「姫様ーっ!姫様ーーっ!」  
大陸からそう遠くはない海の底  
そこに魚人族の都はある。  
貝殻などを積み重ねた宮殿の廊下を、一人の小太りの魚人がオロオロと叫びながら走っていた。  
「またどこかへ……シズー!シズはおらんか!」  
小太りの魚人は立ち止まると、エラを張らせてしきりにシズという名を叫ぶ。  
手に持った木の棒をしきりにバンバンと壁に叩きつけ、いらだちを隠そうとはしない。  
しばらくすると廊下の奥から、手に槍を持ち鎧に身を固めた女性が泳いできた。  
人間の足に当たる部分は尾鰭になっており、器用に魚人の前で止まると直立状態になり位置を保とうと  
尾鰭を小刻みに震えさせる。  
しかし直立するのは難しいのか、槍を壁に押し当ててバランスを取っていた。  
「グリューさま。いかがなされました」  
「いかがもなにも、また姫様がいなくなられた!シズお前は何をしていたんだ!  
 姫の警護の身でありながら側にいないとはどういうことだ!」  
凄い剣幕でグリューと呼ばれた魚人は、直立したシズをしかりつける。  
「はっ…ハッ!申し訳ありません!  
 あの姫様はグリューさまと勉強があるから近寄るなt」  
 
ビシッ  
 
「あうっ」  
持ってい木の棒で鼻先を叩かれ、シズは少しなみだ目になりながらも直立を保とうとする。  
「姫が私と勉強しますなどといい出すわけがなかろう!  
 何年側についておるのじゃ!  
 いますぐ捜してまいれ!いますぐじゃ!  
 そして見つけたらすぐにつれてくるのじゃ!よいな」  
「ハッ!」  
シズは慌てて廊下を泳いで、廊下の角を曲がると急停止した。  
 
「ふうぅ」  
空いた左手でそっと胸を撫で下ろし、そーっとグリューがいた廊下のほうに顔を出してみる。  
さっきまでグリューがいた位置にはもう誰もおらず、シズはそーっと顔を戻すともう一度大きく息をつ  
いた。  
「いったかな……」  
 
バチーン!  
 
「きひぃっ!」  
突然背後からお尻の辺りを強く叩かれ、シズは飛び上がった。  
お尻の部分には鎧は無く、むき出しの状態なのでシズは槍を落として叩かれた尻を押さえる。  
「あぅぅぅっ……ひいぃっ」  
なみだ目になりながらも、なにが起こったのか確認しようと顔を上げると  
そこにはグリューがパシパシと木の棒を手のひらに叩きつけ、すさまじい形相でこちらを睨んでいる。  
 
「あうぅぅ…ぅ」  
「シズ。私がなんといったか覚えてるかい?」  
そう引きつった笑顔で怒るグリューに慄き、シズは慌てて槍を拾い上げて逃げ出した。  
「はぃぃぃ!すぐにみつけてきますぅぅぅぅ」  
ものすごいスピードで泳いでいくシズを見ながら、グリューは逃げ出した姫の躾け方を思案するのであ  
った。  
 
「ひどいですぅ…私のお尻がぁ(泣」  
強く叩かれた為、少し鱗が剥がれてしまったお尻をさすりながらシズは宮殿から少し離れた海溝に来て  
いた。  
「やっぱりここかなぁ………いくのやだなぁ…」  
槍を両手で抱え、キョロキョロと背を丸めて奥へ奥へと進んでいく。  
途中何度か横穴に入り、さらに奥へと進んでいくと奥から泣くような声が聞こえてきた。  
(やっぱり……)  
そーっと、そーっと音を立てないように近づき、岩影から顔を出してみる。  
奥は行き止まりになっており、その奥には何体かの大き目のイソギンチャク。  
その中心に、イソギンチャクの触手に身を任せて喘ぐ人魚の姿があった。  
「あぁぁぁっ!いいぃっ!」  
何十本の触手に身を任せ、人魚は気持ちよさそうに喉をそらして尾鰭を振る。  
腹の少し下辺りにある生殖器には太い触手がねじ込まれ、ぐいぐいと激しく動いていた。  
(どうしよう。止めたらまた怒られちゃうし。でもつれて帰らないと怒られちゃうし。うぅぅ〜)  
シズはその場で頭を抱えて小さく唸ったつもりだった。  
 
