薄暗い部屋の中、一人のワーラビットが、そこに吊されていた。
両腕と腰を荒縄で縛り上げ、常に背伸びを強制させられる体勢になるように、全裸で吊されている姿は、まるで拷問を受けているかのようだ。
「ご主人様ぁ……はやく、はやく挿れてください」
彼女の股間にある二つの穴は、彼女の畑から取れた、まだ茎と葉がついたままの新鮮なニンジンが押し込まれていた。肛門にニンジンが一本、割れ目にニンジンが二本、ずぶずぶと埋められている。
それらは全て愛液でしっとりと濡れていて、みずみずしい光沢を放っていた。
「駄目だよ。僕が挿れちゃ、おしおきにならないでしょ」
言ってご主人様と言われたワーウルフは、つきだした彼女の尻に手を差しのべた。その手には橙色のニンジンが握られている。
「も、もう入りません。ご主人様……っ!」
「これ、君が好きだって言ったんだよ?」
有無を言わさずそのニンジンの根の部分を、肛門にねじ込む。
「あくっ……っん! っん!」
奥へ入るたびに太くなっていくそのニンジンは、彼女の肛門をこじ開けて、下半身を熱く燃えたぎらせる。
「んはっ…はぁ」
そして無事に二本目のニンジンが一本目と同じように、緑の茎と葉だけしか見えない所まで押し込まれる。
「二本も入るなんて、君は食いしん坊なんだね。」
ワーウルフは彼女の長い耳のそばでささやいて、真っ白な毛で覆われた胸を、むんずと掴んだ。乳頭を乾いた指で弄る。
「はっ……は、あん」
「四本も挿れておきながら、まだ感じちゃってるのか。いけない子だな。……もっとおしおきしないと」
計五本目のニンジンを、彼は手に取った。そのままもう一度肛門へと、その新しいニンジンを差し込む事にした。
「無理です……ご主人様っ……やめて下さい」
「そんな事言って。じゃあ足下の水たまりはなんなんだい? この割れ目から流れてるみたいだけど?」
つま先立ちしている彼女の足下には、直径十五センチほどの水たまりが出来ていた。それら愛液は全て、秘部からニンジンへ、そこから茎、葉へと渡ってしたたり落ちている。
「これは、もっと挿れてくださいって言ってる証拠だよね」
二つのふくらみを激しく揉みくだしながら、彼は笑いながらささやく。そしてワーラビット特有の長い耳を甘噛みして、もう一本、ニンジンを足す事にした。
「…あ、…あ、あぁっ!!」
無理矢理肛門を広げながら、ワーウルフは彼女の肛門にニンジンを押し込める。激痛が下半身に走り、それと同時に快感へと彼女を誘う。
「あっ……あくっ…うん」
そして、彼女の肛門には茎と葉のみが生えていた。ワーウルフがそれを上下に揺さぶるたびに、激しい息づかいが聞こえてくる。
「あー…もう、君がいやらしい声を出すから、僕も興奮しちゃったじゃないか」
ベルトをゆるめて、下着と一緒にズボンを下ろすと、彼の肉棒が飛び出した。てらてらと先走りによってその亀頭は光っており、充血したそれは彼女をより興奮させる。
「ご主人様のを……ください」
「ほしい?」
肉棒を彼女の頬に押しつける。それをしゃぶりたい気持ちをおさえながら、彼女は自分の気持ちを話した。
「ほしいです……ご主人様のがほしいですっ!」
「そう、じゃあどこに挿れてほしい?」
「あまんこに、おまんこに挿れてくださいっ」
そう言った彼女に微笑むと、ワーウルフは彼女の肛門から、三本のニンジンを引っ張った。ぬちゃりと音を立ててニンジンが飛び出す。
「ご主人様、そこは」
「僕はここに挿れたい」
亀頭が締まりかけた肛門を再度こじ開けた。
「んくっ……あ、ご主人さ…ご主人様っ……ん、あっ」
彼の激しいピストン運動を、ワーラビットは必死に肛門で受け止める。ずりゅずりゅと粘液の絡むような音が、彼女の長い耳に伝わった。
「締まりが悪いよ。力をいれて」
「は、はいっ……んっ、んく! んっ!」
ワーウルフが彼女の尻を平手で叩く。それに合わせて彼女が下半身へと力を込めた。きゅっと肛門が閉まって、彼のペニスを快感へと導く。
「あ、あっ……あ…ん! ん、んっ」
スピードを増していた彼の腰が突然止まった。そして彼女の顔の方へまわると、勃起した肉棒を口元に押しつける。
「ほら、お口に出してあげるから」
「ふぁ……」
開いた口内に、白濁とした彼の精液が飛び出した。やがて口内だけでなく、顔全体へと彼はその精液をまき散らした。
「ご主人様……もっとぉ、もっと、くださぁい…」
口元の液を舐めながら、彼女は目の前のワーウルフへ向けて、甘い声を出した。だが、彼は彼女に背を向けて立ち去り、やがて振り向くことなく部屋を出て行った。
そこでエリザはまぶたを開いた。
大きなダブルベッドの中で、一人上半身を起こす。
「また淫夢だわ」
股間を確認すると、陰部と下着がびしょびしょに濡れていた。
「欲求不満なのかしら」
深くため息をついて、エリザは下着とパジャマを着替える事にした。あの若い医者の事を知ってから、ずっとこの調子だ。
自分の夫が仕事の都合で、都会に住むようになってから一年が経った。あと二年間、エリザはこの性欲で満ちあふれた身体を、一人で保たなければならない。
「はぁ」
