『血の宴』
「くっ・・・」
目の前にうごめく気持ちの悪い生物を見、真由は息を飲んだ。
公園に謎の怪物が出現したので、至急駆除して欲しいという連絡を受け、
秘密警察の一員である真由は、先ほどこの公園に到着した。
真由は今まで、多くの敵を見てきた。
銀行強盗、通り魔・・・。
まだこの秘密警察に入って間もない上、18歳という若さのため、
真由は実際に彼らと戦った事はない。
しかし、先輩の男性警察が闘っているのを、現場で見てきた。
真由もいつかはあんな風に戦って、人々の役に立ちたいと思っていた。
そして今日、連絡を受けた支部から出動してきたのが、この真由という少女だった。
一人で敵と向かい合うのはこれが一回目、つまり、これは真由のデビュー戦というワケだ。
だが、今回の謎の生物は、今まで真由が見たことも無いものだった。
体からは数多くの触手が生え、不気味に蠢いている。
巨大な虫のような風体のそいつは、真由を鋭い眼光で狙っているのだった。
近づくのは得策ではないと感じた真由は、すぐに拳銃を取り出す。
弾を込めて、射撃訓練通りに狙いを定める。
・・・といっても、相手は全長2m以上はありそうなデッカイ的なのだが。
実際に、生きているものに発砲するのはこれが初めてだったりする。
『パァンッ!パァンッ!』
公園に渇いた銃声が鳴り響く。
しかし、ターゲットに効果は無いらしく、微動だにせずこちらを睨み続けている。
「ちょっとくらい効いてくれてもいいのに・・・」
悔しげにそんな独り言を呟いてみる。
しかし、銃を撃たれても平気なほどこの化け物は強いらしい。
どうしよう・・・こんなのがデビューの相手なんて聞いてないよ・・・
真由が内心、帰りたいような気持ちに囚われた、その時。
ビュッ!!
「えっ・・・!?ちょ、ちょっと!!」
真由はとっさに体を横っ飛びにし、突然伸びてきた触手から逃れた。
しかし避けた所にも触手が飛んでくる。
しまった!そう思ったときにはもう遅く、
触手は真由の腹部に巻き付いてしまう。
「い、いやぁっ放してっ」
触手は予想以上に冷たく湿っていた。
その不気味な感触にぞっとなった真由は、護身用ナイフで触手を切りつける。
しかし弾力があるからなのか、触手は少しも切れない。
突然、ぐんっと体が揺れた。
すると真由は触手に捕まったまま、怪物のすぐそばまで引き寄せられてしまった。
近くで見るとさらに不気味な風体だ。
その気持ちの悪い怪物に我を忘れた真由は、触手から逃れようと必死に抗う。
「いやぁぁぁっ、放して、放してぇぇぇっ」
しかし、触手はほどけず、化け物は不気味にギチギチと口からおぞましい音を出すだけだった。
怪物に捕らえられた真由は、自分が警官の一人なのだという自覚も忘れ、ただただ目の前の異様な生き物に怯えていた。
これから自分が何をされるのか、考えるのもおぞましい。
その間にも触手はどんどん増え、腹部も先ほどより強く絞め付けられ、非力な女の腕ではもはや逃げる事は不可能だった。
「い、いや・・・」
呼吸がどんどん早まる。腹が抑えられているので、余計に苦しい。
気がつくと、真由の手は後手に触手で縛られ、動かなくなっていた。
と、一本の触手が、青い制服の上から真由の体を触りだした。
「ひっ・・・」
うねうねと意志を持つように素早く体を一回りしたかと思うと、やがて不満そうにその触手は引っ込んでいった。
ごくり、と真由が唾を飲む音が公園に響き渡る。
と、ここで怪物は真由の数メートル後ろに、あるものを見つけた。
先刻、真由が触手から逃れようと使った小型の護身用ナイフだ。