カツーン  
 
「あぁぁ!」  
持っていた槍が落ちて、岩に転がる。  
「だれ!」  
喘いでいた人魚はイソギンチャクの中に身を潜め、顔をだして叫んだ。  
美しい顔立ちにはきつすぎるくらいの鋭い目。  
流れるような黒髪はイソギンチャクの触手に絡み、黄色と黒のストライブを描いている。  
シズがおずおずと岩陰からでてくると、きつい目を和らげて人魚はイソギンチャクの中から出てきた。  
 
「あら、シズじゃない。もうグリューにバレたのかしら」  
悪びれることなく姫は舌をちょんと突き出し、少し太めの触手の上に横たわるとヒラヒラと尾鰭を振っ  
た。  
「もういい加減にしてほしいのよね。毎日毎日花嫁修業って、私姫なんだから料理や掃除とか必要ない  
じゃない!  
 それをグチグチとあーでもないこーでもないって、お前はお姑かっての!けっ」  
姫とは思えないような悪態をつきながら、眉間に皺を寄せて不機嫌を隠そうともしない。  
「それにまだこの子達満足してないんだもの。  
 まだ帰れないわよねぇ」  
姫はそう言いながら細めの触手を手に取ると、先端を口に含んでいく。  
「んっ…んっ」  
喉を鳴らしながら、目を閉じ情熱的に舐めしゃぶる。  
「ぷほっ、まだまだ元気♪」  
側によってくる触手を次々に頬張り、頬を染めて熱心にしゃぶり続けていく。  
そんな様子をシズは、オロオロと見守るだけだった。  
 
「こっちにきなさい!シズ」  
熱心にしゃぶりながら、姫はシズをイソギンチャクの側に手招きする。  
「えぇえぇ…い…いやです」  
シズは顔を真っ青にさせると、ジリジリと下がろうとする。  
「なに?私の言うことが聞けないの?そんな事はないわよね?」  
舐めていた触手から顔を離すと、とびきりの笑顔をシズに向ける。  
「ひぃぃ」  
笑顔の裏の顔にシズは慄き、慌てて姫の側へと近寄った。  
震えながら姫の側によってきたシズを、姫はやさしく抱きとめる。  
「いい子いい子。あらこんなに震えて…どうしたの?」  
姫はシズの顔を両手で掴み、シズの目を覗き込む。  
「わかってるくせにぃ…」  
目を潤ませながら、シズは肩を落として視線をそらせた。  
姫には兵士であるシズは逆らえないのだ。  
「ほらっ、あなたも咥えて」  
姫は触手の一本を掴むと、シズの顔の前に突き出した。  
触手の先端は小刻みに揺れ、シズの閉じられた唇をそっとなぞる。  
シズは目をギュッと閉じ、口を閉ざして抵抗しようとする。  
 
チュプ  
 
触手はゆっくりと閉じられた唇を割り開いていくが、歯は閉じられている為に歯をなぞることになった。  
「あら、生意気」  
姫はそんなシズの様子が楽しくて仕方ないのか、笑みを浮かべた。  
そしてシズのお尻のあたりにウロコが剥げた後を確認すると、そっと手をよせてさわさわと撫でる。  
「ひぃっ」  
痛みとむずがゆさにシズは目を開き、思わず口をあけてしまう。  
「ほら!今よ!」  
姫の声と共に触手はシズの口の中へと収まった。  
「うぅぅうぅぅ」  
喉を突かれた為になみだ目になりながらも、シズは口内の触手を舐め始めた。  
(こうなったら早く終わらせて戻るしか…)  
そう決意したシズは口内の触手に積極的に奉仕をはじめる。  
「そうそう…いいわよ」  
姫はシズのお尻を撫でながら、時折ウロコのない部分をつねりあげる。  
「いたひぃ…やめてください、そこはぁ」  
「悪い子にはおしおき。当然の事でしょ」  
あまりの痛さにシズは涙を浮かべ、姫の体にしがみつく。  
「私の楽しみを邪魔したんだから当然の事よ。  
 ガマンなさい」  
「そんなぁ、私はグリュー様に……あぅぅ!ごめんさぁい!」  
口答えをしようとしたシズは再びきつく抓られて、涙を浮かべて謝る事になった。  
 
