街を歩く白い少女に道行く人々の視線が集まっていた。  
まぁ、当然といえば当然だ。  
少女の背中には羽が生えているのだから。  
しかし少女は、そんな視線など気にならないらしい。  
なぜなら  
 
「おのれ…………たかだか人間の分際で、  
 神の代行者たるこの我を二度ならず三度までも辱めおって……。  
 許さぬ………絶対に許さぬ………。  
 肉体は地獄の鍋で釜茹での刑に処した後、醜悪な悪鬼共の餌にして、  
 魂は永遠の時の牢獄に閉じ込め、未来永劫終わることの無い  
 ありとあらゆる拷問の限りを味わせてやらねば気がすまぬ………ぶつぶつ…」  
 
頭の中は俺に対する憎悪だけでいっぱいなのでした。  
 
だが少女が考え事をしながら歩くには、いささか前方不注意だったようだ。  
「あぅ!」  
壁にあたって倒される。  
それは鍛えられた筋肉の壁。  
目の前にはモヒカンの男達が立っていた。  
尻餅をついたまま、少女が拳を振り上げて、がなりたてる。  
「キサマ等ーー!どこ見て歩いてんだ!このトーヘンボク!ウスラトンカチ!」  
モヒカン達の眉が釣りあがった。反感を買うには十分な言葉だった様だ。  
「あぁっ?自分からぶつかってきといて何言ってやがるクソガキが」  
プッチン。  
少女の中の何かがキれた。  
まったく沸点の低いヤツだ…。  
「う、うるさいっ!人間ごときが我と対等だと思うなっ!」  
パンパンとお尻をはらって立ち上がる。  
そしてすぐさま男の弁慶の泣き所につま先キック。  
「ぎゃ、ぎゃあ!」  
「テ、テメー。何しやがるこのクソガキがっ!ぶっ殺してやるっ」  
少女に対し殺意を向けるモヒカン達。  
にたりと笑う少女。  
「ほぅ………衛生観念の欠片もない人間ごとき下等生物が、我に対してぶっ殺すだと……面白い。  
 ちょうど我もむしゃくしゃしていたところだ。  
 神に逆らうことの愚か、その身をもって知るがいいわっ!」  
手はいつものように天に向かってかざしながら、クルッと一回転。  
怒りの矛先を男達に向ける。  
「死ねいッ!虫けらのようにっ!」  
しーん。  
「えっ…あれ?」  
しかし、何も起こらなかった。  
そして良く見れば、その手の先にいつものバトンは握られていない…。  
 
「…………あ、あれ?  
 あっ…そうだ……バトン………とられたままだったけ…」  
 
ガシッ!  
 
「やああ」  
頭をつかまれて持ち上げられる。  
「な、何をするっ!無礼者っ!放せバカ者がっ!」  
苦し紛れに男の顔を蹴り付けるが  
少女の華奢な体つきではその攻撃は余りにも無力。  
「おいおいお嬢ちゃん。  
 元気なのはいいけど年上に対する口の利き方がなっちゃいないな」  
「ひ…人を見かけで判断するなっ!  
 こう見えても我はキサマ等の1000倍は長生きしているのだぞっ!  
 早くその薄汚い手を放さぬかっ!」  
「はぁ、しかたない、俺達が口の利き方ってものを教えてやるぜ」  
そして一片の容赦もない腹パンチ。  
「げぶっ!」  
悶絶して、ピクピクと痙攣する少女。  
「ククク。たっぷりかわいがってやるぜ。俺達の住処で」  
そのまま少女は路地裏までつれていかれるのだった。  
 
路地の奥。  
華やかな街の裏側には、スラム街が広がっており  
そこは表の世界でまともに生きてはいけない者達、  
犯罪者達が住処にするにはうってつけの場所だった。  
 
そのスラムの廃屋で  
 
ポイッ  
ぞんざいに投げ捨てられる少女。  
ドシャ  
「キャン!」  
 
倒れた少女を三人の男達が取り囲んでいる。  
悪魔達による天使の陵辱劇が開始されようとしていた。  
 
ビリッビリビリビリっバリッバリ!  
「いやああ!」  
男達の手によって乱暴にスカートと下着が引き裂かれる。  
「やあああ。やめろぉっ!この俗物共がっ!!」  
少女は泣きながら秘所を覆い隠した。  
それでも心を強くして男達に嫌悪の視線を向ける。  
「ぐっ……わ、我に対してこのようなことをしてただで済むとおもっているのかっ!」  
 冥府に落ちた際には閻魔に頼んでジュデッカまで突き落としてやるからな!」  
「ほほぅ。いつまで、そんな強気でいられるかなぁ」  
怯える少女に男のガチガチに猛ったペニスが少女の顔にあてがわれる。  
「ひっ…」  
鼻をついてくる異臭。  
「やめろっ…やめんかっ…。そんな汚いものを近づけるなっ!」  
「ふふーん。いいよ、その恐怖に怯えた表情」  
「やぁ…やぁああああっ!」  
したたりおちる男汁が少女の頬を伝う。  
それは少女を威嚇するのには十分すぎた。  
「やだあっ。やめて……やああっ…あああ…汚さないでェ」  
魔力の源であるバトンがない今、少女は外見年齢相応の女の子でしかない。  
「ひ………ひぐぅ…うっ……」  
「ヘヘヘ。だんだん声のトーンが高くなってきたな」  
「むしろこっちの方が地声なんじゃないのか?」  
「きっと普段はなめられないように一生懸命声を低くしてるんだね」  
ゲラゲラと笑う男達。少女に反論の余地はない。  
「ところで、お嬢ちゃん…初潮はもうきてるのかな?」  
「……………エ?」  
恐怖に怯えた表情。  
「ククク…それじゃあ中出し放題ってことかっ!ヒャハハハハハハ!!」  
「……………い、いやああっ!」  
 
