ここは、桃山王国の中のあるお城。  
その居城には、御屠蘇(おとそ)姫と言う  
礼儀正しく、物静か且つ、おしとやかで、近隣諸国でも  
全国のお姫様の手本と見習われるほどの、それはそれはとても可愛らしく  
大変綺麗なお姫様がいました。年はまだ16歳でした。  
 
そして毎年、この桃山王国で全国のお姫様が一斉に集い、  
その、気品や礼儀作法など、どのお姫様が一番優秀かを競い合う  
コンテストが開かれており、今年もまたその年がやってきました。  
 
「姫様ぁ〜!!あ・・・あと、一週間でいよいよコンテストでございますね・・・」  
「ええ・・・まぁまぁ・・・おりん・・・あなたが緊張してるのですか?クスクス・・・」  
 
侍女のおりんがあまりにも緊張していたので、御屠蘇姫は可笑しくて  
手で口を隠して小さく笑いました。  
その笑う仕草もまた可愛らしかったのです。  
 
「しかし・・・何分私は初めてでして・・・全国の姫様方達が一斉にお集まり  
 なさって・・・考えただけでも緊張してしまって・・・」  
「うふふ・・・わたくしも初めてですよ、おりん?  
 確かに緊張してしまいますね?」  
「あっ、間違いなく御屠蘇姫様の優勝でございますよね!!」  
「それは分かりませんよ・・・おりん」  
「しかし、姫様の評判は全国でも素晴らしい評価しか聞こえて来ませんよ!!」  
「まぁまぁ、噂など丸々信じてはいけませんよ、おりん?」  
「はぁ・・・分かりました。」  
「それに、あまり褒められる様な噂が流れると、わたくしも他の姫君と  
 接しにくいのです・・・・嫉妬などの原因になりますから・・・・」  
「あっ、確かに・・・・姫様のお美しさは・・・・女の私も惚れ惚れするぐらいですから・・エヘヘ・・」  
「もう、おりんったら・・・クスクス・・・」  
 
そんなこんなで、一週間後に迫った  
コンテストに向けて、御屠蘇姫と侍女のおりんは様々な  
打ち合わせを夜までしたのだった。  
 
その夜、おりんとコンテストの打ち合わせで疲れた  
御屠蘇姫は寝所でぐっすりと深い眠りについていた。  
その寝顔はまるで南蛮渡来の人形のような、とても可愛い寝顔だった。  
 
しかし、御屠蘇姫が眠る寝所に繋がる、渡り廊下を怪しい複数の影が  
忍び寄っていた。  
「クククク・・・・ここが御屠蘇姫の寝所か・・・?」  
「へい・・・そのようです、お頭。」  
どうやら、どこかの城から放たれた忍びらしい。  
一人を除いて、全員黒装束を着ており、棟梁と思われる  
くの一は真紅の忍者装束を着ていた。  
 
そして、そのくの一はそぉっと姫が眠る寝所部屋の障子を開けた。  
「フフフ・・・・何も知らずによく眠っておるわ・・・何と言う可愛い寝顔か・・・」  
そして、その忍びの一行はささっと姫の寝所に次々と入り込んで行った。  
 
しかし、そんな事とはつゆ知らず、姫は静かに寝息を吐きながら  
眠り続けていた。  
そして、忍びの一行は御屠蘇姫の眠る布団の周囲に立ちすくんだ。  
七人の忍びは、しゃがみ込むと御屠蘇姫が熟睡しているのを確かめた。  
 
「フフフ・・・・われ等がこんな近くまで迫ってると言うのに  
 まだ、目を覚まさぬわ・・・」  
棟梁がほくそえみながら言った。  
「では、そろそろ手はずどおりに・・・・」  
「うむ・・・とても気持ちよさそうに寝ているところ悪いが・・・フフフ・・・  
 姫には起きていただこうか・・・・」  
 
そう言うと、一人の忍びは御屠蘇姫の頬を軽く叩いた。  
「う・・・うぅぅん・・・・」  
姫は頬を叩かれたため、眠りが浅くなってきた。  
それを確かめた忍びはもう一度頬を軽く叩いた。  
「うぅぅん・・・一体・・・どうしたのですか・・・おりん・・・・?」  
「ふふふふ・・・・・おりんじゃなくて残念でしたねぇ、御屠蘇姫様ぁ・・・ククク・・・」  
「はっ!!だっ誰ですか?あなた方は!!!だれかぁ!!おりん!おりんはいませんか!!   
 うっ・・!!うぐぅぅぅっ!!!」  
 
