もうすぐ、あの時間だ……  
嫌だと思うのに、胸がどきどきする。  
すっ……と、窓を開けようとすると……  
「あら、あたしを置いてどうするつもりかしら」  
声がして手が止まる……振り返ると……。  
そこにはライトブルーのワンピースに白衣を羽織った女……、  
シェナだ……  
 
「だめよ……そのままの姿じゃ……服がもったいないでしょう?」  
するりと俺の背後に回り込むと、するする服を脱がせていく。  
……思うように身動きがとれないのは、  
カーテン越しに浴びてしまった光のせいだろうか、それとも……  
 
ふふ、とシェナが笑いながら俺の上半身は裸になる。  
この数ヶ月で、俺の体は平常の体でも急激に変化したと思う……。  
六つに割れた腹筋、厚い胸板……って野郎の体なんてどうでも良いか。  
何もしていないのに、まるで、  
鍛え抜かれた格闘家のような体になってしまって……。  
ぺたぺたといやらしくそれを確認するように、シェナの手が這い寄る。  
 
「……素敵……逞しくなったわ……本当に」  
顔を上に上げ……歯を食いしばる……。  
何でこんな女に……。  
 
「……あら、今日は無口なのね……」  
「うるさい……」  
 
何か、言いようのない苛立ちがこもった声を、シェナに向ける。  
ゆっくりと背中に彼女の胸元が密着する。  
それにしてもこいつの胸はでかい……。いったい何をしてるんだか。  
押し当てるように、抱きしめられて、俺のアレに血が集まってくる。  
 
「……あら……あたしを求めてきてくれるのね。嬉しい」  
俺の胸にあった右腕をゆっくりと股間の方へやり……、  
それに……そっと触れる……。  
 
「早く……月を……見せろっ!……」  
シェラに触れられて抵抗できないのと、  
それを求めている自分に嫌悪感を抱きつつ、  
息苦しくなりつつも俺は言った……  
 
「……そうね……そろそろあなたにめちゃくちゃにされたい……」  
 
シャッ、とカーテンが開き……  
 
そこから、月の光が降り注ぐ。  
 
満月の光、それには、俺らの血を沸き立たせる何かがある。  
性的欲求がオーバーフローを起こすことはあまり無くなったが、  
これを体に浴びるとあまり自分にはどめがきかなくなってくる。  
 
「ォォォォォ……」  
 
まるで、怒りを全身に表すかのように顔がゆがむ  
ほてっていた体がとても熱い……力がどんどんふくらんで行く……。  
体中の筋肉が、更に太く……大きく……発達して……  
 
いつの間にか体にはわき出るように灰色の毛が生えていた。  
 
ボコッ……ボコボコッ……ゴキッ…ゴキゴキッ…ググッ……  
 
骨格が前のめりになり、俺は舌を出して荒い息を始めた。  
 
ハッ…ハッ…ハッ……  
 
目つきと爪は鋭いナイフのようで、牙はもう口からはみ出している。  
せり出した鼻の頭は黒く……爪先には長いかぎ爪……  
 
ビリッ……と尻に尻尾が伸び、とたんに……  
 
『アオォォォォォーーーーーーーォォォォォンッ……!!!』  
 
部屋の外、500メートルほどだったらたやすく聞こえそうな、  
そんな大きな遠吠えを響かせた。  
 
クルリ、背を向ケルト、白い雌兎ガイタ……  
俺ヨリ、二回リカ小サナ……兎娘……。  
足元ニハ……人間ノ名残ノ服……。  
裸で潤ンダ目デ見ヤガル……メス……  
俺ノ……エサ……。  
 
がしっ、とそいつを掴むと、一気に床に投げるように押した  
「…………きゃっ!」  
このぐらいでは骨なんて折れないだろう、獣だし、  
スキを与えぬようにその上にのしかかり、激しい息を吹きかける。  
なま暖かい息を、嫌と言うほど、そいつに  
 
「……ぁ……あ……」  
何時もは偉そうな兎はこのときだけは俺に素直に従う、  
そんなこいつを……痛めつけたい……俺だけの物にしたい……  
何時もそんなことを考える。  
 
がしっ、と首の根本を掴み、ゆっくりと、締め上げる  
「や………ぁ……やめ……て……」  
苦しそうだ、ジタバタして俺から逃れようとしてやがる……  
 
そんなこいつを見て、俺のイチモツはブクブクと膨らみ出していた……。  
最高だ……もっと、こいつの苦しむ顔を見てみたい。  
「……俺ノガ……欲シイノカ……言ッテミロ」  
「……あ、あなた……のぉ……太い……おちんぽ……ぉぉ……  
 あわれな……メス兎……にぃ……ぶっさ……して……くださぁ」  
 