「ーーーーーいやああ!誰か助けてェーーーー!」  
叫び!  
無心の叫び!  
だが、少女の叫びに応える者はだれもいない!!  
 
「ヘヘヘ。叫んだってこんなスラム街では誰もきやしねえぞ」  
「むしろ俺達の仲間が増やすだけだぜ」  
「ヘッ。こんなかわいい子を蹂躙できるなんて最高だぜっ」  
男が少女の上にかぶさってくる。  
「や、やめろっ!ケダモノっ!」  
少女の性器にゆっくりと男の性器が近づいていく。  
「いやあああああ!」  
「やめろーーーーっ!」  
扉が開き、廃屋に光が差し込んでくる。  
「何者だッ…!」  
「キサマに名乗る名はない」  
少女のピンチ都合よくあらわれる俺。  
突然の俺の登場に目を丸くする少女。  
「なんだテメェはこの女の知り合いか」  
「知り合いではないが、俺には戦わなければならない理由がある」  
「なんだと?」  
ゴツン!  
モヒカン男に対して頭突き。  
それが戦闘開始の合図となった。  
 
死闘の幕開け。  
ぶつかりあう拳と拳。  
したたりおちる汗と流血。  
しかし、こんなこともあろうかと鍛えに鍛えたこの体。  
俺はボロボロになりながらもなんとかこの場を勝利したのだった。  
 
「ちくしょお!覚えてやがれっ!」  
逃げ出していくモヒカン。  
俺はすぐさま少女に駆け寄った。  
「大丈夫だったか?変なことされなかったか?怪我はないか?」  
「うっ…………うぅ………」  
少女は涙で濡れた目で、ただ俺のほうをじっと見つめている。  
体を張ってまで助けてやったんだ。  
少女の心にも少しは感じるものがあるのだろう。  
と思っていたら、  
少女は急に目を吊り上げて叫ぶのだった。  
「だ、誰が助けてくれなどといった!余計なことするなバーロー!」  
「………」  
この少女に少しでも人間らしい感情をキタイした俺がバカだったようだ…。  
 
少女はプンプンとかなりお怒りだ。  
立ち上がるのに手を貸そうとしても跳ね除けられてしまう始末。  
「あぁ…もう素直にお礼ぐらいいえないのかよ」  
「うるさいっ!これから我が裁きの鉄槌を下すところだったのだ!  
 キサマのせいで台無しなってしまったではないかっ!」  
「…あぁ……そうですか…すいませんねぇ……」  
そう言いながら俺がヤケクソ気味に差し出したのは少女から奪ったバトン。  
「…え…?」  
「大事なものなんだろ?」  
「………」  
それは少女にとって意外な行動だったのだろうか。  
キョトンとした顔のまま受け取る少女。  
「…………………………あり…がと…」  
「えっ?今何て言った?」  
「……う、………うるさぁい!  
 こ、この程度で我に貸しをつくったなどと思ってるのなら大間違いだと言ったのだっ!」  
いつもの高慢で、高いところから人を小馬鹿にして見下すような少女の態度。  
「はぁ…やれやれ」  
これには流石にお手上げで、  
俺はあきらめのため息をつくのだった。  
 
「あっ…そうそう。ほらこれ」  
「………な、なんだコレは?」  
「タオルだよ。腰に巻くといい。  
 オマエさっきからずっと丸出しじゃないか。  
 いつまでもそんな格好だと風邪引くぞ」  
「!!!」  
自分の下半身の状態に髪の毛を逆立てる少女。  
「あはは。口調だけ大人ぶってみても、やっぱりアソコはまだまだ子供なんだな」  
「!!!!!!」  
ブチッっと  
何かが切れたような音。  
少女は仁王立ちのまま…目は閉じ、ぐっと両手を握り締めながら、小刻みに肩をふるわせていた。  
頭には血管が何本も浮かんでいる。  
それは何かに必死に耐えているかのような…  
目が開く。  
「 ま じ か る と ぉ る ー ! 」  
ドカーーーーン。  
この少女に耐えるなんて言葉は、やはりありえなかったようだ。  
 
 
後日スラム街でおきた謎の大爆発は、ガス漏れによる事故と発表されました。  
 

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