中学生の頃、妹は二重人格だった。
なんでも、火を見ると「影羅(エイラ)」という魔族の人格が現れるそうで、
真っ暗な部屋の中で唐突にマッチを擦っては、
「……ヘヘ、久しぶりに外に出られた。この小娘は意思が強すぎて困るぜ(笑」
などと乱暴な口調で叫んだりしていた。
ある日、
「ククク、こうなってしまえば、小娘も我が意のままだ…」
などと声がするので、また影羅かと妹の部屋を覗いてみたら、妹はベッドに仰向けになって膝を立てていた。
傍らの机には、アロマキャンドルが揺れている。
妹の手は、立てられた膝の間にあって…色々と動いているということは、つまり、アレの最中らしい。
「いいぞ、このまま我が右手に身をゆだねるがいい…」
息を弾ませながらも、妹、いや、影羅は満足そうに喋り続けている。
……ふむ。ということは、このまま放っておくと、妹の人格は、影羅に乗っ取られてしまうということか。
兄として、妹の窮地を救ってやったほうがいいかもしれん。
というわけで、まず、妹の部屋の扉を大きく開け放つことにした。
「おのれ影羅め!無駄に足掻かず、妹の中で大人しくしているがいい!」
妹が弾かれたように半身を起こして、次の瞬間には素早くタオルケットに包まってベッドに突っ伏した。
「ひぁ(;゚д゚)ァ.... !!?お、おにぃ!?なに!?ねねね寝てるんだからドア閉めてよ!!」
素直にドアを閉めた。
「……今さら妹のふりをしても無駄だぞ、影羅」
「ちょっバカ!出てってよ!」
「大事な妹が、魔族に乗っ取られようとしてるのに、おめおめと帰れるか!
案ずることはないぞ、妹よ。お兄ちゃんは、実は邪気眼を持っているからな」
言うなりタオルケットを剥ぎ取って、影羅を押し倒した。
部屋着として使っているロングTシャツの裾がめくれ上がって、綿のパンティが丸見えになる。
「バカ!離して!」
「お兄ちゃんは普段、邪気眼を封じているんだ。この封印の技術を応用すれば、影羅をもっと完璧に封印できるかもしれないぞ」
そう言いながら、パンティ越しにてのひらを股間に押し付けてみる。
柔らかくさすると、てのひらに小さな突起が当たるのを感じた。
…いわゆるクリトリスってやつかな?
「ぁんっ」
影羅が小さく喘ぐ。
多分、さっき、兄が乱入したせいで、寸止めされていたのだろう。敏感だ。
このまま、てのひらで円を描くように撫で回すことにする。
触れるか触れないかの位置で、でもクリトリスの先端は、確実にてのひらでこすれるように。
「やっ、おに、おにぃ…だめ…」
影羅が妹の声音を使って、封印作業を邪魔しようとする。
「ダメじゃないだろ。性行為は聖行為に通じるんだ、これで影羅は完全に封印できるはず…!」
てのひらで撫で回すのはこのくらいにして、次はクリトリスを指先で弄るとしよう。
直接触ったり、乳首くらいの感覚で弄ると痛いらしいのは知っているので、パンティ越しに優しく優しく。
今、妹を支配しているのは影羅だとはいえ、身体は妹のもの。最大限に労わってあげたい。
指先をクリトリスの先端に当てて、ぶるぶると震わせてみた。
「ぁっあっああ!ヤバ、だめ、あ、あぁぁっ」
影羅が嬌声を上げて、全身を激しく戦慄かせる。
「イった?」
「い、イってなんか」
「くっ、やはりしぶといな…影羅」
「え!?」
きゅぅ
かなり大きく膨らんでいたから、下着越しでも、クリトリスを摘むのは簡単かと思ったが、意外とつかみどころがない。
摘み上げては逃がして、また摘んで…というのを4回くらい繰り返していたら、
「やぁあっ、やめ、もう、おにぃぃ〜っ」
腰がビクビクしている。
パンティが一気に重くなった、と思ったら、あっという間にパンティから愛液が染み出してきた。
ああ、これが潮吹きと言うヤツか…。
シーツを汚すのはイヤだろうから、目に付いたビニールの袋を下に敷いてあげることにする。
多分、どっかの服屋の袋だろう。けっこう大きくて、1枚でフォローできそうだ。
パンティはすでにパンティとしての機能を失っていて、びしょぬれで股間に張り付く猥褻な布でしかなくなっている。
アロマキャンドルの光源で、くっきりと浮かび上がったクリトリスの影がエロい。
指で転がすばかりじゃ芸がないが、かといって下着を脱がしてしまうのも抵抗がある。影羅だろうが魔族だろうが、妹は妹なのだ。
いわば、下着1枚が境界線。
それはさておき、なにかつかえそうなアイテムはないかとベッド周辺を見回す。
ベッド脇に綿棒のケースが転がっていたので、1本、抜き取った。
メイク用の綿棒なんてあるんだな。先端がとがっている…コレは使えるな。
さっそく、綿棒の先端で、クリトリスをつんつんと突きまわす。
「ひゃっ、それ…くすぐったいよぉ…」
もぞもぞと腰を揺らす影羅。
綿棒は意外と堅い。強く押し付けて傷つけないよう、細心の注意を払って根元から先端へとクリトリスの輪郭をなぞった。
「はぅぅ…ん」
気持ちよさそうじゃないか、影羅め。
最初はあれほど罵声をあげて暴れていたくせに、今では素直にM字開脚して、すすり泣くような声を漏らしている。
指でクリトリス周辺の布を押して、よりクリトリスが浮かび上がるようにしながら、こりこりむにむにといじりまくる。
力を加えれば加えた分だけ柔軟に動くようで、芯はぷりっと固い。
あえて例えるとしたら、コンニャク…とか…どうだろう。ちょっと違うか。
これ以上ないくらいに膨らんだクリトリスの影を眺めながら、兄は次の行動を思案する。
しかしもともとクリ責めのスキルなど持っていない兄は、すでに指責めと綿棒責めのほかにレパートリーが思いつかない。
というか、あと1つくらいしかアイディアがない。
……舐めてみようかな。パンティ越しに。
「よし、これでトドメだ、影羅!」
じゅぶっ。
今まで嗅いだことのない種類の甘い匂いが鼻腔に充満する。
「ぁひいあっ!?」
適当に吸い付いたが、舌で探るとクリトリスの突起はすぐに見つかった。
フリスクを1粒だけ口に入れたときのように、舌先でしつこく舐りまわすと、影羅が狂ったように腰をグラインドさせてきた。
「ああっああっ、それイイだめぇっ、だめ、イイ、ああっ」
ダメなのかイイのかどっちだよwww
というツッコミは、口元に腰を押し付けられているから出来ない。
ガクガク震える腰が当たって痛いので、ラグビーのタックルのように、がっちりと影羅の腰に抱きついて動きを止める。
「あ、おにぃっ、おにぃぃ…!」
舌先でクリトリスの位置を確認して、唇をよせて、思いっきり吸った。
「…ぁぁあああぁんっ!!!!?」
ひときわ高い嬌声を放って、妹はがっくりと脱力した。
イきすぎると気絶する、というのはただのウワサ話ではなかったようだ。
風邪をひいたらいけないので、優しい兄はタオルケットをかけなおしてあげ、アロマキャンドルもきちんと火を消して、部屋を出た。
それ以来、影羅とやらは、パタリと出なくなった。
邪気眼の封印術はすごい。兄は改めてそう思った。