トントン  
 
シズをいじめて遊んでいた姫の肩が叩かれた。  
姫が振り向くと、肩をトントンと何度もイソギンチャクの触手が叩いている。  
 
トントン トン トントントン  
 
「ふんふんむ」  
姫は思案顔で何度かうなずくと、シズを見てこう言った。  
 
「あら、この子またあなたを孕ませたいんだって」  
姫が優しく一番大きなイソギンチャクの触手を撫でると、触手が喜ぶように大きく震えた。  
「えぇぇぇぇっ!いっ!いやですぅ!」  
シズはブルブルと顔を左右に振り、さらに手を前に突き出して振って全身でNOと表現する。  
「あら、もう何度も孕んでいるじゃない?ほらそこにあなたの子供もいるし」  
姫は大きなイソギンチャクの影に隠れて、ゆらゆらと揺れる小さいイソギンチャクを指差す。  
小さいイソギンチャクは3匹おり、波に揺られながら小さな触手を震わせていた。  
「ちっ!ちがうんです。これは!えっと……あぅ」  
シズはオロオロと小さいイソギンギャクを見やり、がっくりと肩を落とした。  
「私またシズの出産が見たいわぁ、ねぇいいでしょ?ねぇ」  
姫はニコニコとしながらシズの肩を抱き、前後に揺する。  
「あぅぅぅ…だめっていってもやらせる癖にぃ……もう好きにして下さい」  
シズは不貞腐れたように顔を背け、姫のなすがままにイソギンチャクに押し付けられる。  
 
シュッ  
 
両手尾鰭の付け根にビシッと触手が絡みつきシズの体が固定されると  
イソギンチャクの中央から細い透明な触手が伸びてきた。  
 
「はじまった♪はじまった♪」  
「あぁぁ…」  
触手はゆっくりとシズの生殖器にたどり着くと、なじませるように入り口をいじり始めた。  
「あっぁ…あぅっ…あぁぁっ…」  
もどかしい感覚に、身をよじろうとするものの、ガッチリと体は固定されており動く事は出来ない。  
しばらくすると生殖器からは潤滑油がぬめりだし、触手をねっとりと濡らすことになった。  
「相変わらず濃いわねぇ……ふふふ」  
あふれ出た潤滑油を指に纏わせ、シズのエラに塗りつけていく。  
「はうっ…エラはやめて……きゃうっ」  
姫に舌を這わされ、シズは体をそらせた。  
「ここが弱いのよねぇ、ほれほれぇ」  
「あぁぁっ!やっ!うあぁぁあっ」  
生殖器からはさらに潤滑油があふれ出し、海水をにごらせて行く。  
シズの味が海水に広がり、イソギンチャクの触手は歓喜するように揺れ動いた。  
 
ズブッ  
 
「ああぁぁぁぁぁっっ!」  
触手は止まる事なく進みついに奥深くまで突き刺さる。  
 
ドプッ  
 
「あうぅぁぅぅっ」  
胎内に熱い粘液が吐き出され、シズは暴れるように体をゆすった。  
固定されていなかったら、岩などに体をぶつけていたに違いない。  
暴れるシズの頭を姫は優しく抱きかかえて、頬を撫で続ける。  
 