長袖のブラウスと、長めのスカートに着替え、朝食を済ませると、エプロンを着用してエリザはため息をつきながら、庭へと向かった。そこには小さな畑があり、数種類の野菜が植えられている。豆であったり、トマトであったり、夢に出てきたニンジンであったり。
昨日、雨が降ったためか、地面は水分を吸って柔らかくなっている。道ばたには大きな水たまりが出来ており、水面に青空を映している。
「うあ、ちょ、うわぁ!」
熟したトマトをもぎ取ろうとしていた所に、男の悲鳴が聞こえた。その直後に激しい物音が聞こえ、ふとその音が聞こえた方向へ振り向くと、そこには白衣を水たまりとその周辺の泥で、真っ黒に汚したワーウルフと、そのそばに倒れている自転車の姿があった。
「あら、アランさん」
夢に出てきたご主人様に、エリザは声をかけた。アランは愛想笑いを浮かべて、自転車を立て起こした。
「こ、こんにちは。エリザさん」
白い毛並みが泥水によって染まっている。アランはそれをぬぐいながら、
「どうですか腕の方は。何か支障はありませんか?」
「ええ。もう」
エリザは袖をまくって、右腕をアランへと見せた。以前外で作業をした時につけた傷が化膿して、アランの診療所に通った事があった。
「そうですか。じゃあ、僕はこれで」
「ちょ、ちょっと」
自転車に跨ったアランを、エリザは慌てて呼び止めた。泥だらけのまま放っておけば白衣はシミが付くし、濡れたままでは風邪だって引いてしまうだろう。
「今、お風呂を沸かしますから、家に入って待ってて下さい」
「えぇ! そんな、結構ですよ。あ、いや、別にエリザさんに対してなにか思う所が」
「いいから。いいから。さ、お入りになって」
言われるがまま、アランはエリザの家へと連れて行かれた。
「すいません。洗濯までしてもらって」
「いいんですよ。あ、着替えは主人のがありますから、それを使って下さいね」
「はぁ、すいません」
風呂場に入ったアランと、カーテン越しにエリザは会話を広げた。アランからはぎ取った衣服をたらいに入れ、石けんをつけてごしごしと力を込めて洗う。
カーテンの向こうではばしゃばしゃと、身体を洗い流す水の音が聞こえ、彼のシルエットがカーテン越しに見える。
エリザはとっさに股間を押さえた。じゅくじゅくと彼女の割れ目からは愛液が流れ出ていた。カーテン越しに水を浴びている彼に、欲情していた。
アランが浴槽へと浸かり、それを確認していた頃には、すでに白い毛並みを覆っていた衣服は、全て脱ぎ捨てていた。そして愛液で濡れた股間を隠しもせずに、カーテンを開いて、アランにその裸体を見せつけた。
「え、ちょっ、エリザさん」
浴槽の中で慌てるアランを、押さえつけるようにしてエリザも浴槽の中へ入った。彼の身体を撫でるように、手を滑らせていく。
そしてアランの口元へ、自分の口を重ね合わせ、彼の口内にねじ込むようにして、舌を絡ませる。
「だ、駄目ですよ。エリザさん。結婚してるんでしょ」
逃げるようにして口づけから顔をそらした。エリザはお湯の中で、彼の身体を跨いで、自分の身体を密着させる。
「大丈夫よ。帰ってきやしないから」
「そ、そうじゃなくて」
アランの言葉を無視するかのように、エリザは身体をひねらせて、彼の肉棒を掴んだ。そしてその手でゆっくりとしごき始める。
「こっちの方は求めてるみたいだけど」
再度彼に背中を向けて身体を跨ぎ、だんだんと硬さを帯びてきた肉棒を、自分の秘部へと押しつけ、そして挿入した。
「はっ……あ、ん」
腰を動かすたびに水面が激しく波打ち、そして彼女も興奮していく。
「あん……あ、はっ…ん」
硬く反り返った彼の男根は、彼女が腰を上下に振るたびに奥の肉壁を突き、そして彼のもとにも走る快感は、彼をも淫乱な気持ちにさせた。
「い、ぁ……んっあ、あっ」
ワーウルフはエリザの腰をしっかりと両腕で抱えると、腰を曲げて、彼女を後ろから責める姿勢にしてしまった。
「ん、んぁっ、あ、あはぁっ……ん」
腰を動かしやすい体勢になった彼の動きによって、彼女の肉壁は刺激され、そこからまた愛液がにじみ出す。
「んんっ…あ、はぁ、んっ…あ」
やがて勢いを増した彼のピストン運動は、彼女を絶頂へと迎えさせた。だが、まだ絶頂を迎えていない彼は、容赦なく絶頂の余韻が残る彼女を責め続ける。
「ん、くっ……はぁ、あ、ああっ」
そして勢いよく彼女の中へと、彼の精液がぶちまけられた。お湯によって濡れた身体を、ワーウルフはしっかりと抱きしめたまま、彼女の膣内へとその白濁とした液を流し込み続けた。
「あのー」
「何かしら」
エリザの夫の衣服に着替えているアランが、飄々としてそれを眺めているエリザへと問いかける。
「やっぱりこういうのって」
「不倫?」
「になるんじゃ」
着替え終わったアランがそう言うと、エリザがふ、と吹き出した。
「不倫じゃないわよ」
そう言って、アランの背中へとまわる。抱きつくようにして自分の胸を、彼の背中に押しつける。
「治療、でしょ」
やがて彼の股間へと手を伸ばし、ズボンの上から男根をさする。慌てふためく彼をよそに、彼女の二度目の性欲処理が始まった。