しかし、大声で助けを呼ぼうとした姫であったが、後ろから忍びに  
手で口を塞がれてしまった。  
「ふぐぅぅぅっ!!!」  
「ふふふふ・・・・姫さまぁ・・・大声を出されては困りますねぇ・・・  
 その美しいお顔に傷がつくことになりますよぉ・・・ククク・・・」  
くの一は、いやらしい笑みを浮かべながら、短刀を姫の頬に突きつけた。  
「うぐぅぅ・・・・」  
姫は恐怖で、目から涙を流していた。  
 
「姫様ぁぁぁ!!!」  
しかし、その時、何やら寝所の方から一瞬姫の悲鳴を  
聞いた、おりんは慌てて姫の寝所へ向かって走って来た。  
 
「ハァハァ!!!姫一体どうなさいましたかぁ!!??  
 はっ!!その方たちは何奴!!」  
おりんは、布団の周囲に立ち塞がり、また姫の両手を畳に押さえつけ  
口を手で塞いでいる忍び達を見て、大声で怒鳴った。  
「ククク・・・われ等は主人である姫から命令を受けて来た・・・・。」  
「命令・・・?」  
「そうだ・・・フフフ・・・悪いが・・・御屠蘇姫には今度のコンテストは辞退していただく・・。」  
「なっ・・何をたわけた事を!! 姫様が今度のコンテストの為に、どれほどの  
 ご苦労をなさったことか・・・!!!」  
「ふんっ!!そんな事は知らん!!兎に角だ!!御屠蘇姫様をコンテストに  
 出られない様にしろとの、我が主である姫様からの命令なんでな・・・ククク・・・・」  
「そのような事!!させてたまるかぁぁ!!!えいやぁぁ!!!」  
「ふふ!!愚か者めが!!!」  
 
ドス!!!  
「うぐっ!!」  
勢いよく、くの一に襲い掛かったおりんは、逆に  
くの一にお腹を拳で殴られ、膝を崩して倒れこんでしまった。  
「ゲホゲホ!!も・・・申し訳・・・ございません・・・・姫様ぁ・・・・」  
おりんは、そのまま気を失ってしまった。  
「ふんっ!!たわいも無い・・・たかが侍女の癖にわれ等忍びに楯突くから  
 こういう目に会うのだ!!」  
「ふぐぅぅぅ!!!」  
勝ち誇ったように言うくの一を他所に、自分を守ろうとして気絶した  
おりんを見て、御屠蘇姫は泣き喚きたかったが、口を抑えられてた為  
もがく事しか出来なかった。  
 
「さぁてと・・・・うふふふ・・・・邪魔者が居なくなった事ですし・・・  
 あとはいよいよ、御屠蘇姫様だけですなぁ・・・ククク」  
くの一は不気味な笑みを浮かべると、ゆっくりと姫の元へ歩み寄った。  
「んぐぅぅぅ・・・!!」  
「フフフ・・・起こせ・・・」  
「へい・・!!」  
くの一は、忍び達に姫の上半身を起こさせるように命じた。  
しかし、やはり口は手で塞がれており、左右の手はそれぞれ  
二人の忍びが掴んで動けないようにしていた。  
「フフフ・・・おい、例のものを・・・・」  
「へい・・・」  
くの一がそう言うと、部下の忍びは何やら、風呂敷の中から  
取り出した。  
そこには、お酒らしきものが入った一升瓶が3本あった。  
「んぐぅぅ!!??」  
姫はその一升瓶を見ると、妙な胸騒ぎと不安で一杯になった。  
「ククク・・・姫様ぁ・・・・コレは最近、南蛮より渡来してきた  
 お酒にございます・・・しかし、ただの酒とはちょっと違って・・・・フフフ  
 飲んだものを、何処までも淫らで破廉恥な性格に変えてしまうと言う・・・  
 それはそれは珍しい珍品なのです・・・・」  
「んむぅぅぅ!!ふぐぅぅぅ!!!」  
姫はようやく、この忍びたちが、自分に何をしようとしてるのか  
徐々に分かってきたのか、首を縦に横に振り、手で抑えられた口を  
外そうと必死に暴れたが、無駄なあがきであった。  
「さぁ・・・・姫様には・・・コレをお飲みになって頂きます・・・  
 なぁに・・・大丈夫ですよ・・・フフフ、すぐに頭がぶっ飛んで、とぉっても  
 いい気持ちになられますから・・・クククク・・・・」  
「うぐぅぅぅぅぅぅ!!!・・・・いやぁぁぁぁぁ!!!」  
姫の口を抑えていた忍びはすばやく手を放した。  
姫もすぐに喚いたが、しかし、くの一は一升瓶を  
すばやく姫の口に無理やり差し込んだ。  
「さぁ!!!御屠蘇姫様ぁ!!た〜っぷりとお召し上がりくださいませ!!!」  
 