と言いかけたところで、ギリギリギリ……と首を絞めていく……  
ふつうの女なら死ぬであろう力だが……  
こいつなら耐えるだろう……俺はそれを知っている。  
 
そろそろまずいか……と思い、少し力を緩めてやると  
げほっげほっ、と激しく咳をして、息を整えようとする、  
俺はそこへ爪を突き立てると、じわりと、シェナの毛皮が赤くにじむ。  
 
「あ、ああ……いたっ……」  
「我慢シロ……明日ニナッタラ……直ルンダロ」  
ククク……と人間の時には出さないような喉の奥で笑いを出す。  
 
「……早くっ……お願いしますっ……」  
こいつ、死にそうになっても、まだお願いしやがる  
本当に、ただ差し込んで欲しいために耐えている感じだ。  
 
「……糞兎……ソンナニ欲シイナラ」  
……俺はもうジーンズを破りそうになっていた股間を取り出すべく  
ジーンズととどめていたベルトとボタンをもぎ取った。  
先走りの滲むジッパーも無理にこじ開けると  
そこに図太い俺のイチモツが現れた……。  
人の時のそれとは違い、先が赤く色づいている。  
はじめはこんなのじゃなかったのに……  
 
「ああ……」  
とうっとりとした顔でシェナは、  
まるで待っていたかのように自ら密壺を指で開く  
「さぁ……早く、入れてください……お願いします……」  
必死に切なげに言う。  
 
「……タップリ味ワイナ……糞兎ッ」  
 
ズプりっと突きつけるようにイチモツを入れると、  
「あぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁっ!」  
と叫びだしたシェナ……、それを聞きながら、  
肩にがぶり、とかみつく。  
 
「あ゛ああ゛……っ!」  
甘噛みでも、食らいつきでもない……だが確実に痛みの届くように、  
その獲物に歯形をつけながら……激しく腰を動かす。  
すると、痛みが作用するのか、締め付けが強くなる。  
 
「あっ……んっ、んっ……やぁっ……ぁっ……ぁあっ」  
痛みも忘れて喘ぐ、そんなこのメスのエサが、俺は最高だと思った。  
月一度の楽しみ……やめることのできないような……。  
 
メスがイかない内に……俺の方がこみ上げてきた、  
人の場合、先にイったほうが順位が下になるとか言う奴がいるが  
そんなの関係ない……俺等の上下関係は何時も一つだ……  
 
「クゥ、ウウ。アァォォォォォォォオオオオオッォオンッ」  
「あっ、あああああああああっ!」  
遠吠えとともに、膨大な量の白濁液をぶっ放す。  
俺が日々ため込んだこいつへのストレスを、戻すように……  
少し、シェナの腹がふくらんだかのように見えた……  
 
「っ……すごい……ものすごく……おしよせてきてっ……っ」  
シェナは目を見開きながら、俺を見つめて微笑む……  
こいつ……コイツっ……  
俺の高ぶりはまだ終わらない……こんなんじゃ……終わらせない。  
 
 
……俺はまた、押しつけるように、腰を激しく、動かし始めた……  
 
交尾は月一度……夜通し行われるが……  
今日はなぜか……昼もずっと……続いた……。  
 
そして……朝。  
ばさっ、と起きると、シェナの体が上になっていた……。  
俺たちは、どうやら、つながったまま寝ていたらしい……。  
人に戻り、けがはないか、両者を体を確認して  
ゆっくりと俺のそれを、抜いてみる。  
 
ぬぷり……こぽこぽこぽこぽこぽ。  
 
ぷっくりとふくらんでいた腹に栓ででもされていたのか……  
常人では考えられないような大量の精液と愛液の混合液が、  
シェナの秘所から排出される……。  
だが、人の時でなければ、決して子ができる訳じゃない……  
根本的に種族が違うから……なのであろうか。  
 
これを見るととても悲しくなり、  
そして、自分がとてもやるせない……したくない、と思うのだ。  
俺は大きなため息をつくと、シェナの頭を撫でてやった。  
 
彼女は起きた……  
……毎回……それでも、……彼女は俺を見て微笑むのだ  
「……良いわ……あなたの……とても強くて……強引で」  
そういわれると、また俺は、強く彼女を睨み付けてやるのだ……  
……そして、ゆっくりと彼女を強く抱きしめて。  
 
……俺は、シェナをいつか、本当に食べてしまうかもしれない……  
その前に、素直に……俺はシェナを……スキになりたい……。  
 

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