「( ゚д゚)ハッ!」
鋭い視線を感じ振り返る。
「……(気のせいか)」
思い直し先を急ぐ、が! しかし!
「(゚Д゚≡゚Д゚)!?」
またも気配を感じ見回すが誰もいない。
「この感じ……アムロ・レイ! ふひっ、な〜んちゃって☆」
ばかばかしいと一人ごちるなりさっさかアダルトショップに入っていく。
小一時間もするとホクホク顔で小脇に包みを抱えて出てきた。
またも誰かに見られているように思ったが、早く帰って今晩の献立を考えなくちゃと注意はおかずのほうへ。
はたして道の暗がりには二つの瑠璃越しに彼を凝視する翳がぽつりと。
ヌルリとそれは、街灯が燈る直前闇夜に熔けてしまった。
「ただいマンモーース!」
脱いだ靴を揃えていると奥から足音が近づいてくる。
「おかえりなさい。今日は遅かったのね、何かあったの?」
いんや別にっと言いながら自室へ行こうとする。そこに掛かる艶っぽい声。
「ねえ? あんまり遅く帰ってきちゃ嫌よ。心配しちゃうじゃない」
ごめんごめんと顔も合わせず言うので
「遅くなるときは電話かメールっていつも言ってるのに。ねえお願いよ、次から必ず、ね?」
わかったよ、ごめんねお姉ちゃん。それだけ言うと階段を上がっていく。
あ、それから!
「なに?」
あんまり独り言いっちゃだめよ。変な人だと思われちゃうから、ね?。
蛍光灯の加減かキラッと光った眼鏡と笑顔がいやに妖艶で、不意に言葉が詰まる。
「お姉ちゃん、あなたが心配なのよ。お願いだから、ふふっ、ね?」
腹の下あたりに熱が蠢くのを憶えると、彼は自身のモノに血が集まっていくのを感じ、
わかったよとだけ言って逃げるように部屋へ引っ込もうとする。
「かわいいんだから本当に。食べちゃいたいくらい、っふふ、かわいい」
後ろから姉の視線を受けながら、確かどこかでと彼は思った。
確かどこかで、いつも、いつもどこかでこんな……と。