さっそく、そのナイフの柄を触手で握り、自分の元へと引き寄せる。
化け物の表情など真由には分からないが、おそらくこの時怪物はニヤリと笑っただろう。
触手に握られたナイフは、絶妙な手つきで真由の制服を裂き始めた。
体に傷がつかないよう、細心の注意を払っているようだった。
ナイフが動くにつれて、真由の青い制服はビリビリと破かれ、その肌が顔を出し始めた。
そしてついに全身の服が切り取られ、真由の裸体があらわになった。
訓練でキュっと引き締まった身体。
大きくはないが形が整って張りのある乳房が緩やかな曲線を描いている。
その頂上には、淡いピンク色の乳首がちょこんと乗っている。
それら全てが包み隠さず外気にさらされた。
「こ、こんなのいやぁ・・・もう、もうやめて・・・」
真由は、弱々しく首を振り涙をこぼした。
元来、真面目な性格の真由は、実は異性との交際などに関しては全くの初心者なのだ。
男の人と握手をする、という些細な事でもかなり恥ずかしく思ってしまう。
そんな真由が、気持ち悪い生き物に服を剥がれ、裸体をさらしたのだ。
彼女の絶望と羞恥は計り知れない。
しかしそんな事にもお構いなしに、さきほどとは打って変って触手が水を得た魚のように元気にうねり出した。
最初は一本だけだったが、すぐに二本、三本、四本と触手は増え、
真由の裸体を味わおうと、とうとう数十本の触手が真由の目の前に現れた。
そのどれもが、見るだけでも気分が悪くなるような不気味な運動をうねうねと続けている。
真由は、もう声も出ない。
まず、一本の触手が真由の脇腹に触れた。
服の上から触られた時はそうでもなかったが、今は肌が何にも守られていない。
あの冷たくて湿った感触が、直に真由の体内にくまなく走った。
「あんっ・・・」
真由はたまらず切なげな声を漏らした。
その声を聞き、触手はゆっくりと真由の身体を撫で始めた。
脇腹からへその周り、みぞおちの辺りを、じっくりと時間をかけて愛撫する。
「ぁ、ぅう」
やがて一本だけでなく、応援に駆けつけた様に三本の触手も真由に触れ始める。
背中・首・腋、太もも・足首、腕・肘と、まんべんなく撫でる。
弱い火にじわじわと身体の中を焙られるような感覚に、真由の口からは断片的に声が漏れ続ける。
「あ、あんっ・・・ぅあぁ」
むず痒いような、感じた事のない感触が途切れることなく続く。
真由の全身はヒクヒクと震え続け、その痙攣は真由の胸に充分な酸素を送らない。
じっとりと体中に汗をかき、息も絶え絶えに真由は呻き続ける。
いつ終わるとも知らない無限の愛撫に、真由はゆっくりと侵食されていく。
「はぁ、あぁ・・・あんっ・・・あ、ぁぁっ・・・」
なだらかな乳房の上下するリズムも、どんどん速くなっていくのだった。
震える乳房の頂上に乗った乳首も、充血して固くなり、ツンと立っていた。
その乳首にそよ風が当たり、真由の胸になんとも言えない冷却感を与える。
その感覚も、真由の身体をさらに痙攣させる。
真由は・・・認めたくはないが・・・この愛撫にほんのりと快感を感じるようになってきた。
しかし、その悦楽はやはり微々たるもので、本人は自分が怪物に弄ばれて感じている事に気付いてさえ居なかった。
脇腹や背中への愛撫に、必死に抵抗しようと身をよじるが、それは彼女の体力を奪う以外に効果はない。
と、突然触手の動きが止み、それまで執拗に真由を嬲っていた触手数本が裸体から離れた。
ふぅ、ふぅ・・・と、真由の荒い呼吸音が響く以外は、しんと公園中が静まり返った。
今度は何をされるの・・・?
