秋のとある日。  
穏やかな秋風が境内の木々を撫でている。  
そんな中、肩に竹箒を担いだ青年が鳥居をくぐった。  
「思った通り、落ち葉が凄いな」  
連日の強風で境内は落ち葉で溢れかえっていた。  
周りには人影はなく、静かだった。  
青年の足音、鳥の囀りだけが聞こえている。  
しかし、本殿に近づくにつれて別な音が混じってきた。  
さぁっさぁっと言う、何かを箒で掃く音と、それにより落ち葉が擦れる音が。  
「おっ、やっぱり睦月さんは掃除してたか」  
本殿の前で、一人の女性が自分の身長ほどもある竹箒で落ち葉を掃いていた。  
白と赤が眩しい位に鮮明な巫女装束の女性であった。  
艶やかな黒髪を肩の辺りで切り揃えていて、優しげな眼差しをしている。  
楚々とした雰囲気で、見る者を安心させる面差しだった。  
「睦月さん、おはよう。お疲れ様です」  
青年は女性、睦月へと声を掛ける。  
「あ、おはようございます徹さん。…あれ、どうしたんですか、それは?」  
青年、徹の担いでいる竹箒を見て睦月が言う。  
「風が強い日が続いたでしょ、だから落ち葉がたくさん出たと思って。掃除を手伝いに来たんですよ」  
「あら、折角のお休みの日にお気遣い下さって…申し訳ありません…」  
本当にすまなそうに睦月は頭を下げた。  
「ううん、そんな事は無いですから〜。さぁ、また風が強くなると大変です。頑張りましょうね」  
空いてる方の手をぶんぶん振って、徹はにこやかに答えた。  
「はい、ありがとうございます」  
徹の笑顔に応える様に、睦月は微笑んだ。  
 
「ふぅ、流石に疲れるなぁ」  
始めて数時間が経過していた。大分掃除は進んだが、終わらせるまではまだかかりそうである。  
 
「睦月さん、やっぱりいいなぁ」  
少しの間手を休め、甲斐甲斐しく落ち葉掃きをしている巫女を眺めて徹は一人ごちた。  
額にうっすらと汗を浮かべて、時々、身体の火照りを冷ますかのようにふぅっと息をつく。  
そして、また掃除を始める。  
 
途中、お昼をとって休みをいれたものの、それを除けばずっと掃除をしていた筈である。  
昼食は彼女が用意してくれた。  
来客用の凝ったものでなく、普通の家庭的な料理であったが、とても美味しかった。  
溢れかえる落ち葉を掃いたり、自分の為にお昼を作ってくれたり。  
 
「大人しげな見かけによらずバイタリティーがあるよなぁ、それに性格も良いし。何と言うか、見てると癒されるんだよな…」  
そんな呟きを漏らしつつ、睦月を眺める自分の胸がとくんとくんと高なるのを感じていた。  
 
「んっと。これで終わりですね」  
集めた落ち葉をごみ袋に詰めてその口を縛り終え、うっすらと滲んだ額の汗をぬぐいながら睦月が言った。  
「はい、お疲れ様でした」  
「はい、お疲れ様でした。徹さんが手伝って下さったのでとても助かりました。ありがとうございました」  
そう、微笑む睦月の頬は上気していた。  
 
「えと、じゃぁ、裏のごみ置き場に持っていきますね。結構あるから往復する事になるかな」  
「そこまでして頂いてすみません。勿論、私も持ちますから」  
手じかにあったごみ袋を両手にもつ睦月。徹は両手に2袋づつ持った。  
「助かります。これで一度ですみますね」  
微笑みかける徹に、いえー、と睦月はにかんで、二人は連れ立って歩き出した。  
 
裏手に回ると不意にどさっと言う音がした。  
「徹さん、大丈夫ですか…あっ…」  
徹はゴミ袋を落とし、睦月を背後から抱きすくめていた。  
不意の事に、力が緩んだ睦月の手からゴミ袋が落ちる。  
「睦月さん、睦月さん…」  
ぴったりと身体を密着させ、うわごとの様に彼女の名を呼び、両手で胸をまさぐる徹。  
 
「あ、ちょ、徹さん、こんな所で…」  
両手で徹の両手を掴んでそう睦月は小声で言うが、それには拒絶の響きは無かった。  
手にも、それ程力は入っていなかった。  
その為にか、徹の動きは止まらない。今は乳首を探し当てぐにぐにと指の腹で圧迫し、かと思うと摘み弾いている。  
厚手の布越しとは言え、執拗に繰り返されるそれにより、睦月の身体に官能的な感覚が沸き起こってくる。  
 
「…はぁはぁ…ごめん、でももう…」  
熱い息を、耳やうなじに浴びせながら、それらに口付けをする。ひとしきりそうしたら、今度は舌を這わせ始めた。  
舌全体でべっとりとさせたり、舌の先でころころと刺激して強弱をつける。  
「ひゃぁうん、そんな…はぁ…はぁ…はぁ…んっ…」  
睦月の顔が、熟したトマトの様に赤らんでくる。喘ぐ様に吐く息も熱を帯びてきている。  
徹の両手に添えられている両手はわなわなと震え、断続的に力が篭り、睦月が快感を感じている様子を示していた。  
 
