夢をみた。  
ガタン、ガタンと規則正しい音と振動で、電車の中にいることが分かった。  
座っているけれど、腰はほとんど座席からずり落ちる直前で、しかも両足は前の席に引っ掛けているのか、M字開脚状態。  
スカートなので、下着丸出しだ。  
夢だけど…悪夢だ。いくらなんでも恥ずかしすぎる。なんて格好してるんだ。  
とりあえず両足を下ろそうとしたけれど、身体はぴくりとも動かない。夢の中で金縛り状態。  
仕方がないので、目を閉じて、寝なおすことにした。夢の中の思考回路と言うのは、まともに働かないものなのだ。  
ガタン…ガタン…  
電車の速度が落ちてきた。  
「次は〜撫で回し、撫で回しです」  
?  
聞き間違いか。変な駅名が告げられる。  
なんだろう、と思う間もなく、股間に妙な感触を覚えた。  
 
「何か」に撫で回されてる!!!!  
 
びっくりして目を開けようとしたけれど、どうにも開かない。  
「何か」は下着の上から股間をしつこく撫で回している。  
最初は全体を大きく撫で回していたのが、次第に範囲を狭めてきた。  
クリトリスだ。  
気味が悪いのに、意思とは関係なく、クリトリスが反応し始めてしまった。  
気味が悪いのに…撫で回されるのがキモチイイ。  
 
いつの間にか、電車は再び走り出していた。  
 
「何か」は相変わらず、クリトリスを中心に、もぞもぞと撫で回してくる。  
イけるほど強い刺激ではない。ただぼんやりと、気持ちがいいだけ。  
物足りなさを感じ出した頃、またアナウンスが流れた。  
 
「次は〜揉み転がし、揉み転がしです」  
 
途端、「何か」の動きが変わった。  
ピンポイントに、クリトリスを捉え始めたのだ。  
ぐにぐにぐに。むにむにむに。  
「ぁはっ!んうっ!」  
まさしく、揉み転がしだ。クリトリスが「何か」に包まれて、めちゃくちゃにされている。  
突き上げる快感に、声が抑えられない。  
どんどん追い詰められて、ついに閉じた瞼の裏に閃光が走った。  
「ぁうううんんんん〜!!」  
太ももの内側がビクビクと痙攣した。  
…イってしまった。  
気味の悪い「何か」に…いじられて…。  
 
「次は〜こすり上げ、こすり上げです」  
 
一瞬、放心していた私の耳に、またあのアナウンス。  
ぎょっとしたのと、「何か」が動いたのは同時だった。  
「何か」は紐のようになって、クリトリスを上下にこすりだした。  
敏感な先端がざらざらと擦れて、容赦なく快感を送り込んでくる。  
「ああぁぁ!だめぇぇ、もう、あっい、イったの!イってるのおおお!」  
イったばかりの身体には、拷問に等しい刺激だ。  
ずりずり。ふるふる。  
紐が上下するたびに、私の身体は絶頂を迎える。  
腰がはねて、座席から落ちないのが不思議なくらいだ。  
下着はぐっしょり濡れていて、紐の感触がダイレクトにクリトリスに伝わってしまっている。  
 
「次は〜嘗め回し、嘗め回しです」  
 
紐の感触が消え、代わりにぬるぬるしたものがクリトリスにあてがわれる。  
もう駄目!!!これ以上されたら狂ってしまう…!!  
 
と、その時だ。  
「そこまでだ!」  
凛とした声に、私はぱちりと目を開けた。身体の自由が戻っている。  
そんな私の前にいたのは…寺生まれで霊感の強いTさんだ!  
「破(;゚д゚)ァ.... !」  
Tさんの両手から青白い光が飛び出し、電車内を埋め尽くした。  
アナウンスの声が、ぎゃあともぐわあともつかないうめき声を上げた。  
 
「危なかった。あと一歩で、淫夢に取り込まれて、永遠に目が覚めないところだったぞ」  
 
そう言って、Tさんは電車を降りて行った。  
エロにも動じない、寺生まれってスゴイ。つくづくそう思った。  
 
 

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