真由は朦朧とした意識の中、次にどんな責めが自分を待つのかを待つだけだった。
すると、さっきまではバラバラだった触手が数本ずつで束を作り、太い触手を作り上げた。
そしてその触手の先をくるりと丸め、ドラえもんの手のような形になった。
その丸い手が、またも真由の身体に触れる。
グニグニと、触手のげんこつ身体中に押し当てる。
さっきまでは一本一本だけだったが、今度はまとまって真由の体の中にダイレクトに振動が伝わる。
まるで電気あんまだ。
「あ、あんっ、も、もぅっやっ、ふぁ、やめて・・・ぅぁっ」
主に腹と腋を重点的に責める振動。
真由の口からは唾液とテンポの早い喘ぎがこぼれる。
バラバラの触手では敢えて触れられなかった乳房にも、電気あんまは振動を伝え始める。
ごりごりと胸を圧迫され、一気に感覚は大きさを増す。
「あっ、あぁっ、あぁぁぁぁぁっ」
やがて腹や太ももを責めるげんこつはそのままに、胸を責めていたげんこつは次第にほどけはじめる。
そして何本もの触手がしっかりと左右の乳房を包む。
乳首をこりこりと、束の内側にある触手の先端が弄び始めた。
「ひぁぁっ、あぁ、うぁぁぁぁ」
充血しきった乳首を、時にすり潰され、時につねられ、時にころがされる。
もう真由は、完全に怪物のおもちゃにされてしまっていた。
違うところを触れば、また違った喘ぎ声が出る。
喘ぎ続けた真由の声は次第にかすれ、肌は汗で妖艶にぬめっていた。
長時間の愛撫で、真由の股からは粘り気のある液がどくどくと溢れていた。
もはや快楽の海にぐったりと身体を預け始めていた真由の目からは、生気が消えている。
そろそろか、という具合に、振動で喘ぎ続ける真由の秘部に三本の触手を束ねて伸ばす。
ぴとっ・・・と、触手は優しく真由のあそこに触れた。
ビクンッと真由の身体は大きく痙攣し、
「ふぁっっっ!!」
枯れた喉からも、ひときわ甲高い悲鳴が上がった。
そして、ぐちょっ、ぐちょ、と、触手は真由の割れ目を摩り始めた。
「はぁぁぁぁぁっ、ふぁぁぁぁぁっ」
喉から搾り出される喘ぎ。それに応えるように愛撫の手を速める触手。
「いやぁぁぁっ、もうやぁぁ、ぁぁぁぁっ」
子供のように首を烈しく振り、泣き喚く真由。
もう何が何だか分からない。
すると突然怪物は、触手を真由の割れ目に挿れ始める。
「な、なに・・・くぁぁっ」
たっぷりと濡れていたので、先端が入るとあとは容易かった。
どんどんと自分の中に異質の物が入り込んでくる。
真由は恐怖と悲哀と痛みで我を忘れた。
「あぁぁぁあぁぁっっ」
触手の先端が、一瞬、押し戻されるような感覚を受けた。
真由は、処女だったのだ。
しかし、別に問題ではないという風に触手は処女膜を突き破り、ついに真由の身体の奥まで到達した。
真由の穴からは、赤のすこし混ざった愛液がじわじわと溢れ出た。
さすがに小柄な真由だけあって中はきつく、触手を締め付ける。
だが本能だけで動く怪物は真由のことなどお構いなしに、挿入した触手を徐々にうねらせる。
そのうねりに合わせて、真由の甲高い喘ぎが出る。
「あぁんっ、あっはぁっ、ぐぁぁっ、いぁぁっ」
かなりのスピードで触手が動く頃には、真由はもう、叫ぶだけだった。
そして、真由も絶頂を迎える。
「あぁぁあぁあぁあああぁーーーーっ!!」
全身を反らせ、天を仰ぐ真由。
一声叫んだ後、ぐたっと意識を失った。
秘部からは液が泉のように溢れ、止まらない。
口は唾液にまみれ、真由の凛とした顔立ちは鼻水と涙と汗でぐちゃぐちゃになっている。
怪物は満足したのか、それともまだ遊び足りないのか。
全裸の真由を無数の触手で見えなくなるまで包み、しっかりと四つん這いの背中に乗せる。
そして、ガサガサと不気味な足音を立てながら、公園を後にする。
どこへともなく、怪物は姿を消していった。
残ったのは、ビリビリに裂かれた青い制服。
そして怪しく光る小さなナイフだけだった。
<END>