ぐぼぉぉ!!!  
「んぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」  
姫の口から喉の奥の方まで勢いよく、くの一は一升瓶の口を  
差し込んだ。  
 
「ふぐぅぅ・・・!!!んぐ・・・んぐ・・・んぐ・・・んぐ・・・んぐ!!!」  
ゴキュ!ゴキュ!ゴキュ!ゴキュ・・・・!!!  
くの一は御屠蘇姫の口に一升瓶を差込みお酒を姫の胃に  
流し込んで行った。  
「フフフ・・・・嫌がっていたわりには、中々いい飲みっぷりでは  
 ございませんかぁ?御屠蘇姫さまぁ・・・ククク・・・」  
くの一は不敵な笑みを浮かべながら、一升瓶の角度をどんどん高くしていき  
遂には、姫に顔を真上を向かせて一升瓶を逆さまにした状態で  
勢いよく注ぎ込んで行った。  
「うぐぅぅぅぅぅっ!!!!」  
ゴクン ゴクン ゴクン ゴクン ゴクン ゴクン ゴクン ゴクン ゴクン ゴクン・・・・  
ただただ、姫が流し込まれてくるお酒を、仕方なく喉を大きく動かせながら  
飲み干して行く音が、静かに響き渡っていた。  
「おおぉぉ・・・・すげえ飲みっぷりだぁ・・・!!!」  
「ホントだなぁ・・・・あんなに嫌がってたのに・・・ホントは相当な酒好きなんじゃ  
 ねえのかぁ、ヘヘヘ・・・」  
姫の周りでその他の忍びたちが姫を軽蔑するような言葉を浴びせ始めた。  
姫は恥ずかしさと、屈辱の中、息をするために必死でお酒を飲み干していた。  
「おお、おお、姫様ぁ・・・?もうすぐ一本丸々平らげてしまわれますよぉ?  
 フフフ・・・・ホント、厭らしい飲みっぷりだこと・・・・」  
流石に、姫は先ほどから長い間お酒を飲みながらも、体に  
お酒が回ってきたのか、頬がほんのりと赤くなってきていた。  
 
ジュポンッ!!!  
くの一はとうとう一升瓶全ての酒を飲み干した御屠蘇姫の口から  
一升瓶を勢いよく抜き去った。 大量の唾液が糸を引いた。  
「かはああぁぁぁぁぁ!!!!ゲホゲホゲホゲホッ!!!!!!」  
姫は、ようやく普通に呼吸が出来るために勢いよく空気を吸い込んだため  
咳き込んでしまった。  
 
「うふふ・・・・どうでございましたかぁ?南蛮酒のお味は?」  
「ケホ!ケホ!どうして・・・このような事を・・・!!ゲホ!ゲホ!」  
「おやぁ・・・まぁだそんな事を言う元気がおありにございましたかぁ?  
 では仕方ありませんねぇ・・・おい!二本目を開けろ!!」  
「へい!!」  
くの一はまだ、あれだけの酒を飲んでいながら素面(しらふ)を  
保っていた御屠蘇姫を睨みつけて部下に命令した。  
「い・・・いやです・・・もう・・・これ以上飲んだら・・・わたくしは・・・・   
 わたくしは・・・・本当にこわれてしまいますぅ・・・・!!!」  
「ふふふ・・・・何を今更・・・・姫様にはある意味壊れてもらうのが今回の  
 目的・・・さぁ・・・二本目と行きましょうか・・・!!!」  
「い・・・いやあああぁぁぁぁ!!!!」  
 
しかし、姫の口に再び二本目のお酒が注ぎ込まれてしまったのであった。  
それから、数分後・・・・二本目のお酒も平らげさせられ、姫の体の  
側には二本の一升瓶が転がっていた。  
 
「ヒック・・・!!!もう・・・もうこれ以上は・・・らめれすぅ・・・・ヒック!!」  
「フフフ・・・・流石にようやくお酒が回ってきたようですなぁ・・・清楚で  
 清らかな御屠蘇姫様ぁ?ククク・・・・さぁ姫様は酔われると、どんな  
 淫らで破廉恥な行動をおとりになるのやら・・・・・フフフ・・・・」  
「い・・いやですぅぅぅ・・・・わらくしはぁ・・・わらくしはぁ、そんな  
 人間じゃ ヒック!!ありませんのぉぉ・・・・ヒック・・・・」  
 
