「ごしゅじんさま、そんなことしちゃダメだよ!」  
と、天使が言う、その姿に違わぬ可愛らしい声で。  
「いいじゃない、ご主人様。何を迷うことがあるの?」  
悪魔が言う、その姿よりは少し背伸びした口調で。  
こうして彼女たちはいつも主人に語りかけているのだ。  
しかし・・・  
「うう〜、ごしゅじんさまはそんなえっちなことしないもん!!」  
「あら、知らないの?男の人ってみんなえっちなんだから。」  
そう、彼女たちの語りかけはいつも言い争いになってしまうのだ。  
主人が迷っている間にも彼女たちの言い争いは発展していく…  
「わたしがいる限り、ごしゅじんさまにそんなえっちなことさせないもん!」  
「あら、そういう天使ちゃんだってえっちじゃない」  
「え、ええええ、な、何言ってるの、あくまちゃん? わたしはそんなえっちな子じゃ  
「そう、じゃあためしてみましょう」  
悪魔はそう言うと、唐突に天使の胸に手をやりいやらしく揉みはじめた。  
「ちょ、ちょっと、あくまちゃんそんないきなり・・・あっ」  
「でも、気持ちいいんでしょう?」  
「そんなことないもん・・・あっ、下はダメェ・・んっ。 あくまちゃん、ごしゅじんさまぁ〜」  
 
結局、欲に抗うのは難しいのである。‘彼’はかつかつと大人のお店へと入っていった。  
 
 

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