「あっ、そんな、だめですよぉ…」  
徹は袴を捲り上げて、秘所へと手を忍ばせた。  
ぐちゅ  
茂みを掻き分け、人差し指を侵入させると粘着質の水音がした。  
「んっ…あふン…恥ずかしいですよぉ…あぁっ!」  
人差し指で膣内をかき回し始める。指をぐりぐりと回して膣内をえぐり、ぐちゅぐちゅと出し入れさせた。  
「あぁ…あぁ…」  
睦月は息も絶え絶えで、次第に身体の力も抜けてきていた。  
 
「きゃっ」  
徹は指をかぎ状に曲げ、睦月のGスポットを執拗にこすり上げた。それに反応する様に睦月の背中が弓の様にのけぞる。  
蜜壷への責めを止めず、身体をよりぴったりとくっつけ互いの頬と頬をが触れるほど顔を寄せ、徹が囁いた。  
「どう、睦月さん、気持ち良いい?」  
「そ、それは…あんっ!はい、気持ち良いです…とってもいいです…あふっ」  
睦月は羞恥心から、快楽を感じている事を口にするのを躊躇った。  
それを見た徹は責めを激しくさせ、言葉を紡がせたのだ。  
 
「くぅっ!だめです、もうだめです!頭が真っ白に、何もかんがえられない!」  
「このままイかせてあげるよ。睦月さんは気持ちよくなる事だけを考えて」  
手の中で悶える睦月をとても愛しく感じながら、そんな彼女にもっと気持ち良くなって欲しいと一層責めたてた。  
快楽に喘ぎ身を捩じらせる睦月を見る事、そんな痴態を引き出す事に徹は優しい気持ちと、睦月を支配している様な  
ぞくぞくとした感覚を感じていた。それらは徹の昂ぶりを助長させた。  
 
「はぅん……いやぁ、わたしだけじゃいやぁ、とおるさんも、とおるさんもいっしょに〜おねがいです〜」  
その言葉が、先刻までの徹の心持ちを焼き切った。睦月の膣中にぶちこみたいと言う強い衝動を徹を襲う。  
徹は、無言で睦月から離れ、ポケットからスキンを取り出し身に付けた。  
指は、愛液でべとべとになって居た為にいつも以上に手間が掛かった。  
それでも身に付けるまでは、ほんの1分程であったが欲望に猛った徹には永遠とも思える長さだった。  
「睦月さん、お待たせ…いくよ、おもいっきりシてあげるからね!」  
自分のモノに愛液をまぶし、一気に貫く。  
「はぁうン!」  
背中をのけぞらせ、わななく睦月。徹は睦月の両胸を両手でぎゅっと掴み、睦月を強く抱きしめながら抽送を開始した。  
 
「くふんッ!あぁっ!くぅ!ああぁ!」  
それまで溜まりに溜まっていた欲望を一気に昇華させるかの様に、激しく腰を動かす。  
衣服越しに感じる徹の体温が、胸をぎゅっと掴まれる感覚が、蜜壷をかき回される快感が睦月を雌へと還させる。  
「あ゛あ゛あ゛ぁっ、い゛い゛ですうっ!」  
「くっ、睦月さん、良過ぎるよっ…」  
それは、徹にも言える事であった。  
 
掴んでいる胸は、無骨なざらざらとした巫女装束の感触など意識から追い出せる程に甘美だ。  
身体が動く度にやわやわと動き、それでいて手を引き寄せる様だ。危うげで居てしっかりとした存在感だった。  
蜜壷はぴったりと吸い付く様にまとわりつき、やわやわと擦りたてる。そして、奥へ奥へと誘う。  
愛情豊かに愛撫されている様にも、精を搾り取ろうと貪欲に咥え込もうとしている様にも思える。  
それらが徹の身体を穿ち、さらに情事へと溺れさせる。  
 
「あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!もう゛、もう゛っ!」  
法悦の涙の雫を目から零れさせ、口をぱくぱくさせながら絶頂が近い事を告げる睦月。  
「くっ!」  
それに応える様に、徹は更に腰の動きを速めた。  
「あああぁぁぁぁぁっ!!!」  
「うあぁっ!」  
絶頂の瞬間、これまでに無い位きゅぅっと膣中は締め付けられた。  
抗う事無くそれに身を委ね、徹も精を吐き出した。  
はぁはぁと言う二人の息遣いだけが辺を満たしていた。  
 
境内の裏に植えられている大木に、寄りかかる様に腰を下ろしている睦月が徹に膝枕をしている。  
目を閉じて心地良さそうにしている徹を、睦月は目を細めて優しく見下ろしていた。  
火照って赤らんでいたお互いの顔からは、随分赤みが引いている。  
「睦月さんは、かわいいなぁ。普段も、アノ時も」  
出し抜けに徹が言った。  
「そんな…意地悪言わないで下さい…」  
熱が引いた筈の頬がさっと赤く染まる。  
恥ずかしさにいたたまれなくなった睦月だったが、悪びれる様子も無く気持ちよさそうにしている徹に、すぐにまた優しい視線を落とした。  
 

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