御屠蘇姫は完全に舌の呂律が回っておらず、辛うじて意識を保っている  
状態に近かった。既に顔面はお酒で紅潮し、目はトロ〜ンとしてして  
体全体がポワ〜ンとした心地よい感覚が襲い始めていた。  
 
くの一はその姫の様子を見て、ニヤリとしながら周囲の忍び達に  
目配せした。忍び達もニヤリとしながら、頷いた。  
「フフフ・・・・二本目でやっとか・・・もう目はこんなにとろ〜んとして  
 本当はさぞかし気持ちいいのでしょうなぁ?御屠蘇姫様ぁ?んん?」  
くの一はとろ〜ん、ぽわわ〜んとした表情の姫の顎を指でクィっと  
持ち上げると、顔を覗き込んだ。  
「ヒック・・・、そんら事はありませんのぉ・・・・わらくしはぁ・・・ヒック!  
 酔ってなんか・・・・酔ってなんか・・・ヒック!!!いませんのぉぉ・・・・ヒック!!!」  
しかし、喋れば喋るほど、酔った症状特有のしゃっくりが出てしまう事に  
姫は益々羞恥心をくすぐられる思いだった。  
「フフフ・・・そうですか・・・・では仕方ありませんねぇ・・・・そろそろ留めと  
 参りましょうか・・・クククク・・・・おい!三本目だ!!!」  
 
くの一はとうとう三本目の最後のお酒を  
開けるよう、命令したのだった。  
 
「う・・・うぅぅぅん・・・・!!!」  
それから」数分後、しばらくすると、気絶していた  
侍女のおりんが、やっと目を覚ましたのだった。  
 
「はっ!んぐぅぅぅ!!!(姫様ぁ!!)」  
おりんは、先ほど自分を気絶させたくの一たちの事を思い出し  
起き上がろうとしたが、腕が後ろで結ばれていて動かず  
おまけに、目の前も真っ暗な事に気づいた。しかも轡を噛ませられていた。  
手足を縛られ、目隠しもされている様だった。  
「ひぐぅぅぅ!!!(姫さまぁ・・・!!!)」  
おりんの声も空しく、響くだけだった。  
 
そして、姫の寝所では・・・・・  
三本の一升瓶が既に転がっていた。  
「フフフ・・・・これで全てのお酒を空けましたねぇ・・・・姫様ぁククク・・・・」  
くの一は腰に手を当てて、勝ち誇ったように言った。  
「ヒック!! うぃぃ・・・・ヒック!!! ハァハァハァ・・・・・!!!ヒック!!!」  
しかし、姫は両手を忍びに抱えられ、がっくりと項垂れて顔を下に  
向けたまま、何も言わずにいた。  
 
「フフフ・・・・ではいよいよ本番に入るとするか・・・・・酒使いの忍びの力・・・・   
 とくとご覧に入れましょう・・・・!!」  
そう言うと、くの一は姫の前に立ちはだかると、部下の忍びに顔を上げさせた。  
御屠蘇姫はすっかり泥酔状態にあり、恍惚の笑みを浮かべながら  
とろーんとした表情でいた。  
 
「フフフ・・・酔いの快楽に浸っているさなか、申し訳ありませんが・・・・   
 これから術をかけさせて頂きます故、少し痛いと思いますがお許しくださいませ  
 姫様ぁ・・・」  
しかし、御屠蘇姫はすっかり意識が飛んでおり、くの一の言葉は聞こえていなかった。  
「ククク・・・聞こえてはおりませぬか・・・・まぁいい・・・姫様・・・貴方は  
 今宵、生まれ変わるのですから・・・・  
 では参りますよ・・・」  
そう言うと、くの一は両手を顔の前に出すと、忍術の時に使う印を結び始めた。  
「はぁぁぁ・・・・・・!!!! くの一忍法!! 酒淫解放の術ぅ!!!」  
くの一の両手の間に赤紫に光った怪しい色のチャクラが練られた。  
「はぁぁぁ!!!!」  
そして、くの一は勢いよく、そのチャクラを御屠蘇姫の体に目掛けて  
放出した。  
 
バリバリバリ!!!!  
 
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」  
 
先ほどまで、うっとりとしていた姫は、流石に自分の体に  
怪しく色っぽく光るチャクラを大量に注がれ、体中に走る電気の様な  
痺れと、痛みに耐えかね悲鳴を上げた。  
 
 

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