である。  
さっきから彼はまじめな顔や、困った顔、そしてニヤニヤした笑顔を繰り返している。  
今彼がやっているゲームは一般的に言う”エロゲー”である。  
そんな彼を部屋のベッドの上から見ている少女が一人。  
彼女は雄二の幼なじみの三崎奈津。さっきからモニターの画面を見てニヤニヤしている  
雄二を訝しげに見つめている。いや、正確には睨んでいるのだろう。  
しかし、ゲームに夢中な彼は気が付かない。  
とうとう痺れを切らしたのか奈津が声を上げた。  
 
「あ〜もうっ!お前はなにやってんだぁっ!!」  
突如声を上げた彼女を不思議そうに見る雄二。そして彼はあくまで普通に答えた。  
「・・・?なにってエロゲだけど」  
「あ〜もう、こんなかわいい女の子が部屋にいるってのに雄二はなんで放置して・・・、あ〜なんていうの?  
エロゲ?なんてプレイしてるんだよ!大体それは18禁のゲームだろうがっ!!」  
「ふっ、そこ(画面上)に攻略したいキャラがいるからさ。それと、今時高校生がエロゲーをやるのはいたって普通だ。ユーザーの大半は高校生と言っていい。」  
雄二は髪をいじりながら得意げに答える。  
「キモいから!ものすごくキモいから!それと普通でもないから!さっきから見てればニヤニヤしたり神妙な顔したり・・・あ〜もう!とりあえずキモいからやめなさい!」  
奈津が怒鳴りながら言うと雄二はしぶしぶパソコンの電源を落とした。  
一回またつけようとしたが奈津が恐ろしい殺気を放っていたためやめたようだ。  
「で?何のようなんだよ。」  
 
「あのね?女の子が部屋に来たらお茶とか出して…話したり…いろいろあるでしょ?」  
「いまさらお前と何を話すと言うんだ…」  
彼はそういってふぅ・・・とタバコを吸うふりをした。  
「・・・むかつくぅ〜。大体あんたタバコなんて吸わないでしょうが」  
「モチロンさ♪(ドナルド風に)」  
やってやった。そう思っているのだろう。彼はwktkしながら奈津に期待のまなざしを送る。  
しかし、彼女は素でこう言った。  
「?なに?それ?」  
そう奈津が言った瞬間雄二はorzの体勢を取り、ありえねぇ・・・と連呼し始めた。  
「お前っ!全国的に一番有名でニコニコで恐れられている道化師を知らないのか!!!」  
「知らないわよ。ニコニコ動画なんて見ないし。」  
その瞬間、彼は近所中に聞こえるような声で叫んだ。  
「この非国民がぁ!!!あれか?国歌も知らないだろう!!??」  
「・・・?いくらなんでもそれは知ってるわよ。君が代でしょ?」  
「がぁぁぁああああ!!!まったくわかってねぇ!!いいか?ニコニコの国歌といえばなぁ!!・・・コホん・・・、  
消〜える飛行機雲〜♪僕たちはみお〜くぅったぁ〜♪・・・だろうが!!」  
と彼は自分の胸に手を当てていきなり歌った。奈津は醜く太った豚を見るような目線を雄二に向けている。  
しかし、驚く事なかれ。  
これが彼らの日常なのだ。  
しかし、こんな日常も・・・とある出来事をきっかけになくなってしまう。  
かも? 続く?のかな?  
 
 
〜fin?〜  
 

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