【式と歴史と伝統は形式張って古くさくて旧態然(題名?)】  
 
 
 こんなの時代遅れだ…体育の時間になる度にそう思う。  
 ここはとある、名門私立女子学校。格式と歴史と伝統と…その他諸々、取り敢  
えず凄いらしい。  
 実際入学するまでは私も凄いんだと思ってた。  
 
 …え?過去形?その通り!良いところに気付いたねワトソン君。過去形と言う  
ことは、過去にはそう思っていたけれど今は違う、と言うこと!  
 つまり格式と歴史と伝統と、その他諸々といえば聞こえはいいけど、形式張っ  
て古くさくて旧態然とした…  
「殺気!」  
 背後からの気配に迷わずしゃがみこんだ私の頭上を吹き抜けていく足。  
「危ないじゃない優希(ゆうき)。私の頭が無くなっちゃったらどうするつもり  
ですの?」  
 立ち上がり、ゆっくり振り返る。  
「それにそんなはしたない格好…スカートの中が丸見えでしてよ?」  
「もっかい蹴ろうか、琴乃(ことの)?」  
 わざとらしい言葉遣いをした私をジト目で睨みながら再び足を引く親友、優希  
が其処に居た。  
「はいはい、分かったわよ」  
 両肩を竦めながらため息をつく。  
「全く…」  
「まぁ…カビの生えた伝統とやらも悪くは無い面もあるし…」  
「そうそう!ボクなんてぜぇぇんぶが珍しくて毎日が楽しいんだから!」  
「………」  
 拳を握り力説する優希にスルッと近寄って、何気無くスカートを捲る。  
「ここ、琴乃!?!?」  
「あぁ、気にしないで。その伝統をもう一度見直したかっただけだから」  
「意味分かんないよ!?」  
 何の脈絡もない行為にグーで殴りかかって来た親友を軽くかわして微笑んでみ  
る。  
 
「ほんと、昔ながらにブルマをスカートの下に着用なんて規則があって良かった  
わ…これがショーツだったら間違いなく事件になってるわね」  
「は?」  
「つまり欲望のままでも怪我しないってこと」  
「……はぁ?」  
 以前同じことをし、ショーツを見た時の技のキレには遠く及ばない事を揶揄し  
ながら辺りを見回す。  
「………優希」  
「なによ?」  
「次の時間は?」  
「体育だけど…」  
 つられて辺りを見回す優希。  
「だぁれも居ないわね〜」  
「ええぇぇぇぇ!!」  
 私と優希しかいない教室、私たちがどたばたしている間にみんな着替えていっ  
てしまったらしい。  
「あははは♪」  
「あははは、じゃなぁぁぁい!」  
 キッと振り返って叫ぶ優希の肩に手を置く。  
「優希…」  
「何だよ!?」  
「後悔先に立たず」  
「微妙に間違ってる上に、琴乃のせいだろ〜〜!!」  
 ニヒルな笑みを浮かべて言ってみたら火に油だったらしく…いきなり両肩を掴  
まれガクガクと揺さぶられれれれれれ…  
「ちょ、まっ、ゆ、ぅき、あた、まっ、揺れっ」  
「折角の体育!体育〜!」  
「おちつきなさぁぁい!」  
「ひにゃ!!」  
「全く…ヘッドパンキングで死んだロックファンに並ぶとこだったわよ!」  
 脳天への渾身のチョップで頭を押さえてしゃがみこんでいる優希を見下ろしな  
がら言う。  
 
「…たいぃくぅ…」  
 
 ………  
 
 涙目で怨めしそうに見上げる優希に…つい…引き込まれるようにしゃがみ、目  
線を合わせれば…  
「ん…」  
「っ!?」  
 無意識に口付け、目の前の優希がみるみる真っ赤になるのを観察する。  
「優希…」  
「ここ、こ、こっ!!?」  
「こけこっこ?」  
「ちがっ、ひゃあっ!?」  
 ボケながら抱きつき、其処にあった耳をくわえると、ビクッと震えて高い声。  
「優希、しよ?」  
「なにをっ、あっ!こらぁっ!!欲情するなぁぁ!」  
 押し倒しながら許可を求めるのも我ながらおかしいと思いつつ、強い抵抗をし  
ない優希のソレを肯定と取る。  
「ん、ん…」  
「ぁっ!こ、と…だめ、えぇ…」  
「本当に駄目なら押し退けたら?」  
 繰り返し口付けながら、優希ができないと分かりきった事を囁きつつ、ゆっく  
りと手を、綺麗に日焼けしうっすらと汗ばんでいる太股へと滑らせていく。  
「…琴乃は、いじわるだぁ…」  
「えぇ、そうよ」  
 観念したのか、僅かに脚をひらき、上目遣いに睨む優希ににっこりと微笑みを  
向ける  
「でも優希は意地悪されるのが好きでしょ?」  
「…そんな変態じゃないやい」  
「ふぅん?」  
 
