【〜桜が舞い散る並木道の中で〜】
時は4月…世間では私と同い年が高校の入学式を迎えている中
「ふぅ…」
私はガンで入院し病院にいた。
「はぁ〜何でだろ…」
私はもう末期で治る確率が10%をきっている。両親は教えてくれないが両親が医者と話しているのを聞いてしまった。
話は変わるけど私には幼なじみがいた。その人は私の幼なじみにして…恋人だった。
「まぁあんな言い方したら来ないよね…」
実は私はその幼なじみに対し一方的に別れを告げた。
………
……
…
時は戻り二年前の出来事。桜が舞い散る並木道の中で二人で歩いていた時のことだ。
「いや〜もう中学二年生になりましたなぁ〜慶。」
「そうだな」
「もぅ〜さっきから元気ないよ?」
「…なぁ奈々。」
「ん?なぁに?」
「…ずっと好きだったんだ。俺と付き合ってくれよ…」
「…うん。いいよ…」
その言葉が私たちの始まりだった。もちろん断る理由なんてない。私も慶(幼なじみ)の事が好きだったからだ。
それから私たちは恋人になった。時には喧嘩したりもした。……自分でいうのもなんだけどなかなか仲がいいカップルだったと思う。しかし高校も決まった矢先に私は倒れた。
そして医者からガンであることが分かり私は一週間後に入院する事になった。医者からは「長い間入院することになるかもしれないから、けじめをつけてきた方が良いよ。」
と言われ…私が死んで悲しむより別れて悲しむ方が…
そう思い私は慶に別れを告げる決心をした。
そして一週間後。私の最後の登校日の放課後に慶を呼び出した。
「どうした?最近元気ねぇけど」
「うん…実はね……………別れてほしいの」
「はぁ!?何だよそれ…。マジ意味わかんねえ」
「……………」
「その目はマジらしいな…わかったよ。でもな?幼なじみとして13年恋人として2年一緒にいた一人の人間として…せめて理由位言ってくれ」
そう言われ私は有り得ない発言をしてしまったんだ…
「…他に……好きな人が出来たから…」
「…そうかよ。」
そして私はその重い空気に堪えきれず
「じゃあ私行くね?」
「…あぁ」
そして私はその日で学校を休学(形式上)した。
そしてそれ以来慶に会っていない。いや…正確には会えない。
だって私の我が儘で慶に辛い思いをさせたし…段々と痩せほそってく私を…苦しんでる私を見てほしくない。
何故なら慶は多分私よりも苦しむ事になるから…慶は優しいから多分自分の事以上に苦しみを抱えこんでしまうから…
そんな時…病室のドアが開いて…ふとドアの方を見て私は愕然とした…
「………………はぁ…はぁ……この…大馬鹿野郎!!」
だってそこにはー
私が別れを告げた恋人がいたからーー
「…な…んで…」
「…急に休学になるなんておかしいと思ったんだ。だから雅也さん(奈々父)問い詰めて聞いた。」
「なら…知ってるよね?私はガ…「ふざけんな!!」っ!!」
「お前昔言ったよな?"慶はいつも一人で抱えこんじゃうから、何かあったら私にすぐ話してね?"ってよ!!」
「…で…、っでも!!」
「でももくそもねぇ!!」
「っ!!」
「お前、自分が注意した事を自分でしてどーすんだよ…。本当は心細いんだろ?一人になりたくないんだろ?」
「でもっ!慶が!!「んなの関係あるか!!」…。」
「俺はな?何が悲しいかって言うと…お前が俺に言わなかった事だ。俺は
そんなに頼りないか?俺はそんなにお前に信用されてないのか?」
「ちが……、慶を苦しませたくなくて…」
「…やっぱお前は大馬鹿野郎だ。俺はお前…奈々の何なんだ?」
「…元恋人。」
「元を付けるな、元を。」
「だってもう…」
「俺は別れるなんて言ってねぇぞ?あの時は奈々がすぐ逃げたから返事出来なかったし…、それに他に好きな奴が出来たんならともかく、ガンで死にそうで慶を悲しませたくないから別れます。なんて…俺は認めねぇ
本当に俺の事を思うんだったら何で"一緒に頑張って"って言えない?何で必死に生きようとしない?いいか?お前が俺の恋人であるうちはお前を絶対に死なせやしねぇ。意地でも生きようとしてもらうぜ!!」