「電気あんまって10年ぶりくらいだっけ……」  
 と、微かに顔を赤らめて京子。  
「どう、結構キク?」  
 亜紀がいたずらっぽく微笑みながら問いかける。  
「冗談でしょ。くすぐったいだけよ」  
「またまた。無理しちゃって。絶対にいかせてやるんだから」  
 
「ふふっ……ふふっふ……」  
「あ、笑ってごまかしてる」  
「くすぐったいんだってば……もうやめない?」  
「真っ赤な顔してるし。目、潤んでるよ」  
「ふふ……うくっ……」  
「ほら、約束通り両手は床につけたまま。足の力抜いて」  
「亜紀ちゃんってこんなにSだったっけ……?」  
「ふふ。今日は私の怖さをたっぷり身に沁みさせてやるんだから」  
 
10分後。京子はベッドに背を寄りかからせ、顔を隠そうとして俯きながら、  
呼吸を次第に激しいものにしている。  
手を床から離したら5分延長、という取り決めのため、両手はもじもじと床の  
上に留まり続けている。  
「可愛い。そろそろいっぱいいっぱい?」  
「亜紀ちゃん……いやらしい……」  
「ふふ、ごめんね……あと20分、我慢できるかな?」  
 
さらに10分後。  
京子はベッドに頭を凭れてぐったりとしながら必死に亜美の悪戯を耐えていた。  
「うくっ」  
京子が呻く。  
「あは、お手々が震えてるのはどうしてかな?」  
亜美が心から楽しげに訊く。  
「ねえ……一回だけ、一回だけなら手を動かしてもセーフってしてくれない……?」  
京子が軽く頭を持ち上げ、涙をたたえた目で亜紀を見て言う。  
「だめに決まってるでしょ……」  
「んっ……んぅ……そうだよね……」  
「あ……でも、代わりにこの可愛い足をこちょこちょさせてくれるなら考えるかも」  
「え……足……?」  
「うん。1分間くすぐらせてくれるなら良いよ。その間も手は床につけてて貰うけど」  
「本当……?」  
「うん。どうする?」  
「……やるわ……」  
 
亜紀が京子の左足を持ち上げ、右手の指を素早く動かしながら近付けていく。  
「覚悟は良い?」  
「……どうぞ……」  
亜紀の指が触れる。  
「うくっ!」  
予想を超えたくすぐったさに京子が全身で反応する。  
「やっ、ちょっ、これ……てっ、手加減して……」  
「あはは、面白い。可愛い」  
「やっ……、あーっ!」  
「ほらほら。こちょこちょ」  
「あ……あー! だ、駄目! これ、無し! 手は動かさないで良いから、  
これはもうやめて……あぁっ!」  
「だめだよ、一回決めた事だもん」  
「いっ、あっ……あははっ! あっ、や、やめてぇっ……」  
 
くすぐりに耐えきれず手を床から離して足をかばおうとしてしまう京子。  
「あ、一回。今のは約束通りにセーフしてあげるよ。次から5分延長ね」  
「そっ……」  
「無駄骨だったね。残念。あと30秒、こちょこちょ〜」  
「ひっ……、ひっ。やっ、はぅ……あははっ!」  
「もうかばうこともできないね」  
「やだっ……意地悪っ……! お願い……あはははははは!」  
「ラストスパート!」  
「やっ、強っ……あぁぁっ!」  
 
そして約束の1分が過ぎるなり、京子に休む暇を与えず亜紀は両足を掴み直す  
「それじゃ、続き行こうか。あと9分だったね」  
「そん……休ませ……かぅっ!」  
「もう。敏感すぎでしょ。こんなの子供の遊びだよ?  
そんなに気持ち良いわけないって」  
「自分はされた事がないからっ……そんな事っ……」  
「どんだけいやらしい体してんのよ。まったく」  
「ひっ……うぅっ……」  
「声が色っぽすぎて、こっちがドキドキしちゃうよ」  
「あぁ……あぁっ……!」  
「壁薄いんだから隣に聞こえちゃうよ? 多分今いないと思うけど」  
「くっ……だ、だって……」  
「もちろん我慢させてあげる気なんかないけどね」  
「うっ……ひっ……やっ……」  
 
残り4分の時点で亜紀がわざと足を激しく動かし、  
京子が反射的に亜紀の足を押さえて止めてしまう。  
「あ、5分延長だぁ」  
と言いながらも亜紀は足を動かすのをやめない。  
「ほら、手、離して。ちゃんと床につけて」  
「うぅ……」  
ぶるぶると激しく震える亜紀の足から京子がしぶしぶ手を離す。  
「今まで5分、一生懸命我慢したのに、パーになっちゃったね」  
「んっ……ん……」  
「あは、イキそうでしょ。わざとイケないようにしてるのわかる?」  
「うぅ! ……ひぅっ……」  
「かわいそうだけど、このまましばらく生殺しにさせてもらうよ」  
「あぅっ……」  
 
それから京子は亜紀にさんざん焦らされたあと、  
何度も何度も絶頂に追い込まれ、  
いくら泣いて許しを懇願しても許して貰えず、  
ちょっと亜紀が足の動きを早めるたびに、  
自分の意志ではどうすることも出来ず勝手に手が動いて体をかばってしまい、  
亜紀はそんな京子をどこまでも満足することなく貪欲に責め続け、  
三時間後についに彼女が延長分を消化しきって解放されるまでの間、  
彼女の鳴き声を思う存分に楽しんだのでした。  
 
「ふふ……ごめんね、京子。我慢できない。疲れてるとこ悪いけど、犯させて」  
「え……な、なに……? 冗談でしょ……」  
ベッドに力なく横たわる京子の体を亜紀は持ち上げて、  
無理矢理唇にキスをする。  
「ごめんね。大好きなの」  
「や……」  
そう行って亜紀は京子の服をはだけさせ、体のあちこちを撫で回す。  
「これ以上は……やっ、本当に……」  
京子は抱き付いてくる亜紀を押しのけようとするがその力はあまりにも弱い。  
首を舐められ、敏感になりきっている体が大きく反応する。  
「や……許して……」  
という願いは聞き届けられず、亜紀はさらに三時間、満足するまで  
ひたすら京子を責め続け、抵抗すると縛り付け、彼女に普通の人間の  
一年分にも匹敵する快楽をこの一日だけで与えてからやっと解放し、  
気絶するように眠りについた彼女を抱きしめながら、  
「賭け」のルールを逸脱してしまった自分に彼女が下すだろう罰に思いを巡らすのだった。  
 
「覚悟はできてる? 容赦はしないからね」  
京子が亜紀に言った。  
亜紀はロープで両手両足を広げられて床に座っている。  
亜紀の後ろには隣室の住人であり「賭け」の常連でもある成実が腰に片手を当てて  
立っていた。  
「本当にルール外で犯っちゃったの? バカだねぇ」  
「……可愛かったんだもん。仕方ないでしょ」  
「私にとっちゃ今のあんたの方がかわいいけどね……そいじゃ、そろそろ始めますか?  
亜紀ちゃんのこんな格好見せられちゃったら私、もう我慢できないよ」  
「そうね……もう始めましょう。『ルールブック』刑法に基づき、  
ルール外の暴行を働いた罪で、『三倍返し複数責め』の刑。時間は9時間。  
やっていいことは、私がされたこと全部だから……ほぼ何でもありね」  
 

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