 僅かに間の空いた反論。何度も何度も繰り返したやり取り、これから何度繰り  
返しても飽きる事は無いと断言できる。  
「じゃあ…認めるまで意地悪しよっかなぁ」  
「………ひゃぅっ!?」  
 紅くなって横向いちゃって可愛いのなんの!太股を撫でてた手をそのまま、優  
希の下腹部へ滑らせ、化繊独特の手触りを返すブルマ越しに敏感な部分を軽く押  
し込む。  
「ひゃぅ、だって♪」  
「こっ、ことっ、ふあっ!」  
「ことふあってだぁ〜れだ?」  
「うるさっ、くっ!ぅくっ!!」  
 指の動き一つ一つに面白いくらいの反応を返す優希。  
「優希、こことか弱いよね?」  
 答えを期待してるわけではなく、羞恥心を煽り、今から触ると宣言する意味で  
言いつつ…  
「あっ!?ひんっ!琴、乃ぉっっ!」  
 ショーツとブルマ越しとはいえ一番敏感な尖りを押し潰され、上に重なった私  
を弾きそうな勢いで仰け反る。  
「きゃっ!?もぉ…危ないから…こ、う…ね」  
「ふぁ?え、あ?ちょ…やぁぁ…」  
「ふふ♪全部見えちゃうわね〜」  
 一旦身体を離し、背後から抱きすくめる様に引き起こす。そのまま膝を立てる  
様に座らせて後ろからお互いの両足を絡め合えば、簡易拘束椅子の出来上がり。  
普段は優希の表情(かお)が見えなくなるからしないけど…  
「ほら、優希、前見て前」  
「!!!」  
 教室(ここ)には常に身だしなみを整えられるように大きな鏡、正に姿見と呼べ  
るようなソレが教室の後ろに付いている。  
 その事をしっかりと意識させてから、再び愛撫を始めた。  
 片手はセーラー服の中、貧乳どころか微乳とでも言えそうな胸を。もう片手は  
大きく広げた脚の付け根を。  
「やっあ!だめっ、駄目ぇ!!」  
「本当に?」  
「きゃうっ!」  
 耳を噛んで問う。  
「本当に?」  
「いぁっっ!!」  
 スポーツブラの上からでも分かる胸の頂を指で転がしながら問う。  
「本当にぃ?」  
「あっ!ふあっ!!」  
 
 大股開きで拘束され、スカートで何とか隠れているブルマのクロッチを押し擦  
りながら問う。  
「こんなに震えてるのに駄目なんだぁ?」  
 目を瞑って悶える優希に駄目押すように、上下の突起を布越しに押し潰す。  
「きゃあっむぐっっ!」  
「授業中よ?誰かに聞こえちゃって良いの?」  
 それだけで大きな悲鳴をあげて仰け反った相手の口を塞ぎ、耳朶を舐めながら  
現状を意識させる。  
 もっとも、私達の学年棟は、今全部専門教科で誰もいないのはリサーチ済なん  
だけど。  
「っっ!」  
 もちろんそんな事知らない優希には効果抜群、ヒキッと固まり、泣きそうな表  
情で鏡の私を見つめてくる。  
「優希が声出さなかったら大丈夫よ?」  
「そ、そんなっ、無理っいぁっ!」  
 言葉を遮るようにスカートの中の指を動かす。  
「とかなんとか言って…こういうの好きなくせに」  
「ちがっ、っっ、は、ぁふ…そんな、ことっ、なぃぃ…」  
「ふぅぅぅぅん?じゃあ……」  
 必死で悲鳴を押さえ、首を振る優希に嫌らしく言うなり、スカートを捲る。  
 鏡に余すことなく写し出された優希のブルマの中心部は紺色から濃紺へと舟形  
に色を変えていた。  
「これ、な・ぁ・に?」  
「っっっ!やだやだやだぁぁ!」  
「あっこらっ!暴れない…のっ!」  
「っっっっ!!」  
 余りに恥ずかしすぎる姿とシチュエーションにいきなり暴れ始めた優希の、ブ  
ルマのクロッチ部分を少し強めに引っ掻くと、そこに息づく突起が引っ掛かり、  
声もなく仰け反ってビクビクと腰が震える。  
「もぅ…暴れちゃ駄目よ?」  
「は、ぁ…ぁく…や、だぁぁ…こ、んなぁぁ…」  
「そんな嫌々言ってる割に…」  
 これ以上無いくらい優希の脚を開き、さっきよりも一層くっきりと色が変わっ  
ている所をもう一度、鏡にしっかりと映す。  
「やだっ!やだあぁ!琴乃、いやっ!やあぁぁ!」  
 余りに恥ずかしい証を突きつけられ、教室と言うのも忘れてもがく優希。  
 
