「明(アキラ)……」  
「はい、何でしょうか?」  
「お前がウチに来て何年になる?」  
「三日後でちょうど五年になります」  
「そうか、もうそんなになるか……」  
「はい。ご主人様には本当に感謝しております。目の見えない私が奴隷として売買されていた、あの地獄から助けていただいたのですから。  
 何度ご主人様の元にいられる事を感謝しても足りないほど、私はご主人様に感謝しております」  
「……そう言えば、最初の頃のお前は見ていて悲しい程荒れていたっけか。今となっては懐かしい思い出だ……」  
「そ、それを言わないで下さい……あの頃は……その……」  
「ハハハ……分かった分かった。……ところで明」  
 
「? はい、ご主人様」  
「今日もする気かね?」  
「――ご主人様は……嫌、ですか……?」  
「いや、寧ろして欲しいくらいだ。ただ、何かお前に悪い気がしてな」  
「……ご主人様は忘れがちですが、私は奴隷ですよ? ご主人様のモノですよ? ご主人様が心を痛める事なんて何もないですよ。  
 それに……私自身半分好きでやっているんです。ですからいきなり、例えば掃除中とかに無理矢理始めても私は一向に構いません」  
「……そうか」  
「そうです。……ではご主人様、今日のご奉仕をさせて頂きます」  
「……あぁ」  
「失礼します」  
 

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