「大丈夫…大丈夫よ」  
しばらく吐き出され続けた粘液はようやく止まり、シズも落ち着きを取り戻した。  
「はぁ…はぁ…はぁ…」  
荒い息を吐き続けるシズの頬は紅く染まり、目は空ろに天井を見上げていた。  
「そろそろかしら」  
姫は優しくシズのお腹を撫で始める。  
「あぁぁっ!」  
ビクッとシズの体が跳ね上がり、震え始めた。  
「やあぁっ!いひぃっ!いいいっ」  
シズは何度も何度も体を痙攣させて跳ね回る。  
俗にいうイキっぱなしの状態になっているシズは、涙を流しながら顔を振り続ける。  
「イクっ!あぁぁっ!らめえぇぇ」  
生殖器に刺さっていた触手がほんの少し太く変化した。  
「ふとくぅっ、くるしいぃの…ひめさまぁぁ」  
シズは髪を振り乱し、錯乱したかのように叫び続ける  
触手は徐々に徐々に太さを増し、限界いっぱいの太さになるとゆっくりと引き出されはじめた。  
「ふぐぅぅ……うぅ」  
 
ズボッ  
 
深々と入っていた触手は、大きな音と共に引き抜かれる。  
引き出される頃にはシズは完全に意識を失っていた。  
引き抜かれた触手の先端は透明でコブのようにふくらみ、こぶの中央には小さな黄色の点が見える。  
「きれい……」  
姫はそっとコブを撫でて見た。  
 
しばらくすると触手の根元から、白い線が触手内に走り徐々に先端に近づいていく。  
白い線はゆっくりと先端までたどりつくと、黄色の点は白い線の中に沈んでしまう。  
「ふふふ…さぁこれからよ…」  
姫はコブを手に取り、シズの生殖器に当てるとゆっくりと押し込み始めた。  
 
ビクン  
 
挿入されたのを感じるのか、シズは奥へおしこまれる度に体を痙攣させる。  
「うぅ……うぅぅ」  
子宮の辺りまで触手が押し込まれると、触手の先端が口のように開き、子宮口にびっちりと隙間なく吸  
い付いてしまう。  
「ひぃっ!きゃああぁあぁぁぁああぁぁ」  
強烈な熱感で意識を取り戻したシズは、姫が思わずエラをふさいでしまうほどの悲鳴を上げた。  
目は見開き、口は半開き、手は力なく空を握る。  
そんなシズの手を姫はギュッと握り締め、指先に口をつけた。  
「もうすぐよ…もうすぐ」  
姫は手を握り締めたまま、顔をシズの腹に押し付ける。  
 
ドクッドクッ  
 
シズの胎内でそんな力強い音が聞こえ、姫は思わず自分の股をおさえた。  
触手は徐々に細くなり、少し太めの糸ほどの太さになると力なく引き抜かれた。  
「おつかれさま」  
姫は萎んだ触手を手に取ると、優しくイソギンチャクの中へと触手を戻してやる。  
そうしている間に、イソギンチャクはシズの体の固定をはずし、何本かの触手で岩肌に向けて横たえた  
 
シズはぐったりと体を伸ばし、完全に意識を失っている。  
「はじまる……」  
しばらくするとシズの生殖器からゴポっと粘液が溢れ、キラキラと光るナニかが出始めた。  
姫はその様子を興奮を隠し切れない様子で見つめ続ける。  
キラキラ光るナニかは広がり続け、しばらくするとシズの生殖器から金色の卵が生まれ始めた。  
卵は外に飛び出るとふわふわと水の中を漂い、小さなイソギンチャクの側に着床する。  
着床した卵は最初は震えるだけだったが、しばらくすると口を開き、小さな触手を伸ばした。  
触手は必死にキラキラするナニかを捕まえ捕食していく。  
姫はそっと小さなイソギンチャクの側までいくと、優しく触手を撫でてやる。  
「かわいいシズの子……はやく大きくなりなさいね」  
姫はそうつぶやくと、大きなイソギンチャクの触手に口付けをし、気絶したシズを抱きかかえた。  
「ほんとに可愛い子」  
完全に気絶しているのを確認すると、シズの唇に自らの唇を重ね目を閉じた。  
しばらくそうしていた姫は優しくシズを背負うと泳ぎ始める。  
「さて、グリューの愚痴を又聞かないといけないわね」  
ややうんざりした表情を浮かべながらも、姫は穏やかな笑みを浮かべたまま帰途についたのだった。  
 
おわり  
 

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