「きゃーーーーっ!!」  
 
絹を裂く悲鳴が、のどかな畑に響いた。  
その声を聞いて、とうもろこしの葉陰に屈み込んでいたものが身体を起こした。  
茶色い毛皮と分厚い筋肉に覆われた、クマに良く似た魔物だった。  
長い鉤爪の生えた手はヒトの頭程度は苦もなく握りつぶせそうで、鋭い牙の並ぶガッシリとした顎は背骨でも噛み砕けそうだった。  
剣呑なその眼差しは他人を寄せ付けつけないものがあったが、どこかやんちゃな子供を思わせる雰囲気が漂っていた。  
汗ばんだ白いシャツに土に汚れた青いツナギを身につけた彼は、軽く周囲を見渡すと畑の端に向かって駆け出した。  
 
畑が見渡せる土手の中ほどに丈夫な十字架が立てられ、そこに両手足を革帯で繋がれた若い娘が絶叫を上げていた。  
彼女は大きな日除けのついた帽子に、長袖長ズボン、軍手までつけていた。  
その足元には首から布製のテルテル坊主をぶら下げた案山子が、裸に剥かれてグニャリと横たわっている。  
どうやらその案山子が着ていた物を、娘はそのまま着せられているようだった。  
そんな厚着をした娘に駆け寄ると、クマは怪訝な顔で尋ねた。  
 
「おい、どうした?」  
「いやぁ、いやぁ〜!」  
「だから、一体何が?」  
「ムシが、ムシが脚に〜」  
息を弾ませて問うクマに、娘は悲鳴で応えた。  
見ればタップリと大きめのズボンの右脚が、不自然に膨らんで動いていた。  
紐をほどく時間ももどかしく、彼は手にした草刈鎌で断ち切ると一気に膝まで引きずり降ろした。  
すると娘の太ももには、彼女のふくらはぎ程はあろうかという大きさの芋虫が張り付いていた。  
それは大きさの割には小さめの頭部を彼女の下着のなかに潜り込ませて、モゾモゾと身体を震わせている。  
しかし彼はそれを見て破顔した。  
 
「ブハハ…なんだ青虫か」  
「取って!!、早く取ってぇ!!」  
娘は動かせない手足をジタバタさせながら叫んだ。  
クマは無造作につまんで投げ捨てると、ビチビチと跳ねる芋虫に鎌でとどめを刺した。  
「何が起こったかと思えば、ただの青虫に大げさだな」  
「こんな大きいのが、ただの青虫なわけないでしょっ!」  
「そうか?ここいらでは普通だぞ。  
まぁ大事な野菜を食い荒らされても困るし、お前さんを案山子の代わりに立たせておいて正解だったな」  
 
「…フザケないでよっ!!…怖かったんだから…本当に怖かったんだから…」  
泣きそうな声で怒る娘をみて、彼は長い爪でボリボリと頭を掻いた。  
「別にこの青虫は噛み付きやしないし、気にする程のものでもないんだがなぁ。  
ただ汗や小便の臭いに集まる習性があるから、寄ってきただけのことなんだろうし…。  
…もしかしてお前さんお漏らしでもしたんじゃないのかね?」  
もちろん彼女は失禁したわけではないが、夏の日向に長袖長ズボンでいれば、絞れるほどの汗が出る。  
現に芋虫を取った拍子にズリ落ちかけた下着は、流れる汗でぐずぐずになっていた。  
 
薄い陰毛に縁取られた秘所が風に晒され、汗の蒸れた酸っぱい臭いと共にどこか甘い匂いが立ち昇った。  
鼻腔をくすぐる濃厚なメスの体臭に自然と彼の鼻息が荒くなるが、降り注ぐ娘の罵声に我に返った。  
「何してるのよ。このヘンタイっ!もうイイカゲン気が済んだでしょっ!  
ちょっと黙って野菜を取っただけで、いつまで私をこうしておくつもりなのよっ!」  
彼は内心の動揺を誤魔化すように、少し怒ったような目つきで彼女を見上げた。  
しかしすぐに何かの踏ん切りがついたかのように、ニヤリと笑うと立ち上がって彼女に凄んだ。  
「おやおや、全然反省してる様子がないな」  
 