「だから、暴れないの!」  
「ひっ!いっっ!あ、ぁぁ…」  
 少しきつめに言ってブルマをぎゅっと押し込むと、歯を食い縛って仰け反り、  
小さい矯声を漏らしながらふるふると震える。  
「いっちゃった?」  
「…………」  
 我ながら意地悪すぎる質問だと思いつつ問うと、荒い息を吐きながらも優希は  
そっぽを向いた。  
「………まぁだ意地張るかなぁ」  
「…琴乃なんか、琴乃なんっっ、あぁあぁ!?」  
 涙を溜めて睨んでくる優希が可愛すぎて…虐めたくて…言葉が終わる前に両の  
指で秘裂を割り開き、そのまま本能の赴くまま、優希の其処を掻き回す。  
「だっ、め!強すぎ、いぃ!琴、乃!ゆるっ、やあぁ!ひっ!あっ!!」  
「優希っ…優希っ!」  
 
 優希の声  
 優希の匂い  
 優希の温もり  
 
 既に何度か達して、最初は小さかった染みはブルマの半分以上を色濃く変えて  
いた。  
 顔をぐちゃぐちゃにして泣き喘ぐ優希に、けれど私は指を全然止められず、紺  
色の布地の下でひたすら責め続ける。  
「やっ!あっ!だめっ!だめぇ!こっ、との!きちゃっ、きちゃうっ!やめっっ  
あっっ!!っっっっ!!」  
 やがて、それまで以上に切羽詰まった悲鳴を上げながら必死で腰を捻り、何か  
から逃げようと足掻いた優希は…声にならない悲鳴を上げながら腰を突き出して  
痙攣し、腰の震えに合わせて紺色の布地を濡らしていった。  
 
 
「ごめん優希」  
「…………」  
「…ごめん」  
「…………」  
「……優希…」  
「…………」  
 あのあと、半ば失神してしまった優希を椅子に寝かせ、派手に汚してしまった  
床を掃除し、優希の着替え袋に入っていた代えの下着とブルマに着替えさせ…そ  
の時、意識のない優希を襲わないように自制するのが大変だった事は置いといて  
…今に至る…  
 膨れっ面で椅子に座って黙っている優希と、ひたすら謝る私。  
 もう10分近くこうしているだろうか…そろそろ授業が終わっちゃう。  
 けれど、私にとっては優希の機嫌が直らない方が大問題だった。  
「ねぇ優希、確かにやりすぎたかもだけど…優希が可愛すぎて、欲望が歯止めを  
無くして暴走しちゃって…」  
 あぁ…何言ってるんだろう?黙り込んでる優希に頭がぐちゃぐちゃ。  
「…………」  
「っ!」  
 不意に立ち上がった優希に首を竦める私。  
「アイス…三段じゃないとダメだからね!」  
「………え?」  
 てっきり罵られると覚悟した私は間抜けな声を上げて親友を見上げた。多分表  
情も間抜けなんだろう。  
「だぁかぁらぁ、今日の帰り、アイスおごってよね!?」  
「…っ!うんっ!」  
 やっと理解した私は優希に抱き付いた。  
「三段でも四段でも、優希の食べたいだけ!!」  
「わぁっ!?ちょっ、琴乃っ!!暑い!暑いからっ!」  
 抱きつく私を押し返しながらまた頬を膨らませる。  
「あ、つい…ごめん」  
「まったくぅ…琴乃ってす〜〜ぐ切れちゃうから。今回だって死んじゃうかって  
思っちゃったんだからね?」  
「…反省します」  
「……次からはもう少し優しくしてよ?」  
「うんっ!!」  
 やっとお互いいつもの笑顔で向かい合えた。  
 ………けど、次、優しくできるかしら…?  
 
 授業の終わりを報せる鐘を聞きながらふと思う私だった。  
 
END  
 

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