その少女は、家族と一緒にこの一軒家に引っ越してきた。
家の周りには鬱蒼とした森が茂る。
或る日、その森の噂を聞かされた。
そこには無数の魔物が棲み、夜になると若い女を襲うという。
家族は、仕事の都合で数日家を空ける事があり、彼女一人で留守番をした。
その蒸し暑い夜、入浴をしていると突然雨が降り出した。
のぼせ気味だった彼女は、外に出て天然のシャワーを浴びる。
「気持ちいいー!」
都会育ちの彼女に、この開放感はたまらない。
膨らみきっていない胸と、薄っすらした茂みに水滴が纏わり付く。
雨はすぐに止み、月明かりが森を幻想的に照らし出していた。
(魔物が棲む森ね)
彼女は何かに導かれるように、裸のまま森に入っていった。
彼女は、ネット上で見つけた小説を思い出していた。それは、肌も露な女戦士が大蛇や大蛸と戦う物語で、そのスリリングな展開と少しエロチックな内容が思春期の少女の心を夢中にさせた。
森の異様な雰囲気が、彼女をあたかも女戦士になったつもりさせ、思わず叫んでしまった。
「私は戦士よ!魔物達よ、相手をしてあげるわ!」
すると、うるさいほど鳴いていた虫の音がぴたりと止んだ。
何か、急に怖くなり、家に戻ろうとした時、足を滑らして尻餅をついてしまった。
「痛ったーい!何、これ?」
地面に、べっとりした生暖かい粘液が付いている。
「うわーっ、気持ち悪ーい」
そして、目の前に居る物体に気が付いた。それは、彼女の体ほどの大きさがあるナメクジだった。
「いいやああああーーーーっ!!」
誰にも聞こえる筈は無い。オオナメクジは迫り寄り、上から覆い被さろうとする。
「いやっ!いやっ!助けてっ!助けてーーーっ!」
ゼリーのように柔軟な身体と、ぬるぬる滑る粘液で押しのける事が出来ない。
少女の柔肌は、なすすべも無くオオナメクジに包まれた。
あまりの気持ち悪さが、恐怖すら感じさせなくする。
オオナメクジは、彼女の全身を優しく愛撫した。
グチャッ、グチャッ……粘液が糸を引き、卑猥な音を奏でる。
まるで、何百もの手が全身をマッサージしているようだ。
乳房が揉みほぐされた。
腹も、脇腹も、太腿も、触れている部分全てが撫で回される。
それでも、頑なに脚を閉じていたのは、彼女の本能だった。
どれほどの時が流れただろうか、不思議な感覚が全身を襲い始めていた。
気持ちいい。とろけるように気持ちいい。
「あっ…ああっ…ああっ」
性体験をした事が無い彼女の、初めての甘い喘ぎ声だ。
嫌な事などを忘れ、快楽に身を任せ始めていた。
ビクン!
体が跳ね上がった。
オオナメクジが、滲み出た愛液を舐めているのだ。
「いやっ、そんなところ……あっ、あっ!!」
いくら脚を硬く閉じていても、舐められる度に激しい快感が貫く。
ビクビクッ!
その快感に刺激されて、泉のように愛液が滲み出る。
「あああっ!」
彼女は、我に還った。
恥ずかしい。何よりも、こんな化け物に感じていた自分が。
(私は戦士よ。こんな事では負けない!でも、どうすれば?)
オオナメクジは、更に股の間へと頭を押し込もうとしている。
(そうだ!)
彼女は両脚を大きく開いた。そして、太腿をオオナメクジの頭に絡めると、渾身の力で締め上げた。
「私の…大事なところで…死ねるなんて…幸せ…でしょう?」
だが、オオナメクジが苦しさでもがくほど、その刺激は膣の奥深くまで響き渡る。
それでも彼女は、夢中でヴァギナをオオナメクジの口に押しつけた。
「もう…だめ…いっちゃ……あっ…あああああああああっ!!」
オオナメクジは息絶え、ドロドロに溶けて彼女の体を汚した。
「はあっ!…はあっ!…はあっ!」
彼女は、勝利の悦びと初めての絶頂の余韻に浸っていた。
少女戦士の誕生だ。
今日は、一人で留守番をする夜だ。
風呂で体を温め、気持ちを高めると裸のまま森に向かう。
「魔物よ、出てきなさい!」
地中から這い出してきたのは、大蛇のように大きなミミズだ。
内臓のような、ねっとりした生々しい粘膜質の皮膚が、ヌラヌラとぬめり輝いている。
少し触れるだけでも、身の毛がよだちそうだ。
それでも彼女は、無防備に両手を広げて挑発した。
「さあ、かかってきなさい。私の体で昇天させてあげる」
裸の少女に、オオミミズがゆっくりと巻き付いていった。
「うううっ!!」
夜の森に喘ぎ声がこだまする。
少女戦士の妖しく甘美な戦いが始まった。