そもそもの始めは、昨日の朝、畑の野菜が盗まれているのに彼が気づいたことから始まった。  
そこで今朝は早めに起きて見張っていると、夜明け前に畑に動く影を見つけた。  
飛び出す彼が捕まえてみれば、その小柄な影はボロを何重にも身体に巻いた、まだどこか幼さの残る若いヒトの娘だった。  
彼女は飼い主もいない野良のヒトのようで、ここしばらくはロクに食べていないようだった。  
その証拠というわけでもないが、キュウリやナスにまだ熟れてもいないトマトまで齧っていた。  
もっともヒトが「こちら側」で一人でまともに暮らしていけるはずもない。  
多少同情を感じる所もないでもないが、彼としては畑を荒らされて放っておく訳にもいかない。  
そこで彼はしばらく考えたすえ、オシオキとしてそこに立っていた案山子を外して、代わりに彼女を縛り付けておくことにした。  
 
ただヒトは彼と違って毛がほとんどないので、長く日に当たっているだけで火傷になってしまう。  
だから案山子が着ていた服を剥いて、彼女に着せてやった。  
半月も野ざらしになっていた物だが、彼女の着ているボロよりはずっとマシだったからだ。  
こうして娘は身動きひとつできない状態で放置されたが、少しも悪びれた様子もなかった。  
それどころか畑仕事をする彼に、午前中ずっと罵詈雑言の嵐を浴びせ続けた。  
 
もっとも彼の方も、それをどこ吹く風と気にもしてはいなかった。  
むしろ小さな仔犬が吠えているようで、微笑ましいとまで感じてしまったほどだった。  
彼女は昼には一度降ろされて、食事と水、そして用足しをする機会が与えられたが、またすぐに縛りつけられた。  
流石に強気な娘も疲れが出たのか、午後は大人しいものだった。  
そして静かに夕暮れも近づき、彼がそろそろ作業を終わりにしようかと思ったところで、先ほどの悲鳴が聞こえたという訳だった。  
 
のっそりと立ち上がった彼は、彼女よりずっと背が高かった。  
見下ろす視線と穏やかだが威圧的な声に、彼女は震える声で虚勢を張った。  
「…な、何よ…何をしようって言うのよ」  
「お前は今の自分が俺のナスガママってことに気づいてないんじゃないのか?」  
彼が器用に爪の先で彼女のシャツのボタンを外すと、意外と大きく育った胸が飛び出してきた。  
濡れた白い肌着が張り付き、桃色の乳首までが透けて見える。  
「おやおや、びしょ濡れだな。こんだけ汗をかいたら、そりゃ虫も寄ってくるだろうさ」  
そういいながら野菜の出来具合でも見るように、彼はたわわに揺れる胸を下からすくい上げて2、3度揉んだ。  
「このエッチっ!、スケベっ!、バカっ!…そのコヤシ臭い手であたしに触るなっ!」  
叫ぶ娘の声には耳を貸さず、彼は張り付いた肌着を桃の皮でも剥くように捲り上げる。  
汗に光る白い乳房が、プルリと弾けた。  
 
「例えば…だ。その気になれば俺はお前を喰っちまう事だって出来るってこった」  
ゾロリと牙の並んだ口を見せ付けるように大きく開くと、彼女の乳房をベロベロと舐めた。  
「いやぁーーーーっ!」  
「ん〜、こりゃ美味い。塩味が効いてるなぁ。それじゃ反対側も…ん〜ん、美味いなぁ。この乳首の歯ごたえが堪らんぞ」  
「痛い、痛いから…齧らないで…いやぁ…」  
「どうやって料理してやろうかねぇ?  
ステーキがいいかシチューがいいか、いっそこのまま丸齧りってのもいいかもな」  
「どれもいやぁーーーっ!」  
 
「ところでこっちはどんな味かねぇ?」  
クマは軽く屈み込むと、娘の股間にパクリと噛みついた。  
ハグハグと甘噛みする口の中では、ザラつく舌が彼女の柔らかな秘肉をゾロリゾロリと撫で上げる。  
そして溢れ出る唾液と、わずかに滲み出る蜜が充分に混じりあった頃に、ジュルジュルと音を立てて吸いあげた。  
「プハァ…こいつは青虫なんぞにくれてやるのは勿体無い。どれもう一口…」  
彼がそう言って再びかぶりついた途端に、その鼻先に生温かい雫がポタリと落ちてきた。  
見上げると更にもう一滴降って来た。  
彼女の涙だった。  
 
「おやおや、夕立かねぇ?テルテル坊主、テル坊主〜♪明日天気にしておくれ〜♪」  
彼は足元の布人形を拾い上げると、調子を外して歌いながら、彼女の乳首に結びつけた。  
身動きできない娘は、ポロポロ涙をこぼしながら呟いた。  
「…もう…野菜盗んだりしないから…お願いだから…あたしを食べないで…」  
「バ〜カ、喰うなんて冗談に決まってるだろ。  
そんなつもりがあったら、メシなんか喰わせないで日干しにしとくぞ。  
あんまりお前が可愛くないことばっかり言うから、からかっただけだ。  
最初っから素直に謝ればここまでするつもりもなかったんだけどな」  
 
「それじゃ、許してくれるの?」  
「ん〜…かといって、このまま許すのもシャクだしな。  
そうだなぁ、こいつを満足させてくれたら、許してやらんこともないぞ」  
にやつくクマが、自分の股間をゴソゴソとしだした。  
そしてツナギのボタンを外すと、窮屈そうに収まっていたイチモツを引き出した。  
勃起しかけた桃色のペニスが毛深い包皮から顔を覗かせていたが、自由になるやいなやムクムクと伸び上がっていく。  
つられて出てきた重そうな陰嚢も、やっと解放されて一息ついたかのようにデロリと垂れ下がった。  
 
「…それ…まさか…」  
「まさかも何も、ソレ以外ないだろ?」  
怯える彼女の目の前には、先ほどの芋虫に優るとも劣らない大きさにまで膨れ上がった肉塊があった。  
鮮やかな赤に充血したペニスの周囲には青や紫の血管が走り、鼓動に合わせてビクビクと揺れている。  
「無理よ、絶対に無理。入るわけなじゃない、そんなの。裂けちゃうわ」  
「試しもしないで分かるわけないだろ?ほーら、ご挨拶だ」  
巨大なペニスの先端が、膨らみかけた小さなクリトリスをくすぐった。  
 
彼は彼女の後ろに回ると、左の太ももをつかんでヒョイと持ち上げ、脚を大きく開かせた。  
するとふっくりと肉厚の大陰唇と朱色の小陰唇、そして膣穴までが口を開けた。  
あられもなく曝け出された彼女の股間に、彼は背後から腰を突き出す。  
そして反り上がるペニスの背中で媚肉からクリトリスを撫で上げ、根元の毛皮で会陰をくすぐった。  
刺激を受けて滲み出た愛液が、にちゃにちゃと音を立てて充血した茎にまぶされていく。  
彼女はそれ見下ろしながらも、真っ青になった顔を震わす以外に出来ることはなかった。  
 
 
 
「さぁて、今からこいつを入れるから、チョイと痛いがガマンをしてくれよ…うはっ、こりゃキツイ…」  
ブチュリと音を立てて、彼女の中に肉塊の先端が押し込まれた。  
「…うぎいいいいいいいい…」  
「おいおい、何て声を出すんだね?力を抜かないとかえって痛いぞ」  
「…いいいい…痛い、痛い、痛い…」  
娘の悲鳴に腰の動きは一旦止まったものの、またすぐに動き出した。  
それから何度か止まりはしたものの戻されることはなく、小刻みだか確実に奥へ奥へと押し込まれていった。  
 
やがてペニスの中ほどまで入った所で、動きが完全に止まった。  
「ん〜、これが限界かな?」  
「…はひ…はひ…壊れちゃう…もう壊れちゃう…」  
「じゃ、抜くか、よっと…」  
「…ひいいいぃぃぃぃ…」  
じわじわと抜き出されるペニスと共に、彼女は内臓を引きずり出されるような痛みと恐怖を感じた。  
 
もう少しで抜けるという所で、またしても動きが止まった。  
そして再度小刻みに押し込まれ始めた。  
「…死ぬ…あたし死んじゃう…」  
「こんな程度じゃ死なない、死なない。おっと、やっぱりここが限界だな。じゃ、また抜くか」  
「……ぅひいいいぃぃぃぃ…」  
絶叫する娘にニタニタと笑うだけで、クマは行為を止めようとはしなかった。  
 
「なんか滑りが良くなってきたぞ。お汁の出が良くなってきたんだな」  
「…死ぬ…死ぬ…死ぬ…」  
「とか何とか言って、もしかしてお前さん感じていないか?これじゃオシオキにならんよなぁ」  
「……はひいいいぃぃぃぃ…」  
まるで成立してない会話に苦笑しながら、彼は腰の動きを段々と加速していった。  
そしてついには目にも留まらぬ速さで腰を振りだした。  
 
「…はひっ、はひっ、死ぬ、はひっ、駄目、はひっ、痛っ、はひっ、はひっ…」  
「ハァハァ…そろそろ…ハァハァ…オレの方も…ハァハァ…限界…か?」  
「ひっ、ひっ、ひっ、ひぃ…しぬぅ…ひっ…」  
「ハァ…うくっ…くうっ…いぐぞっ…ぃぐぞおっ…ぐおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ…」  
轟く雄叫びが畑に響き渡った。  
 
急に脱力したクマは十字架にもたれかかると、娘を縛る全ての革帯を外しだした。  
そして彼女を抱えこむと、後ろにゴロリと倒れこんだ。  
貫かれたまま抱き枕にされた娘は、暴れもせずにされるがままになっている。  
彼はそのまま土手に寝転んで、トロトロとした気分に浸りながら、真っ赤に染まった雲を薄目で眺め続けた。  
 
空の半ば辺りまでが暗くなった頃、彼はいきなりパッチリと眼を見開いた。  
そしてこのままいつまでも寝ていたい誘惑を振り切って上半身を起こした。  
柔らかくなった一物をツルリと抜きとると、持っていた手拭いで処理して立ち上がった。  
彼はツナギのボタンを止め直しながら、動かないままの娘に声をかけた。  
「約束だからな。もう好きにしていいぞ」  
 
引きずるような足取りで畑に向かい、先ほど放り投げてきた農具をまとめると、彼は再び戻ってきた。  
するととっくに逃げていると思った娘が、いまだに土手に横になっていた。  
ピクリともしないのにギョッとして、慌てて顔を近づけるとクゥクゥと穏やかな寝息が聞こえた。  
それにホッとしたのも束の間、彼は少し困ったように彼女の寝顔を見つめ続けた。  
そしてしばらく悩んだ末、彼女を起こさないように優しく抱え上げた。  
 
 
 
「しょうがないな…とりあえず風呂入れてキレイにして、夕メシ食わせて…か?  
明日も晴れなら畑は午前中に切り上げて、昼メシ喰ったら街まで出ることにするか。  
要るのはまともな服と…首輪?」  
帰り道の途中で自分に言い聞かせるように呟く彼に、揺れるテルテル坊主がニッカリと笑いかけた。  
 
 
 
 

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